実測値あり – Rapid triggerキーボード30種類の性能を比較
筆者が所持しているRapid triggerキーボード30種類以上の性能を比較してみました。
ボトムデッドゾーン
ボトムデッドゾーンの数値が小さい機種は、キーを底まで押した状態から離したときに入力がオフになるまでの速度が速い=Valorantのキーを離すストッピングが高速で行えます。
±0.03mmくらいで見てください
名前 | 販売サイト | Bottom deadzone (最小値) | Bottom deadzone (最大値) | Hz | キー配列 | レイアウト | 検知方式 |
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MelGeek Cyber01 | Rabbit / MelGeek CODE: MIONIGG (8%OFF) | 0.016 | 0.02 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
HM66 / HM Xu / Loong66 | Rabbit | 0.018 | 0.028 | 8000 | ANSI | 60% | 磁気 |
Sikakeyb Castle CK75 | AliExpress / MechKeys CODE: MIONIGG ($5 OFF) | 0.07 | 0.091 | 8000 | ISO | 75% | 磁気 |
MelGeek MADE68 | MelGeek CODE: MIONIGG (8%OFF) | 0.105 | 0.119 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
Varmilo Victory | ふもっふのおみせ | 0.188 | 0.202 | 8000 | ANSI | 65% | 磁気 |
Wooting 60 HE+ | Wooting | 0.236 | 0.25 | 1000 | ANSI | 60% | 磁気 |
ZENAIM Keyboard | Amazon | 0.238 | 0.245 | 1000 | JIS | TKL | 磁気 |
Wooting 60 HE (ARM) | 終売 | 0.249 | 0.286 | 1000 | ANSI, ISO, JIS | 磁気 | |
VXE ATK68 (L版) | Rabbit | 0.31 | 0.368 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
SteelSeries Apex Pro (2023) TKL US | Amazon | 0.347 | 0.39 | 1000 | ANSI, JIS | TKL | 磁気 |
Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless | Amazon / Razer / GRAPHT | 0.349 | 0.37 | 1000 | ANSI, JIS | TKL | 光学 |
Akko MOD007PC 7th Anniversary | MechKeys | 0.356 | 0.399 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
Redragon FIDD | AliExpress | 0.36 | 0.678 | 8000 | ANSI | 60% | 磁気 |
Corsair K70 MAX | Amazon | 0.398 | 0.413 | 8000 | JIS | Full | 磁気 |
VXE ATK75 (G版) | Rabbit | 0.422 | 0.439 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
VXE ATK68 (G版) | Amazon / AliExpress | 0.422 | 0.439 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
VXE ATK75 (L版) | Rabbit | 0.45 | 0.471 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
Meletrix Boog75 | Amazon / 遊舎工房 | 0.462 | 0.47 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
ELECOM GAMING VK600A | Amazon | 0.464 | 0.601 | 1000 | JIS | 65% | 磁気 |
Arbiter Studio Polar 65 Neo Tokyo | ふもっふのおみせ | 0.485 | 0.521 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
IROK ND75 | MechKeys CODE: MIONIGG ($5 OFF) | 0.489 | 0.519 | 8000 | ANSI | 75% | 磁気 |
Keydous NJ80-CP HE | Keydous CODE: MIONI ($10 OFF) | 0.503 | 0.531 | 1000 | ANSI | TKL | 磁気 |
ELECOM GAMING VK720A | ELECOM | 0.511 | 0.555 | 1000 | ANSI, JIS | 75% | 磁気 |
Keydous NJ98-CP | Keydous CODE: MIONI ($10 OFF) | 0.583 | 0.591 | 1000 | ANSI | 95% | 磁気 |
DrunkDeer G65 | Amazon / DrunkDeer | 0.587 | 0.61 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
WAIZOWL Lightning60 | Ark | 0.596 | 0.637 | 1000 | ANSI | 60% | 磁気 |
DrunkDeer G60 | DrunkDeer | 0.604 | 0.626 | 1000 | ANSI | 60% | 磁気 |
DrunkDeer A75 | Amazon / DrunkDeer | 0.851 | 0.883 | 1000 | ANSI | 75% | 磁気 |
LAMZU Atlantis PRO KEYBOARD | Lamzu | 0.86 | 0.879 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
Yuki Aim Polar 65 Katana Edition | ふもっふのおみせ | 0.955 | 1.027 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
REALFORCE GX1 (30g) | Amazon | 1.177 | 1.221 | 1000 | ANSI, JIS | TKL | 静電容量 |
REALFORCE GX1 (45g) | Amazon | 1.192 | 1.356 | 1000 | ANSI, JIS | TKL | 静電容量 |
Arbiter Studio Polar 65 | ふもっふのおみせ | 1.394 | 1.416 | 1000 | ANSI | 65% | 磁気 |
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Rapid triggerにおける「デッドゾーン」とは?
Rapid triggerキーボードは、磁気式や光学式などの方式の違いはあれど、どれも信号のやり取りによって入力を検知する仕組みになっています。
Rapid triggerキーボードのスペック表を見てみると、「0.1mm」などの数値が記載されています。性能がどれほどなのかを示すためですね。
大体のキースイッチは約4mmくらい押せるようになっています。
そのうち最初と最後の0.1~1mmくらいは信号が弱いので、スペック通りに動かず、キーがまったく反応しない微妙な隙間ができてしまうことがあります。これをデッドゾーンと呼んでいます。
- トップデッドゾーン:最初のほう。ストロークの頂点にあるデッドゾーン。キーを押し始めたとき、入力がオンになる速度に影響する。
- ボトムデッドゾーン:最後のほう。ストロークの底にあるデッドゾーン。キーを一番深くまで押した状態から戻したとき、入力オフになる速度に影響する。
多くのRapid triggerキーボードにはデッドゾーンがあり、その長さは機種によって異なります。
Valorantのキャラクター移動時に、WASDキーを底まで押していることを前提に話すと、
- ボトムデッドゾーンが0なら、キーを離したらすぐに入力が終わり、ストッピングが掛かる
- ボトムデッドゾーンが1mmあると、キーを離してから1mm戻った時点で入力が終わり、ようやくストッピングが掛かり始める
- ちなみに… 少し前まで主流だったCherry MX Silver (銀軸)は、キーを底打ちから約2mm戻すとようやく入力が終わり、ストッピングが掛かり始める
といった具合です。「Rapid triggerキーボードを使ってValorantのストッピングを高速化したい!」と考えている場合は、デッドゾーンの短さを重視してみてもいいと思います。
とはいえ、人それぞれ自分に合った設定があります。また、人によっては1mm未満の差を体感できないといったこともあるかもしれません。デッドゾーン短いのが正義とは言い切れません。
ただ、デッドゾーンが短いということは、それだけ設定の幅が増えることと同義なので、Rapid triggerキーボードを選ぶうえである程度は考慮しておきたい部分ではあります。
測定方法について
– PCにキーボードを接続する
– 最新のファームウェアにアップデートする (2024/5/5時点)
– キーをマイクロメーターで底まで押し込み、入力され続ける状態にする
– マイクロメーターのゼロリセット機能で測定値を0に戻す
– マイクロメーターで徐々にキーを戻していき、入力がOFFになったときの移動距離を記録
– 1,2,3,Q,W,E,R,A,S,Dの10キーで繰り返し、最大値と最小値をリストに記載
今回使用した機材は、自作の固定器具を使って、Mitsutoyoのマイクロメーターを固定したものです。マイクロメーターは25-50mmの範囲を0.001mm刻みでアナログ測定できるものです。
0.001mm刻みで計測できるとはいっても、測定機材やキーボードの固定方法によって誤差は生じるかと思いますので、測定データはあくまで参考値として扱ってください。
いつも拝見しております。ちょうどデッドゾーンについて気になっていたところなので、今回の検証大変ありがたいです。当方、デッドゾーンについてあまり明るくなく恐縮なのですが、デッドゾーンは入力した深さによって変わることはないのでしょうか。検証では環境を統一するために底打ち状態から計測されていますが、最大まで押下しない状態からキーを戻した場合に入力が解除されるまでの長さも知りたいです(例えば、最大ストロークが4mmのキーボードで、1mmまで入力した状態からキーボードを戻した場合)。表現が分かりにくくて申し訳ありません。教えていただけると幸いです。
Wraith W75の検証もお願いしたいですm(__)m