HM Z Platform HE PCB Kit

HM Labのゲーミングキーボード HM Z Platform HE PCB Kit (HM61Z / HM64Z) に関する情報をまとめました。

HM Z Platform HE PCB Kit (HM64Z) スペック

「HM66」「HM66 Aegis」で知られるHM Labの新作ラピッドトリガーキーボード「HM Z Platform HE PCB Kit (HM64Z)」をレビューします。

驚異的なカタログスペックを備えており、前作と比べて大幅な性能向上が期待できます。しかし、前作の強みだった「分割スペース」(スペースバーを3分割できる仕様) には対応していません。

本製品はPCB Kitなので、足りない部品を揃えて組み立てる必要があります。

本製品の他に、ケース、スタビライザー、キーキャップ、スイッチが必要です。
費用感としては、PCB Kit ¥16,800にパーツ代が上乗せされるので、¥30,000はほぼ確実に超えてくるでしょう。選ぶ部品によっては¥40,000超えも覚悟しなければいけません。完成品と比べると高くつきやすい傾向にあります。

このPCBの特徴は、高輝度な南向きLEDと、スイッチとスイッチの隙間に独立したライティングゾーンがあること。通常のRGBバックライトを備えたキーボードと比べて、ライティングがとにかく目立ちやすい設計となっています。

この特徴を活かしたかったので、半透明のケースとキーキャップを採用しました。

今回組み立てたキーボードの打鍵音を収録しました (動画02:32~) 。

カスタムキーボードの打鍵感や音は、組み立てに使用したパーツや内部のチューニングに依存するので、必ずこのようになるとは限りません。

主流の「Gateron Jade」「TTC KOM」「TTC Uranus」シリーズ、HM Lab独自の「HM Hermony Wind」など、複数の磁気スイッチに対応しています。さらに、スイッチのキーストロークを基準とした設定にも対応しています。今後新しい磁気スイッチが出てきた際に、キーストロークの情報さえ分かっていれば、すぐに最適化して使えるのは強みとなるでしょう。
キャリブレーションは手動のみ。

アクチュエーションポイント0.1mm以上、ラピッドトリガー0.012mm以上の設定を推奨します。

ラピッドトリガーは最小0.001mmに設定可能ですが、「HM Hermony Wind」スイッチ使用時、0.012mm未満の設定では正常に動作しませんでした。キーを最底部まで押し込んだ状態で揺らすと入力の途切れが発生します。

アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの動作は正確で、設定値とほとんどズレがありません。

しかし先述の通り、本機はラピッドトリガー0.001mmの設定に対応してはいるものの、0.012mm未満の設定ではキー最底部付近での入力の途切れが多発することには注意が必要です。

遅延は実測値 平均0.224ms でした。

キーボードの遅延は1ms未満であれば十分に低く、本製品はその基準を満たしています。
さらに遅延の少ない「MM Studio M6Lite+」「GATERON GT60 PRO」「GEONWORKS VENOM60HE」などの機種が存在するため、英語配列60%レイアウトの中でトップクラスに遅延が少ないとはいえません。
前作「HM66」には約2.2msの遅延がありましたが、今作では改善されています。

WEBドライバーに対応しています (https://hmlab.tech)。時間帯によっては重たく、開くのに時間がかかります。

最大5つのプロファイルを作成できます。プロファイルの切り替えは好きなキーに割り当てることが可能です。
キーリマップは直感的に操作できます。Fnキーの再配置は不可能なので注意。
RGBライティングは豊富なパターンが用意されており、輝度の細かな調整にも対応します。
アクチュエーションポイントやラピッドトリガーなどの設定は直感的に行えますが、低い設定値で正しく動作させるには、手動キャリブレーションによる調整が必要となります。
SOCDやMod Tapなどの追加機能にも対応しています。