Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless レビュー
この記事ではRazerのゲーミングキーボード Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless をレビューします。
レビューサンプル提供: Razer
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この製品について
Rapid Trigger対応キーボードは磁気キースイッチが採用される傾向にあります。というよりも、0.1mm単位のような細かいキー押下状況の検知は磁気キースイッチでしかできないのではないかと考えられていました。
Razer Huntsman V3 Proシリーズは自社開発の光学式スイッチ「第2世代Razerアナログオプティカルスイッチ」を搭載していながら、アクチュエーションポイントとRapid Triggerを0.1mm単位で調整できるキーボードとして話題を呼んでいます。
果たして光学式キースイッチでアクチュエーションポイント0.1mmやRapid Triggerはうまく動作するのか、どのような精度を誇るのか、検証した結果をお届けします。
バリエーションと販売価格
Razer Huntsman V3シリーズはフルキー・テンキーレス・60%の3種類のサイズを展開しており、それぞれ日本語配列と英語配列から選択できます。
サイズに応じて価格が設定されており、英語配列よりも日本語配列の方が若干安く入手できます。
製品名 | サイズ | キー配列 | 販売価格 | 商品リンク |
Razer Huntsman V3 Pro | フルキー | 英語配列 | ¥42,880 | Amazon |
日本語配列 | ¥36,980 | Amazon | ||
Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless | テンキーレス | 英語配列 | ¥36,980 | Amazon |
日本語配列 | ¥32,980 | Amazon | ||
Razeer Huntsman V3 Pro Mini | 60% | 英語配列 | ¥29,980 | Amazon |
日本語配列 | ¥26,980 | Amazon |
基本仕様
普段のRazer製ゲーミングキーボードと同じ方向性のビジュアルです。アルミニウム製のトッププレートは、キーの上部にLEDがほんのり反射して見栄えがいいです。
右上にメディアコントロールボタンが2つとダイヤルが1つ搭載されています。ここに割り当てる機能はソフトウェアでカスタマイズすることができます。
マグネット着脱式のリストレストが付属しています。レザーレット製で沈み込まないので、ゲームのための手首のポジション調整に適しています。
ケーブルはUSB Type-C 接続部分がかなり奥に入り込んでいるので、自分で用意したケーブルを使用する場合は相性問題に気を付ける必要があります。
ボトムシェルはプラスチック製。
角度調整スタンドが備わっており、タイピング角度を2°、6°、9°の3段階に調整できます。
標準で搭載されているダブルショットPBTキーキャップは、表面の質感がとても良いです。厚さは実測値1.28mm。少しざらつきのあるテクスチャ加工により、指にまとわりつく感じがなく、他のキーに指を運ぶときに引っ掛かりづらいです。また、汗や皮脂による汚れに強く、長時間ゲームプレイしてもベタつきません。
キースイッチ
Rapid Trigger対応キーボードとしては珍しく光学式キースイッチを採用しています。「第2世代 RAZER™ アナログオプティカルスイッチ」というキースイッチです。Huntsman V2シリーズに搭載されていた光学式キースイッチとは異なり、アナログ入力に対応するため特別に設計されたものです。
すべてのキーにスタビライザーが備わっています。キーの揺れが少ないです。特にキーを押し込んでいる最中のブレが少なく、斜めに押下してもキーが傾かずに真っすぐと降りていきます。
Wooting 60 HEのLekker SwitchのようなGateron KS-20系のスイッチと比べると差は歴然で、DrunkDeer A75やELECOM VK600Aに搭載されているRAESHA製のスイッチと並ぶ安定性です。
第2世代 RAZER™ アナログオプティカルスイッチは押下圧40gを謳っていますが、これはアクチエーションフォース(動作点までの重さ)を表しています。このキースイッチは他のRapid Trigger対応キーボードに搭載された磁気キースイッチと比べてボトムアウトフォース(底まで押したときの重さ)が重たいので、数値以上にキーが重たく、跳ね返りが強い印象を受けます。
打鍵感
打ち心地は可もなく不可もなく。キーがふにゃっと揺れずに真っすぐと降りていくので、しっかりとした打鍵感が得られるように感じます。
トッププレートはアルミニウム製で、ボトムシェルは樹脂製です。消音するための構造にはなっていないので、キーが底打ちするときと跳ね上がったときの音がそれなりに大きかったり、キーを強めに叩くと金属音が鳴るのが気になります。
また、すべてのキーにスタビライザーが備え付けられている影響で、押下時にカシャカシャとパーツ同士の小さな接触音が鳴ります。そこまで不快な音ではありませんが、静音性を求めている方には不向きです。
Rapid Trigger/アクチュエーションポイント
Razer Huntsman V3 Proはアクチュエーションポイントを0.1~4.0mmの範囲で0.1mm単位で調整できます。また、Rapid Triggerは0.1~1.0mmの範囲で0.1mm単位で調整できます。
このキーボードの発表時、光学式キースイッチで最短0.1mmのRapid Triggerやアクチュエーションポイント可変機能が実装できることには驚きを隠せませんでした。果たして問題無く動作するのでしょうか。
アクチュエーションポイント0.1mm設定時、公称値通り、約0.1mmの押し込みで入力がオンになります。実際の感覚としては、キーにわずかに触れるだけでキーが入力されるような感じです。
Rapid Trigger0.1mm設定時、わずかにキーを戻すとすぐに入力がオフになります。キーを押し込むのをやめた瞬間にオフになるような感覚です。体感ではWooting 60 HEと並ぶトップクラスの応答性のように感じます。精度が高く、きびきびと反応します。
VALORANTで移動キーから指を離してストッピングする場合、ストッピング速度の向上が見込めます。2年以上はWooting 60 HEを使用していますが、このキーボードを使用してVALORANTをプレイしていると、いつもよりきびきび反応しているようにさえ感じます。これは、Razerの光学式アナログスイッチがよくある磁気スイッチよりもボトムアウトフォースが重たく、キーの跳ね返りが強いためにそう感じるのかもしれません。
アップストロークとダウンストロークを個別に設定することも可能です。
結論とターゲット
Razer Huntsman V3 Pro Tenkeylessは現状トップクラスに応答性の高いゲーミングキーボードです。最短0.1mmのRapid Trigger/アクチュエーションポイント調整に対応しています。
筆者はWooting 60 HEを2年以上使い続けていますが、体感ベースでは、Rapid Trigger0.15mm設定時のWooting 60 HEと同等かそれ以上の応答性です。ボトムアウトフォースが重たくてキーの跳ね返りが強いから余計に入力オフが速く感じる部分もあるかもしれませんが、キーのオンオフのタイミングに一貫性があり、とにかく動作が安定しています。
バリエーションが多いので好みに合わせて選択できるのは強みです。メディアキーも搭載されたフルキーとテンキーレス、最低限のキーだけを備えた60%の3種類から選択でき、キー配列も日本語配列と日本語配列の2種類が用意されています。
打鍵時にはそれなりに大きな音が鳴るので、静音性を求める方には適していません。カスタムキーボードの系譜ではないのでカスタマイズ性も乏しいです。しかし大半の磁気キーボードで実現できていない性能と動作安定性の高さの両立を達成しているため、ゲーム用途オンリーなら最有力候補になります。
以上、Razerのゲーミングキーボード Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless のレビューでした。
ラピッドトリガー機能のキーはWASDだけでいいから値段下げてって全ゲーミングギアメーカーに言いたい
>キー配列も日本語配列と日本語配列の2種類が用意されています。
誤字ありましたので修正お願いしますm(__)m
はじめまして。いつも参考にさせていただいています。
RAZER HUNTSMAN V3 PROに関して質問なのですが、
ラピットトリガー以外の部分に関してはどうでしょうか。ソフトウェアであったり、ゲームパッドマッピング機能など。
もしよろしければ、ご回答していただけますと幸いです。