WAIZOWL OGM Cloud レビュー
WAIZOWLのゲーミングマウス WAIZOWL OGM Cloud をレビューします。
レビュー用サンプル提供:DeviceArmoury
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この製品について
WAIZOWLはそれなりに国内でも名が知られているメーカーで、OGM Proは第1作目ながらクオリティが高いことが評価され、ハーフエルゴと呼ばれるユニークな形状も話題を呼びました。
第2作目として登場したOGM Cloudはミディアム~ラージサイズの左右対称マウスで、WAIZOWLいわくSenseiからインスピレーションを得たとのこと。確かに見た目はそっくりに見えます。
昨年OGM Proを初めて触ったときにはクオリティの高さに驚かされましたが、果たしてOGM Cloudはどうなのでしょうか。
バリエーション
今のところはレッドの一色のみ。
OGM Proシリーズはマイクロスイッチと本体色が異なるバージョン Ink Feather が時間差でリリースされたので、OGM Cloudもそういったものが今後出てくる可能性はありそうです。
デザイン
真っ赤なシェルに、白いサイドボタンとホイールの斬新な組み合わせ。左側面に漢字で「雲(Cloud)」の印字が施されています。どこかZOWIEの限定カラーモデル感があって良い。
コーティング
シェル表面には滑りづらいマットコーティングが施されています。充分なグリップ力がありながら、指先にしっとりとまとわりつくような質感で、とても快適です。
赤いシェルなので汗や皮脂による汚れは比較的目立ちづらいです。光が当たると跡が残っているのが分かりますが、ある程度は綺麗に保つことができます。
「2代目Fether Coating」と記載があるので、どうやら同じFether Coatingでも第2世代になっているらしいです。触った限りでは OGM Pro (White) と似たコーティングのように感じますが、少し汗に強くなった代わりに少し汚れが目立ちやすくなったように感じます。
ちなみにWAIZOWLは昔のROCCATと同じ塗装工場を利用しているとか。確かにOGM ProもOGM CloudもKone Pure Ultraの質感に似てるように感じます。個人的には最も優れたマウスコーティングの一つだと思います。
ビルドクオリティ
それぞれのシェルに隙間は無く、継ぎ目が目立ったり段差になっている部分もありません。
メインボタンを押したままホイールを回すと今にもぶつかりそうなくらい、それだけ高い精度で組み上げられているのだと感じました。シェルの成型精度・組み立て精度は充分に高いです。
シェルの強度も必要充分と言えます。側面に圧を掛けるとほんのわずかにたわみますが、ほとんどの軽量マウスはこれよりも深くたわみます。各部に圧が掛かったときに軋むような音が鳴ることもなく、安心して使用することができました。
本体を激しく振っても音は鳴りません。バッテリーをはじめとする本体内部の各コンポーネントが適切に取り付けられ、固定されていることが分かります。
強いて言うなら左右メインボタンに若干のプリトラベルがあるくらい。ボタン押下時のフィーリングには違和感が無く、意図せず作動したりすることもありません。それぞれのスイッチは適切に取り付けられています。
マウスソール
標準マウスソールは滑走重視で、初動が軽くて滑りもそれなりに速いです。エッジも適切に処理されています。
しかし、前側と後ろ側で厚さが異なるのが肉眼でも分かります。これが意図したものかどうかは不明です。ミスであればそのうち修正されるとは思います。
前側のマウスソールが僅かにしか飛び出していないため、柔らかいマウスパッドと組み合わせたとき、沈み込むたびにボトムシェルが擦れてしまいます。硬いマウスパッドの上で使用する場合は問題ありませんが、柔らかいマウスパッドの上で使用する際には貼り換えをお勧めします。
ソールガイドにぴったり合う形の大型マウスソールが1セット付属しています。
本体重量/重量バランス
本体重量は公称値55g+2g(重量バランスのための調整分)。実際に測ると57.2gでした。
もうすっかり軽くて当然みたいな空気感が流れていて、50グラム台中盤と聞いて驚く人はいないと思いますが、ミディアム~ラージサイズでこの重量感のマウスは意外と少ないので貴重な選択肢になりそうです。
- 公称値:それぞれのメーカー・ブランドが公称している数値を引用して掲載しています。実際に測った数値とは異なる場合があります。
- 実測値:電気式はかり(音又振動式)「イシダ MB-A300」で実際に測定した数値を掲載しています。
重量バランスは良好です。重心はセンサー付近(本体の真ん中辺り)にあり、重さが偏っている部分はありません。
バッテリー
バッテリー容量は300mAhで、連続使用時間は2.4GHz/1000Hz動作時 最大80時間を謳っています。実際にテストしてみたところ、メーカーが謳っている通り約80時間バッテリーが持つ計算となりました。
一部では最大125時間と公表されていますが、おそらくBluetooth接続時の値だと思われます。
形状と大きさ
WAIZOWL OGM Cloudはつかみ持ちとつまみ持ちに適した左右対称ゲーミングマウスです。寸法は68 x 126 x 38mmで、ミディアム~ラージサイズに分類できます。
WAIZOWLはSenseiからインスピレーションを得た形状だと説明しています。確かに、非常に細かな点を除けばSensei Tenとほぼ一致していて、これはSenseiクローンと言ってもいいのではないかと思います。
Endgame Gear XM2weの形状とも共通点が多いです。そもそもSenseiとXM1はCS元プロのAWPer Johnny Rが両方の設計に携わっているので、いくつかの共通点があるのも頷けるといったところ。
両サイドにくり抜かれているようなくびれがあるのが大きな特長です。
真ん中から先端にかけては程よい角度の逆ハの字になっており、サイドに指先を添えるだけで引っ掛かって固定されます。Endgame Gear XM2weやLAMZU Atlantisシリーズほど逆ハの字の角度はきつくなく、指先が奥に入り込みすぎずリラックスした状態で握り込めるように感じます。
また、両サイドが深くくびれている関係で、実際にグリップしたときは表側から見た本体幅よりも細いように感じます。
本体後部の幅が大きく広がっているのも特長の一つで、深めのつかみ持ちでは手のひらの付け根を含めた広い面で支えることができます。手が大きい人が深めにグリップしても充分にカバーできるほど全長が長いです。
後方から見ると両端までしっかりと高さが残されていることが分かります。これにより、指の付け根で支える浅めのつかみ持ちで、グリップする深さや角度を調整するのに役立ちます。マウス自体は小さくありませんが、相当浅めでも違和感なくグリップできるので、実質的に手が小さい人でも扱えるかもしれません。
前方から見ると、メインボタンはドーム状に丸まっていることが分かります。人によっては人差し指と中指の位置が定まりづらいと感じるかもしれませんが、個人的には気になりません。
Endgame Gear XM2weやLAMZU Atlantisと比べると、OGM Cloudのほうがサイドの逆ハの字の角度が緩やかです。
たとえば、XM2weは軽く指を置いただけで指先が奥に入り込み、しっかりと固定されます。それが良さでもあるのですが、フィットしすぎて窮屈に感じるなどの理由で合わない人もいると思います。
OGM Cloudはフィット感もありつつ、指先が奥に入り込みすぎず、指の位置を微調整したり握り直すためのゆとりがあります。
メインボタン
メインボタンのスイッチはHuano Blue shell Pink dot。クリック感はとても良く、好みが分かれづらそうなものです。プリトラベルが若干ありますが気にならない程度です。ポストトラベルや全体のストローク量は適切に調整されており、とても良い感触が得られます。
ホイールの下部を境目に、鈍感な人でも気付けるほどクリック感が変化します。奥側だと少し柔らかくて反発感は弱め。手前側では少し固くて反発感が強くなり、やや詰まり感のある押し心地に。
指のポジションがホイールの下部よりも手前側にくるのは浅めのつまみ持ちくらいなので、基本的には少し柔らかくて反発感が弱い、Huano Blue shell Pink dotらしいクリック感となります。
サイドボタン
サイドボタンは本体の真ん中よりもやや前側に実装されており、よほど浅めのつまみ持ちでない限りは両方のボタンに指が届きます。本体から充分に飛び出ているのでアクセスしやすく、角が丸まられたデザインによって親指が触れても不快には感じません。
押し心地は固めで、強い反発感があります。プリトラベルとポストトラベルがほとんどなく、圧を掛けるとすぐにスイッチが押し込まれて反応し、離すとすぐに元に戻ります。
非常に使いやすく、重要なキーを割り当ててもうまく機能しました。
ホイール
ホイールはやや小さいように感じます。背は高くもなく低くもなく。
回し心地はやや鈍めで、それとは別にはっきりとしたノッチ感があります。正確性を重視したような感じで、VALORANTやCSでジャンプを割り当てるのには適してそう。軽い力で回せるほうが好みな人には合わなさそうです。
ホイールクリックの固さは並み。適度にストローク量があるので誤入力はまずしなさそう。少し力を加えるだけで歪むことなく真っすぐ降りていってくれるので押しやすいです。
センサー
センサーはPixArt PAW3395です。独自のテストを行った結果、トラッキング性能に問題は見られませんでした。
センサーが搭載されている位置は本体の真ん中辺り。クローン元のSteelSeries Sensei Tenは後方寄りに搭載されていました。
ポーリングレート
ポーリングレートは最大1000Hzで、別売りの4Kドングルを導入すると最大4000Hzでの動作にも対応します。4Kドングルを入手次第、Razer PollingRateTesterやMouse Testerでの動作検証を行う予定です。
高速モードは、他社でも見かけるいわゆる競技用モードです。これはMCUのオーバークロックのような機能で、バッテリー持続時間が約半分になる代わりに動作の安定性を高めたり遅延を抑えたりと、パフォーマンスの向上が期待できます。
ソフトウェア
WAIZOWLが提供するソフトウェアで設定が行えます。こういう小~中規模のメーカーの製品でソフトウェアが日本語に対応しているのは珍しいポイントです。
基本的な設定項目は一通り揃っているうえ、高速モードのオンオフやLoD(1mm/2mm)、デバウンスタイム(0ms~20ms)のような詳細設定にも対応しています。
結論とターゲット
WAIZOWL OGM Cloudについて詳しく見てきました。形状はほぼSteelSeries Senseiクローンと言っていいもので、それを待ち望んでいたという人や、XM1系のサイド部分に癖を感じていた人にお勧めできます。
ミディアム~ラージサイズで50グラム台中盤のゲーミングマウスは意外にも数が少ないので、とても良い選択肢が出てきたなと思う反面、日本国内に限った話だともう少し小さいサイズが出てくればさらに人気が出そうとも感じます。
シェルや各ボタンはうまく調整されていて使用感がとても良いです。OGM Proと同様、非常に高品質なゲーミングマウスです。
以上、WAIZOWLのゲーミングマウス WAIZOWL OGM Cloud のレビューでした。