「Pulsar Xlite V2 Wireless」レビュー。高いコストパフォーマンスを誇る59gのワイヤレスECクローン

「Pulsar Xlite V2 Wireless」レビュー。高いコストパフォーマンスを誇る59gのワイヤレスECクローン

本稿では、Pulsar Gaming Gearのゲーミングマウス「Pulsar Xlite V2 Wireless」のレビューをお届けします。

Pulsar Xlite V2 Wireless
価格: 9,780円(執筆時点)  Amazon

ファーストインプレッション

Pulsarの製品ラインナップはどれも低価格ですが、このXlite V2 Wirelessは高性能なワイヤレスマウスながら1万円を切っています。有線モデルと同じZowie EC2クローン形状で、最大70時間持続するバッテリーを備えていながら重量はわずか59gに抑えられています。

このようにカタログスペック上ではかなり魅力的に見えますが、一体どのような製品になっているのか、本稿で詳しく解説していきます。前作であるXlite Wirelessは筆者の活動休止と販売時期が被っており入手できていないのですが、改善点についても触れていければと思います。

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製品仕様とスペック

カラー ブラック / ホワイト / レッド 表面 マット
形状 左右非対称 サイズ 66.17 x 122.66 x 42.0mm
本体重量 59g ボタン数 5つ
センサー PixArt PAW3370 解像度 50 ~ 20,000DPI
最大加速度 50G 最大速度 400IPS
レポートレート 1000Hz LoD
デバウンス バッテリー 最大70時間駆動
接続方式 2.4GHzワイヤレス ケーブル USB-C
スイッチ Kailh GM 8.0 エンコーダー
ソール PTFE 0.6mm ライティング 非搭載
ソフトウェア 対応 メーカー保証 1年間

パッケージと内容物

Xlite V2 Wirelessのパッケージの内容物は以下の通りです。

  • Xlite V2 Wireless マウス本体
  • レシーバー / アダプター
  • USB-A to USB-Cパラコードケーブル (レシーバー延長/充電の両用)
  • 取扱説明書 / ステッカー

パフォーマンス

接続とバッテリー

接続方式

Xlite V2 Wirelessは2.4GHzワイヤレス接続に対応しています。付属のUSBドングルをPCに接続した状態で、マウス本体底面のスイッチをONに切り替えることで動作します。また、付属の延長ケーブルを用いてマウスとUSBドングルとの距離を近付けることで、ワイヤレス通信の安定性を高められます。

ワイヤレス接続時の通信は安定しており、長時間の動作においても問題は見られません。

バッテリーと充電

最大70時間の連続動作に対応するバッテリーを搭載しています。マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行するため、余計なバッテリー消費を防ぐことができます。

付属のパラコードケーブル(USBドングル延長ケーブルと兼用)で充電しながら使用することができます。

ビルドクオリティ

Xlite V2 Wirelessのビルドクオリティは優れています。シェルは肉抜きされているものの内部で補強されており、グリップした際に軋んだりカタつくことはなく、本体を激しく振っても音は鳴りません。

ボタンやホイールなどは適切に取り付けられており、フィーリングに違和感はありません。

形状と大きさ

Xlite V2 WirelessはいわゆるIE3.0クローンで、ZOWIE ECライクなエルゴノミクス形状のゲーミングマウス。手のひら全体に張り付くような感覚が得られるのが特徴です。 *有線モデルと同じ形状

寸法は公称値66.17 x 122.66 x 42.0mmと、全長がわずかに短いZOWIE EC2といった具合。

両サイドに注目すると、左サイドは自然な形で手を覆いかぶせたときに親指の形状にフィットするように造形されています。右サイドは手前が膨らみ、先端にいくにつれて絞られているので、薬指と小指の付け根から指先まで密着させやすいです。

本体を横から見ると、中央あたりが最高点となっています。本体後部は背が低く、先端にはやや高さがあります。全長が122.66mmとやや短いものの、バランスの良い傾斜により全長の短さを感じさせません。

左右でメインボタンの高さが異なり、右側の方が若干低いです。この違いは、(かぶせ持ち向けの)手のひらへのフィット感を重視する大半のエルゴノミクス形状のゲーミングマウスに見られます。

形状を4方向からチェック

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ZOWIE EC2 / EC1との比較

ZOWIE EC2との比較

本体重量

公称値は59g、実測値は60.3gでした。このサイズ感のゲーミングマウスとしては非常に軽量ですが、剛性は保たれています。グリップした際にシェルが軋むことはありません。

シンプルな内部構造、シェルの肉抜きによって重量を削ぎ落としています。メインボタンやサイドの指先が当たる部分は肉抜きされていないため、そこまでグリップ感に影響を及ぼしません。

Xlite有線モデルと比較すると、サイドの指先が当たる部分がソリッドになったことに加え、ボトムシェルの肉抜き部も面積が狭くなっています。

* 無線接続のゲーミングマウスは充電式のバッテリー(もしくは乾電池)を内蔵するぶん、有線接続のマウスよりも重たくなる傾向にあります。Xlite V2 Wirelessは最大70時間の連続動作が可能なバッテリーを内蔵しています。

重量バランス

Xlite V2 Wirelessの重量バランスは良好です。大半のゲーミングマウスと同じように重心が中心にあるため、マウス操作の際に違和感が生じません。

前作Xlite Wirelessでは重心が偏っていたため、バッテリー配置の調整により修正したとのことです。

グリップ性能

ごく一般的なマット表面。サラッとした質感となっており、グリップ性能は可もなく不可もなく。手汗の量にかかわらず肌に張り付くような感覚は少ないので、グリップ性能が足りないと感じる場合はグリップテープなどで対策することをお勧めします。

触った部分に跡が残りづらく、汗や皮脂による汚れは比較的目立ちづらいです。

持ち方の相性

代表的な3種類の持ち方 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち との相性をチェック。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとの相性は非常に良いです。全長は122.66mmとやや短めに設計されていますが、傾斜の作り方がうまく、全長の短さを感じさせません。Xlite V2 Wirelessのサイズ感はいわゆる中型マウスのそれで、筆者のような平均的な手の大きさで良くフィットします。

両サイドはそれぞれの指を沿わせたときの形に合わせて造形されており、付け根から指先までをサポートします。左から右に向かって背が低くなっていくメインボタンも、自然なフォームで握り込んだときの手の形に合わせて設計されており、手を乗せるだけでフィット感が得られます。

実際にグリップしたときの感覚はZOWIE EC2に限りなく近いです。全長や幅などにややゆとりがあるため、グリップする角度や深さをある程度調整することができます。

それぞれのボタン配置は適切で、メインボタンは不要な力を加えることなく押し込むことができ、サイドボタンやホイールにも容易にアクセスできます。

つかみ持ち

つかみ持ちとも相性が良いです。本体後部が低めに設計されており、手のひらのどの部分を当てても違和感が出づらいです。また、本体重量が59gと軽いので、左サイドのくびれに親指を配置することで、薬指・小指は添えるだけでも容易にマウスが持ち上がります。

上記のことから、それぞれの指の配置が限定されることなく、グリップする深さを調整しやすいです。IE3.0クローンは手の形に合わせて造形されているため、ある程度どの辺りでグリップするかを限定されるものが多いですが、本体重量がここまで軽いと印象が大きく変わります。

こちらもグリップしたときの感覚はZOWIE EC2に限りなく近い印象。それぞれのボタン配置は適切で、メインボタンは不要な力を加えることなく押し込むことができ、サイドボタンやホイールにもアクセスし易いです。

つまみ持ち

つまみ持ちとは相性が悪いです。左サイドが中央より奥側で窪んでいるため、親指が奥側に追いやられてしまい、深めにグリップすることを強いられます。

深めにグリップした場合、指の関節を使った細かなマウス操作の際に、マウスの背が高いために手のひらとマウスとの間に十分なスペースが生まれず、本体後部が手のひらと触れてしまい可動域も狭くなります。

スイッチ

メインボタン

メインボタンにはKailh GM8.0スイッチが搭載され、クリック感は適切に調整されている印象です。

押し心地はやや固いものの、プリトラベル・ポストトラベルが徹底的に排除され、ストロークが非常に短く、跳ね返り感も強いです。これにより、不要な力を加えることなく軽い力でボタンを押し込むことができ、マウス操作やエイムに干渉しづらいです。

やや歯切れが悪く詰まったような感触のようにも思えますが、実際のゲームプレイではうまく機能し、FPSにおけるバースト・タップ撃ちともに正確かつ素早く行うことができます。

ボタンを押し込む箇所によるクリック感の変化が大きく、ホイールより手前側や両端では詰まったような感覚となるため、指の配置はホイールよりも奥側かつ、なるべく中央寄りに限定されます。

左右非対称マウスのほとんどに見られる左右のクリック感の違いは、このXlite V2 Wirelessには見られません。クリック感に違いが出ないよう、内部でスイッチの位置が微調整されています。

サイドボタン

サイドボタンは本体からしっかりと飛び出しており、親指に沿うよう僅かに角度がつけられています。指をスライドして押し込む際にも引っ掛かることなく、マウス操作に干渉しづらいです。

ボタン配置は適切です。マウス本体中央よりもやや奥側、かぶせ持ちとつかみ持ちの両方でアクセスしやすい位置に取り付けられています。

押し心地は固くもなく柔らかくもなく、押し込んだ際の感触が指先に伝わりやすい明瞭なクリック感です。コトコトと低めのクリック音が鳴ります。FPSなどでキャラクター操作などに関わる重要なキーを割り当てても、マウス操作やエイムに干渉しづらいです。

ホイール

ホイールはメインボタンからしっかりと飛び出しており、リングには水平方向に切り込みが入っているため、指に引っ掛かりやすく転がしやすいです。

粒が大きめでノッチ感は弱め。スクロールすると常に弱めの抵抗感があります。これらのバランスがよく、連続したスクロール時にも行き過ぎることなく安定した操作感をもたらします。ただし分離感は物足りず、1ノッチ単位の細かな操作が頻繁に求められるような環境には不向きであると感じます。

ホイールクリックの押し心地は軽く、指に不要な力を込める必要はありません。押下時にはハッキリとした感触があり、やや高めのクリック音が鳴ります。

センサー

Xlite V2 Wirelessは、現行の高性能ワイヤレスマウスによく用いられるセンサー「PixArt PAW 3370」を搭載しています。主なスペックは最大20,000DPI、最大加速度50G、最大速度400IPS。

DPIは50 ~ 20,000で、Pulsarより提供されている専用ソフトウェアで調整可能です。 *本体にはDPIスイッチが搭載されておらず、ソフトウェアをダウンロードして調整する必要があります。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサー性能を検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

xCounts, xSumともに正確で、実際のセンサー挙動にも問題は見られませんでした。この他に『Apex Legends』や『VALORANT』でのプレイテストも実施しています。

* Xlite V2 Wirelessのパッケージに付属する延長ケーブルを使用し、マウス本体に20センチほどまでUSBドングルを近付けた状態で検証しています。

センサー配置

Xlite V2 Wirelessのセンサー配置はややフロント寄りですが、類似した形状のマウスと比べてごく僅かな差です。大半のゲーミングマウスは中央辺りに配置されています。

一部のコミュニティでは”フロントセンサーが優れている”とする風潮もありますが、センサー位置が異なると、同じようにマウスを動かした際のカーソルの移動量が変化するので、ユーザーの好み次第であると言えます。

* センサー配置によって、手首を軸にして弧を描くようにマウスを動かしたときのカーソルの可動域が異なります。センサーがフロント側に寄っているほど、手首の動きを細かく捉えるので、水平方向へのカーソルの可動域が広くなります。

リフトオフディスタンス (LoD)

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス を検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

リフトオフディスタンスが長すぎると、マウスを大きく振ったあと、元の位置に戻すために持ち上げたときにカーソルが余分に動いてしまい、ゲームプレイ中の精密な操作を妨げてしまいます。個人的には1.5mm以下なら〇、1mm前後であれば◎。

Xlite V2 Wirelessはソフトウェアからリフトオフディスタンスを1mm/2mmの2段階に切り替えることができます。「PureTrak Talent」上で計測した結果、リフトオフディスタンスは1mm設定時0.9mm、2mm設定時1.9mmでした。ほぼ公称値通りの結果です。

マウスソール

マウスソールは上下に2枚。材質はPTFEで、厚さは公称値0.6mm。エッジは適切に処理されており、滑走面が粗かったり中間層が柔らかいマウスパッドと組み合わせても引っ掛かりは生じず、スムーズに滑走します。

Xlite有線モデルでは面積の狭いソールを採用していましたが、形状が変更されています。

滑走を重視したソールという印象で、軽い滑り出し・速い滑走速度をもたらします。また、他の類似ソールには見られない「キュッ」といった高めの滑走音が鳴ります。耐摩耗性にはそこまで期待できません。

あらかじめセンサーリングが取り付けられています。これがあることで、センサーとマウスパッドの読み取り面との距離を一定に保ち、マウスに圧を掛けたときなどのカーソル移動量の変化を抑えられます。特に中間層の柔らかいマウスパッドと組み合わせる場合、剥がさずに使用することを推奨します。

Pulsarからは、厚さや形状が異なる4種類のPTFEソール「Original」「Original Thin」「Control」「Power」に加え、話題となったガラス製ソール「Superglide」も発売されています。メーカー曰く、このラインナップから好みに合わせて選択してほしいそう。 *デフォルトはOriginal Thinを搭載

このようにユーザー側で選択できるオプションが充実しているのは好印象です。

ソフトウェア

Xlite V2 Wirelessは専用ソフトウェアに対応しています。以下のURLにアクセスし、ページ下部にあるリンク「ソフトウェアのダウンロード」より入手可能です。

Xlite V2 Wireless Software: https://pulsargg.jp/products/xlite-v2-wireless-gaming-mouse

ソフトウェアはシンプルなUIで構成されており、不慣れでも目当ての項目にたどり着きやすいかと思います。また、動作不良は見られず、筆者の環境ではすべての設定がうまく機能しています。

設定項目は、ボタンへのキー・マクロ割り当て、DPI設定 (50 ~ 20,000DPI)、ポーリングレート (125, 250, 500, 1000Hz)、リフトオフディスタンス (1mm / 2mm)、デバウンスタイム (0~30ms)、リップル制御/直線補正のオンオフなど。

DPIやポーリングレートといった基本的な設定だけでなく、リフトオフディスタンスやデバウンスタイムといった細かな部分まで調整可能です。自分に合ったセッティングを見つけることで、ゲームで最大限のパフォーマンスを発揮することができます。

結論とターゲット

「Pulsar Xlite V2 Wireless」について詳しく見てきました。本体重量をわずか59gに抑えつつワイヤレス化されたZowie ECクローンマウスです。非常に軽いとはいえビルドクオリティは損なわれておらず、最大70時間持続する十分な容量のバッテリーを搭載します。また、接続や充電方法もUSB-Cケーブルによるシンプルなもので、その他のワイヤレスマウスと同じように快適な使用体験をもたらします。

クリック感はやや固めではあるもののストロークが短めに調整されており、不要な力を加えることなく容易に押し込むことができます。大半の左右非対称マウスに見られる左右でのクリック感の違いが見られないのもとても印象が良いです。

メインボタンを押し込んだ際の若干の歯切れの悪さ、ホイールの分離感の無さは好みが分かれそうなポイントではありますが、個人的にはインゲームでどちらもうまく機能しており、問題には感じていません。

どの項目においても高いレベルでまとまっている印象で、競合製品と比べて価格も安いです。現状、同シェイプのワイヤレスマウスを探している場合はこれがベストバイになりそうです。

総合評価 5.0 out of 5.0 stars

* それぞれの項目を///の4段階で評価
安定した2.4GHzワイヤレス接続
USBドングル延長ケーブルが付属
最大70時間持続するバッテリー
優れたビルドクオリティ
 わずか59gの軽量設計
優れた重量バランス
 十分なグリップ性能
 Zowie ECライクなエルゴノミクス形状
 左右で統一されたクリック感
 操作に干渉しないサイドボタン
押し込みやすいホイールクリック
安定したセンサー
 LoD/デバウンスタイムを調整可能
品質の高いマウスソール
競合製品と比べて価格が安い
 ホイールの分離感が物足りない
Pulsar Xlite V2 Wireless
価格: 9,780円 (本稿執筆時点)

以上、Pulsar Gaming Gearのゲーミングマウス「Pulsar Xlite V2 Wireless」のレビューでした。

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