「Pixio PX277 Prime」レビュー。圧倒的なコストパフォーマンスを誇る27型WQHDの165Hzゲーミングモニター

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「Pixio PX277 Prime」レビュー。圧倒的なコストパフォーマンスを誇る27型WQHDの165Hzゲーミングモニター

本稿では、Pixioのゲーミングモニター「Pixio PX277 Prime」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Pixio Japan

Pixio PX277 Prime
価格: 39,980円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

ゲーミングモニターを選ぶうえで、もちろんリフレッシュレートや応答速度といったゲームでのパフォーマンスに関わる部分に注目するのは大切ですが、「どんな用途を想定しているか?」という見方はさらに重要となります。

ゲームを楽しめて、なおかつ動画視聴や作業など他の用途にも使い回したい場合、チェックすべき項目は多くなります。パネルの発色の正確さだとか、解像度が高いほうが作業効率が良くなる、だとか。

今回見ていくPX277 Primeは、27インチ、WQHD解像度(2560×1440)、リフレッシュレート165Hz、応答速度1ms(MPRT)、FreeSync(G-SYNC Compatible)とHDRに対応、sRGBカバー率111%と、さまざまな用途を高水準でこなせそうな仕様となっています。早速詳しく見ていきましょう。

内容物は モニター、スタンド(要組み立て)、ACアダプター、電源ケーブル、DisplayPortケーブル(1.5m)、取扱説明書。

組み立てにはプラスドライバーが必要となります。2つのパーツに分かれたスタンド同士を付属のネジで固定し、モニター背部をカチッとはめ込めばセットアップ完了です。

開封時にはモニター本体とスタンドのパーツが取り付けられた状態となっていますが、ひし形のバーを向こう側に押しながらスタンドを持ち上げると簡単に外せます。

モニター上下の角度を調整できるチルト機能にのみ対応しており、スウィーベルやピボット、高さ調整には非対応の簡易的なスタンドとなります。

スペックをざっと見ていくと、画面サイズは27インチ、解像度はWQHD(2560×1440)。

ちなみにWQHDとは”フルHDと4Kの中間に位置する解像度”です。画面サイズが大きすぎると表示が粗くなり、小さすぎると細かくなりすぎるため、WQHDに最適な画面サイズは27インチだと言われています。

リフレッシュレートは144Hzを上回る165Hzで、応答速度は1ms(MPRT)。MPRT表記は、よく見るGtoG表記と比べ、数値が低ければ低いほどより残像感の少なさに影響する指標となります。

パネル方式はIPSパネル。ゲーミングモニターで主流のTNパネルと比べ、正確な発色と広い視野角が特徴。仕様書によると 台湾の大手Innolux製のパネルが採用されており、主なスペックは sRGBカバー率111% 、視野角178°、輝度350 cd /㎟。

外側のフチを取り除いたベゼルレスデザインで、マルチディスプレイの構築に適しています

100×100mmのVESA規格に対応しており、モニターアームの取り付けが可能です。

モニター背面の右下あたりにスティック型コントローラーが搭載されており、ここから全ての設定にアクセスできます。クリックに加えて上下左右への操作が行えます。

HDRに対応しているほか、FreeSyncにも対応しており、G-Sync Compatibleにも互換性があります。AMD、NVIDIA製どちらのグラフィックスカードを使用していてもSyncが利用可能です。

接続は左から DC、HDMI 2.0×2 (~144Hz)、DisplayPort 1.2 ×1 (~165Hz)、ヘッドフォンジャック。HDMI接続では144Hzまでしか対応しておらず、165Hzで映像を出力するにはDisplayPort接続が必須となるので注意すること。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
Pixio PX277 Prime 製品仕様
パネル方式 IPS (AAS)
パネルメーカー Innolux製
解像度 WQHD (2560×1440)
リフレッシュレート 165Hz
最大輝度 350cd/㎟
画面サイズ 27インチ
アスペクト比 16:9
視野角 178°(H) 178°(V)
応答速度 1ms (MPRT)
コントラスト比 1000:1
Sync AMD FreeSync (G-SYNC Compatible)
接続 DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×2、ヘッドフォンジャック
スタンド 前後チルト機能
VESA 100×100mm
ベゼルタイプ ベゼルレス (厚さ1mm)
サイズ 616×464.8×251.8mm (スタンド込み)
616×364.3×57.5 (モニターのみ)
本体重量 7.5kg
付属ケーブル DisPlayPortケーブル(1.5m)
価格 39,980円 (本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
Pixio PX277 Prime
価格: 39,980円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

画面の映り

PX277 Primeのパネル方式はIPS(AAS)で、視野角による色味や輝度の変化が少ないことを特徴としています。それに加えてsRGBカバー率は111%と、正確な色表現が可能であることも主張されています。

ちなみに、sRGB規格よりも「Adobe RGB」という規格のほうが色域が広く、デザイナー向けモニターではAdobe RGBカバー率をスペック表に記載するものが多いです。とはいえ、sRGBカバー率111%という数値は ”実に幅広い色を忠実に表示できる” という一つの指標になります。

肝心の映りですが、まず感じたのは「当サイトのリンクってこんなに主張の激しいピンクだっけか…。」ってこと。ハイコントラストで細かな色の違いがハッキリと再現されているように思います。同じIPSパネルからの乗り換えですが、明確な変化を感じました。

ゲームを起動しても「これまで見慣れていた画面とは少し違う」と感じるほど、鮮やかに映ります。

画面表示にかかわる設定として、Brightness(輝度)、Contrast(コントラスト)、Black Equalizerなどが用意されているため、見やすいと感じるように補正することも可能です。また、さまざまな用途に適したプリセットを選択して一括で変更することもできます。

Black Equalizerの数値を上げると画面が白くなっていき、白の黒の差異が狭まるため、暗所が見やすくなります。最近では暗所の視認性が低いゲームは少ないですが、『Counter-Strike: Global Offensive』など一部タイトルのプレイヤーにとってはまだまだ需要があるように思います。

Black Equalizerによる変化。左から0, 50, 100

Brightness(輝度)、Contrast(コントラスト)、Black Equalizerの3種は、いずれも0から100まで細かく調整できます。

色域が広いことで他社製ゲーミングモニターと映り方こそ異なるものの、意外にも設定項目が多く、好みに合わせて調整することができるため、ゲームプレイにおいて一切問題は無く、むしろプレイしているタイトルによってはアドバンテージを得られるかと思います。

視野角のテスト

カラフルなイメージを画面に映しながら、さまざまな角度から撮影し、視野角の広さを検証してみました。写真では伝わりづらいですが、色や輝度の変化はほとんど確認できません。

TNパネルの場合、PX277 Primeよりも一回り画面サイズが小さい24インチでも正面から見たときに端のほうが若干グレーがかってしまいます。27インチでもそういった影響を一切受けないあたり、IPSパネルは優れていると言えます。

PX277 Primeに適した用途

PX277 Primeはバランスが取れたスペックを備えるゲーミングモニター、一方で言い換えると”何かに特化したものではない”ため、どのような用途を想定している方に適しているかを示す必要があると筆者は考えます。

  • ミドルスペックのゲーミングPCを使用している方にとって、リフレッシュレート165Hzという数値はマッチしやすい
  • あらゆるゲーミングモニターと比べ、色域の広さといった明確なアドバンテージがある(sRGBカバー率111%)
  • 27インチ・WQHD解像度という組み合わせは相性が良く、フルHDと比べて面積が広いため、あらゆる作業の効率化が期待できる

上記のことから、中間的なスペックのゲーミングPCの性能を最大限に活かしつつ、その他の用途もこなせると言えます。PX277 Primeが得意なこととして挙げられるのは、動画編集などのクリエイティブな作業だったり、アプリケーションやブラウザ上での細かな作業などでしょうか。

ゲームだけでなく幅広い用途をPC1台でこなす方、特に、それが高い解像度と広い色域を活かせる用途であれば、PX277 Primeがマッチするのではないかと思います。

144Hzと165Hzの違いは体感できるのか?

1秒間に約20フレームの描写の違いは、人間の目ではそこまでハッキリと認識できません。設定を切り替えながらゲームをプレイしても、144Hzと165Hzの違いを体感することはできませんでした。

しかし144Hzと165Hzに設定したモニターを2枚並べ、タイマーを中間に置いて眺めていると、僅かに滑らかに描写されていることが確認できます。60Hz→144Hz、あるいは144Hz→240Hzへの移行時のような明確な変化は感じられませんが、ゲームプレイ中の感覚面での変化は現れそうです。

各種機能

PX277 Primeでは、上記で紹介した画面表示に関する設定のほかにも、さまざまな機能が搭載されています。モニター背面の右下あたりに搭載されたボタンから全ての設定にアクセスできます。

HDR

HDR機能を有効にすると全体的に輝度が上がり、ディスプレイ側の設定で輝度を下げても通常よりもかなり明るい状態となります。暗所が見やすくなるにはなりますが、その他の部分も明度が引き上げられて少し薄い色になってしまっているように感じます。

おそらくDisplay HDR認証を受けていないものということもあり、大手メーカーが搭載しているものと比べてややクオリティが低いものになっているのかなと。ゲームプレイ中に全体的に暗いシーンが多い場合など、場面によっては使えそうではあります。

FreeSync

PX277 Primeは、AMDのティアリングやスタッタリングを低減する技術 FreeSync に対応しており、NVIDIAの同等の技術である G-SYNC Compatible にも互換性があります。どちらのグラフィックスカードを使用していても機能が利用できます。

NVIDIA製グラフィックスカードを搭載したPCでこれを有効化する方法としては、モニター側でFreeSyncをONに設定した後、NVIDIAコントロールパネルの「G-SYNCの設定」タブより、「G-SYNC、G-SYNCとの互換性を有効化」にチェックを入れるだけ。

GameAssist

「GameAssist」には、ゲームに役立つ機能がまとまっています。以下の3種類が用意されていますが、筆者のプレイしているタイトルでは使える場面が無いため、実用性はなんとも言えません。

  • Timer:画面の左上にタイマーが表示され、選択した時間がカウントされる(15,30,45,60,90分から選択可能)
  • Crosshair (LoS):画面の中央に選択したクロスヘアが表示される(緑と赤の6種類から選択可能)
  • FPS Counter:画面の右上にFPS値が表示される

Overdrive

「Overdrive」は応答速度を高速にする、いわゆるオーバードライブ技術です。Off, Low, Middle, Highの4段階から選択できます。

本来、IPS方式のパネルは応答速度が遅くなることが難点とされていますが、最近のゲーミングモニターではこのオーバードライブ技術との併用により、1msといった高速応答を実現しています。

DCR

「DCR」は輝度を自動で調整する機能です。どこにセンサーが搭載されているのか、実際に利用してみると暗くなりすぎるため、筆者はオフにしています。基本的に輝度を低めに設定している方ならば使えるかも。

表示遅延・残像感

PX277 Primeの応答速度は1ms(MPRT)です。ゲーミングモニターでは、応答速度はGtoGの数値のみ表記することが一般的となっているため、MPRTというものは見慣れない方も多いかと思います。

GTG(gray to gray)は中間階調から異なる中間階調へ切り替わるまでの時間を表しているのに対し、MPRTは動きぼやけの量を表現したものです。JEITAが公開しているpdfファイルが参考になります。

色々と調べた筆者の解釈は、MPRTはGtoGよりも残像感に関わりの深い数値であるというもの。

検証として、応答速度が1ms(GtoG)の同社製ゲーミングモニター「PX5 HAYABUSA 2」と比較してみたところ、目視できる範囲での表示遅延や残像感はありませんでした。万が一ごく僅かに発生していたとしても、体感できるほどの違いではないと結論付けます。

IPSパネルの難点として「応答速度が遅くなりがち」ということが挙げられますが、今ではオーバードライブ技術により、このPX277 PrimeのようにIPSパネルを搭載していながら応答速度1msを実現している製品も多いです。

エルゴノミクス

スタンド

標準で付属しているスタンドは「デザインは格好良いけど、実用性には欠ける」という印象を受けます。3点で支えるタイプで、安定性に難は無いですし、画面の揺れもほとんどありません。組み立てやモニターの取り付けも楽です。

しかし奥行が約25cmと、前後にかなりのスペースを取られるため、キーボードやマウスパッドがデスクの手前側に追いやられ、よほど奥行のあるデスクでない限りは窮屈になります。また、後ろにも支柱があるため、デスクの奥行きギリギリに設置してもモニター自体は少し前に出てきます。

また対応しているのは前後のチルト機能のみで、水平方向に角度を調整したりモニター自体を縦向きにすることはできません。細かくモニターの位置を調整したい場合、モニターアームに取り付けての使用を推奨します。

モニターアーム取り付け

PX277 Primeは100×100mmのVESAマウントに対応しており、一般的なモニターアームであれば取り付けることが可能です。

注意したいのが、モニターアームに取り付ける際に使用するネジ。一般的にはM4 10mmか12mmを使用することが多いのですが、PX277 Primeはネジ穴がとても深く、少し長めのネジでなければ固定できません。

筆者はM4 16mmのネジで固定しています

操作性

モニター背面の右下あたりに搭載されたスティック型のコントローラーから各種設定が行えます。長押しすると電源のON/OFF、短く押すと設定メニューに移行し、スティックのように上下左右へ動かしながら項目を選んでいきます。

操作感は重たすぎず軽すぎずといったところで、とてもスムーズに設定を進められます。操作性は非常に良いです。

また、細かな話にはなりますが、コントローラーが指が届きやすい浅い位置にあるのもポイントかなと思います。「つい指を支えるために親指を構え、画面に跡が残ってしまった」みたいなことが発生しづらいです。

ベゼルレス

ディスプレイ外側のフチが取り払われたベゼルレスデザイン。スタイリッシュな印象を与えます。

モニターを横に並べても継ぎ目が目立たないので、綺麗なマルチディスプレイ環境を構築できます。ちなみに同社から発売されている27インチ・フルHDの240Hzゲーミングモニター「PX279 Prime」とはデザインが全く同じなので、2枚並べても統一感を保てます。

結論とターゲット

「Pixio PX277 Prime」について詳しく見てきました。正直に言うと、スペック表を眺めている段階から「この仕様でこの価格はおかしくない?」とは感じていたのですが、実際にチェックしてみて改めて「やっぱりおかしいわ」と思いました(良い意味で)。

難点として挙げられるのは、スタンドのデザインは良いものの実用性には欠けているところ。モニター前後の幅が広く、デスクの面積をかなり奪ってしまうため、よほど広いデスク出ない限りはモニターアームに取り付けての使用を推奨します。

もう一つは、HDR機能が貧弱というか、かなり輝度が引き上げられてしまうため、元の設定によってはHDR特有の色彩の鮮やかさを感じづらい点。筆者個人としては、もともとの描写クオリティで十分に満足できるため、そこまで大した問題とは捉えていません。

それ以外にはこれといった難はなく、むしろ「ミドルスペックぐらいのゲーミングPCの性能を最大限に発揮できて、それ以外の用途も高い水準でこなせるため、カジュアルゲーマーにとって条件が良すぎる」といったところ。約4万円という価格は安すぎるくらいで、条件さえ合えば”買い”なモニター。

Pixio PX277 Prime
価格: 39,980円 (本稿執筆時点)

余談にはなりますが、次期ハードウェアであるPlayStation 5が 120fps / 最大4K解像度 をサポートすることが明らかになっています。4Kの高リフレッシュレートな機種は価格が異常に高いため、コスパを重視したPS5用モニターとしても良いかもしれません。

以上、Pixioのゲーミングモニター「Pixio PX277 Prime」のレビューでした。