「The Mousepad Company Strata Bold」レビュー。独特な滑走面と豊富なデザインが魅力のゲーミングマウスパッド
本稿では、The Mousepad Companyのゲーミングマウスパッド「The Mousepad Company Strata Bold」のレビューをお届けします。
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製品仕様と外観
布製マウスパッドは消耗品なので、長く使い続けたい場合は国内で簡単に入手できるものを選ぶのが好ましいです。しかし操作性やデザイン性を追求していると、国内では取り扱われていない海外メーカー製のものに辿り着くことも。
というわけで今回は、筆者が興味本位で購入した「The Mousepad Company Strata Bold」について詳しく見ていきます。The Mousepad Companyはゲーミングマウスパッドのみを展開しているブランドで、それ以外のことは正直あまりよく分かっていません。
とある海外ユーザーがSNSでシェアしていた写真に惹かれたのが購入したキッカケ。今回紹介するStrata Boldのほかにも豊富なシリーズ、カラーバリエーションが用意されているので、気に入るものが見つかるかも。
また最近、同社が独自に開発した「DuraGlyde」という滑走面を採用したラインナップが加わっているので、後日そちらも取り上げられればと思います。本稿でチェックするのはクラシックモデルです。前置きが長くなりましたが、レビューに移ります。
長方形の箱に丸まった状態で入っています。
緩めに巻かれていることもあって、うねりはなく、巻き癖は内側に少しだけ。
サイズ展開は以下の3種類で、厚さは全サイズ共通で3mm。
注意点として、Smallはローセンシ対応の大判サイズで、他社製でいうところのLargeやXLにあたります。Largeはキーボードもカバーする横長タイプ、XXLはデスク全体を覆うマットとなっています。
- Small:18″ x 15″ (約450 x 380mm)
- Large:36″ x 18″ (約900 x 450mm)
- XXL:48″ x 24″ (約1200 x 600mm)
表面プリントはいくつか用意されており、デザイン性の高い柄が多いです。地層のような模様をベースに、さまざまなアレンジを加えた Strata / Strata Bold / Strata Liquid が個人的には好み。
マウスパッドの端は丁寧に縫われています。滑走面とあまり高さが変わりませんし、柔らかい手触りです。
ただし、端の処理はすごく良いのですが、肝心の滑走面のほうが硬くてザラザラとしているので、肌が擦れると痛いです。詳しくは後述します。
裏面は滑り止めラバー。特に変わったものではありません。
価格はそれぞれSmallが34.99ドル、Largeが39.99ドル、XXLが49.99ドル。それなりのお値段がします。これとは別に送料が掛かるのと、筆者が注文した際は到着までに2週間ほど掛かりました。
パフォーマンス
操作感
Strata Boldは、滑りを重視したゲーミングマウスパッドです。他社製パッドと簡易的に比較すると、布製マウスパッドではかなり滑りが速い部類である ZOWIE GTF-X や Artisan 雷電 XSoft よりは遅く、中間的な性質を持つ Logicool G640 や Corsair MM350 よりは滑らかです。
滑走面はかなり粗めに織られており、硬くてザラザラとしています。この独特な織り方は肉眼でも捉えることができますが、分かりやすいよう拡大写真を載せておきます。この雨の雫を横向きにしたような模様の端から端は、実測値で2mmもあります。
マウスを動かす距離にかかわらず少ない抵抗感を保ったまま、滑らかに滑ってくれます。またマウスパッド自体が薄く、中間層のスポンジもそこまで柔らかくないので、相当な圧が掛からない限りはソールの沈み込みによる操作感の変化は感じられません。素直で扱いやすいです。
さらに考察を加えておくと、滑走面は”模様の部分のみがコンマ数ミリ浮き出た状態”となっており、多少マウスに圧が掛かって沈んだところでソールはこの模様の部分にしか触れないため、プレイスタイルによって接地面積が変化しづらいのではないかと思います。
ちなみに、水平方向よりも垂直方向のほうが僅かに抵抗が少なく、滑りが速いと感じます。
気になる部分としては、表面が粗くて硬いため、手首へのダメージを感じること。手首を接地させるエイムスタイルの方は高確率で気になると思うので、アームカバーとの併用をお勧めします。
センサーとの相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要センサーを搭載したゲーミングマウス7種でチェックしたところ、すべて正常に動作しました。
耐久性・湿気への耐性
日によるコンディションの変化は感じず、湿気への耐性は強いと言えます。
前述の通り、表面がどのように織られているか肉眼でも捉えられるのですが、約1ヵ月半ほどハードに使用しても一切変化はありませんでした。また硬い素材なためか、擦れて摩耗している様子も無し。
エッジには縫い加工が施されているため、滑走面と中間層が剥離してしまう心配はありません。
滑り止め性能
マウスのみをカバーするタイプ(The Mousepad CompanyでいうところのSmallサイズ)でなければ評価しづらいのが正直なところですが、滑り止め性能は足りないと感じます。
今回レビューしているのは横長タイプのLargeサイズで、キーボードも乗せた状態では重量によって安定し、元の位置から動くことはありません。しかし、マウスのみを乗せた状態で操作すれば、接地面積の広いこのサイズでも、10センチくらい振るたびに元の位置から動いてしまいます。
LargeやXLでは問題にはなりづらいですが、Smallサイズを検討している方は注意。
結論とターゲット
「The Mousepad Company Strata Bold」について詳しく見てきました。硬くて粗い滑走面は、”安定”した操作感をもたらします。常に少ない抵抗感を保ち、中間層がほとんど沈み込まないこともあって、マウスに圧が掛かっても操作感が大きく変化しません。また、湿気への耐性も特筆すべき点。
ただ表面の性質上、肌が擦れると少し痛いです。手首を接地した状態でマウスを操作する場合、アームカバーの着用を推奨します。また裏面の滑り止め性能は低く、キーボードなども乗せることになるLargeやXXLでは大した問題にはなりませんが、マウスのみをカバーするSmallでは不安が残ります。
奇抜なデザインも魅力で、デスクの雰囲気をガラッと変えることができます。カラーバリエーションも豊富で、環境に合わせて色を選択できるので、意外と想像通りにまとまってくれます。
この独特な滑走面とデザインがとても気になっているという方は一考の価値有り。しかし上記で挙げた通り、Smallサイズではデスク上で固定されづらいのと、個人輸入が必須になってくるという入手性の悪さもあるため、自身の期待値を超えてくるかどうかは慎重に判断すること。
以上、The Mousepad Companyのゲーミングマウスパッド「The Mousepad Company Strata Bold」のレビューでした。