「Logicool G604 LIGHTSPEED」レビュー。ボタンを15個搭載した”捗る”無線ゲーミングマウス

「Logicool G604 LIGHTSPEED」レビュー。ボタンを15個搭載した”捗る”無線ゲーミングマウス

本稿では、Logicool(ロジクール)の無線ゲーミングマウス「Logicool G604 LIGHTSPEED」のレビューをお届けします。

Logicool G604 LIGHTSPEED
価格: 11,716円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

”ゲーミング用途に適している”とされながらも、仕事の効率アップに役立てるなど別の用途で愛用する人も多く、幅広いユーザーに人気なLogicool製の多ボタンマウス。今回レビューする「Logicool G604 LIGHTSPEED」もその一種です。

G604 LIGHTSPEEDについて簡単に解説するならば、昔ながらの多ボタンマウス最新センサーを搭載して無線化したもの。ボタンが合計15個も搭載されており、その全てにキー・マクロ割り当てを行えます。

最近立て続けに発表される「小型」「軽量」などをセールスポイントとするマウスとは毛色が180°異なるので、同じゲーミングマウスと言えど別物のように感じる人もいるのではないでしょうか。

「MMORPGのコマンド入力や仕事の効率向上に役立てる」というのが本筋なので、そのあたりの評価についてはもちろん整理したうえで、対人ゲーム(FPSやMOBA)をプレイする方の選択肢としてどうなのかも併せて解説できればと思います。詳しく見ていきます。

G604 LIGHTSPEEDは、計15ボタン(チルトホイールを含む)を備える左右非対称ゲーミングマウスです。寸法は幅80 全長130 高さ45mmと、傾斜を考慮してもやや大きめのサイズ感。

表面材質はマットで、両サイドと前面の真ん中一列が滑り止めラバーとなっています。指が触れる部分はエンボス加工となっており、手汗をかいてもそれなりに滑りづらいです。

形状を4方向からチェック。ボタンが多いので霞みがちですが、なかなかフィット感が強そうな形状。

本体重量は公称値135g(単3乾電池装着時)で、実測値はそれぞれ113.2g、単3乾電池込みで136.4gでした。単4乾電池をスペーサーに入れるなど工夫すれば、軽量化を図ることも可能です。

作業用途の多ボタンマウスとしては軽い部類ですが、ゲーミング用途としては非常に重ためな印象。ゲーム操作時にどのような影響を及ぼすかもチェックしていきます。

センサーにはLogicool独自の省電力センサー「HERO 16K」を搭載しており、ソフトウェアから100~16,000DPIを50刻みで調整可能です。

本体の電源ボタンも本体裏面に搭載されています。ちなみに一定時間未使用のまま放置するとアイドリング状態となり、電力消費が大幅に抑えられます。

使用開始時は、本体後部のカバーを取り外して単3乾電池を装着すればOK。あらかじめ1本はパッケージに同梱されており、届いた瞬間から使えます。乾電池さえ欠かさずにストックしておけば、USBケーブルで充電するマウスよりも手間が省けて便利かもしれません。

G604 LIGHTSPEEDは2種類の接続モードに対応しており、USB接続によるLIGHTSPEEDモードでは単3乾電池1本で最大240時間の連続使用、Bluetoothモードでは最長5.5ヵ月間(標準的な使用量)の使用が可能とのこと。

ホイール直下のボタンで接続モードを切り替えられ、それぞれ異なるデバイスに接続しておくことも可能。例えば、デスクトップPCにはLIGHTSPEEDで、ノートPCにBluetoothで接続しておけば、G604 LIGHTSPEEDのみで2つのPCを切り替えながら操作できます。

スペックとギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
Logicool G604 LIGHTSPEED 製品仕様
形状 左右非対称型
表面素材 マット, ラバーコーティング
サイズ 幅80 全長130 高さ45mm
重量 135g(単3乾電池装着時)
ボタン数 15
センサー HERO 16K
DPI 100 ~ 16,000DPI (50刻み)
ポーリングレート 125/250/500/1000Hz
LoD 0.9mm~ (実測値)
スイッチ
ケーブル ワイヤレス
ソフトウェア 対応 (Logicool G HUB)
価格 11,716円 (Amazon.co.jp、本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
Logicool G604 LIGHTSPEED
価格: 11,716円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

G604 LIGHTSPEEDは大型サイズに分類されるゲーミングマウス。全体的にマイルドな形状であるG502に対し、G604 LIGHTSPEEDは各所の傾斜が大袈裟に作られており、かぶせ持ちやつかみ持ちでフィット感を得られやすい設計です。

本体後部の幅が狭い”逆三角形”のような形状。手のひらから指先にかけてフィットしやすいよう、各所に傾斜や窪みが作られています。

右サイドのスペースが広く、先端にかけて大きく窪んでいるのが特徴。これが薬指・小指のガイドとなり、指の配置に迷わないようになっています。

左サイドは、6つも搭載されたサイドボタンに圧迫されるように思えますがが、親指を配置するスペースは確保されています。スカート状に広がっているので持ち方の自由度はそれなりに高そうです。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

G604 LIGHTSPEEDは大型サイズとお伝えしましたが、実際に握ってみると平均的な手の大きさの筆者で丁度良いサイズ感です。最も背の高い中心あたりから先端に向かって降りていく、全体的な傾斜の作り方が上手いんでしょう。

薬指と小指の収まりの良さは相当なもので、深めにガッツリと被せる方、やや浅めに被せて手首も併用する方、どちらも自然なフォームで握り込めると思います。このフィット感は凄まじい。

つかみ持ち

つかみ持ちも相性良し。右サイドに薬指・小指のガイドとなる窪みがあり、持ち上げる際に引っ掛かりやすいです。また、手のひらで幅が狭い本体後部を挟み込む感覚で握るとグリップ感が増します。

ただし、搭載されたサイドボタン6つのうち手前側2つが非常に押しづらい位置に親指がくるので、ボタン数に期待している方にとっては不向きな持ち方。

つまみ持ち

つまみ持ちはやや深めの位置でなければ難しいです。浅めにつまむと、右サイドの窪みやメインスイッチ部のわずかな傾斜が干渉し、いびつな形状のマウスを無理やり指先でつまんだような状態になり、非常に不安定になります。

親指が真ん中のサイドボタンにくるあたりでつまむのがベストポジション。つまむ深さが限定されるだけで、相性が悪い訳ではありません。

持ち方の相性のまとめとして、G604 LIGHTSPEEDの形状、特にかぶせ持ちでのフィーリングは大いに評価できるポイントです。ただし、全ての持ち方において本体重量が重たいのはネックとなります。遊んでいるゲームのジャンル・使用用途にもよりますが、人を選ぶマウスだと言えます。

FPS・MOBA用途でも使える?

多ボタン搭載で持ちやすいG604 LIGHTSPEEDは、MMORPGなどの素早いコマンド入力を求められるゲームや作業用途に向いているのは明白です。ではFPSやMOBAではアリなのか?と言われると、やや難しいのが本音です。

普段からFPS向けのゲーミングマウスの情報を追っている人からすると重たい部類であることは分かると思いますが、実際に動かすと”腕や手首の力を使って動かしている”感覚が強く、現在主流の90~80g台やそれ以下のマウスとは操作のアプローチがまるで異なります。

軽いマウスに慣れてしまった筆者の場合、水平方向のAIMは手首の力を使えるので違和感は少ないものの、垂直方向は本当に安定しづらいと感じます。そんな重たさを許容できるならば十分に良い選択となるでしょう。

筆者個人の意見としては、G604 LIGHTSPEEDの形状への評価は非常に高いです(せめてもう少し軽ければという気持ちはありつつ…)。平均的な手の大きさでかぶせ持ち、操作時に腕だけでなく手首も併用する方は合う可能性が高いです。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチは軽いながらに押した感覚がハッキリと残る独特なクリック感で、跳ね返りはやや弱いですが十分。ストロークは短め。

セパレートではあるものの、形状の関係からか、浅い位置で押し込むと非常に固いです。そもそも浅めのつまみ持ちに適していない形状なので、そこまで問題にはならなさそうです。

メインスイッチ左の2ボタンは人差し指で自然に押し込める配置で、ある程度固さが確保されているので誤爆もしづらいです。

6つ搭載されたサイドボタンは2行×3列の横並びですが、横長の突起によって押し分けやすいよう設計されています。正直雑な配置のように思っていましたが、狙ったボタンを正確に押せるのは意外でした。

押し心地は固めでストロークが短く、押し込むたびにコンコンと鈍い音が鳴る、少し変わったクリック感が特徴。誤爆しづらい良いスイッチだと思います。

ホイールは手前のボタンからロック切り替えが可能で、解除すると一切抵抗の無いフリースピンとなります。ロック中は軽めのノッチ感がありますが、抵抗が足りずに意図した回数だけ操作しづらいです。ブラウジングのスクロールには適していますが、ゲームプレイ中の精度に欠ける印象。

また、表面がラバーではないので、ティルト利用時に指が滑りやすいのが難点。ホイールクリックはスイッチ反応点までに短めのアソビがあり、誤爆しづらいうえに押しやすいです。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

G604 LIGHTSPEEDの搭載センサーはHERO 16Kで、ソフトウェアから100~16,000DPIを50刻みで調整できます。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について
基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。 しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCounts, xSumともに綺麗な波形で、実際のトラッキングも違和感は一切ありません。過去に同社製品で検証している結果からも分かる通り、HERO 16Kは信頼性の高いセンサーで間違いありません。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、G604 LIGHTSPEEDのリフトオフディスタンスは0.9mmでした。非常に短い数値。ネックとなる重たさも少しはカバーできそうです。

マウスソール

G604 LIGHTSPEEDのソール配置は、上下左右に1枚づつと、センサー周りにO型が1枚。すべて角が丸められたテフロン(PTFE)製で、やや滑りづらく止めが効きやすい傾向です。

裏面はやや特殊な形状で、ソールが貼られている位置が突起しています。汎用系のソールが一部しか貼れないのが難点として挙げられます。比較的小さいエアーパッドソールならば乗ります。

ソフトウェア

G604 LIGHTSPEEDは、Logicool製デバイスの総合ソフトウェア「Logicool G HUB」に対応しています。ダウンロードは以下のURLより行えます。

Logicool G HUB:https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/innovation/g-hub.html

設定項目は、100~16,000DPIの感度設定(50刻み)、4段階のポーリングレート切り替え(125/250/500/1000)、最大15ボタンへのキー・マクロ割り当てとなります。バッテリー残量のチェックも大まかに行えます。

G604 LIGHTSPEEDの最大の特徴は、キー・マクロ割り当て可能なボタンを15個備えている点。それぞれに対してキーやマクロを割り当てていけば、マウスのみでさまざまな操作を完結できます。

15ボタンでも割り当てる操作が足りないという方は、1つのボタンに対して2種類の割り当てを行える「Gシフト」も活用していきたいところ。Gシフトを割り当てたボタンを押している間、他のボタンの割り当てが切り替わります。

また、ゲームやアプリケーション起動時に自動でプロファイルに切り替える機能も備わっているので、シーンに応じた割り当てを設定しておけば非常に便利に活用できます。

結論とターゲット

「Logicool G604 LIGHTSPEED」について詳しく見てきました。各ボタンの配置はよく考えられていて、それぞれを素早く押し分けられるので、やはりMMORPGや仕事の効率アップに一役買うマウスであることは間違いないと思います。

信頼性の高いHERO 16Kセンサー、安定したワイヤレス接続、スイッチ周辺の調整(ホイールはやや難あり)といったポイントを見ても、対人ゲームに十分に適しているように思えますが、やはり135gの重量は枷(かせ)になります。特に垂直方向へのAIM時にかなりの重たさを感じます。

かぶせ持ちのフィット感が凄まじいのですが、FPSやMOBAユーザーには素直に推せないのが本音です。この重たさを許容できる自信のある方ならば試す価値は大いにありそうです。本来の製品デザインとはズレたところで評価するという ひねくれたレビューになってしまったので、最後に引き戻しておきます↓

一言でまとめるならば”捗る”マウス。「MMORPGの複雑なコマンドを整理したい」「仕事の効率アップのためボタンが多いマウスが欲しい」など、本来の用途を目的としている方にとっては買って損はないマウスだと思います。

Logicool G604 LIGHTSPEED
価格: 11,716円 (本稿執筆時点)

以上、Logicool(ロジクール)のゲーミングマウス「Logicool G604 LIGHTSPEED」のレビューでした。

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