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「BenQ ZOWIE S-C series」レビュー。高いフィット感が得られる優れた形状の左右対称ゲーミングマウス

「BenQ ZOWIE S-C series」レビュー。高いフィット感が得られる優れた形状の左右対称ゲーミングマウス

本稿では、BenQのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE S-C series」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: ベンキュージャパン株式会社

BenQ ZOWIE S-C series
価格: 8,800円(執筆時点)    Amazon  楽天市場

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この製品について

ZOWIE S-Cは、Sシリーズの最新モデルです。前作と比較して各サイズ13~15gの軽量化、さらにはビニールケーブルを撤廃して新たにパラコードケーブルが採用されています。また、光学式ホイールは従来の16ステップから、一般的なマウスと同じ24ステップのものに変更されています。

こういった前作からの変更点も含め、このS-C seriesがどのようなパフォーマンスを発揮するのか、この記事で詳しく解説します。

製品仕様とスペック

カラー ブラック 表面 マット
形状 左右対称 サイズ
S1-C : 66 x 123 x 40mm
S2-C : 64 x 120 x 38mm
本体重量
S1-C : 72g
S2-C : 69g
ボタン数 5つ
センサー PixArt PMW3360 解像度 400/800/1600/3200DPI
最大加速度 最大速度 450IPS
ポーリングレート 125/500/1000Hz ホイール 24ステップ 光学式
デバウンス 2段階 (Fast, Normal) スイッチ
接続方式 有線 ケーブル パラコード
ソール PTFE ライティング 非搭載
ソフトウェア 不要 メーカー保証 1年間

バリエーション

ZOWIE S-C seriesはS1-C(中)・S2-C(小)の2サイズを展開しています。

パッケージと内容物


ZOWIE S-C seriesのパッケージの内容物は以下の通りです。

  • ZOWIE S-C マウス本体
  • 交換用マウスソール1セット
  • 取扱説明書・ステッカー

パフォーマンス

接続とケーブル


ZOWIE S-Cは有線接続のゲーミングマウスです。従来のビニールケーブルよりも柔らかくて取り回しやすいパラコードケーブルが採用されています。あまり芯が残っておらず、とても柔らかい部類のものです。

ケーブルの付け根が斜め上を向いており、マウスパッドとケーブルが擦れ合うのを防ぎます。また、ブッシュには柔軟性があり、上下左右にしなります。マウスバンジーで高所に固定することで、ケーブルの煩わしさを感じることなく快適に使用することができます。

ビルドクオリティ

ZOWIE S-Cのビルドクオリティはとても優れています。

前作よりも軽量ですが、引き続き分厚いシェルが採用されています。グリップしたときに軋んだりカタつくことはなく、本体を激しく振っても音は鳴りません。通常使用では全く問題にならないほどの剛性が保たれています。

スイッチは適切に取り付けられており、それぞれのフィーリングに違和感はありません。

グリップ性能


ZOWIE S-Cのシェル表面にはマットコーティングが施されています。最近の軽量ゲーミングマウスはグリップ性能を度外視する傾向にありますが、ZOWIE C seriesは前作から変わらないので安心できます。

グリップ性能は高く、手のひらから指先までしっかりと固定できます。手汗が多いと若干滑るものの、それなりにグリップ性能が維持されます。全体で見るとかなり優れています。

触った部分に跡が残りやすく、汗や皮脂による汚れは目立ちやすいです。

本体重量

サイズ S-C (今作) S (前作) 比較
S1 (中) 72g 87g -15g
S2 (小) 69g 82g -13g

本体重量はS1-Cが72g、S2-Cが69gとなっています。前作Sと比べるとそれぞれ13~15gほど軽量化されていますが、そもそも軽量化を最重要視した設計ではなく、有線マウスとしてはそれほど軽くありません。

個人的には70g前後が扱いやすい重量と感じますが、同等のサイズ感でこれよりも軽いものは多く、ゲーミングマウスを選ぶうえで軽さを重要視している方にとっては選択肢に入りづらいものになっています。

重量バランス


ZOWIE S-Cの重心は、大半のゲーミングマウスと同じようにほぼ中心に調整されています。

重心が後ろ側に寄っているものは、実際の本体重量よりも重たく感じるなどの悪影響を及ぼすことがありますが、そのような心配は要りません。違和感なく快適に使用することができます。

形状と大きさ


ZOWIE S-Cは、ZOWIEオリジナルの左右対称ゲーミングマウスです。最近ではS seriesのクローンマウスもいくつか見られますが、細かな形状や表面のグリップ性能の違いなどから、それらとSとの実際のフィーリングは若干異なります。

各サイズの寸法は以下の通り。中と小の2サイズ展開となっており、手の大きさや持ち方に合わせて選択できます。S seriesは縦に動かしやすい形状をコンセプトとしたゲーミングマウスで、他のシリーズのような大きなサイズは用意されていません。

幅 (mm) 全長 (mm) 高さ (mm)
S1-C (中) 66 123 40
S2-C (小) 64 120 38

ZOWIEのように複数サイズを展開する場合、手の大きさや持ち方によって自分に合ったサイズを選択できることが強みとなります。筆者のような平均的な手の大きさでは、かぶせ持ちではS1-C、つかみ持ちではS1-CとS2-Cの両方、つまみ持ちではS2-Cが選択肢に挙がります。

Sを横から見ると、全体的に平べったくもありつつ、本体後部にいくにつれてやや背が高くなるよう設計されています。全体的に平べったいFKと、本体後部が大きく盛り上がったZAの中間と表現されることが多いです。

S・ZA・FKはそれぞれ本体後部の高さが異なるので、本体後部と手のひらとの当たり具合が変わってきます。ZAが本体後部が大きく盛り上がっていて、FKが全体的に平べったく設計されているのに対し、Sは本体後部に程よい高さが設けられており、ZAとFKの中間と表現されることが多いです。

また、本体後部の左右もしっかりと盛り上がっているので、見かけ以上にコブが大きいです。深めにグリップする場合は手のひらや親指・小指の第一関節を密着させたり、浅めにグリップする場合は指の付け根をあてて支えることができます。どのような持ち方でも比較的安定感が出やすいように感じます。

サイドの形状に着目すると、本体後部がしっかりと膨らんでいるのに対し、真ん中はしっかりとくびれています。

メインボタンは指に沿うように窪んでおり、指を寝かせて置いたときに左右クリックの軸がブレづらくなっています。サイド先端が出っ張っており、深めにグリップしたときに薬指がメインボタンと挟まるのを防止します。

形状を8方向からチェック

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持ち方の相性

代表的な3種類の持ち方 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち との相性をチェック。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち


かぶせ持ちとの相性は良いです。手の大きさに合わせて2つのサイズから選択でき、筆者のような平均的な手の大きさの場合はS1-Cが適していると感じます。

本体後部に程よく高さがあるうえに、中央だけでなく左右もしっかりと盛り上がっており、手のひらから指の第一関節まで張り付くようなフィット感が得られます。サイドの先端には十分なスペースがあり、薬指・小指の置き場にも困りません。

グリップする深さはある程度調整できますが、角度は限られてしまいます。筆者の場合、マウスに対して真っすぐ握り込むとフィットしやすく、斜めに握り込むと親指側が浮いてしまい、マウスを固定しづらく感じます。

サイドボタンやホイールの配置は適切で、それぞれに指が届きやすく、無理なく押し込むことができます。

つかみ持ち


つかみ持ちとの相性は非常に良いです。筆者のような平均的な手の大きさの場合、やや小さめのマウスに慣れている場合はS2-C、中くらいのものが好みならS1-Cを選ぶと良いでしょう。

本体後部にあるコブの幅が広く、手のひらに強いフィット感が得られます。深めにグリップして手のひらの後ろ側で支えるか、親指と小指の付け根で挟み込むように支えたり、浅めにグリップして薬指の付け根あたりで支えたりと、グリップする深さはとても調整しやすいです。

サイドはしっかりとくびれており、表面のグリップ性能も高いので、指先をしっかりと固定できます。本体幅が狭めに設計されているので、サイドの3本指に適度な力を入れてしっかりと固定することで安定感が増します。

ボタン配置は適切で、よほど深めにグリップしない限りは両方のサイドボタンに指が届きます。ホイールの配置も適切で、自然にアクセスできる位置にあります。

つまみ持ち


つまみ持ちとも相性は悪くないです。筆者のような平均的な手の大きさの場合、小さめなS2-Cがベストな選択になるかと思います。ただし、S2-Cは本体重量69gで、これよりも軽いマウスは多いです。形状自体はつまみ持ちに適性があるものの、その他の面ではより優れた選択肢が存在します。

サイドがしっかりとくびれているので、力むことなく指先でマウスを固定できます。その一方で、親指の配置が真ん中付近に限定されてしまい、グリップする深さにはあまり融通が利きません。

本体後部が短めに設計されているので、マウスと手のひらの間に広いスペースを確保できます。これにより、指の関節を使ってマウスを上下に動かすときの可動域が広くなります。

浅めにグリップした際も両方のサイドボタンに指が届きやすく、ホイールの配置も適切で、どちらも容易にアクセスできます。

スイッチ

メインボタン


メインボタンの押し心地は固くもなく柔らかくもなく。ストロークが非常に短めに調整されており、跳ね返りの強さは適切です。しかし、ボタンを押し下げる際のフィーリングが若干鈍く、クリック時のタクタイル感も少ないので、好みが分かれそうなクリック感だと言えます。

フィーリングは安定しており、どの角度で押し込んでも軋んだりグラつくことはありません。クリック音はやや低めで、最近の軽量マウスに見られるようなバチバチと甲高く響くものではなく、とてもしっかりとした印象を受けます。

メインボタンはセパレートではなく一体型で、押し込む場所によるクリック感の変化が大きいです。ホイール真ん中から手前側にいくにつれて押下圧が増し、跳ね返り感が若干弱まって連打しづらくなります。かなり浅めにつまみ持ちするのには不向きです。

サイドボタン


サイドボタンは細長いタイプで、本体からしっかりと飛び出しています。エッジは角ばっており、親指をスライドさせたときに引っ掛かるような感触があります。

押し心地はやや固めではあるものの、そこまで押しづらくはなく、誤まって作動することもありません。押下時の感触が指に伝わりやすく、FPSなどでキャラクター操作に関わる重要なキーを割り当ててもうまく機能します。

ボタン配置は適切で、よほど浅めにつまみ持ちしない限りは両方のボタンに指が届きます。

ホイール


ホイールは本体からしっかりと飛び出しています。水平方向に切り込みの入ったゴム製のリングで、指が引っ掛かりやすく回しやすいです。

ZOWIE製マウスではこれまで16ステップの光学式ホイールが採用されていましたが、C seriesからは一般的なマウスに近い24ステップに変更されています。これにより、他メーカーのマウスから乗り換えた際の違和感が緩和されたように感じます。

光学式ホイール特有のしっかりとしたノッチ感があり、一般的なメカニカルホイールよりもはっきりとした分離感が感じられます。1ノッチ単位の細かな操作、連続したスクロールのどちらも高い精度で行えます。

ただし、回し心地はやや鈍く、軽い回し心地のFK-CやZA-Cと比べて重たい*1です。ホイールを多用する場合、かなり好みが分かれそうな操作感です。 *1パーツが同じでもシェル形状により差が出ます

メカニカルホイールとは異なり、「カチカチ」といった大きい動作音が鳴ります。

ホイールクリックは固くもなく柔らかくもない、ちょうどいい固さに調整されています。余計な力を入れずに押し込むことができ、ホイールを操作する際に誤作動することもありません。

センサー

S-Cは、有線ゲーミングマウスによく用いられる高性能センサー「PixArt PMW3360」を搭載しています。DPIは400, 800, 1600, 3200の4段階で、本体底面に搭載されたDPIボタンから切り替えることができます。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサー性能を検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「BenQ Zowie G-SR-SE」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

xCounts, xSumともに正確で、実際のセンサー挙動にも問題は見られませんでした。また、『Apex Legends』『VALORANT』でのプレイテストも実施しており、同様の結果が得られました。

前シリーズと同様、適切に調整されたPixArt PMW3360センサーを搭載しているため、信頼性は非常に高いと言えます。

センサー配置

ZOWIE S-Cのセンサーはマウス本体の中央に配置されています。

センサー配置の違いによって、手首を軸にしてマウスを動かしたときのカーソル移動量に差が出ます。一般的には真ん中に配置されているものが最も多いので、マウスを変更した際にもカーソルの挙動に違和感が生じづらいです。

* センサー配置によって、手首を軸にして弧を描くようにマウスを動かしたときのカーソルの可動域が異なります。センサーがフロント側に寄っているほど手首の動きを細かく捉え、水平方向へのカーソルの可動域が広くなります。

マウスソール


独自形状の大型マウスソールが上下に2枚貼り付けられています。材質はPTFEで、パッケージには交換用ソールが1セット付属しています。

厚さが実測値0.42mmと非常に薄いので、中間層のスポンジが柔らかいマウスパッドと組み合わせると、ソールが沈み込んだときにボトムシェルがマウスパッドと接触します。

操作感は可もなく不可もなく。それなりに滑って適度に止まるバランスタイプのものです。そもそもソールが薄くて本体からほぼ飛び出しておらず、わずかに飛び出した部分のエッジは丸められているので、マウスパッド表面と引っ掛かることはありません。

「BenQ ZOWIE G-SR」「BenQ ZOWIE G-SR-SE」「BenQ ZOWIE GTF-X」といった同社製のマウスパッドとの組み合わせでは問題ありませんが、クッション性の高いマウスパッドと組み合わせる場合は厚さ0.6mm以上のサードパーティー製ソールへの交換を推奨します。

結論とターゲット

「BenQ ZOWIE S-C series」について詳しく見てきました。前作Sから13~15gの大幅な軽量化に加え、ケーブルの仕様が変更されたことによって使用感が大きく向上しています。マウス本体の耐久性に問題はなく、グリップ性能の高いマットコーティングは引き続き採用されています。

中・小サイズの2種類を展開しており、手の大きさや持ち方に合わせて選択できます。全体的に平べったいFKシリーズ、本体後部が大きく盛り上がったZAシリーズの中間にあたる形状で、本体後部が少しだけ盛り上がっています。全長が短めに設計されているうえに本体後部のコブの幅が広いので、手のひらが適度に浮くことで上下にも動かしやすくなっています。

パラコードは芯がほぼ残っておらず、柔らかくて取り回しやすいです。ケーブルの付け根は斜め上を向いており、ブッシュにも柔軟性があります。マウスバンジーで適切に固定すれば、ケーブルの煩わしさを感じず快適に使用できます。

ただし、マウスソールが約0.4mmと非常に薄く、マウスパッドとの相性を選ぶことはZOWIE C series共通の懸念点です。厚さの異なるソールを同梱するなどの配慮があれば、より満足感が高まったように感じます。また、ZAやFKなどの他シリーズとは異なり、左右クリックやホイールのフィーリングが若干鈍くなっているため、スイッチ周りにこだわりがある場合は注意が必要です。

結論として、S-C seriesは高いフィット感が得られつつ違和感も出づらい、優れた形状のゲーミングマウスの一つですが、ボタンやホイールのフィーリングが若干鈍いことから使い手を選ぶものになっています。軽すぎず重たすぎないマウスを好むつかみ持ちユーザーの選択肢の一つになりそうです。

総合評価 4.0 out of 5.0 stars

* それぞれの項目を///の4段階で評価
取り回しやすいケーブル
 ビルドクオリティに優れる
 表面のグリップ性能に優れる
 扱いやすい本体重量
 優れた形状・2サイズ展開
 信頼性の高いサイドボタン
高精度なセンサー
 左右クリックのフィーリングがやや鈍い
 ホイールが鈍く重ため
 マウスソールが非常に薄い
BenQ ZOWIE S-C series
価格: 8,800円 (本稿執筆時点)

以上、BenQのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE S-C series」のレビューでした。

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