「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」レビュー。前作よりも耐久性・耐湿性が向上したバランス系ゲーミングマウスパッド
本稿では、BenQのゲーミングマウスパッド「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: ベンキュージャパン株式会社
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この製品について
BenQ ZOWIE G-SR-SE Rougeは、G-SR-SE Deep Blueの後継にあたる布製ゲーミングマウスパッドです。赤を基調とした、柄物ながら落ち着いたデザインとなっています。
Today, we are pleased to announce the new G-SR-SE Rouge mousepad, which is the successor of G-SR-SE Deep Blue version. It implements improvements to the humidity and durability concerns feedback from the community, and it offers a slightly smoother feeling than before. pic.twitter.com/EKMLRizKix
— ZOWIE (@ZOWIEbyBenQ) June 10, 2022
本国の発表ツイートによると、コミュニティからのフィードバックに基づいて、湿度による影響を受けづらくなり、耐久性も改善されたとのことです。このアップデートがどのようなものなのか、またそれによって一体どのような変化が表れるのか、本稿で詳しく解説します。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | – |
---|---|---|---|
サイズ | 470 x 390mm | 厚さ | 3.5mm |
エッジ | 切りっぱなし | ベース | すべり止めラバー |
カラー | Rouge |
基本仕様をチェック
パッケージと内容物
長方形の箱に巻かれた状態で入っています。内容物はマウスパッドのみ。
巻き癖
開封直後の巻き癖は強くもなく弱くもなく、マウス操作には支障をきたしません。巻かれたときに内側になっている左端は浮いた状態になりますが、数日でほぼ真っすぐになります。
バリエーション
カラー
G-SR-SE Rougeは赤を基調としたデザインで、落ち着いた印象を受けます。
サイズ
G-SR-SE Rougeの寸法は470 x 390mmで、ローセンシにも対応する大判サイズとなっています。
厚さは3.5mm。これは布製ゲーミングマウスパッドの一般的な厚みです。
エッジ
エッジは切りっぱなしで、ステッチ加工は施されていません。
ステッチ加工が施されたマウスパッドは、滑走面とエッジの高さが異なるので、マウス操作時に腕や手首に引っ掛かり感が生じることがあります。切りっぱなしだとその心配はなく、快適にマウス操作が行えます。
その一方で、手首や腕との擦れによる糸のほつれや毛玉が目立ったり、滑走面と中間層が剥離しやすいなどのデメリットを抱えています。アームカバーを着用することでダメージが軽減され、素肌と触れ合うよりも長持ちするようになります。
底面
底面にはグリップ性能の高いフラットラバーが採用されています。手持ちのホワイト天板・ラバーウッド天板の両方でうまく機能しており、マウスを激しく操作してもマウスパッドが動くことはありません。
パフォーマンス
滑走面
G-SR-SE Rougeは一般的な布製サーフェイスを採用したゲーミングマウスパッドです。手触りはサラサラとしていて、マウス操作時に手首や腕が擦れても痛くなく、長袖やアームカバーを着用していても引っ掛かりません。
本国での発表ツイート曰く、このG-SR-SE RougeはDeep Blueと比べて耐久性・耐湿性が向上しているとのことで、実際に約1ヵ月半の検証でその違いを感じ取ることができました。詳しくは【耐久性・耐湿性】の項で。
滑走面を拡大すると、縫い目にあまり隙間が無く、細かく織られていることが分かります。G-SR-SE Deep Blueと比較すると、織り方に若干の変更が加えられていることが分かります。また、ツヤ感の違いなどから素材やコーティングを変更した可能性もありそうです。
操作感
G-SR-SE Rougeはバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑走速度を比較すると、「Artisan 零 Soft (旧)」よりもわずかに遅く、「Vaxee PA」よりもわずかに速いといった具合です。また、ZOWIEの前作「BenQ ZOWIE G-SR-SE Deep Blue」よりもわずかに遅いです。
同タイプのマウスパッドと比較して、滑り出しは若干鈍いです。滑走中はとてもスムーズで、柔らかい糸が使われた布製マウスパッド特有の滑らかなフィーリングをもたらします。減速させると引きずり感が表れ、表面摩擦のみでしっかりとマウスを止めることが可能です。
縦横の滑りの差はそれほど大きくなく、縦方向に滑らせたときの方がやや鈍いです。素早く動かしたときにはほぼ違いを体感できませんが、低速で滑らせたときには若干目立ちます。
中間層のスポンジはやや硬いです。通常このようなマウスパッドは、安定した滑走速度を得られる反面、マウスに圧を掛けることによる摩擦の変化が少ないです。しかしG-SR-SE Rougeは表面繊維が柔らかいからか、マウスに圧を掛けたときに想像以上に滑りが鈍くなり、程よくストッピングアシストが得られます。
G-SR-SE Deep Blueと比較して、わずかに初動が鈍い代わりにフリック性能が向上したように感じます。滑りの速さが求められる場面・止めが求められる場面でのメリハリがついたような印象です。前作と同様、トラッキングが求められる場面では滑らかに対象を追いかけることができるうえに、フリックが必要な場面ではよりビタッと止められるようになり、バランスタイプとしては理想的な操作感をもたらします。
滑りと止めを両立したバランスタイプのゲーミングマウスパッドを探していて、表面素材がサラサラとしているものを好む方に適しています。G-SR-SE Deep Blueからの乗り換えでは、感覚を大きく変えることなく、止め性能を向上させることができます。
他社製マウスパッドとの滑り比較
G-SR-SE Rougeは「バランス」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
ソール相性
G-SR-SE Rougeは角が丸まったソールと組み合わせることをお勧めします。角が尖ったものと組み合わせると、引きずり感や引っ掛かり感が発生します。
また、常識的な範囲であればソールの厚さは問いません。中間層のスポンジはやや硬く、マウスに圧を掛けてもソールが沈み込みづらいので、薄いものでも一切問題ありません。参考として、BenQ ZOWIE製ゲーミングマウスの純正ソールは0.4mmです。
個人的には、面積の大きなソールと組み合わせると相性が良いように感じます。「Corepad」や「EsportsTiger Arc1 / Arc2」との組み合わせでは、程よい滑りに加えてしっかりとした止め性能も感じられます。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス12種すべてで正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行い、同様の結果が得られました。
一般的な布製サーフェイスを採用したゲーミングマウスパッドなので、現行マウスセンサーとの相性問題はほぼ発生し得ないと言えます。
耐久性・湿気への耐性
G-SR-SE Rougeは同タイプの布製マウスパッドと比べて耐久性が高く、湿気による滑りの変化も感じづらいです。本来、布製マウスパッドは耐湿性や耐摩耗性にはそこまで期待できません。基本的には消耗品という認識を持ってください。
新品とレビュー品で比較したところ、約1ヵ月半の検証では劣化による滑りの変化は見られませんでした。また、筆者の環境下では湿気の影響による大きな滑りの変化も体感できませんでした。アムンゼンやコーデュラナイロンなど硬い素材を除く、柔らかくてサラサラしたタイプの布製マウスパッドでは湿気に強い部類となります。 *『VALORANT』で1日4~5時間ほど使用、常時アームカバーを着用
詳細について公式発表はされておらず、あくまで憶測ではありますが、おそらくは耐摩耗性・耐湿性を高めるコーティングが施されているものと思われます。コーティング剥がれによる早期劣化も約1ヵ月半検証した段階では確認できません。G-SR-SE Deep Blueで多く指摘されていた劣化の速さは、今作では改善されていると言っていいでしょう。
結論とターゲット
「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」は、滑りと止めを両立した理想的な操作感をもたらし、トラッキングからフリックまであらゆる場面に適したバランスタイプのゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑りを比較すると、「Artisan 零 Soft (旧)」よりもわずかに遅く、「Vaxee PA」よりもわずかに速いです。また、ZOWIEの前作「BenQ ZOWIE G-SR-SE Deep Blue」よりもわずかに遅いです。
サラサラとした質感の表面は、腕や手首が擦れても痛くなく、長袖やアームカバーを着用していても引っ掛かりません。初動はやや鈍く、滑走中はとても滑らかなフィーリングをもたらし、減速させるとやや強めの引きずり感とともにストッピングアシストが得られます。
底面のフラットラバーは高いグリップ性能を発揮し、あらゆる天板の上でうまく機能します。切りっぱなしのエッジは好みが分かれる部分ですが、手首や腕に引っ掛かることなく、ステッチ加工されたものよりも操作面では快適であると言えます。
結論として、G-SR-SE Rougeはトラッキングとフリックの両方をこなせる滑りと止めのバランスに優れたゲーミングマウスパッドを探していて、サラサラとした質感の表面素材を好む方に適しています。G-SR-SE Deep Blueと比べて耐久性や耐湿性が向上しており、高いコストパフォーマンスも期待できます。
総合評価5.0 out of 5.0 stars
底面のグリップ性能が高い
アームカバーが引っ掛からない
滑りと止めのバランスに優れる
バランスタイプながらフリック適性が高い
ソールの相性問題が発生しづらい
主流センサーと相性が良い
同タイプと比べて耐久性が高い
同タイプと比べて湿気の影響を受けづらい
アムンゼンほど高耐久・高耐湿性は期待できない
以上、BenQのゲーミングマウスパッド「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」のレビューでした。