*当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

「BenQ ZOWIE EC1 / EC2」レビュー。過去作のフィードバックが反映された、人気ゲーミングマウスの正統進化モデル

「BenQ ZOWIE EC1 / EC2」レビュー。過去作のフィードバックが反映された、人気ゲーミングマウスの正統進化モデル

本稿では、BenQ ZOWIEのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE EC1 / EC2」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: ベンキュージャパン株式会社

BenQ ZOWIE EC series
価格: -円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観


今回レビューを実施するのは、IE3.0クローンマウスの定番であるZOWIE ECシリーズの最新モデル。過去には、それぞれ同形状で仕様が異なるEC-A、EC-B、およびEC-B DIVINAが展開されており、今回発売された最新ECシリーズはそれらのアップグレード版という認識で構わないでしょう。

掘り下げていくと、EC-AはセンサーにPixArt 3310を搭載し、マウスソールは大サイズが上下に2枚。それに対してEC-BはセンサーがPixArt 3360にアップグレードされるも、マウスソールの形状と配置が大きく変更され、コミュニティの反応はあまり良いものではありませんでした。

新ECシリーズはそんなコミュニティの声が反映され、EC-Bと同じくPixArt 3360センサーを搭載しながら、評判が良かったEC-Aのマウスソールの形状と配置に戻っています。詳しく見ていきます。

ECシリーズは、計5ボタンを備える左右非対称ゲーミングマウスです。寸法は、EC1(大サイズ)が幅69 全長128 高さ43mm、EC2(中サイズ)が幅64 全長120 高さ40mmです。

表面材質はマットで、本体カラーはブラック。同メーカーのS seriesと同様、手汗をかいても滑りづらい優秀な表面コーティングですが、その反面で手の跡がつきやすいです。

ZOWIE製ゲーミングマウスは1シリーズに対して複数のサイズを展開してくるのが特徴で、手の大きさや持ち方に応じて好きな方を選択できるのが利点です。

最も背の高い部分にフォーカスすると、EC1で43mm、EC2で40mmと 約3mmの差があるのに対し、先端のメインスイッチ部は同じ高さに設計されています。要するに全長8mmの差のほとんどが本体後部によって作られており、2サイズ間で手のひらの収まり具合が大きく異なります。

形状に関してざっくりと説明すると、かぶせ持ちでは手が自然とフィットし、つかみ持ちでも傾斜がうまく作用して違和感が出ない、とても理にかなったデザインです。

傾斜や窪みなどの細かな特徴については【持ち方の相性・操作感】の項目で詳しく解説します。

本体重量はEC1(大サイズ)が公称値97g、ケーブルを含めた実測値が98.4gで、EC2(中サイズ)が公称値90g、ケーブルを含めた実測値が93.8gとなりました。

センサーにはPixArt PMW3360を搭載しています。最新スペックを謳うマウスでは3389系統センサーが採用される傾向にある中、安定性を重視して3360を選択したのだと容易に推測できます。

ECシリーズを含むZOWIE製デバイスは全てソフトウェア不要のプラグアンドプレイ設計。裏側のスイッチからポーリングレート切り替え(125/500/1000Hz)、DPI変更(400/800/1600/3200)が行えます。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
BenQ ZOWIE ECシリーズ 製品仕様
形状 左右非対称型
表面素材 マット ブラック
サイズ EC1 幅69 全長128 高さ43mm / EC2 幅64 全長120 高さ40mm
重量 EC1 97g / EC2 90g
ボタン数 5つ
センサー PixArt PMW3360
DPI 400 / 800 / 1600 / 3200
ポーリングレート 125/500/1000Hz
LoD 1.3mm~ (実測値)
スイッチ
ケーブル ビニール製
ソフトウェア 不要
価格 -円 (Amazon.co.jp、本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
BenQ ZOWIE EC series
価格: -円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

前述の通り、ECシリーズは確かな実績のあるIE3.0クローンマウスです。形状の細部をチェック。

両サイドはちょうど親指・薬指・小指の先端がくる位置がくびれていたり、メインスイッチ部には人差し指と中指を寝かせたときに触れる位置が窪んでいたりと、かぶせ持ちした際にそれぞれの指がフィットするよう工夫されています。

それに加えて本体後部の幅が広がっており、つかみ持ちで重要となる手のひらでのグリップ感も増していることから、かぶせ持ち・つかみ持ちの両方を想定して設計されていることが伺えます。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

また、ECシリーズはEC1(大サイズ)とEC2(中サイズ)の2種類を展開するゲーミングマウスなので、それぞれに対して解説しています。サイズ選定の参考にしてみてください。

かぶせ持ち

EC1(大サイズ)でのかぶせ持ちは、言わずもがな相性は抜群。ただし文字通り”マウスに手を被せている”感覚で、筆者の手のサイズでは握り込むにはやや大きすぎる印象です。手が大きい人向け。

一方EC2(中サイズ)は手のひらへの収まりが良く、しっかりと握り込んで細かく操作できます。

EC1では手のひらが手首ギリギリまでマウスに触れている影響からか、カーソルを縦に動かすときに手首付近の余計な動きが伝わって横ブレが発生しやすかったです。

一方でEC2は手のひらの手前にスペースがあり、垂直方向へのマウス操作時に余計にブレることなく操作できました。上記の理由から、筆者の場合はEC2が合っていると言えそうです。

(もちろん「慣れ」や「好み」といった要素も大きく作用するので、EC1や他社IE3.0クローンを試すなどして大きめのサイズに慣れているという方はEC1も選択肢に挙がります)

つかみ持ち

EC1(大サイズ)のつかみ持ちで最も印象に残ったのは、十分な本体幅があってホールドしやすい点。かぶせ持ちした際とは異なり本体の大きさは気にならないものの、代わりに重量がネックとなります。

指の先端がくる位置にサイドの窪みがうまくハマるので、持ち上げ動作自体は楽に行えます。

EC2(中サイズ)のつかみ持ちは、サイドの窪みによって持ち上げ動作が楽な点はEC1と変わらないものの、全く異なるフィーリングです。本体幅に3mmの差があるのがポイント。

EC2の方が本体幅が狭いので、掴んだときの指の角度・広がり方がまるで違います。筆者の場合、EC2の幅の狭さでは掴んだ指に力が入ってしまい、状況によってミリ単位のブレが生じるので、EC1の方が安定しました。

つまみ持ち

EC1(大サイズ)のつまみ持ちは、ほとんどの場合難しいと感じます。本体後部の左側が膨らんでおり、親指の置き場が見当たりません。唯一の解決法はかなり深めにつまむこと。

EC2(中サイズ)は全長が短めな関係上、左サイドの窪みがやや手前側にあるので、EC1よりも親指が自由に配置できます。とはいえ浅めのつまみ持ちは難しいので注意。

写真のように、親指が奥側のサイドボタンに若干掛かる位置が目安。これより浅めに持つとサイドの3本指で満足にグリップできず、操作が安定しづらいです。

結論として、ECシリーズはかぶせ持ちとの相性が抜群でした(言わずもがなですが)。サイズ選定は好み次第ではあるものの参考として言及しておくと、平均的な手の大きさの場合、かぶせ持ちならばEC2、つかみ持ちは本体幅の好みに応じて選択するのが良いでしょう。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチはEC1-Aに近い印象を受けます。軽めのクリック感で、押し込んだあとのアソビが広めに取られています(ガワが浮いている分だけ押し込める)。ストローク自体はそこまで長くはなく、連打もそれなりにしやすいです。

ちなみにメインスイッチは左が高く、右が低めの配置。

サイドボタンは誤爆防止でストロークが長めですが、親指の端で押し込める程度。クリック感自体はそれなりに軽めで、押しやすさは可もなく不可もなく。

かぶせ持ち・つかみ持ちの両方でちょうど良い位置に配置されており、奥側のボタンも容易に押せます。

ホイールは柔らかめ。確かにノッチ感はあるので何度回したかが把握しやすいものの、反応点から次の反応点までがフニャッとしており、ホイールを多用するゲームで正確に扱うには慣れが必要。

ホイールクリックは固めで、少し指に力を入れながら押し込む必要があります。

良くも悪くも、スイッチ周りの調整は前作を引き継いでいる印象を受けます (センサーやLoDに関してもそうですが、至る所への安定感を追求するのはZOWIEらしさを感じるポイント)。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

ECシリーズの搭載センサーはPixArt PMW3360です。本体裏側のDPI変更ボタンから400/800/1600/3200の4段階切り替えが可能です。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について
基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。 しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCount, xSumともに問題無く、センサー挙動は安定していると言えます。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、ECシリーズのリフトオフディスタンスは1.3mm前後でした。従来のZOWIE製マウスと殆ど変わらない数値なので、同ブランドから新モデルに乗り換えても感覚はそのまま操作することができます。

マウスソール

マウスソールは大サイズが上下に2枚に加え、センサー周りにO型が1枚。(厳密にはEC-Aはセンサー周りのO型ソールはありません)。ソールの端は丸められ、マウスパッドに引っ掛かりません。

それなりに滑りやすく止めも効くのが特徴。小サイズが四隅に4枚配置されているEC-Bのようなタイプと比べ、マウスパッドへの接地面が広いので操作が安定しやすいのがメリット。

交換用ソールが1セット付属しています。

ケーブル

ZOWIE製マウスではお馴染みのビニール製ケーブルは、よく見られる編組(布巻き)ケーブルと比べると柔軟で取り回しやすいです。工夫次第でケーブルの抵抗感は取り除けます。

実測値2.91mmと一般的な太さ(前モデルから変更なし)で、大抵のマウスバンジーに適合しています。

結論とターゲット

ZOWIE製マウスの中でも高い人気を誇るECシリーズの最新作「BenQ ZOWIE EC1 / EC2」を詳しく見てきました。ざっくり言うならば”過去作から得られたフィードバックを反映させた正統進化モデル”です(ソール形状をEC-Aに引き戻し、センサーにはEC-Bと同じPixArt PMW3360を採用)。

懸念点は、スイッチ周りの調整が据え置きであることと、目新しい要素が無かったこと。とはいえECシリーズは完成されたマウスであり、あえて大きく手を加える必要性は一切感じず、個人的にはこれが正解だとも思っています。

既にECシリーズのいずれかを好んで使用しているという方にとっては、ソール形状やセンサーのアップグレードのみを目的に、気軽に手を伸ばせるのは明確な利点だと言えるでしょう。実際、クリック感などのフィーリングが細かく異なるだけで使用時の違和感にもなり得ますし。

また、左右非対称マウスを好むかぶせ持ちユーザーで「ECを握ったことがない!」という方にとっては、一度試してみて損は無いゲーミングマウスだと思います。いわゆるIE3.0クローンの中でも、かぶせ持ちでの馴染みやすさはトップレベルです。

BenQ ZOWIE EC series
価格: -円 (本稿執筆時点)

以上、BenQ ZOWIEのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE EC1 / EC2」のレビューでした。

プッシュ通知を受け取る