Pulsar X2H レビュー

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Pulsar X2H レビュー

この記事では Pulsar X2H の簡易レビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Pulsar Japan

PulsarX2H
販売価格:13,860円

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この製品について

Pulsar X2Hは、ベースであるX2(X2V2)よりもさらに本体後部の背を高くしたゲーミングマウスです。この手の形状は日本国内で人気があり、とても注目されています。

X2からの変更点

まずNordic製MCUへの変更が大きなポイントになると思います。Nordic製MCUを搭載したマウスは、他メーカーのMCUを搭載したものと比べ、遅延が少ない機種が多いです。

また、別売りのドングルを購入することでポーリングレート4000Hzにも対応します。eSシリーズから4K対応と思っていたので、X2V2やX2Hから対応開始されるのは予想外でした。

写真は4Kドングルのサンプルです。半透明のハウジングで、接続時のみ青いLEDが光ります。

メインボタンが光学式スイッチに変更されました。これによりチャタリングを完全に防ぎ、デバウンスタイム(二重入力を防ぐためにあえて入れる遅延)を設ける必要もないので応答性の面でも有利になります。

また、ホイールエンコーダーはPulsarが独自で開発したものに変更されています。X2以前ではちらほら報告されていたホイール逆入力など、早期の故障を改善する狙いがあるものと思われます。

デザイン

余計な装飾がないシンプルなデザイン。トップシェルにさりげなくPulsarのロゴがあるのと、右側面にXIIHの文字があるくらい。

左側面に搭載されたLEDインジケーターは、DPIの設定状況やバッテリー充電状況を色で示します。

ビルドクオリティ

シェルの成形精度・組み立て精度はとても高いです。トップシェルとサイドシェルの継ぎ目はほとんど見えず、ボトムシェルとの隙間もありません。

強めにグリップしても、側圧をかけても、シェルがたわんだり軋み音が鳴ることはありません。また、本体を激しく振っても音は鳴りません。

コーティング

表面には滑りづらいコーティングがされています。指先や手のひらを一度決めた位置で保持できます。ZOWIEやVAXEEのマウスに近いもので、XM2weの表面をもう少しさらっとさせた感じです。触った部分には跡が残りやすく、汗や皮脂による汚れが目立ちますが、これは高いグリップ力とのトレードオフであると思います。

本体重量・重量バランス

本体重量は公称値53グラム、実測値は54グラムでした。公称値と約1グラムの差がありますが公差の範囲と言えます。

このクオリティで50グラム前半に仕上げてくるのは流石と言わざるを得ません。サイズ感の割には軽量な部類となり、比較的軽いマウスを好む方に適しています。

形状と大きさ

Pulsar X2H Mediumは大きく膨らんだ本体後部が特長の左右対称ゲーミングマウスです。

Pulsar X2(X2V2)の本体後部の背を高くして、両サイドに程よくくびれを作ったような感じです。X2(X2V2)は両サイドがほぼ水平になっていて、数ある左右対称マウスの中でも本体幅がかなり広いです。X2Hでは程よいくびれができたことで、よくあるミディアムサイズの左右対称マウスくらいの本体幅に抑えられています。

くびれができただけでなく、側面が逆ハの字になっています。この角度が緩すぎずきつすぎず、薬指を縦に寝かせるように配置したときに快適です。

裏側から見ると、思ったよりも本体後部の幅が広がっていることが分かります。

後ろ側から見ると、コブが大きくて丸いうえに、左右両端まで高さがあることが分かります。

メインボタン(先端側)の背はかなり低めに設計されており、指先とマウスパッドとの距離が近い状態を保ちます。指先でマウスを目的の位置に運ぶような感覚で動かすと直感的に操作できました。

結論、かなり優れた形状だと思います。XM1系統のマウスに近いフィット感がありながら、指先の位置を変えてみたり、手のひらの当て方を調整してみたり、そういった細かな調整をする余地があります。ある程度のフィット感とグリップの自由度の高さを両立しています。XM1系統のマウスは、各部の窪みが深いために手や指先に力が入りやすい設計になっていますが、X2Hは脱力した状態でもしっかりと固定できます。

ただし、X2Hは見かけ以上に本体幅が広いので、ZOWIE ZA13やZYGEN NP-01Sのような本体幅が狭いマウスが好みな人には合いません。また、X2Hはサイドが逆ハの字になっているので、X2(X2V2)やG PRO X SUPERLIGHTのようなサイドが水平になっているマウスが好みな人は少し注意が必要です。

BenQ ZOWIE ZA13-Cとの比較

ZOWIE ZA13は本体後部が盛り上がっているほか、本体幅が狭いことも特長の1つとしています。X2HはX2(X2V2)からの変更で程よいくびれができたとはいえ、ZA13と比べると明らかに本体幅が広いです。本体幅がここまで違うと、かなりグリップ感も違ってきます。確かに手のひらへの接し方は似ている部分もありますが、比較対象としては不完全だと思います。

Endgame Gear XM2weとの比較

Pulsar X2H Mediumは、Endgame Gear XM2weよりも本体後端がさらに1段階盛り上がったような形状です。また、くびれも控えめになっています。

XM1系統のマウスよりもX2Hのほうが持ち方を強制されることなく、手のひらへの当て方も指の配置も微調整しやすいです。手のひらの付け根で支えるような深めのつかみ持ちとの相性もいいですし、指の付け根で支えるような浅めのつかみ持ちでも快適です。

メインボタン

メインボタン周りの構造はX2から完全に再設計されています。ホイールの手前側から先端まで、どこで押し込んでも感触がほぼ一定です。当然、付け根に近づくと押下圧は増しますが、確実に安定性が増しており、手前側で押し込んでも快適です。

X2には機械式マイクロスイッチが搭載されており、チャタリングが数多く報告されていました。X2V2やX2Hでは新たに光学式スイッチが採用されているので、この問題は根本的に解決されました。それに加えて、光学式スイッチは、デバウンスタイムという二重入力を防ぐための遅延を設ける必要がないので、理論上は遅延が少なく、応答性でも有利に立てます。これはかなり良い変更だと思います。

クリックの固さは標準程度です。プリトラベルが少しあって、ポストトラベルはほぼゼロ。うまく調整されています。跳ね返りの強さも適切で、力を入れると即クリックできて、力を抜くとすぐに戻ります。きびきびとした感じです。

押し心地・フィーリングは光学スイッチらしさがあります。まず、バンプが大きく、カチッって音が鳴った瞬間に一気にボタンが数ミリ降りていきます。機械式のマイクロスイッチと比べて、この一気に降りる距離が長い感じです。クリック音はカチカチよりもパキパキという表現が近いです。

光学式スイッチの押し心地が苦手という人を結構見かけます。実際、何気なくカチカチと押していると「普通のマウスと少し違う」と違和感を覚えることがあります。でも結局イヤホンやヘッドフォンを装着しながらゲームをプレイしていると、クリック音や指へのフィードバックのような細かい部分はそこまで気にならない気がします。どっちかというと、固さとかストロークが大事で、X2Hはそのあたりがうまく調整されているので問題無く使えます。

サイドボタン

サイドボタンは程よいサイズ感でしっかりと飛び出しています。角が取られていて親指が引っ掛かりません。本体の真ん中辺りに搭載されていて、浅めのつかみ持ちでも奥側のボタンに指が届きます。

クリック感はうまく調整されていると感じます。手前側だけポストトラベルが少し長いですが、意識して奥まで押し込まない限りはボタンが跳ね返ってくるので気になりません。かなり押しやすいです。

ホイール

マウスを使い始めて割と早い段階で報告されがちな故障の一つが、ホイールの逆入力です。Pulsarはそれを防ぐべく、自社で開発したオリジナルのホイールエンコーダーを採用しています。

回し心地は柔らかく、ノッチ感も弱めではあるものの、輪郭ははっきりとした感じです。柔らかいホイールが好きな人に好まれそうです。どちらの方向に回しても感触は同じで、高速で回しても異音が鳴ったりはしません。とても安定性が高いです。ホイールクリックは固すぎず誤入力もしづらい、ちょうどいい固さです。

センサー/センサー位置

センサーはPixArt のフラッグシップ PixArt PAW 3395 です。独自のテストを行った結果、センサーは正常に動作していることを確認しました。DPI偏差も極めて少ないです。

センサーは本体の真ん中あたりに搭載されています。この手の本体後部の背が高いマウスは、実際にグリップしたときにセンサーが後ろに潜り込みづらいです。

マウスソール

マウスソールは上下に2枚貼り付けられています。上部ソールの面積が大きく、滑走安定性が高いものです。エッジは適切に処理されています。滑り出しの軽さは標準程度で、滑走速度は早くもなく遅くもなく。これといって操作性に特徴はありません。

結論とターゲット

これまでのPulsarのマウスは、トップティアーのマウスと比べて少しだけ性能面で劣っていましたが、X2V2やX2Hで一気に最新スペックに引き上げられました。素晴らしい改善だと思います。好みが分かれる部分を除いた、良し悪しがしっかりと評価できる部分はほぼパーフェクトです。

懸念点を絞り出すと、Pulsarが開発したオリジナルのホイールエンコーダーはホイール逆入力のような故障を抑える狙いがありますが、実際に故障率が下がるかは今のところ分からないという点。わざわざ自社で開発したということもあって期待はできそうです。

形状はとても優れており、程よいくびれができたことでX2ほど幅が広くなくなり、側面が逆ハの字になっているのでフィット感も向上しました。 XM1系統のマウスほどグリップしたときに手に力が入りづらく、フィット感が担保されつつ、指先の位置を変えたり、手のひらの当て方を調整したり、といった自由度も兼ね備えています。脱力気味で自然なフォームでのグリップにお勧めです。

ZOWIE ZAシリーズと比較されることが多いですが、ZAはその本体幅の狭さも大きな特長としており、実際のグリップ感はX2Hとは似ても似つかないものであることには注意が必要です。

PulsarX2H
販売価格:13,860円

以上、Pulsar X2H の簡易レビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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