Lamzu Thorn レビュー

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Lamzu Thorn レビュー

LAMZUのゲーミングマウス Lamzu Thorn をレビューします。

※記事内にはFnatic GearとのコラボモデルであるFnatic x Lamzu Thornの画像も含みます。

LamzuThorn
販売価格:16,500円

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この製品について

ThornはLAMZU初となる左右非対称マウス。本体重量わずか52グラム、ポーリングレート4000Hz対応、さらには光学式スイッチを搭載するなど、スペック表を眺めているだけでも魅力的に見えます。

LAMZUのゲーミングマウスは独自の世界観やデザインがボトムシェルで表現されることで知られていますが、Thornはその名の通り茨(いばら)をモチーフにしたデザインとなっています。

ゲーミングマウスとしての良さはもちろん、他のメーカーではなかなか見られない遊び心のあるデザインも、多くの人を惹きつけ、着実にファン層を拡大している要素の一つだと思います。

充電とバッテリー

充電端子はUSB Type-Cで、抜き差しはスムーズに行えます。付属のケーブルは根元が斜め上を向けられているので、充電中に有線マウスとして使うときも幾分か快適です。

公式サイトを確認する限りではバッテリー寿命は公表されていないようです。

簡易的なテストを実施したところ、やや少なく見積もってポーリングレート1000Hz設定時は約28時間ほど、4000Hzに設定すると約9~10時間の連続使用が可能という結果になりました。

競合製品と比べてバッテリー持ちはとても悪いです。ファームウェアアップデートにより改善される可能性は残されていますが、今のところは電力効率がかなり悪いといえます。

*執筆時点での最新ファームウェアを適用しています

強度

シェルの強度はとても高いです。側圧をかけてもシェルがたわんだり軋むような音が鳴ったりしません。普段から強い力でマウスをグリップするという人も安心して使用できます。

メイン基板の両端に出っ張りを設けることでサイドシェルを物理的に支えているようです。

コーティング

シェル表面はとても滑りづらく、よほど指先や手のひらが乾燥していない限り、一度決めた位置でしっかりと保持できます。とても優れたコーティングだと思います。

触った部分に跡が残りやすく、汗や皮脂による汚れもそれなりに目立ちます。グリップ力が高いコーティングだと仕方ない部分ではあります。

ブラックは汚れが目立ちますが、ホワイトだと全然目立ちません。

本体重量

本体重量は公称値が52g以下、実際に測ると53.7gでした。

とても軽いので少ない力で動かすことができます。やや大きめのミディアムサイズのエルゴノミクスマウスがたった53グラムで作れてしまうことに驚きです。

重心はセンサー付近、本体の真ん中辺り。重さが偏った部分はありません。

形状と大きさ

寸法は65.0 x 119.0 x 42.0mmでラージサイズに分類できます。Razer DeathAdder V3 ProやZOWIE EC1よりも一回り小さく、ZOWIE EC2やOUTSET AXに近いように感じます。

LAMZU ThornはZOWIE ECをベースにした形状のように見えますが、いくつか既存のエルゴノミクスマウスとは異なる部分があります。

まず、マウスを後方から見たときの傾き具合が違います。

既存のエルゴノミクスマウスの多くは、後方から見たときに本体が右に大きく傾いています。ZOWIE ECやRazer DeathAdder V3なんかがそうです。薬指や小指側の背がとても低くなっているので、手を少し斜めにして握り込むように誘導されます。

LAMZU Thornはその傾き具合が控えめになっているので、手を真っすぐ乗せても、斜めに乗せても、どちらでも違和感が出づらいです。良い意味でエルゴノミクスマウスらしさが薄れています。

(ちなみに、この傾きを完全に無くした「ハーフエルゴ」呼ばれるエルゴノミクスマウスも流行しています。ZYGEN NP-01 WirelessやWAIZOWL OGM Proなどがこれにあたります。)

もう一つ、既存のエルゴノミクスマウスと異なる部分は親指側の側面にあります。

ZOWIE ECやRazer DeathAdder V3は真ん中よりも前寄りに深い窪みがあり、親指の指先を深めに置くように誘導されます。

一方で、LAMZU Thornは真ん中あたりが最も深く窪んでいるので、他のエルゴノミクスマウスよりも浅い位置でマウスを掴んで固定するのに役立ちます。これも良い意味でエルゴらしくない。

既存のエルゴノミクスマウスの傾きが苦手な人や、左右対称から左右非対称への乗り換えを考えていて、なるべく違和感を減らしたい人にお勧めです。

普段から左右対称マウスを使うのに慣れている人は、左右非対称マウスに持ち替えた直後、マウスを水平に振っているつもりでも視点が斜めに動いてしまうことがよくあります。

これは、手がマウスのセンサーに対して真っすぐになるようにマウスの持ち方を微調整することで改善されます。

しかし、ZOWIE ECやRazer DeathAdderなどの左右非対称マウスは傾きに合わせて手を斜めに置くように誘導されるので、手がマウスのセンサーに対して真っすぐになるようにグリップするのが少し難しく感じる可能性があります。

その点、LAMZU Thornは傾きが控えめなのでグリップする角度を調整しやすく、左右対称マウスから移行しやすいです。それでいてエルゴノミクスマウスの良さも存分に残されています。

メインボタン

従来のLamzu製ゲーミングマウスにはHuanoの機械式マイクロスイッチが搭載されていましたが、Thornには光学式スイッチが採用されています。

クリック感は良好です。プリトラベルが少しあり、ポストトラベルはわずかです。クリックの押し心地はやや軽めで、跳ね返りの強さは適切です。少ない力で押し込むことができますが、プリトラベルがそれなりにあるので指の震え等では誤爆しづらいです。

光学スイッチらしい押し心地・フィーリングなので、苦手に感じる方はいるかもしれません。バンプが大きいのが特徴の一つかと思います。機械式のマイクロスイッチと比べ、カチッっと音が鳴った瞬間にボタンが降りていく移動量が大きい感じです。クリック音は「カチカチ」よりも「パキパキ」という表現が近いです。

押す場所によるフィーリングの変化も少なく、本体に対して真っすぐグリップしても、角度をつけても、クリック感は良好です。

サイドボタン

サイドボタンは大きめで、本体の真ん中辺りに配置されています。かぶせ持ちでは奥側のボタンと親指の先端が同じ位置にきます。つかみ持ちでは最も窪んでいる部分に親指の指先を置くと両方のボタンにアクセスしやすいです。

本体から大きく出っ張っており、エッジが丸められているので引っ掛かりません。プリトラベルはほんのわずか、ポストトラベルは多少ありますが、全く不快には感じません。ゲームで重要なキーをここに割り当ててもうまく機能します。

ホイール

ホイールはメインボタンから程よく飛び出しています。ホイールリングには等間隔に波模様が入っていて、指先へ適度に引っ掛かって回しやすいです。

エンコーダーにはTTC Silverが採用されています。回し心地はやや固めで、強めのノッチ感があります。1ノッチごとにはっきりと分離します。軽いホイールを好む方にはウケが悪そうで、しっかりとフィードバックが返ってくるのが好みな方向けです。

ホイールクリックはやや固めで、メインボタンの軽さとのギャップに慣れる必要があります。誤入力する心配はありません。

性能

センサー

PixArtのフラッグシップセンサー PixArt PAW3395 が搭載されています。独自の検証を行った結果、センサーは正常に動作していることを確認しました。

センサーは本体の真ん中辺りに搭載されています。ZOWIE ECシリーズやRazer DeathAdder V3などの代表的なエルゴノミクスマウスはやや後ろに寄ったものが多いです。

ポーリングレート

Lamzu Thornはポーリングレート1000Hzで動作します。4Kドングルを追加購入することでポーリングレート最大4000Hzにも対応します。

RazerPollingRateAppやMouse Testerで検証したところ、ポーリングレート4000Hzで正常に動作しました。

マウスの全体の遅延のうちポーリングレートが原因で発生するものは、ポーリングレートを高い数値に設定することで減らすことができます。これは絶対的なメリットといえます。

また、ポーリングレートが低いほどカーソルの動きが粗く、高いほど滑らかになります。これに関しては滑らかであれば良いわけではなく、人それぞれ最適な設定が異なります。

ポーリングレートを高い数値に設定すると、消費電力が上がってバッテリー持ちが悪くなったり、PCに掛かる負荷が大きくなるというデメリットもあるので注意してください。

なるべく入力遅延を減らしたい人や、色々と試しながらFPSで最も弾が当てやすい設定を探したいという人は、ぜひ4Kドングルの追加購入を検討してみてください。

マウスソール

マウスソールは四隅に4枚。上部ソールの面積が小さいのに対し、下部ソールの面積は若干大きいです。縦向きに貼り付けられています。材質はPTFEで、厚さは実測値0.88ミリでした。

滑走速度は速くもなく遅くもなく。縦よりも横の滑り出しが若干重たいように感じますが、これはソールの形状によって生まれる差異だと考えられます。

エッジは丸められている部分にあまり高さがないので、マウスパッドのスポンジが少し沈んだ時点でソールの側面と接し、多少の引きずり感が生じます。マウスを押し下げたときにブレーキ感が欲しい方に適しています。

ボトムシェルのデザインの兼ね合いで他のソールに貼り替えづらいのは難点。

ソフトウェア

Lamzu Thornはソフトウェアに対応しています。こちらからダウンロード可能です(一番右のリンク)。ポーリングレート4,000Hzに対応しているモデルは同ソフトウェアで管理することが可能です。

キー割り当てやDPI変更(初期DPIは400, 800, 1600, 3200の4段階)、ポーリングレート変更といった基本的な設定のほか、リフトオフディスタンス変更(1mm, 2mmの2段階)とMotion Syncのオンオフといった詳細設定にも対応しています。

デバウンスタイムを変更すると「二重入力される場合は設定を見直せ」的な注意書きが出るのは、前作のソフトウェアのUIを使いまわしている名残りでしょうか?Lamzu Thornは光学式スイッチを搭載しているので、少なくとも接点の摩耗による二重入力は完全に防ぐことができています。

結論とターゲット

Lamzu Thornは万人向けに設計されたエルゴノミクス形状のゲーミングマウスです。ZOWIE ECやRazer DeathAdderの左右の傾きを緩やかにして、親指側の最も窪んだ部分を真ん中に持ってくることで、左右対称マウスに近い感覚でのつかみ持ちに対応しています。もちろんかぶせ持ちでも充分なフィット感が得られます。

ラージサイズでわずか53グラムと軽量ながら、シェル表面に滑りづらいコーティングが施され、高い剛性が保たれています。MCUはNordic nRF52840で別売りの4Kドングルによりポーリングレート4000Hz対応、PixArt PAW3395センサー、光学式スイッチを搭載するなど、スペックも最新です。

このようにメインマウスになり得る要素が揃っているので、やや軽めの光学式スイッチの押し心地が許容できて、形状と重たさが気に入りそうなら、一度試してみて損は無いでしょう。

LamzuThorn
販売価格:16,500円

以上、Lamzu Thorn のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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