「final E500」レビュー。バイノーラル音源の再生に適した2,000円イヤホンのパフォーマンスを検証

「final E500」レビュー。バイノーラル音源の再生に適した2,000円イヤホンのパフォーマンスを検証

本稿では、finalのイヤホン「final E500」のレビューをお届けします。

final E500
価格: 2,020円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

コアゲーマーの間で密かに流行している格安イヤホン「final E500」。VRやASMRに用いられるバイノーラル音源を再生した際、制作者の意図通りの鳴り・方向・空間イメージを再現できるという、ターゲットを明確に絞った製品です。

上記の特徴から単純に考えると、FPSをはじめとした定位感が求められるゲームにも適している可能性は高く「これはチェックしておくべきだ」という結論に至ったわけです。早速見ていきます。

いたってシンプルです。一見するとLとRが判別しづらいですが、イヤーピースの内側を左右異なる色にすることで見分けられるようになっています。

ドライバーユニットには6.4mmダイナミック型を備えており、同価格帯としては異例の部品と組み立て精度となっているとのこと。周波数応答は非公開で、インピーダンスは16Ω。

5種類のイヤーピース(SS/S/M/L/LLサイズ)が付属しています。使用されるシリコン素材は、耳に触れる部分と音導管部分で硬度が異なり、耐久性・遮音性ともに優れたものになっているとのこと。

続いて本体側には、スウィングフィット機構が備わっています。耳の形に沿ってフィットするよう、イヤーピースが左右に可動するといったもの。

耳に合ったイヤーピースを選び、イヤホンを適切に装着することで音の鳴りが変化するのは有名な話(手持ちのイヤホンでも試してみてほしい)。このスウィングフィット機構によって装着方法を誤りづらく、本来の音が鳴らしやすくなっています。

ケーブルは太めで、先端はL字プラグとなっています。それなりに柔軟で取り回しやすいです。到着時の折れ癖は完全には治らないものの、癖によって引っ張られることはありません。

低価格ながら随所にこだわりが垣間見えるのには素直に関心しました。

final E500
価格: 2,020円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

音の解像度と鳴りの傾向

まずはリスニングで音の傾向を探ると、ドンシャリ傾向でありながら、低音が引っ込み気味で高音が強め。決して解像度が高い訳ではなく、音質自体は価格相応だと感じます。

ただE500のパフォーマンス検証において重要なのは”FPSでの定位感”でしょう。結論を先にお伝えしておくと、音場が広いうえ、音像定位が推測しやすいです。

E500でゲームプレイすると、足音に十分な音圧があり、銃声も耳に刺さるか刺さらないか程度に強調されています。しかもそれらの方向感がハッキリとしています。他機種では音が鳴った方向の逆側からも音が聞こえていたはずなのにほとんど鳴らない、といった具合です(IE 40 Proとの比較)。

逆に言えば、多方向の音が混ざって全体の音が潰れている感は否めません。集中すれば音を分離して聞き取ることは可能ですが、いかんせん筆者がフラットな鳴りを好む傾向にあり、これまでそのような環境でゲームプレイしてきたからか、やや疲れやすいと感じました。

そういった状況下でも音を正確に聞き分けられる方ならば、E500の選択はなかなか堅いのではないかと思います。

装着感

イヤホン自体の重量が15g(ケーブルを含む)とかなり軽量であることと、スウィングフィット機構による耳へのフィット感も相まって、軽々しい付け心地となっています。長時間のゲームプレイも快適。

これまでIE 40 Proを使用していた筆者としては、装着時にもたつくことが無いのが大きいです。耳掛け(SHURE掛け)式のイヤホンは付けるのにワンクッション必要ですが、このタイプは椅子に掛けた直後に素早く装着できるので楽。

メーカーによると、本体を少しねじるように押し込みながら耳に装着し、最も好ましい位置に調整するのがベストとのこと。スウィングフィット機構によって意外と調整できるので、フィットしやすい位置が容易に見つかるはずです。

結論とターゲット

「ゲームをするならばゲーミングマウス」これは常識的な話ですが、オーディオ機器には最適解が存在せずユーザーの好み次第。「モニター系?それともゲーミング?」と悩んでいる方にとって、バイノーラル音源への特化という別の切り口で売り出されているE500は魅力的に映るはず。

特に後方定位は光るものがあり、サウンドカードの組み合わせ問わずに音の方向が安定して取れます。格安イヤホンにあたる2,000円という価格帯ならば上出来ですが、過度な期待は禁物。

他社製品、それこそSE215やIE 40 Proなど1万円前後の定番モデル、あるいは上位機種を使用しているという方は、あえてE500を試す意味は薄いです。ただしE500の音場の広さ・定位感に関してはそれらを上回るポテンシャルは秘めており、好みがマッチした際には愛機となる可能性アリ。

final E500
価格: 2,020円 (本稿執筆時点)

以上、finalのイヤホン「final E500」のレビューでした。