MOTU M2 レビュー FPSの音を聴き取りやすくするオーディオ環境のはじめ方

このページのリンクはアフィリエイト広告を含みます
MOTU M2 レビュー FPSの音を聴き取りやすくするオーディオ環境のはじめ方

この記事ではMOTUのオーディオインターフェース「MOTU M2」をレビューします。

本稿は株式会社ハイ・リゾリューションより依頼を受けて執筆したPR記事です。記事の内容については監修を受けておらず、筆者の実体験に基づくものです。

MOTUM2
販売価格:35,970円

このレビューを動画で見る

はじめに

MOTU M2の購入日は2020年1月29日 3年半以上ずっと使い続けています。ゲームの音声を聴くのも、配信や動画の音を収録するのも、全部これ1台で完結してます。イヤフォンやマイクロフォンは今後も変えたりするかもしれませんが、オーディオインターフェースはこれでエンドゲームだと考えています。

オーディオインターフェイスって何?

まずオーディオインターフェイスって何?ってところなんですけど、超簡単に説明するなら、マイクやイヤフォン・ヘッドフォンをPCに繋ぐための機材です。音の入出力専用に作られた機材なので、もともとパソコン本体に内蔵されてるものよりも音が良いです。

MOTU M2を選んで使う3つの理由

数あるオーディオインターフェースの中でもMOTU M2を選んで使っている理由は大きく分けて3つです。

① 1つ目は、そのブランド力です。プロのエンジニアの中でも、音質面から絶対にMOTU製品を選ぶという人も少なくありません。3年半以上前の購入当時はオーディオ機器メーカーにそこまで詳しくなかったので、これが充分な選ぶきっかけになりました。

② 2つ目は、音質が良いことです。MOTU Mシリーズの特長が、価格の割に高性能なDACを積んでいるという点です。価格以上に音質に優れているというのは、当時人気だったYAMAHAのAG03など競合製品が多数ある中で、決め手になりました。

③ 3つ目は、費用対効果の高さです。これは購入後に感じたことです。MOTU M2はMOTUのエントリー向けモデルとして、3万円ちょっとで入手できます。オーディオ機器はほんとにピンキリで、これ以上を目指すととんでもない費用が掛かります。少し頑張れば手が出る価格かつ、エントリークラスの製品との違いも実感しやすい、ちょうどいい製品だと感じています。

なぜゲーム用アンプや外付けサウンドカードではない?

そもそもゲーミングサウンドアンプや外付けサウンドカードみたいなゲーム用のオーディオ機器を選ばないのか。その理由は、良くも悪くも尖りすぎているからです。

たとえば、ゲーミングヘッドセットの大半は、中音域よりも高音域と低音域が強調された、ドンシャリ系って呼ばれる音質傾向のものが多いです。また、ゲーム向けのサウンドアンプやサウンドカードのソフトウェアには、FPS用のプリセットが用意されていることが多いですが、これもかなり尖った調整になっていることが多いです。

ほとんどのFPSゲームでは、銃声が高音に、足音が低音に割り振られているので、その音域を強調して聴き取りやすくしよう、という考えなのだと思います。でも個人的に、こういうドンシャリ系の音はFPSに向いてるとは思えません。たとえばVALORANTだと、自分の銃声があまりに大きく響いてしまって、銃を撃ってる間だけ他の音がかき消されてしまいます。あと、高音が耳に刺さりやすいチューニングになっているので、あまり音量を上げられず、結果的に他の音が聞き取りづらい、みたいなこともよくあります。

オーディオインターフェースなら音に味付けがされることなく、原音に忠実かつ高音質な音声を届けてくれます。もちろん繋ぐイヤフォンやヘッドフォンの種類にもよりますが、個人的にはMOTU M2に中高音がメインのモニターイヤフォンなどを組み合わせると、VALORANTでヴァンダルを撃ってる最中も冷静に足音を聞き分けられたり、そもそも音量を上げても銃声などが耳に刺さることがなくて、とても快適です。

あとゲーム用のサウンドアンプやサウンドカードは、イコライザーやバーチャルサラウンドといった機能、ソフトウェアでの設定が充実している反面、あまりDACに力が入っていないものが多いです。つまり、価格に見合った音質のものが少ないです。

オーディオインターフェースは、音の入出力に特化した機材なので、投資した金額を効率よく音質の高さに変換できます。

もし絶対にイコライザーやバーチャルサラウンドといった機能が必要なら、かなり詳細なイコライザー設定ができる無料ソフトウェア Equalizer APOや、Windowsのバーチャルサラウンド Windows Sonic for Headphones を使うと良いと思います。僕も昔はこういう機能を使ったりしてたんですけど、今では絶対に要らないなって判断になっています。

FPSにおける音の重要性

FPSをやる上で、音から得られる情報はかなり重要になってきます。音だけで、敵がどこにいるか、どの銃を持っているか、どのスキルを何回使って、どのスキルが残っている可能性があるか、などを判断でき、状況によっては敵がそこからどのように立ち回るかを予測することもできます。

音を聞き取りやすい環境だと、体感として、咄嗟に良い判断をできることが多くなります。音が鳴ってから、何が起こっているかを脳がスムーズに整理できるので、迷わず瞬時に判断できる、といった感じだと思います。

これは、環境が良くなった時よりも、悪くなった時の方が体感しやすいかもしれません。たまーに低音が重たく響くようなヘッドフォンを使うと、音が聞こえる聞こえない以前に、今聞こえたのが何の音なのか・どこから鳴ったのかを一瞬考える時間が発生して、判断が鈍ります。

もちろん単純なAIM力だったり、知識、立ち回り。そういった部分が重要になるのがFPSです。

ただ、基本的にFPSをプレイしてると、咄嗟の判断が求められるシーンが多々あります。音を聴き取りやすいオーディオ環境を構築すると、そういう咄嗟の判断が求められたときに、自分の中の引き出しから最適な行動を選びやすい、というイメージです。

また、イコライザーやバーチャルサラウンドに依存した音作りは、プレイするゲームタイトルが変わると破綻してしまいます。たとえば、Apex Legendsではバーチャルサラウンドはある程度機能しますが、VALORANTでは明らかにバーチャルサラウンドを使わないほうが定位が良く聴こえます。これはゲームによって音の処理方式が異なるからです。足音なんかも、どのゲームも同じような音とは限りません。

オーディオインターフェースとイヤフォン・ヘッドフォンの組み合わせで、音を加工しなくても聴き取りやすいような環境を整えると、音のカスタマイズ無しで、どのゲームも開発者が意図した音の聴こえ方でプレイすることができます。

MOTU M2の拡張性

オーディオインターフェースのメリットの1つとして、拡張性の高さがあります。

前側にはマイクを繋げるXLR端子を2つ搭載しています。XLR接続はUSB接続よりも優れています。コンデンサーマイクであれば、USB接続のものと比べて感度が高く・音がより繊細に撮れます。いまはSHURE MV7Xというダイナミックマイクを使っていますが、USB接続のものと比べるとノイズが少ないです。

その横には6.3ミリのヘッドフォン端子を搭載していて、プロ向けのヘッドフォンを使用できます。たとえばゼンハイザーのHD599 SEなんかは6.3ミリジャックを搭載しています。もちろん3.5ミリ変換アダプタを使用すれば、一般的な3.5ミリ端子のイヤフォンやヘッドフォンも接続できます。

ゲーム用のサウンドアンプやサウンドカードには、入力も出力も3.5ミリ端子しか搭載されていないことが多いです。オーディオインターフェースなら本格的なオーディオ機器のスタンダードな端子が備わっているので、選べる製品の幅が広がります。

裏側にはスピーカーを接続するための端子が2種類 RCAジャックとTRSフォンが搭載されています。TRSによるバランス接続も可能です。音量調整ノブを回すだけでスピーカーとイヤホンが簡単に切り替えられます。ゲーム中はイヤホン、作業中はスピーカーといった使い分けができます。

MOTU M2のデザイン

本体のデザインについて、アルミの筐体にフルカラーディスプレイを搭載したシンプルなデザインで、どんなデスク環境にも馴染みやすいです。フルカラーディスプレイに入出力の状況がリアルタイムで表示されるのは気に入ってます。

ただ、見た目に関係するところで少し気になっている部分が2つだけあります。

1つ目は、マイクのXLRケーブルが前から伸びていることです。僕がやっているように、ケーブルを後ろに回すと解決するんですけど、見た目はあまりスッキリしません。オーディオインターフェースの中には、マイクのケーブルを後ろに挿せるものもあります。デスク環境にこだわりのある人の中には、ケーブルが見えるのがとにかく嫌だという人も一定数いると思うので、そういう人はMOTU M2を買っても後で気になってしまうのかなという気がしました。

2つ目は、オーディオインターフェースって基本的に机の上に置きっぱなしになるので、埃が溜まりやすいです。MOTU M2は見ての通り、ノブが何個もあって出っ張っていたり、ディスプレイがあったり、表側がデコボコとしていて少し掃除がしづらいです。これは他のオーディオインターフェースも似たようなものだと思います。

結論とターゲット

今回はオーディオインターフェース MOTU M2をゲーミングデバイスとしてレビューしました。

今よりも少し高いお金を出して、オーディオ環境をアップグレードしたいという人にとってMOTU M2は最適な製品です。その理由は、余計な部分にコストを割いていない、音質面を追求したオーディオインターフェースだからです。ゲーム用のサウンドカードやアンプに搭載されているイコライザーやバーチャルサラウンドなど、人によっては一切使わないような機能の実装にコストが割かれていません。お金をかけた分だけ音質の向上が実感できる、という点でお勧めしたいです。

3万円前後という価格帯は、オーディオインターフェースとしてはミドルレンジに位置しますが、ゲーミングデバイスとして見るとハイエンドクラスの位置付けになると思います。実際、ゲーム用のオーディオ環境の1つの機材に3万円以上かけている人は少数派だと思います。

また、あくまで個人的な意見ですが、ゲーミング系のオーディオ製品が、本当にゲームの音を聞き取りやすくしてくれるかは少し疑問に思っています。銃声を強調した結果、銃を撃ってる間だけ他の効果音がまともに聴きづらかったり、そもそも高音が耳に刺さって音量を上げづらくなったり、実際に色々な製品を試して、こういう経験をしてきたので、重要な音を強調するという考え方自体がFPS向けの音作りとはマッチしないと考えています。

今回はゲーミングデバイスとして紹介しましたが、こういう本格的なオーディオ環境を1回整えてしまえば、ゲームだけに限らず、音楽や映画、動画コンテンツも楽しめます。そういった面からも、正直、価格以上の価値は感じています。

現在、PC本体に直接イヤフォン等を繋いでいて、少しお金を掛けて音質をアップグレードしたいと考えている人。もしくは、2万円前後のゲーミングアンプやサウンドカードを使用していて、イコライザーやバーチャルサラウンドに依存しない音作り、原音に忠実かつ高音質な音を目指したいという人にお勧めです。

MOTUM2
販売価格:35,970円

FPSのオーディオ環境に悩んでいる人の参考になれば幸いです。

最新記事一覧

More

この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
Follow :
コメントを購読する
通知
guest

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

2 件のコメント
古い順
新しい順 評価順
Inline Feedbacks
View all comments
もつにこみ

motum2でそのままapexしてると銃声で耳破けるんですが、何かイコライザーとかしてます??
ラウドネス等化もないのでどうしてるのかと思いました。

通りすがり

MOTU M2とオープンエアーのヘッドホン(AD900X)でapexをプレイしていますが、足音がある程度聞こえるようにマスターボリュームを調整していれば、銃声が大きすぎるとは感じていません。イヤフォンや、FPSなどに特化しているヘッドセット等を使っているとそうなるのかも?