「Endgame Gear XM1」レビュー。特定の持ち方を拒まないSensei系統の軽量ゲーミングマウス

「Endgame Gear XM1」レビュー。特定の持ち方を拒まないSensei系統の軽量ゲーミングマウス

本稿では、Endgame Gearのゲーミングマウス「Endgame Gear XM1」のレビューをお届けします。

Endgame Gear XM1
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「Endgame Gear XM1」は新興ゲーミングデバイスメーカーEndgame Gearによる初のプロダクトにして、発表当初から海外コミュニティの間ではかなりの期待を寄せられていました。その理由は、2007年頃からSteelSeriesの製品開発に携わっていた実績がある、世界的に有名なCounter-Strikeプレイヤー Johnny R の協力を受けて開発されたからです。

彼は過去に、Kinzu, Kana, Senseiといった左右対称型の定番とも言えるゲーミングマウスをSteelSeriesと共に手掛けています。このXM1も、Senseiの形状を継承したような左右対称型デザインとなります。凹凸の位置が若干異なりますが、同じカテゴリに分類してしまっていいと思います。

本体サイズは幅66 全長122 高さ38mmと中型(M-)で、持ち方の自由度が高い左右対称デザイン。表面から見ると幅広めですが、両サイドがごっそりとくり抜かれています。本体後部のコブはSenseiよりも若干膨らんでおり、手のひらへのフィット感が増しています。表面にはラバーコーティングが施されています。

本体重量はわずか70g(ケーブル除く)で、穴が開いていない中型サイズのゲーミングマウスとしては非常に軽いです。軽さが重視される傾向にある中で、他製品よりも若干重たい70gという数値を聞いて、比較的手が出しやすいと感じるのは筆者だけでは無いはず。

このXM1、性能面にも注力されています。センサーは PixArt PMW3389 を搭載しており、ソフトウェアから最大16,000DPIを50刻みで調整可能。リフトオフディスタンスは2mmと3mmから選択できます。ポーリングレートは250/500/1000Hzの3段階に対応しており、底面のDPI変更スイッチを長押しで切り替えられます。

また、5,000万回耐久のオムロン製スイッチが採用されており、特許取得済みの独自技術により1ms未満のクリック応答速度を実現しているとのこと。目に見えないので実感しづらい部分ではありますが、反射神経を求められるFPSにおいてクリック応答速度は非常に重要です。

製品仕様から分かるのは、SteelSeries Kinzu, Kana, Senseiを過去にデザインしたプロゲーマーが贈る、ハイスペックなゲーミングマウスということ。これらの情報だけでビビッと来る人も少なくはなさそうですが、以下にてパフォーマンスを詳しくお伝えしていきます。

製品仕様

形状 左右対称型
サイズ 全長122.0 幅66.0 高さ38.0mm
重量 70g (ケーブル除く)
ボタン数 5
センサー PixArt PMW3389
DPI 50~16000 (50刻み)
LOD 1.2mm~ (実測値)
スイッチ オムロン製 (5000万回耐久)
ケーブル ビニール製
ソフトウェア 対応

ギャラリー

Endgame Gear XM1のイメージ画像(計12枚)を以下からご覧いただけます。

製品イメージをチェックする (開閉できます)
Endgame Gear XM1
価格: 59.90ドル (本稿執筆時点)
Endgame Gear XM1
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

XM1は、SteelSeries Sensei系統の左右対称型ゲーミングマウスです。本体後部が最も背が高く、先端につれて緩やかに低くなっていきます。また、両サイドは大きくくり抜かれていますが、明確な指のガイドとなる形ではありません。好きなように握ってしまっていい、自由度の高い形状となっています。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ちだと、本体後部・親指側のサイドが絶妙に手にフィットするのですが、そもそも全長が足りていないと感じます。薬指と小指の配置次第では何とかすることもできなくはないものの、筆者の手の大きさだとかなり窮屈です。手が小さめの方ならば持てなくはなさそうです。

つかみ持ちは相性抜群。全体的に平べったい部類のマウスではありますが、最も背が高いのが本体後部で、コブも大きめ。そこに手のひらを預ければ、残りの指は自然と配置できます。XM1は底面にかけて幅が縮まっていくデザインなので、持ち上げる動作も楽々です。

つまみ持ちも非常に持ちやすいです。大きくくり抜かれた両サイドの形状に親指・薬指・小指がピッタリとハマるので、特に工夫も必要ありません。70g(ケーブル除く)の軽量設計によって、手首での操作も軽々と行えます。

手が標準~大きめサイズの方だとかぶせ持ちは厳しいと思いますが、特定の持ち方をやたらと拒んでくるような形状ではなく、左右対称型としては万能な部類です。特に、つかみ持ちでの操作感・持ち上げやすさは光るものがあると感じました。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチの押し心地は軽め。跳ね返りは標準くらいですが、ストロークが短いので特に違和感はありません。押したときに「カチッ」とは表現しづらい独特な音が鳴ります。

サイドボタンは非常に軽いので、親指の配置によっては普通に誤爆します。かぶせ持ちで、親指の端の方が触れた状態で少し力が入れば、そのまま入力されてしまいます。その点を除けば、本体からしっかりと飛び出ているので押しやすく、ストロークはやや長め。

ホイールは回すたびに強い抵抗感があり、操作時にそれなりに音が鳴ります。初動がかなり重たいので、誤爆する心配は無いと思います。ホイールクリックの押し心地も硬め。

クリック応答速度

Left Key: Endgame Gear XM1
Right Key: Logicool G Pro Wireless

クリック応答速度を「KeyResponsePK」で検証しました。片方は右クリック、もう片方では左クリックをそれぞれ同時に行い、どちらの方が入力が早かったかを計測するツールです。マウス2つのクリック部分を素早く打ち付けて計測します。

数回計測した結果、XM1の方がクリック応答速度に優れているようです。

ただしこのKeyResponsePKは、2製品のクリックの硬さやストロークの長さの違いによって結果がブレるので、個人的にはあまりアテにならないと感じており、レビューへの採用を見送っていたツールでもあります。この結果はあくまで参考程度にお願いします。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

XM1の搭載センサーは PixArt PMW3389 で、ソフトウェアから50~16,000DPIを50刻みで調整できるほか、リフトオフディスタンスを2mmと3mmから選択可能です。例のごとく、Mouse Testerでセンサーの正確性を検証。DPIはそれぞれ400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「Corsair MM350」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について

基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。

しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

所々カウント飛びが見られるものの、ほぼ正確と言えるでしょう。そもそも3389系統のセンサーだと、ポーリングレート1000Hzでの波形がやや乱れる傾向にあります。これがツール側の問題なのかセンサー側の問題なのかは不明。実際に操作するうえで違和感を感じることは無いです。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。こちらも使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。計測した結果、XM1のリフトオフディスタンスは1.2mm前後でした。

Q. ”コイル鳴き”する?

海外掲示板Redditにて「XM1はコイル鳴きが酷い」と多数報告されていました。筆者の手元にある個体は、センサー部分に耳を近づけても全く音が鳴りません。少し遅れて購入したことから考えるに、おそらくは初期ロット品の不具合と思われます(未確定情報)。

マウスソール・ケーブル

マウスソールは、白いテフロン製のものが四隅に貼り付けられています。マウスパッドと触れ合う面がやや大きいので、滑りも若干抑えられています。底面はソールに沿って窪んでおり、楕円形や円形の汎用ソールに貼り替えることも可能です。

ケーブルはビニール製で、太さは実測値3mmと一般的です。標準ケーブルとしてはかなり柔らかい部類で、根本からグネグネと折れ曲がります。マウスバンジーと併用すれば、有線ゲーミングマウス特有の煩わしさはそこまで感じません。ただし、梱包時の折れ癖はなかなか取れないので注意。

ソフトウェア

ソフトウェア「XM1 Config Software」の設定項目は、各ボタンの有効/無効化、50~16,000のDPI調整(50刻み)、リフトオフディスタンス切り替え(2mm/3mm)となります。その他、最新版ファームウェアへのアップデートも行えます。キー・マクロ割り当てには対応していません

かなりシンプルなUIで、各項目をプルダウンで選択したりチェックを入れた後、Apply(適用する)をクリックするだけでOK。ただし設定項目はかなり少ないので、あらゆる用途を考えている方には不向きです。

結論とターゲット

「Endgame Gear XM」は、LEDライティングはおろか、ボタンへのキー・マクロ割り当てまで削ぎ落とされ、センサーやクリック応答速度といった芯の部分にコストが割かれています。その結果、FPSプレイヤーにとって不足感の無いハイスペックなゲーミングマウスに仕上がっています。

Sensei譲りの自由度が高い形状は、つかみ持ち・つまみ持ちユーザーに最適です。本体重量70gは非常に軽い部類とはいえ、ジャンルを問わず扱いやすい範囲内に留まっています。優れた左右対称型ゲーミングマウスを探している方は、一度試してみる価値があるのではないでしょうか。

Endgame Gear XM1
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

以上、Endgame Gearのゲーミングマウス「Endgame Gear XM1」のレビューでした。

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