「Cooler Master MM710」レビュー。全体的に完成度の高い、本体重量わずか53gの小型ゲーミングマウス

「Cooler Master MM710」レビュー。全体的に完成度の高い、本体重量わずか53gの小型ゲーミングマウス

評価:4.5

本稿では、Cooler Master(クーラーマスター)のゲーミングマウス「Cooler Master MM710」のレビューをお届けします。

Cooler Master MM710
価格: -円 (本稿執筆時点)

※執筆時点では国内未発売。

製品仕様と外観

「Cooler Master MM710」の存在が知れ渡ったのは、台湾にて開催されたComputex 2019。本イベントのCooler Masterブースにて、当時はまだ数少なかった穴開きマウスのプロトタイプが展示されており、大きな話題を呼びました。

既に本製品が発売されている海外では、最新スペックながらに49.99ドル(約5,300円)と価格が安いことが評価されています。まだ国内販売はアナウンスされていませんが、本稿にて先にチェックしておきます。

MM710は、計6ボタンを備える左右対称型ゲーミングマウスです。サイズは幅62.6 全長116.6 高さ38.3mmで、全体的に幅が広いものの”小型”に分類されるサイズ感です。

表面材質はマットで、本体カラーはブラック。防滑性の無いプラスチックです。ちなみに海外では既にホワイトカラーや艶のあるグロスモデルも出ている模様。

形状を4方向からチェック。メインスイッチはセパレートタイプで、指の配置スペースに沿って窪みがあります。両サイドのやや奥側にも窪みがあり、しっかりと握り込みやすい形状といった印象を受けます。

本体後部がコブのように大きく膨らんでいますが、全体的に背が低く、これといって干渉する心配は無さそう。小型サイズを好む方にとっては癖の少ないマウスと言えるのではないでしょうか。

本体重量は公称値53g(ケーブルを除く)、ケーブルを浮かせた状態での実測値が55gでした。

穴の一つ一つが大きめに取られており、ガワだけでかなり重量が削られている印象を受けます。穴から内部をじっくりと覗き込めるくらいスカスカです。

ちなみに指を配置するポイント(メインスイッチ、両サイドの奥側)には穴が開いていないタイプで、手触りが気になる方への配慮がされています。

センサーにはPixArt PMW3389が搭載されており、初期DPIは400 / 800 / 1200 / 1600 / 3200 / 6400 / 16000の7段階。ソフトウェアから200~16,000DPIの間を100刻みで調整可能です。

スペック

Cooler Master MM710 製品仕様
形状 左右対称型
表面素材 マット
サイズ 幅62.6 全長116.6 高さ38.3mm
重量 53g (ケーブル除く)
ボタン数 6つ
センサー PixArt PAW3389
DPI 200~16,000DPI (100刻み)
ポーリングレート 125/250/500/1000Hz
LoD 1.3mm~ (実測値)
スイッチ オムロン製 2,000万回耐久
ケーブル 疑似パラコード
ソフトウェア 対応
価格 -円 (Amazon.co.jp、本稿執筆時点)
Cooler Master MM710
価格: -円 (本稿執筆時点)

※執筆時点では国内未発売。

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

MM710は小サイズに分類されるゲーミングマウス。形状のポイントとしては、本体後部が大きく膨らんでいることと、両サイドのやや奥側とメインスイッチ部が窪んでいることの2点。

全長が短めの左右対称ながら、傾斜の作り方がうまく、手のサイズによって持ち方を選べます。つかみ持ち・つまみ持ちはもちろんのこと、かぶせ持ちも想定された造りであると言えます。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

かぶせ持ちは、浅めに持つことで傾斜に沿ってうまくフィットします。両サイドの窪みにサイドの3本指が収まり、人差し指・中指はメインスイッチの窪みに沿って配置できるので、グリップ感が得られます。

平均的な手のサイズの筆者の場合はやや窮屈で相性が良いとは言えませんが、手首の角度によって親指の付け根がマウスパッドに接地することを許容できるならばアリ。手が小さめの方ならばハマりそうです。

つかみ持ち

つかみ持ちは相性抜群です。大きく膨らんだ本体後部のおかげで手のひらが固定しやすく、両サイドもうまい具合に指が引っ掛かります。

全長が短いのでマウスを水平のまま持ち上げやすく、細かくシビアな動きAIMにも柔軟に対応できます。特に気になる部分はありません。

つまみ持ち

つまみ持ちは浅め深め問わずに握り込みやすく、無難に持ちやすいといった印象です。大きく膨らんだ本体後部は意外と高さがなく、つまみ持ちした際に干渉することもありません。

両サイドがやや奥側にかけて窪んでいるので、浅めに持っていると指が滑って引っ張られていく感覚があります。グリップテープ等で改善可能。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチはセパレートで、押す位置が浅くてもクリック感の変化が少ないです。

評判の良い2,000万回耐久のオムロン製スイッチが採用されており、ストロークが長いものの、軽くて歯切れが良いクリック感です。左右でクリック感の違いが顕著で、左が軽いのに対して右は若干重ため。

サイドボタンはストロークが短く軽めで、タイトな押し心地です。ボタン自体が細長くて小さめですが、本体から飛び出しているので特に押しづらさは感じません。

サイドの窪みの位置に合わせて指を配置していれば、奥側のボタンまで指が届きます。浅めのつまみ持ちだと届きづらいかもしれません。

ホイールは確かなノッチ感がありながら「カチカチ」と軽い力で回ります。初動の引っ掛かりが強いので誤爆はしづらそうです。ホイールクリックは軽めで、複数回の連打もこなしやすいです。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

MM710の搭載センサーはPixArt PMW3389です。初期DPIは400 / 800 / 1200 / 1600 / 3200 / 6400 / 16000の7段階で、ソフトウェアから200~16,000DPIの間を100刻みで調整可能です。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について
基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。 しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCount, xSumともに綺麗な波形で、センサーの挙動は極めて正確だと言えます。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、MM710のリフトオフディスタンスは1.3mmでした。十分に短く、マウスを持ち上げた際の無駄なカーソルの動きを抑えられます。

出荷時はDPIのズレが生じている?

一部コミュニティで「実際のDPI値よりも20%ほど低い」という話が挙がっていましたが、これは事実で、筆者もすぐに体感できるほどカーソルが重たかったです。ただし改善可能でした。

箱から出してPCに接続した状態では明らかにDPIがズレているMM710ですが、ファームウェアを最新版にアップデートすると改善されました。微々たるズレが生じている可能性はありますが、少なくとも体感しづらいところまで軽減されています。使用するうえで支障は出ていません。

マウスソール

マウスソールは独自形状のものが上部に1枚、下部に2枚。ある程度滑りながらそこそこ抵抗感のある、バランスの取れたタイプ。パッケージ内に交換用の1セットが付属しています。

端が加工されておらず、マウスパッドにガリガリと引っ掛かります。特に、縦に動かしたときに引っ掛かりによって滑りが変化してしまいます。マウスソールは交換を推奨

ケーブル

ケーブルには疑似パラコード(筆者独自の呼称)が備わっています。標準で備わったパラコードケーブルの中では非常に柔らかい部類で、有線マウス特有のケーブルの重たさや抵抗は感じづらいです。こだわらない方ならば十分に満足できるでしょう。

ケーブルの根本が本体から少し長めに伸びており、マウスパッドと擦れづらくなっています。これも良い試みだと思います。

ソフトウェア

MM710は、Cooler Master製デバイスの統合ソフトウェア「Cooler Master MasterPlus」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

Cooler Master MasterPlus:https://www.coolermaster.com/downloads/

設定項目は、各ボタンへのキー・マクロ割り当て、200~16,000のDPI調整(100刻み)、4段階のポーリングレート切り替え(125/250/500/1000Hz)、キャリブレーション、マクロの記録/保存となります。

通常の6ボタンへのキー・マクロ割り当てのほか、ホイール下のボタンと他のボタンを同時押しすることで他のキーを呼び出す「マウスコンボ」機能を利用できます。

キャリブレーションは、マウスパッド表面とセンサーとの最適化を図る機能。トラッキングの改善、リフトオフディスタンスの短縮が見込めるのでやっておくべき。

結論とターゲット

「Cooler Master MM710」は全体的に完成度の高いゲーミングマウスでした。これが5,000円台で買えるのは素直に良いと思います。センサーやスイッチに問題は無く、パラコードは標準で備わっているものとしては柔らかめ。発売当初言われていたDPIのズレも、ファームウェア更新によって改善(軽減? 要検証)されています。

唯一の懸念点はマウスソールで、角が丸まっていないのでマウスパッドと引っ掛かりやすく、質が低いと言わざるを得ない仕上がり。エアーパッドソールをはじめとした円形の汎用ソールへの交換を推奨します。また、たまに「クリックがカタつく」という報告を見かけます(筆者の個体には見られませんでした)。

近年流行している軽量ゲーミングマウスの中でも、小型マウスを好む方にとって好条件が揃った製品だと言えます。本体後部が膨らんだデザインが気になる方ならば、迷わず手に取ってしまっていいのではないでしょうか。

Cooler Master MM710
価格: -円 (本稿執筆時点)

※執筆時点では国内未発売。

以上、Cooler Master(クーラーマスター)のゲーミングマウス「Cooler Master MM710」のレビューでした。