「AJAZZ i303 Pro」レビュー。低価格を感じさせないクオリティの無線ゲーミングマウス

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「AJAZZ i303 Pro」レビュー。低価格を感じさせないクオリティの無線ゲーミングマウス

本稿では、AJAZZのゲーミングマウス「AJAZZ i303 Pro」のレビューをお届けします。

AJAZZ i303 Pro
価格: 4,334円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「AJAZZ i303 Pro」は中国メーカーAJAZZのゲーミングマウス。特徴を挙げると、ワイヤレス接続に対応(単三乾電池1本で駆動)、約71g(単三乾電池込みで約89g)の軽量設計。

現状、国内正規代理店は存在せず、中国の通販サイトAlliexpressより購入可能。価格は日本円で約3,500円(筆者購入時)と「大丈夫か?」と感じてしまうほど安価な製品ですが、個人的に気になったのでチェックしていきます。

i303 Proは計6ボタンを備える左右対称ゲーミングマウスです。ブラックとホワイトの2色展開。

表面コーティングはマット。適度なグリップ間で滑りづらく、指の跡もつきづらいです。

形状を4方向からチェック。寸法は幅63 全長119 高さ38mmで小型(S+)サイズに属します。

Logicool G304/G305ベースのように見えますが、両サイドや後部にかけての形状などに細かな違いがあり、握ったときのフィーリングも全く異なるものとなっています。詳しくは【持ち方の相性・操作感】の項目にて後述。

Logicool G304との比較画像。i303のほうが全長が長く、後部ギリギリまで高さが残っています。両サイドにわずかな窪みがある点も、握ったときのフィーリングが異なる大きな要素と言えそうです。

乾電池未装着
単四乾電池+スペーサー
トップシェル

本体重量は公称値71±5gで、実測値はそれぞれ上記の通り。(筆者の個体は少し重たい?) 単四乾電池+スペーサーで使用すればギリギリ90gを切ります。つまみ持ちなら上部カバーを外しても良さそう。

センサーにはPixArt PAW3338が採用されています。これはPixArt PMW3389の省電力版という位置づけで、無線マウスに搭載することを意図したセンサーと考えていいでしょう。

バッテリー持続時間は非公表。

本体裏側には電源スイッチ、LEDライティングON/OFFスイッチ(右側)、ポーリングレート切り替えスイッチ(左側)が備わっています。

ちなみに、USBレシーバーは本体に格納されています。また単三乾電池は同梱されていないので自身で用意する必要があります。軽量化の観点でも単四乾電池+スペーサーがお勧め。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
AJAZZ i303 Pro 製品仕様
形状 左右対称型
表面素材 マット(ブラック、ホワイト)
サイズ 幅63 全長119 高さ38mm
重量 71±5g
ボタン数 6
センサー PixArt PAW3338
DPI 最大16,000DPI (100刻み)
ポーリングレート 125/250/500/1000Hz
LoD 1.2mm~ (実測値)
スイッチ
ケーブル ワイヤレス
ソフトウェア 対応
価格 4,334円 (AliExpress、本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
AJAZZ i303 Pro
価格: 4,334円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

i303 Proは小型サイズ(S+)に分類される左右対称型ゲーミングマウス。全体的に平べったいながらも本体後部が膨らんでいるという点ではG304/G305に近い形状とも言えますが、あちらよりも癖が無いと感じます。

その理由として、本体後部がさほど絞られておらず、手のひらが収まりやすい点。また、サイドにほんのわずかな窪みがあり、滑りづらい表面コーティングも相まってグリップしやすい点が挙げられます。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

かぶせ持ちは相性が良いとまでは言えませんが、意外と持てなくもないです。両サイドの後部まで幅が残されており、親指・薬指・小指の付け根までしっかりとグリップできるのが大きなポイント。G304の場合はここが丸まっているため不安定になりがち。

つかみ持ち

つかみ持ちは相性良し。手のひらはどの位置でも吸い付くようにフィットし、両サイドは傾斜があるので指が引っ掛かりやすく、マウスを瞬時に持ち上げやすいです。

G304よりも手のひらの接地点が手前側にあるので、全長の短さもそこまで気にならず、窮屈とは感じません。

つまみ持ち

つまみ持ちは相性抜群。指を立てても寝かせても自然に握れますし、指の関節を駆使しての細かなAIMも違和感なく行えます。滑りづらい表面コーティングで、グリップ感も申し分無し。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチはメーカー側は未公表ですが、2,000万回耐久のオムロン製スイッチ。軽いクリック感、短いストロークで優秀。跳ね返りの強さも適切です。

セパレートタイプで押す位置が浅くてもフィーリング良好。持ち方によるクリック感の大きな変化はありません。

サイドボタンも軽めで、ストロークの長さも適切。さほど沈み込ませなくても反応するため、親指に軽く力を加えるだけで押し込めます。

ホイールは軽めのノッチ感があります。そこまで明瞭とは言えないものの、操作した回数を把握しやすく扱いやすいです。ホイールクリックは一般的な固さでストロークは短め。

総評としてi303 Proのスイッチ周りはかなり優秀です。特にメインスイッチは癖が無く、好みが分かれづらいものだと感じました。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

i303 Proの搭載センサーはPixArt PAW3338で、ソフトウェアから最大16,000DPI(100刻み)のDPI調整が可能です。前述の通り、PMW3389の省電力版という位置付けで、無線ゲーミングマウス向けのセンサーと言えるでしょう。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800/1600/3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について

基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。

しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCounts

xSum

xCountでは波形が乱れ、xSumでは問題無し。実際にゲームプレイで使用したところ、トラッキング不良は一切見られず、違和感も感じられませんでした。センサー以外の何かしらの要素が絡んでいると言えそうなので、”センサー挙動には問題無し”と結論付けておきます。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、i303 Proのリフトオフディスタンスは1.3mmでした。十分短いと言えるでしょう。

マウスソール

マウスソールは角の丸められたテフロン製で、独自形状のものが四隅に4枚、センサー周りにO型が1枚貼られています。これといった癖は無く、程よく滑ります。

フィルム保護などはされておらず、到着時から若干摩耗していたのは少し疑問に感じました。

ソフトウェア

i303 Proはソフトウェアに対応しています。以下のURLから「下载中心」を押して「黑爵i303 Pro游戏鼠标驱动」という項目を見つけてダウンロードしてください。

i303 Proゲーミングマウスドライバー:http://www.a-jazz.com/#FileList

※不適切なソフトウェアとしてWindowsシステムおよびセキュリティソフトにはじかれる可能性有り。また.rarファイルなので環境によっては解凍ソフトを別途導入する必要有り。

最低限のUIで、基本的な設定項目は一通り揃っています。ポーリングレート切り替えやLEDライティングのON/OFFは本体裏側からおこなえるため、ソフトウェア無しでも問題無く利用可能。

ただし初期DPIは800, 1200, 1600, 2000, 2400, 3200, 8000なので、もし400DPIで使用したい場合はソフトウェアの導入が必須となります。バッテリー残量を確認したい場合も同様です。

余談:LEDライティングは本体後部によう分からん文字が浮いてくるのでOFFにすることを推奨。

結論とターゲット

「AJAZZ i303 Pro」について詳しく見てきました。懸念点は2つ。まずxCountsの波形が乱れていることについてですが、xSumの方は正確かつ 実際のトラッキングにも違和感は感じられなかったことから、センサーに問題は無いと判断していいでしょう。もう一つは重心がやや後ろにあること。こちらは単四乾電池+スペーサーを使用しても完全に改善されないので注意を。

その他は概ね良好で、G304/G305から癖を取り除いたような形状、表面コーティング、クリック感など、低価格を感じさせないクオリティだと個人的には感じました。

現状、国内では取り扱われておらず、Aliexpressなど中国の通販サイトを介して入手する必要がありますが、個人的には手間を考えても高いコストパフォーマンスを誇る良品。形状の好みが合う方はぜひチェックしてみては。

AJAZZ i303 Pro
価格: 4,334円 (本稿執筆時点)

以上、AJAZZのゲーミングマウス「AJAZZ i303 Pro」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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