「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」レビュー。わずか47gの最軽量ゲーミングマウス

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「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」レビュー。わずか47gの最軽量ゲーミングマウス

本稿では、Finalmouse(ファイナルマウス)のゲーミングマウス「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」のレビューをお届けします。 [no_toc]

レビューサンプル提供: ふもっふのおみせ

Finalmouse Ultralight 2
タイプ:左右対称センサー:PixArt PMW3360解像度:400, 800, 1600, 3200DPIポーリングレート:500Hzボタン数:6個リフトオフディスタンス:1.1mm前後ソフトウェア:非対応サイズ:W54×D116×H36mm重量:約47g(ケーブル除く)価格:13,980円 (2019/1/29時点)

製品仕様と外観

最近、ハニカム状の穴を開けることで軽量化を図った”超軽量ゲーミングマウス”が流行しています。今回レビューする「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」は、その流行の先駆けとなったゲーミングマウスメーカー Finalmouseの最後の製品となります。

最大の特徴は、本体重量わずか47g(ケーブル除く)という規格外の軽さと、付属の「INFINITYSKIN」を貼り付けることで寸法をミリ単位でカスタマイズできる点です。ゲーミングマウスで最も重要となる形状を、ある程度ユーザーの好みに応じて調整できます。前作のUltralightやAir 58の大きさを再現、あるいは左右非対称デザインに仕上げることも可能です。

INFINITYSKINは形状のカスタマイズだけでなく、重量の調整も兼ねられるのもポイント。ベースの本体重量47gを軽すぎると感じる場合、数gであればプラスできます。ケーブルには、同ブランドの「Ultralight Phantom」以降から採用され始めた疑似パラコード「ファントムコード」が備わっており、従来のものよりも軽量化が図られているとのこと。

本体サイズは幅54.0 全長116.0 高さ36.0mmと非常に小さめ。Finalmouseの歴代マウス(Scream One、Ultralight、Air58)の形状をベースに、そのままサイズが小型化されています。左右対称型ながら手に馴染みやすい、両サイドやメインスイッチ部に窪みがあるデザインです。

さまざまな左右対称型マウスと比較しても類を見ないほどの小サイズ。INFINITYSKINによるカスタマイズ前提での設計だとは思いますが、これはこれで小型ゲーミングマウスを好む層に需要がありそうです。ボタン数は計6個で、メインスイッチはセパレートタイプ。ホイール手前はDPI変更スイッチとなっています。

前モデルと変わらず、センサーにはPixArt PMW3360を搭載しています。ホイール手前のDPI変更スイッチにより400, 800, 1600, 3200DPIの4段階に切り替えられます。ポーリングレートは500Hz固定です。決して推奨はしませんが、互換性のあるソフトウェアにより1000Hzで運用できる方法も存在します。

日本正規代理店「ふもっふのおみせ」で取り扱われた予約販売分4000個はわずか30分で完売するなど、国内でも非常に注目度が高い製品です。今後、日本全国の家電量販店などで取り扱われるほか、東京ゲームショウ2019のふもっふのおみせブースでの販売、ふもっふのおみせ公式通販サイトで再入荷されるなど、まだ購入できる機会は何度かあります。以前の予約販売のチャンスを逃した方は、当レビューを読んだうえで検討してみてはいかがでしょうか。

Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town 製品仕様
形状 左右対称型
サイズ 全長116 幅54 高さ36mm
重量 47g (ケーブル除く)
ボタン数 6
センサー PixArt PMW3360
DPI 400, 800, 1600, 3200
ポーリングレート 500Hz固定
LOD 1.1mm~ (実測値)
スイッチ 非公表
ケーブル 疑似パラコード (編組)
ソフトウェア 非対応

ギャラリー

Finalmouse Ultralight 2 – Cape Townのイメージ画像(計20枚)を以下からご覧いただけます。

製品イメージをチェックする (開閉できます)

パフォーマンス

INFINITYSKINによる形状のカスタマイズ

「INFINITYSKIN」はマウス本体に貼り付けることで形状のカスタマイズが可能な、Ultralight 2専用のスキンです。これはFinalmouse社が独自に開発した固形フォーム材で、軽量かつ汚れや汗への高耐久性を誇るとのこと。粘着剤は3Mと共同開発され、一度剥がしても再利用が可能です。

表面はサラサラとしていて、本体のハニカム状の穴のような凹凸があります。スキンには少し弾力性があるので、マウスを握ったときにグリップ感が増します。後付けのアタッチメントとしては邪魔になることなく、自然と手に馴染む感じはあります。

INFINITYSKINは3部位に分かれています。付属しているスキンの厚みは以下の3種類。

  • sides (両サイド) : 1.2mm / 2.0mm / 2.5mm
  • palm (本体後部) : 1.2mm / 2.0mm / 2.5mm
  • top (メインスイッチ手前) : 1.0mm ×3

筆者のカスタマイズ例

前述の通り、ベースとなるUltralight 2本体は極めて小さいので、小型マウスから大型マウスまで、さらにはちょっとした左右非対称デザインまで再現することが可能となっています。まずは自分の普段の持ち方を考えたうえで「手のどの部分がマウスに触れていないか」を探っていけば、自分にとって最適なカスタマイズ方法が見つかると思います。

筆者にとって理想のかぶせ持ちマウスにするべく、INFINITYSKINによるカスタマイズを試してみました。まずはマウス後方の高さに不足感を感じたのでpalm 2.0mmを、薬指と小指を自然に配置するためにsides 2.5mmを右側だけに装着。これまで使ってきたマウスよりも小型ではありますが、実際のゲームプレイで非常に操作しやすいと感じました。

現状、ゲーミングマウスの性能は頭打ちともいえる状況で、自分に合ったものを選ぶうえで最も重要なのは形や大きさが手に合うかどうか。カスタマイズできる範囲は限られているとはいえ、Ultralight 2ならば好みから大きく逸れてしまう心配は無さそうです。

持ち方の相性・操作感

前述の通り、INFINITYSKINによる形と大きさのカスタマイズが可能なのがUltralight 2の最大の特徴です。ベースの形状に依存するので、決して自由度が高いとは言えないものの、あらゆるユーザーに応じて調整できるのは非常に魅力的です。

製品の特性上、持ち方との相性について言及するのは野暮かもしれませんが、例のごとくチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

Ultralight 2は左右非対称型には劣るものの、かぶせ持ちである程度のフィット感を得られる形状です。薬指と小指の配置が窮屈なので、INFINITYSKINによって後方の高さを足したうえで、右サイドに厚みを出せば、サイズの小ささを補いつつ自然にフィットする理想形へと近づけられます。

つかみ持ちユーザーにとっては全長の短さがネックとなりそうです。手が小さめの方であれば、後方の高ささえ確保すれば問題無さそうですが、筆者の手の大きさでは窮屈に感じました。一方で、つまみ持ちは非常に相性が良いです。背が低いので指が干渉せず、マウスの細かな制御がしやすいです。

INFINITYSKINによる形・大きさのカスタマイズ次第とはなるものの、全長がかなり短いうえ、ベースの本体後方が低く設計されていることから、手が大きめの方のつかみ持ちは厳しいという印象です。個人的な最適解は、かぶせ持ちで足りない部分を補っていくか、一切カスタマイズせずに”小型ゲーミングマウスとして”つまみ持ちで運用すること。

重たさについて言及しておくと、47gという驚異的な軽さを誇るUltralight 2は、操作時に手と一体化する感覚を得られます。67gのマウスですら「マウスパッド上でマウスを滑らせている」と認識できますが、40g台にもなると「手の動きのままにマウスが追尾してくる」といった感覚です。実際にゲームプレイで試したところ、筆者の場合はストッピング精度を欠いてしまいます。やはり慣れが必要。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチは前作と比べて非常に軽くなったように思います。さらにはストロークも短くなり、前作同様に跳ね返りは強め。クリック感は明らかに改善されており、個人的にもかなり好みな部類です。

サイドボタンは若干のアソビがあり、柔らかめながら誤爆はしづらい調整となっています。マウス全長が短いことが影響してか、ボタン配置はかなり手前側に寄っているように感じます。一つ注意点として、左サイドに厚めのINFINITYSKINを貼ると、サイドボタンが埋まって押しづらくなってしまいます。

ホイールは従来通りに非常に柔らかく、回しても抵抗感がほとんどないタイプ。人によっては誤爆しやすいと感じるでしょう。ホイールクリックは軽くて押しやすいです。メーカー曰く再設計を図っているとのことですが、やはりホイール周りの耐久性に関しては不安が残ります。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

MouseTesterの見方について

基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。

しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

Ultralight 2にはPixArt PMW3360センサーが備わっており、ホイール手前のDPI変更スイッチにより400, 800, 1600, 3200DPIの4段階を切り替えられます。今回もMouse Testerでセンサーの正確性を検証。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。DPIはそれぞれ400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは500Hz。マウスパッド「Corsair MM350」上でテストを実施しました。

400, 800DPIでは正確なトラッキングを行えているものの、1600DPIでは最高速度に達したときにカウント飛びが、3200DPIでもやや不安定な挙動が見られます。手元に来た個体だけか、あるいは初期不良品なのかは定かではないので、コミュニティに呼びかけたうえで追記します。低DPI設定時の正確性は文句無しです。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。こちらも、マウスパッドによって数値が変動する可能性があることを前置きしておきます。計測した結果、リフトオフディスタンスは1.1mm前後と短めでした。カーソルの無駄な動きを十分に抑えられます。

マウスソール・ケーブル

Ultralight 2専用に設計されたというテフロン製のマウスソールは、かなり滑りやすい部類。また、本体重量が軽い割にはしっかりと摩擦する感覚があり、比較的止めも効きやすいです。Finalmouse共通の形状で、角を丸める加工が施されています。

注意点としては、やや小さめのサイズに変更されているので、UltralightやAir 58などの専用ソールには対応していません。貼り替えを検討している方は、円形や楕円形の汎用ソールを選ぶか、あるいは今後各社から販売されるであろうUltralight 2専用のものを待ちましょう。

メーカー側が公表している通り、疑似パラコード「ファントムコード」は確かに軽くなっています。ただし柔らかさは従来と変わらず、根元から若干芯が残っている感じはあります。既にパラコードに換装している方や、よほど神経質な方でない限り、ケーブルに不満は出なさそうです。

ケーブルの太さは、緩めに巻かれた布を含めて2.8mm(実測値)で、手持ちの有名マウスバンジー4種にも適合していました。固定部にケーブルを留めても外れることなく、ワイヤレスマウス同様の操作感を得られます。

結論とターゲット

唯一、1600, 3200DPIでのセンサー挙動の不安定さはあったものの(初期不良品なのか調整ミスなのかは後日追記します)、400, 800DPIでは非常に正確で、リフトオフディスタンスも短め。低DPIの方にとっては性能面に問題無し。メインスイッチのクリック感の改善も、個人的には非常に大きな要素です。

好みに合わせて大きさと形状をカスタマイズできるINFINITYSKINは斬新な発想で、マウスの形状に細かな不満を持つユーザーへの解決策となりそうです。47gはマウスと手が同化するかのような操作感で、慣れるまでにある程度の期間は要するものの、軽量マウスが好みな方ならば飛びついてしまっていい良品だと思います。

※1600DPI, 3200DPIでのセンサー挙動については後日追記します

Finalmouse Ultralight 2
タイプ:左右対称センサー:PixArt PMW3360解像度:400, 800, 1600, 3200DPIポーリングレート:500Hzボタン数:6個リフトオフディスタンス:1.1mm前後ソフトウェア:非対応サイズ:W54×D116×H36mm重量:約47g(ケーブル除く)価格:13,980円 (2019/1/29時点)

以上、Finalmouse(ファイナルマウス)のゲーミングマウス「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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