「ROCCAT Kova AIMO」レビュー

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「ROCCAT Kova AIMO」レビュー

本稿では、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングマウス「ROCCAT Kova AIMO」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: ROCCAT Japan

ROCCAT Kova AIMO レビュー

ROCCAT Kova AIMO
タイプ:左右対称センサー:Pro Optic Sensor R6解像度:最大7,000dpi(50刻み)最大加速度:20Gポーリングレート:1000Hzボタン数:10個リフトオフディスタンス:-ソフトウェア:対応サイズ:W66×D131×H38mm重量:約99g(ケーブル除く)価格:8,370円 (2019/4/01時点)

製品仕様と外観をチェック

「ROCCAT Kova AIMO」は、右手と左手の両方に適している左右対称ゲーミングマウスです。同ブランドで定番の左右対称ゲーミングマウス「Kova」のアップグレードモデルで、RGBフルカラーLEDを搭載し、ROCCAT独自のAIMOインテリジェントライティングシステムに対応している点が前作との違いです。その他の仕様については変更されていないとのこと。

左右サイドボタンが2つずつ、ホイール手前に1つ、左右メインスイッチ隣に1つずつ、計10個のボタンを搭載しており、それぞれにキー・マクロを割り当てることが可能です。多ボタンマウスとして複雑なコマンド操作を1台でこなせます。最大の特徴は左右メインスイッチの側にボタンを搭載している点で、サイドボタンよりも直感的に押すことができそうです。

公称値99g、実測値98.5g(ケーブル除く)

サイズは幅66×奥行131×高さ38mmと、よくある左右非対称エルゴノミクス形状のマウスと並び、やや大きめと言えるでしょう。奥行がとても長めですが高さはそこまで無く、平べったい印象を受けます。それぞれの持ち方との相性はパフォーマンスの項目で詳しく検証しています。

本体重量は公称値99g(ケーブル除く)、実測値98.5gと、サイズを考えるとごく一般的な数値。

光学センサーには、最大解像度7000dpiに対応するROCCATオリジナルの「Pro Optic Sensor R6」を搭載しています。専用ソフトウェア「ROCCAT Swarm」から50dpi刻みでの調整ができ、ボタンによるdpi数値の切り替えも可能です。

ROCCAT Kova AIMO パフォーマンス

計10個のボタン

合計10個のボタンを備える多ボタンマウス

「ROCCAT Kova AIMO」は計10個のボタンを備えるゲーミングマウス。メインスイッチに加え、左右のサイドボタン、ホイール手前、さらに左右メインスイッチの両隣にもボタンが搭載されています。ソフトウェアを介してそれぞれのボタンにはキー・マクロ割り当てが可能です。

両側に搭載されたサイドボタンですが、親指側は自然に押せます。しかし、逆側は薬指や小指で押すこととなるので、競技性の高いゲームでは意図したタイミングで瞬時に押すのはやや難しいです。このことから実際のゲームプレイ中で実用的なボタンは計8つと言えるでしょう。

「ROCCAT Kova AIMO」のメインスイッチ、ホイール手前ボタン、親指側のサイドボタン、両側のメインスイッチ隣のボタンの計8ボタンを駆使すれば、MMORPGや『フォートナイト』のような素早いキー入力を求められるゲームが容易に操作できます

メインスイッチ両隣のボタンが押しやすい

メインスイッチの両隣に搭載されたボタンは、人差し指か中指を横にスライドするだけで瞬時に押せるので、ゲームの重要な操作を割り当てても安心です。この操作はとても慣れやすく、メインスイッチと親指側のサイドボタンのように自然に押せるようになるまで時間は掛からないでしょう。

ボタンは突起しているので見つけやすく、指に馴染むよう傾斜しているので自然に押し込めます。しかし、押すときに深めのアソビがあるので、連打するキー操作を割り当てるのには不向きです。サイドボタンに入りきらなかった重要なキー操作を割り当てるのがベスト。

クリック感はメインスイッチ両隣のボタンを除いてやや固めです。メインスイッチは跳ね返りが強く、音がカチッと強めに鳴るのが特徴です。一方でサイドボタンはフニャっとした印象を受けます。ホイールを転がしたときの抵抗は弱めで、ホイールクリックは柔らかめ。

マウスの持ち方3種との相性を検証

どの持ち方にも適合する長めの左右対称形状

「ROCCAT Kova AIMO」は奥行きが131mmと長めで、左右対称マウスとしてはやや大きめの部類に入ります。高さは抑えめで平べったい印象を受けますが、基本的にはどの持ち方にも適合する形状となっています。ただし手が大きい方のかぶせ持ちはやや厳しいと感じます。

親指・薬指・小指の3本でマウスを固定するつまみ持ちでは、サイドボタン手前あたりから膨らんだ形状を活かし、浅めに握ることでフィット感を得られます。このとき、ちょうど人差し指と中指はメインスイッチ両隣に配置されたボタンの最も突起した部分に位置するので、複数ボタンを用いた操作も快適におこなえます。

つかみ持ちも同様で、浅めに握ることで手のひらの接地面がフィットし、安定したマウス操作をおこなえました。各ボタンに指が届きやすいので、マウスボタンにキーを割り当ててのゲーム操作もスムーズです。

かぶせ持ちでは、手のひらが触れる部分の傾斜が緩やかなこともあり、手に馴染む持ち方を探る必要があります。手の大きさが18.5cmの筆者の場合、かぶせ持ちで深めに持ってしまうと各ボタンを押しづらく感じました。一方で、マウスを浅く握ると手のひらがマウス本体から溢れてしまいます。手首でAIMする方なら特に違和感は感じないと思いますが、腕AIMの方にとっては快適とは言えないでしょう。

センサー挙動

「ROCCAT Kova AIMO」の搭載センサーはROCCATオリジナルの「Pro Optic Sensor R6」で、最大解像度7000dpiに対応しています。例のごとく、Mouse Testerを使用してセンサー精度を検証します。これはマウスを動かしたときに正確なトラッキングが行えているかをテストするツールで、点が綺麗にラインに沿っていればトラッキングが精密であることを示します。

テスト環境によって結果が前後するので、あくまで参考程度にお願いします。マウスパッド「Corsair MM300」を使用し、ゲームプレイに用いられる一般的な4種類のマウス解像度400 / 800 / 1600 / 3200cpiでテストを実施しました。結果は以下の通りです。

基本的には正確なトラッキングを行えていますが、どのcpiでも最高速度(波形の折り返し地点)で若干の乱れが発生しています。十分に実用レベルですが、PixArt3360などハイエンド機に搭載される高精度センサーと比較すると精度はやや劣ります。そういったマウスから乗り換える場合、カーソルの動きに違和感を感じる可能性があります。

また、リフトオフディスタンスは長めに設定されています。リフトオフディスタンスとは、マウスを持ち上げた際にセンサーが反応しなくなる距離のことです。「ROCCAT Kova AIMO」はエルゴノミクス形状のゲーミングマウス並みの本体重量(99g)で、決して軽量マウスとは言えないこともあり、現在リフトオフディスタンスが短めのマウスを使用している方にとっては懸念点となりそうです。

ソフトウェア

ROCCATのゲーミングデバイス共通に言えるのは、ソフトウェアが多機能なことです。その例にもれず「ROCCAT Kova AIMO」でもユニークな設定が可能となっています。もちろん、ポーリングレートの切り替え、250-7000DPIを50刻みで調整、各ボタンへのキー・マクロ割り当て、LEDライティング設定など、基本的な項目は揃っています。ただし、リフトオフディスタンスの調整には対応していません。

AIMOイルミネーション対応機と同時接続

まず「ROCCAT Kova AIMO」が従来のKovaと異なるのは、ROCCAT独自のRGB(約1,680万色)に対応したLEDライティング機能「AIMOインテリジェントライティングシステム」を搭載している点です。これは、LEDカラーや発光パターンがユーザーの使用状況に合わせて反応するもので、AIMO対応機をパソコンに繋いだ数によっても変化します。

AIMOに対応したROCCATデバイスと組み合わせるとRGBを活かした色鮮やかなゲーミングデスクを楽しむことができます。写真はゲーミングキーボード「ROCCAT Vulcan 120 AIMO」(レビュー記事)と接続したもので、異なるデバイス間でウェーブ状にLEDが点灯していました。

もちろん自身でLEDカラーや発光パターンを設定することも可能で、発光パターンは常時点灯・ブレス・点滅、カラーは好きな色に設定するかプリセットから選択できます。

Easy-Shiftにより最大24種類のボタン割り当て可能

まず挙げられるのは「Easy-Shift」。これは、Easy-Shiftボタンを押している間だけ、すべてのボタンが別のキー割り当てに切り替わるという機能です。Kova AIMOは10個のボタンを搭載するマウスですが、Easy-Shiftを活用することで最大24種類のボタン割り当てが可能です。

ボタンの割り当て画面から、好きなボタンにEasy-Shift[+]を配置します。これで右側の設定も有効となり、各ボタンに好きな操作を割り当てればEasy-Shiftを利用可能となります。指の関係上、同時押しが不可能なボタンがあることは注意しておきたいポイント。親指側にサイドボタンにEasy-Shiftを割り当てるのが現実的でしょう。

バインド中のみ感度(DPI)が切り替わるEasy-AIM

ボタンを押している間だけ指定したDPI(マウス感度)に切り替わる「Easy-AIM」という機能も利用可能です。これはFPS/TPSプレイヤーが重宝する機能で、「普段は800DPIでプレイしているけどスナイパーライフルで照準を合わせるときだけ200DPIで操作する」ことが可能です。

もちろんEasy-AIMは好きなボタンに割り当てることができ、変更後のマウス感度は250-7000DPIの50刻みで調整可能です。ボタンを押しながらAIMする必要があるので、サイドボタンに割り当てるのが現実的と言えるでしょう。

結論とターゲット

機能が豊富な多ボタンゲーミングマウス

「ROCCAT Kova AIMO」は、多くのボタンを実装することで発生しがちなマウス形状の問題もなく、3種類の持ち方すべてに対応しています。唯一、かぶせ持ちだけは手が大きめの方に適しませんが、ほとんどのユーザーが快適に操作できるであろう左右対称ゲーミングマウスです。

メインスイッチ両隣に配置されたボタンが便利で、親指側のサイドボタンを押すような感覚でゲームプレイ中に瞬時に入力できます。キーバインドをマウスボタンに割り当てておけば、『フォートナイト』などの複雑なキー操作を求められるゲームで優位に立てるでしょう。最大24種類のボタン割り当てが可能なEasy-Shift特定ボタンを押している間だけDPIが切り替わるEasy-AIMといったユニークな機能も、ソフトウェアを介して利用可能です。

センサー挙動はハイエンド機には劣るものの実用レベル。ただし、PixArt 3360などの高精度センサーを搭載したハイエンド機から乗り換えた場合、カーソルの動きにやや違和感を感じる可能性があります。懸念点はもう一つあり、リフトオフディスタンスが長く、ソフトウェアによる調整が不可能なことです。本体重量が99gとある程度重みがあることを考えると、リフトオフディスタンスが短めのマウスから乗り換えることはオススメできません。

とはいえ「ROCCAT Kova AIMO」は多機能かつ持ち方を選ばず、センサー挙動も実用レベルなことから、多ボタンを実装したゲーミングマウスの中でもクオリティが高い製品と感じます。キー操作が複雑なゲームに適しているのはもちろん、あらゆる作業にも併用できる一台です。

ROCCAT Kova AIMO
タイプ:左右対称センサー:Pro Optic Sensor R6解像度:最大7,000dpi(50刻み)最大加速度:20Gポーリングレート:1000Hzボタン数:10個リフトオフディスタンス:-ソフトウェア:対応サイズ:W66×D131×H38mm重量:約99g(ケーブル除く)価格:8,370円 (2019/4/01時点)

以上、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングマウス「ROCCAT Kova AIMO」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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