「Logicool G Pro Wireless」レビュー
本稿では、Logicool(ロジクール)のゲーミングマウス「Logicool G Pro Wireless」のレビューをお届けします。 [no_toc]
製品仕様と外観
Logicoolと言えば国内で定番のゲーミングデバイスメーカーです。「Logicool G Pro Wireless」は、そんなLogicoolがプロゲーマーと共同開発したゲーミングマウスです。中型サイズながら本体重量80gと、近頃トレンドになりつつある”軽量マウス”の波に乗っかったフラッグシップ機です。至る所で「傑作」との声も挙がっており、プロシーンでも多くの選手が使用する人気モデルとなっています。
無線接続の強みとしては”ケーブルの煩わしさがないこと”ですが、それと引き換えに遅延の問題や充電の手間といったデメリットもつきものです。「Logicool G Pro Wireless」ではそれらの弱点を克服すべく、Logicoolが独自に開発したHEROセンサーを搭載しています。その他のセンサーと比べて約10倍の電力効率を実現したことにより、本体を充電する手間が最小限になっています。バッテリー持続時間は最大60時間、0%から100%へのフル充電は約2時間でおこなえます。
本体サイズは、幅63.5mm 長さ125mm 高さ40mm で、万人に馴染むであろう中型サイズです。十分な高さが確保されていることから、かぶせ持ちやつかみ持ち向けに設計されているのかなと感じます。
本体重量は80gとかなり軽量で、無線接続のゲーミングマウスはもちろん、有線接続のものと比較しても非常に軽いです。個人的には100gを超えると重たく、90gを下回ってくると非常に軽く感じます。中型サイズの「Logicool G Pro Wireless」が80gというのがどれほど軽量か分かっていただけると思います。
内容物は、「Logicool G Pro Wireless」本体、USBケーブル、無線レシーバー、付け替え用サイドボタン、取扱説明書となります。
パフォーマンス
マウスの持ち方3種との相性を検証
改めて「Logicool G Pro Wireless」の本体サイズをお伝えしておくと、幅63.5mm 長さ125mm 高さ40mmで、万人に馴染むであろう中型サイズです。なお、それぞれの持ち方との相性については、ユーザーの手の大きさによって前後してしまうことを前置きしておきます。参考として、筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cm(日本人男性の平均)で、写真の通りとなります。
ファーストインプレッションとしては、どこかに大きな窪みがあるわけでもない、癖の無い左右対称ゲーミングマウスという印象を受けました。しかし実際に握ってみると、両サイドやメインスイッチ部分にわずかな窪みがあり、それぞれの指がそれなりにフィットする設計となっています。
この特徴から、手のひら全体をマウスに覆いかぶせるように持つ「かぶせ持ち」と、手のひらをマウスの背中に預けて残りの指で掴むように持つ「つかみ持ち」では、抜群のフィット感を得られます。高さが40mmと十分に確保されていることで、筆者の手のサイズならば全く問題なくカバーしてくれました。
親指・薬指・小指の3本指によってサイド部分でマウスを固定する「つまみ持ち」については、やや工夫が必要だと感じました。フィット感に欠けるので、マウス操作の安定性を確保しづらいという問題が挙げられます。解決策としては、それぞれの指をやや奥に配置すること。わずかな窪みに指が引っ掛かり、本体重量の軽さを活かして快適な操作が可能となりました。
結論としては、かぶせ持ちとつかみ持ちの相性は抜群です。つかみ持ちに関しても「”左右非対称”ならではのフィット感を求める方にとっては物足りなく感じる」といった程度。そもそもG Pro Wirelessは左右対称ですので、持ち方を問わない形状となっているのは優秀と言えるのではないでしょうか。
スイッチ調整
「Logicool G Pro Wireless」のスイッチ調整は全体的に柔らかめです。というより、使用し始めて間もない頃は「軽すぎる」とさえ思うほどでしたが、使い慣れていくとともに丁度良いと感じるようになりました。クリック感が硬めのゲーミングマウスを使用している方でも、慣れによって違和感なく操作が行えるでしょう。
メインスイッチは柔らかいだけでなく強い跳ね返りがあるので、クリックの高速連打がしやすいと感じます。適切なクリック感というものはユーザーそれぞれの好みによりますが、特段癖のあるものではないので万人に馴染みやすいのではないでしょうか。サイドボタンも同様、軽い力で押し込めます。ホイールは回すたびに若干の抵抗があり、何度回したかが把握しやすいタイプとなっています。ホイールボタンはしっかりと押し込む必要がありますが、他製品と比べると軽めと言えるでしょう。
センサー挙動とリフトオフディスタンス
「Logicool G Pro Wireless」は、Logicoolが独自に開発した光学センサー「HERO 16K」を搭載しています。100から最大16,000DPIに対応しており、ソフトウェアにより50DPI刻みで調整が可能です。例のごとく、今回もMouse Testerを使用してセンサーの正確性をチェックしました。
G Pro Wirelessを無線接続で、DPIはそれぞれ400/800/1600/3200、マウスパッド「Corsair MM300」上でテストした結果、ほぼほぼ正確な挙動を見せてくれました。マウスの動きを正確に捉えてトラッキングしている、正確なセンサーだと言えるでしょう。
また、0.1mmのプレートを1枚づつ重ねながら検証した結果、マウスを持ち上げた時にセンサーが反応しなくなる距離 リフトオフディスタンスは0.9mmと非常に短めでした。 マウスを浮かせた際にカーソルの無駄な動きを抑えてくれるので、より精密なAIMが可能となります。
ソフトウェア
「Logicool G Pro Wireless」は、Logicool ゲームソフトウェアによる詳細設定が可能です。設定項目としては、100~16,00のDPI調整(50刻み)、ポーリングレートの切り替え(125/250/500/1000)、各ボタンへのキー/マクロ割り当て、サイドボタンの有効/無効化、LEDライティングのカスタマイズとなります。
LEDライティングのパターンは、さまざまな色に変化していくカラーサイクル、常時点灯、点滅効果の3種類です。約1,680万色から好きな色を選択できます。また、Logicool独自のRGBテクノロジー LIGHTSYNC に対応しており、対応デバイスを同期させることでLEDカラーやパターンを統一できます。
結論とターゲット
ここまで「Logicool G Pro Wireless」について詳しく見てきましたが、クリックの反応速度、センサーの正確性、リフトオフディスタンスの短さ、がとても優秀でした。これらはユーザーの好みに影響されづらい部分で、マウス自体が備えるスペックとなります。製品名の通り、e-sportsプレイヤーが使用することを想定した設計と言えるでしょう。
ユーザーの好み次第である”形状”に関しては、かぶせ持ちとつかみ持ちは相性抜群でした。つまみ持ちも操作自体は快適に行えますが、左右非対称ゲーミングマウスと比較すると「両サイドのフィット感がやや不足している」と感じる部分がありました。”クリック感”は驚くほど軽いですが、筆者は数時間のうちに快適な操作が行えるようになりました。慣れるまでの期間は人それぞれではありますが、違和感はすぐに取り除かれると思います。
「Logicool G Pro Wireless」の最大の特徴である、無線接続ながら本体重量80gという点については、ゲームの操作においていい方向に作用していると感じます。90g台のマウスから乗り換え、初めはカーソルが目標を追い越すことも多々ありましたが、1ヵ月ほど使用したのちに上下左右への正確なAIMがスムーズになったと感じます。「軽めのゲーミングマウスが好き」という方にとっては即戦力、そうでない方にとっても一度試してみる価値があるのではないでしょうか。
以上、Logicool(ロジクール)のゲーミングマウス「Logicool G Pro Wireless」のレビューでした。