【レビューサイト厳選】ゲーム実況・配信におすすめのマイク8選。分かりづらい用語や選び方についても解説
本稿では、ゲーム実況や配信者向けマイクの分かりづらい用語と選び方について詳しく解説したうえで、おすすめのマイク8製品をご紹介します。
友人とボイスチャットを繋げながらゲームをプレイする際は、自身の喋っている内容が聞き取れる程度のマイク品質で十分だと言えるでしょう。しかし、実況や配信を通してゲームプレイの様子を届けるとなれば、「声の聞き取りやすさ」や「音質の良さ」は視聴者にとって非常に気になるポイントです。
ゲーム実況や配信活動を行っている方、これから始めたい方は、まずはマイクにこだわってみてはいかがでしょうか。
ゲーム実況・配信用マイクの選び方
1. ゲーミングヘッドセットとの違い
マイクと言えば、ゲーミングヘッドセットにもブームマイクが搭載されています。まずはそれぞれの特徴を抑えておきましょう。
- ゲーミングヘッドセット
- 単純にヘッドフォンとマイクが一体型となっているので一石二鳥なデバイス
- マイクの位置を調整し、口に近づけて喋ることができる
- マイク単体と比較すると、音質や声の聞き取りやすさはイマイチ
- マイク
- 音質に優れており、声が聞き取りやすい
- ゲーミングヘッドセット以外にもデバイスの選択肢が広がる(音響機器メーカーのヘッドフォンを使用するなど)
- 導入するマイクの接続方式によってはオーディオインターフェースが必要となる
それぞれの「音質の良さ」の差異については、販売価格で考えると納得しやすいかと思います。ゲーミングヘッドセットは主にヘッドフォン部分にコストが割かれるので、マイクはそれなりのものが搭載されています。つまり、1万円で販売されているゲーミングヘッドセットのマイク品質が1万円相当というわけではないことが分かると思います。一方で、マイク単体ではコストの全てがマイク自体に割かれているので、単純に考えれば「同じ販売価格ならばマイク単体の方が音質に優れている」ということになります。
もちろんゲーミングヘッドセットでもある程度の品質で声を届けることは可能ですが、音質にこだわりたい方や聞き取りやすさを重視したい方はマイク単体で導入することをオススメします。
2. 「指向性」によって音を拾う方向が異なる
マイクには音を拾う範囲を表す「指向性」という用語が存在しています。それぞれの特徴は以下の通りです。
- 単一指向性(カーディオイド):前面(マイクを向けている方向)の音を拾いやすい
- 超単一指向性:同じく前面の音を主に拾うが、単一指向性と比べて範囲が絞られている
- 双指向性(ツインディレクション):前後2方向の音を拾いやすい
- 全指向性(無指向性、ノンディレクション):方向を問わずに全ての音を拾う
ゲーム実況や配信ならば、できる限り自分の声だけを拾うことが理想なので、単一指向性もしくは超単一指向性のマイクを選ぶことをオススメします。後ほど本稿で紹介する製品はすべて単一指向性か超単一指向性、もしくは指向性の切り替えが可能なものとなります。
次の項目で解説しますが、コンデンサーマイクは音質には非常に優れているものの、感度が高いので単一指向性や超単一指向性でも広範囲の音を拾ってしまいやすい傾向にあります。ゲーム実況や配信でなるべく自分の声のみを拾わせたい場合は、ダイナミックマイクが最も適した選択となります。
個人的には、マウスやキーボードの操作音が多少入っていた方が臨場感が増す(ゲームプレイの様子がより伝わる)ので、周囲の音を気にして無理やりダイナミックマイクを選択する必要はないのかなと思います。
3. ダイナミック、コンデンサーの違い
マイクの種類は大きく分けて「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の2種類あり、それぞれの特徴は以下の通りです。
- ダイナミックマイク
- 振動や湿度に強く、マイク本体の耐久性が高い
- マイク感度が低いため、少し離れた場所の音は拾いづらい
- コンデンサーと比べると感度が低く、カバーする音の帯域は狭め
- 音楽シーンでは主にライブに使用される
- コンデンサーマイク
- 音の帯域を広くカバーでき、繊細な音も拾ってくれる
- マイク感度が高いため、少し離れた場所の音も拾いやすい
- 湿気や振動に弱く、耐久性は劣る(ただしUSB接続のものは除く)
- 音楽シーンでは主にスタジオでの録音に使用される
ダイナミックマイクが耐久性重視で、コンデンサーマイクは品質重視となります。ゲーム実況や配信など自宅での使用ならば、コンデンサーマイクの方が適しているでしょう。しかし性能に長けているぶん値段が高くなりがちですので、性能比や価格を十分考慮したうえで決めると良いと思います。
なお設計の関係上、「USB接続の」コンデンサーマイクについては、マイク特性によって湿度に影響する心配はありません。
4. USB接続か、オーディオインターフェースを経由するか
マイクの接続方式について、「USBで接続するタイプ」と「オーディオインターフェースを経由するタイプ」があります。前者はパソコンに直接USBケーブルで繋ぐだけで動作しますが、後者はオーディオインターフェースという機器を介して接続する必要があります。
オーディオインターフェースとは、PCでオーディオを高音質で再生・録音するための機器です。そもそもパソコンには両方の機能が備わっているのですが、本格的にオーディオを再生・録音するのに標準機能では性能が低すぎるので、それらを向上させるために導入されます。
つまり、オーディオインターフェースを介してマイクを接続するタイプを選んだ方が、格段にノイズが少ない高音質な声を届けられます。しかしオーディオインターフェースを別途導入しなければいけない分、掛かる費用は上がってしまいます。
できるだけ低価格で済ませたいという方はUSB接続マイクを、本格的な環境を揃えたい方はファンタム電源の付いたオーディオインターフェースと対応したマイクを選ぶことをオススメします。ちなみに後ほど本稿で紹介する製品は、それぞれの接続方式を明確に記載しています。
5. オーディオ機器を選ぶ際は予算をしっかり決める
マイクを含むオーディオ機器は奥が深く、高級品を揃えるとなると価格の桁が跳ね上がります。声を届けることが主な用途となるゲーム実況や配信では、あまりに高性能なマイクを用意したとしても持て余す可能性大。購入前にしっかりと予算を決めておきましょう。
予算の目安としては、ゲーム実況や配信に求められるマイク品質を考えると、価格が1万円台の製品を選んでおけば間違いないでしょう。もちろん自分が求めるスペックによっては、数千円台のエントリークラスの製品も視野に入ってきます。ただし、オーディオインターフェースを導入して本格的な環境を整える場合は、その分の費用が別途掛かることは注意しておきたいところ。
ゲーム実況・配信におすすめのマイク8選
USB接続コンデンサーマイク
以下で紹介するのは、PCに直接USBケーブルで接続するタイプのマイクです。別途オーディオインターフェースを導入する必要がなく、高音質かつ手軽に扱えるのが大きなメリットです。しかし、オーディオインターフェースを経由した場合と比べるとノイズの少なさや音質の良さはやや劣ってしまいます。
音質と価格ともに優れた入門機 Marantz Professional MPM1000U
アメリカに本社を置くオーディオ機器ブランドである マランツプロ(Marantz Professional) のエントリーモデル。「ゲーミングヘッドセットよりも高音質なUSB接続コンデンサーマイクを高音質で手に入れたい」という方に最適な製品です。
前面(マイクを向けた方向)の音を拾いやすい「単一指向性」です。しかし低価格モデルゆえに、高価格帯のものと比べると、他の方向から鳴った音も若干拾いやすい傾向にあります。「マウスやキーボードの操作音をできる限り抑えたい」という方には不向きでしょう。また、標準でマイクスタンドが付属していないので、別途用意する必要がある点も注意しておきたいところ。
多くの配信者が使用する定番製品 Blue Microphones Yeti
「Blue Microphones Yeti」は世界中で多くの方が使用する定番のUSB接続コンデンサーマイクです。特徴としては、単一指向性、全指向性、双指向性、ステレオの4種類に指向性を切り替えることが可能です。ゲーム実況や配信をするならば単一指向性、もし配信内で対談をするのであれば双指向性など、シーンによって最適な設定で使用できます。
また、マイク本体にボリューム調整ノブとミュートボタンが搭載されているのは、配信を行う方にとっては大きいのではないでしょうか。さらに、カラーバリエーションが豊富なので、現在のデスク環境に合わせて本体色を選べるのも嬉しいポイント。
USB接続でスタジオ級の音質に近づける RODE NT-USB
スタジオ用のオーディオ機器を手掛けるRODEの「RODE NT-USB」は、非常にクリアで聞き取りやすい高音質なUSB接続コンデンサーマイクです。他製品と比較すると、デザイン性に優れている印象を受けます。ヘッドフォン出力端子が搭載されており、録音しながら自身の声をモニタリングすることが可能です。また、マイクスタンドとポップガードが標準で付属しています。
一つ残念な点を挙げるとすれば、マイクミュートボタンが搭載されていないことです。配信中に席を外す際などマイクを無効化したいときには、配信ツール側でミュートする必要があります。とはいえマイク品質は申し分ないので、USB接続コンデンサーマイクでなるべく高音質なものを手に入れたい、音質を重視している方に最適です。
HyperXが実況・配信者向けにリリースした HyperX QuadCast
ゲーミングデバイスブランドHyperXが発売した「HyperX QuadCast」は、ゲーム実況・配信者向けに開発されたUSB接続コンデンサーマイクです。4種類の指向性を切り替えられ、ワンタップでマイクをミュートする機能、さらにマイク感度を調節するダイヤルも搭載されています。マイクアームへの取り付けに必要なマウントアダプターが標準で2種類付属しています。
ミュート状態であるかを一目で判断できるLEDライティングを搭載しており、ゲーミングデスクと同調しやすいのも嬉しいポイント。音響機器メーカーのマイクは信頼性が高いですが、長年ゲーミングヘッドセット市場で活躍してきたHyperXも同様のことが言えます。上記3製品がピンとこなかった方はこちらが気に入るのではないでしょうか。
オーディオインターフェースを経由するマイク
以下から紹介するマイク4製品は、いずれもオーディオインターフェースを介して接続する必要があるものです。マイク自体の性能にも左右されますが、USB接続のマイクとオーディオインターフェースを介したマイクを比較すると、後者のほうがノイズが少なく音質に優れる傾向にあります。
”ゴッパチ”の愛称で知られる定番中の定番 SHURE SM58
「SHURE SM58」は”ゴッパチ”の愛称で知られる、ダイナミックマイクの定番中の定番です。音楽スタジオやライブハウスにも大抵置かれています。オーディオインターフェースを介して接続するのでその分の費用は掛かりますが、そこにSM58を繋ぐだけで本格的な環境が出来上がります。
プロボーカリストの使用者も多いモデルですが、比較的安価なのでゲーム実況や配信用としても手が出しやすくてオススメです。ちなみにダイナミックマイクは、コンデンサーマイクと比べると感度が低いので、マウスやキーボードの操作音をなるべく取り除きたい方に最適。
SM58の上位モデルで”超単一指向性”を採用 SHURE BETA58A-X
「SHURE BETA58A-X」はSM58の上位モデルにあたるダイナミックマイクです。もちろんマイク品質もグレードアップしているのですが、大きく異なるのは「超単一指向性」であることです。単一指向性よりも限られた範囲の音を拾いやすく設計されているので、ゲーム実況や配信中にマイクやキーボードの操作音をなるべく取り除きたい方にオススメです。
コストパフォーマンスに優れた国産メーカー製 audio-technica AT2020
日本の音響機器メーカーaudio-technicaの「audio-technica AT2020」は、同社コンデンサーマイクのエントリーモデルという位置付けで、低価格ながら高音質かつ広い音域をカバーします。DTM(デスクトップミュージック)の入門機としてもオススメされる、コストパフォーマンスに優れた選択となります。
ゲーム実況や配信でマイクを導入する目的は「自分の声を聞き取りやすくすること」ですので、低価格でそれなりのマイク音質が手に入る本製品は魅力的だと思います。ただし、単一指向性とはいえ、コンデンサーマイクの特性上 感度は高めとなっているので、環境音が気になる方は注意すること。
性能に優れた世界的ベストセラーモデル RODE NT1-A
「RODE NT1-A」は本稿で紹介する中では最上位品のコンデンサーマイクで、音楽をしている方ならば必ず選択肢に挙がってきたであろう世界的ベストセラーモデルです。マイク品質に関しては文句無く、上記3製品よりも良いものが欲しいと感じた方にオススメ。ポップガード付きショックマウント、ケーブル、専用ポーチなどが標準で付属するので、他に用意するものが少ないのも利点です。
併せて導入しておきたい周辺機器
マイクの位置を細かく調整する
基本的には置き型のマイクスタンドが付属していますが、そのまま使用することはあまり理想的ではありません。ゲーム実況や配信でクリアな音を届けるためには、マイクを自分の口元に近づけることがベストです。また、マイクを適切な位置に調整することで、マウスやキーボード操作、デスクの振動などの環境音を拾いづらくする効果もあります。
マイクの位置を細かく調整するため、アーム式のマイクスタンドを一緒に導入することをオススメします。
上記でも紹介したRODEから本格的なマイクスタンドが販売されています。マイクの種類によってはそれなりに重量があるので、しっかりとしたスタンドに本体を預けておけば安心です。もちろん、しっかりと支えてくれるスタンドならば安価なものでも構わないでしょう。
以上、「【レビューサイト厳選】ゲーム実況や配信におすすめのマイク8選。分かりづらい用語や選び方についても解説」でした。