「Logicool G PRO HERO」レビュー

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「Logicool G PRO HERO」レビュー

本稿では、Logicool(ロジクール)のゲーミングマウス「Logicool G PRO Gaming Mouse HERO (G-PPD-001r)」のレビューをお届けします。 [no_toc]

Logicool G Pro HERO
タイプ:左右対称センサー:HERO 16K解像度:最大16,000dpi最大加速度:-ポーリングレート:-ボタン数:6個リフトオフディスタンス:1.0mm前後ソフトウェア:対応サイズ:W62.15×D116.6×H38.2mm重量:約83g(ケーブル除く)価格:6,721円 (本稿執筆時点)

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製品仕様と外観

「Logicool G PRO HERO」は、計6ボタンを備える小型の左右対称型ゲーミングマウスです。旧型PRO HEROではセンサーがPixart社の3366を搭載していたのが、本製品ではLogicoolが独自に開発した「HERO 16K」に刷新されています。その他、ケーブルが細めのビニール製のものへ変更されています。

前作PRO HEROが人気を博していたことからも分かる通り、G100やG100sから受け継がれた形状は一定の信頼を置けるものとなっています。本体サイズは幅62.15 全長116.6 高さ38.2mmで、全体的に平べったくて小さめ。形状の特徴としては、底面に近づくにつれて幅が縮まっていくのですが、その幅の差異は1cm以上。サイドに配置する指が引っ掛かりやすく、マウスを持ち上げやすくなっています。本体重量は83g(ケーブル除く)と軽量設計ですが、サイズ感から考えると妥当な数値でしょう。

前述の通り、センサーは「HERO 16K」を搭載しており、ソフトウェアから100~16,000DPIを50刻みで調整可能。DPIを最大5つまで保存しておき、割り当てたDPI変更スイッチによって瞬時に切り替えることができます。ポーリングレートは125から1000Hzの4段階切り替えに対応しています。

スイッチは、5,000万回の耐久性を備えたオムロン製のものを採用しています。特筆すべきは、機械式ボタンテンショニングシステムにより”押下荷重の一定化”が図られている点。サイドボタンは左側のみに備えており、左右対称ながら右利き専用の製品となっています。表面は若干ザラつきのあるマットで、滑り止め効果は薄いのですが、形状による指への吸い付きでカバーされていると感じます。

なお、今回レビューを行うG PRO HEROは発売からそれなりに日が経っており、実勢価格は6,000円台後半あたり。Logicoolは無線技術を備えたハイエンドクラスの製品拡充に力を入れている印象が強いだけに、G PRO HEROの価格が安いのではないかと錯覚してしまいそうになるところですが、よく考えれば妥当な価格設定と感じます。そのあたりも踏まえたうえで、性能と使用感を詳細にチェックしていければと思います。

ギャラリー

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パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

「Logicool G PRO HERO」の形状の特徴としては、全長が116.6mmとかなり短いうえ、高さも最高点が38.2mmと平べったい点。また製品仕様の項目でもお伝えした通り、底面にいくにつれて幅が縮んでいく形状で、その差異は10mm以上となっています。これによりサイドの指を自然に配置でき、マウスを瞬時に持ち上げる動作も容易に行えます。これを踏まえたうえで一般的な持ち方との相性をチェック。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方の細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なることを前置きしておきます。

かぶせ持ちに関しては、手のひらが2割ほど浮いた状態になり、マウス全長が若干足りないと感じます。これがゲームプレイの操作に影響を及ぼし、微調整に手首を用いたときに安定性に欠けると感じます。重心やボタン配置に関しては問題無いので、手が小さめの方ならば適正はありそうです。

一方でつかみ持ちは相性抜群。サイドの傾きに沿って親指・薬指・小指を自然に配置することができ、手のひらはマウス後部の形状にしっかりフィットします。つまみ持ちも同様、サイドの3本指でしっかりと固定できるうえ、各スイッチに指が自然と届くので、かなり快適な操作が可能でした。

結論として「Logicool G PRO HERO」は、つかみ持ちとつまみ持ちとの相性が良かったです。筆者の手の大きさでは、かぶせ持ちをすると手のひらの一部が浮いた状態になり、手の動きが十分にマウスまで伝わらずに細かなAIMがしづらいと感じたものの、手が小さめの方ならばこの問題は解消されそうです。

ボタン配置・クリック感

マウス本体のイメージを見る限りでは、サイドボタンが手前に寄っているという印象を受ける方もいると思います。これはマウス全長が短いことが影響しているだけであって、実際にマウスを握ってみると親指の真上に配置されています。各ボタンの配置に違和感はありません。

クリック感は全体的に柔らかく軽め。メインスイッチは過剰に押し込む必要が無く、少し負荷を掛けると「カチッ」と即座に反応します。跳ね返りが強めで、高速連打もしやすいです。サイドボタンも同様に軽いですが、誤爆しづらいよう若干のアソビがあります。親指の腹の端でも容易に押し込めます。

ホイールは回すたびに強めの抵抗感があり、誤爆する心配は一切無さそうです。表面は指に引っ掛かりやすい加工となっており、何度回したかも掴みやすいです。ホイールクリックはややしっかりめに押し込む必要があります。クリック時に歪みは発生しません。

スイッチ配置・クリック感ともに万人向けの調整と言えるでしょう。以前「Logicool G PRO Wireless」をレビューした際にも同様の記述をしたと思いますが、異なる傾向のゲーミングマウスを使用している方でも、慣れによって違和感の無い快適な操作が行えるようになると思います。

センサー挙動とリフトオフディスタンス

MouseTesterの見方について

基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。

しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

「Logicool G PRO HERO」は、Logicoolが独自開発した光学センサー「HERO 16K」を搭載しています。ソフトウェアで100~16,000DPIを50刻みで調整可能です。例のごとく、MouseTesterを用いてセンサーの正確性を検証しました。

DPIはそれぞれ400, 800, 1600, 3200で、マウスパッド「Corsair MM350」上でテストした結果、ほぼほぼ正確な挙動となりました。マウスが最高速度に達したとき(波形の頂点)にやや癖が見られるものの、これはG PRO Wirelessでも同様の傾向が見られました。実際のカーソル挙動に違和感はありません。

マウスを浮かせてからセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンスも検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという動作を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測りました。その結果として、リフトオフディスタンスは1mm前後と非常に短めでした。

マウスソール

四隅に小さめのものが4枚と中心(センサー周辺)に1枚の、計5枚のマウスソールが貼り付けられています。端が丸く加工されているほか、四隅のソールは内側がやや窪んでいます。つまり、実際にマウスパッドと触れているのはソールの端だけで、標準ソールとしては比較的滑りやすいものとなっています。しかしマウスパッドとの摩擦が少ない関係上、止めは効きづらいと感じます。

底面の出っ張りは汎用マウスソールをカバーした形状なので、貼り替えが容易に行えます。Hyperglideなどの有名メーカーからG PRO専用のマウスソールも発売(Amazon.co.jp)されているので、標準ソールの傾向が好みに合わない方はそちらを検討しても良さそうです。

ケーブル

ケーブルはPVC(ポリ塩化ビニール)製で、編組ケーブルと比べると柔軟性は増したように思えます。とはいえ、ケーブル自体にそれなりの硬さがあり、有線ゲーミングマウス特有の煩わしさはどうしても感じてしまいます。結果的には、快適性は旧型と変わらない印象を受けます。

マウスバンジーにケーブルを固定した際にしなやかに動いてくれたり、巻き癖がつきづらいのは嬉しい点です。また、重量の実測値(ケーブル含む)がほぼほぼ公称値(ケーブル含む)と変わらないことから、ケーブル自体が軽くなったことも改善点として挙げられます。パラコード系統を除いた標準ケーブルとしては高評価。

ソフトウェア

「Logicool G PRO HERO」は、Logicool ゲームソフトウェアによる詳細設定が可能です。設定項目としては、100~16,000のDPI調整(50刻み)、125/250/500/1000へのポーリングレート切り替え、各ボタンへのキー・マクロ割り当て、LEDライティングのカスタマイズとなります。

必要な機能が綺麗にまとまったUIで、直感的な操作が可能となっています。一つ挙げるとするならば、マウスパッドとの最適化を図るキャリブレーション機能や、リフトオフディスタンス調整機能が備わっていない点ですが、もともとリフトオフディスタンスが1mm前後と短いので不満はありません。

結論とターゲット

「Logicool G PRO HERO」はG PRO Wireless同様、e-sportsで使用することを想定されたハイエンドな設計でした。センサー・リフトオフディスタンス・スイッチ調整など、マウス自体の性能に関わる部分は良い出来で、信頼を置いてしまってもいいのではないかと思います。

形状に関しても、筆者の手の大きさではかぶせ持ちは厳しかったものの、あらゆる持ち方に対応可能であると感じます。83gと軽量ながらに軽すぎない本体重量も高評価です。ユーザーの好み次第で感じ方が異なる部分ではありますが、つかみ持ち・つまみ持ちかつ、小さめかつ平たいマウスが好みな方は一度試してみる価値アリ。

Logicool G Pro HERO
タイプ:左右対称センサー:HERO 16K解像度:最大16,000dpi最大加速度:-ポーリングレート:-ボタン数:6個リフトオフディスタンス:1.0mm前後ソフトウェア:対応サイズ:W62.15×D116.6×H38.2mm重量:約83g(ケーブル除く)価格:6,721円 (本稿執筆時点)

以上、Logicool(ロジクール)のゲーミングマウス「Logicool G PRO Gaming Mouse HERO (G-PPD-001r)」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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