「Glorious Model D」レビュー。EC1の形状をベースとした大型の軽量ゲーミングマウス

「Glorious Model D」レビュー。EC1の形状をベースとした大型の軽量ゲーミングマウス

評価:4

本稿では、Glorious PC Gaming Race(グロリアス)のゲーミングマウス「Glorious Model D」のレビューをお届けします。

Glorious Model D
価格: 6,980円~ (本稿執筆時点)

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製品仕様と外観

「Glorious Model D」は、Model OやModel O-で人気を博すGlorious PC Gaming Raceの新作ゲーミングマウス。ブランド初のエルゴノミクス形状を採用し、発表当初はZowie ECのクローンではないかと騒がれていました。

いち早く手に入れて確認してみると、それは確かにZowie ECベースの形状ではあるものの若干異なっています。なお執筆時点で国内正規品は出回っておらず、国内からは並行輸入品のみ入手可能であることを留意してください。では詳しく見ていきます。

Model Dは計6ボタンを備える左右非対称ゲーミングマウス。本体カラーはブラックとホワイト、表面コーティングはマットとグロスのそれぞれ2種類で、計4種類の展開です。今回のレビュー機はマットホワイトとなります。

表面コーティングはModel Oと同等で、適度に滑りづらいマット処理という印象です。質感も悪くなく、指の跡がつきづらいです。

形状を4方向からチェック。寸法は幅67 全長128 高さ42mmで大型サイズに属します。

同じ軽量クローンの比較対象としてG-wolves Skoll Sk-Lが挙がりますが、両サイドに穴が開いていないのは大きなポイントとなるのではないでしょうか。Model Dの方がサイドの3本指が滑りづらく、グリップ感に長けています。

Zowie EC1と比較すると、いくつか異なるポイントを確認できます。右サイドの傾斜がわずかに異なる点、左右クリックのガワが窪んでいる点、右半分が若干高く設計されている点。また全長は長い(EC1と同じ128mm)ですが、本体幅はややシャープでEC2寄りと言えます。

これらの特徴から、平均的な手の大きさでも握り込みやすいと言えます。寸法から見れば大型サイズですが、長さを除けば中型サイズを手に取ったようなフィーリングだと言えます。

本体重量は公称値68gで、ケーブルを含んだ実測値は71.1gでした。軽い。

センサーにはPixArt PMW3360が搭載されており、ソフトウェアから100~12,000DPIを100刻みで調整可能です。初期DPIは400, 800, 1600, 3200, 5000, 10000の5段階で、ホイール下のボタンから切り替えられます。

その他の仕様として、100%PTFE製のマウスソールG-Skatesや、疑似パラコードAscended Cordを備えています。Model OやModel O-に対するユーザーからのフィードバックを受けて改善されている点もいくつか見受けられるので、詳しくは【パフォーマンス】の項目にて後述していきます。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
Glorious Model D 製品仕様
形状 左右非対称型
表面素材 マット, グロス (それぞれ重量が異なる)
サイズ 幅67.0 全長128.0 高さ42.0mm
重量 68g(Matt), 69g(Glossy)
ボタン数 6
センサー PixArt PMW3360
DPI 400~12,000DPI (100刻み)
ポーリングレート 125/250/500/1000Hz
LoD 0.7mm~ (実測値)
スイッチ オムロン製 (2,000万回耐久)
ケーブル Ascended Cord (疑似パラコード)
マウスソール G-Skates (100%PTFE)
ソフトウェア 対応 (Model D Software)
価格 6,980円~ (Amazon.co.jp、本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
Glorious Model D
価格: 6,980円~ (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

Model Dは大型サイズに分類されます。EC1やDeathAdderよりもほんの少しだけ小さく、中型に分類されるマウスよりも大きいです。

前述のようにZowie ECシリーズを軸に考えるならば、EC1と同じ長さ(全長128mm)かつ、本体幅はEC2寄りで若干シャープ。その他、右サイドの傾斜の違い、左右クリックのガワの窪み、右半分がさほど沈んでいないことで、サイドの3本指でしっかりと挟んで握り込めます。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

筆者のような平均的な手の大きさだと、かぶせ持ちと非常に相性が良いです。全ての指の関節いたるところまでフィットし、違和感が出る箇所はありません。

前述の通り、EC1と比べて手が当たる部分がシャープに感じ、サイドの3本指で挟みこみやすいです。また、右サイドの頂点に近い位置にあるわずかな窪みは、薬指がピッタリと収まるよう設計されています。

つかみ持ち

つかみ持ちも相性が良く、フィーリング・グリップ感ともに文句無し。

サイドの3本指の配置はどこかに限定されることもなく、フィットしやすい位置をユーザー側で自由に探ることができます。手のサイズが平均以下だと大きく感じてしまうであろう点を除けば、癖が無いと言えるでしょう。

つまみ持ち

つまみ持ちは人を選びます。親指を立てるとサイドの窪みに沿って奥側まで滑ってしまうので、浅めにつまむことは不可能。深めにつまんだ場合には本体の高さが干渉し、指の関節を用いた細かなAIMが難しいです。

指を寝かせるスタイルだと安定しますが、それでもFPSにおけるリコイルコントロールなどで指の関節を曲げながらマウスを下方向に降ろす際、親指が奥に滑っていってしまいます。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチには2,000万回耐久のオムロン製スイッチが採用されています。軽いクリック感でストロークが短く、押す位置によるクリック感の変化も少ないです。好みが分かれづらい押し心地と言っていいでしょう。

ちなみにModel OやModel O-で一部報告されていた”左右クリックのガワのカタつき”ですが、筆者の個体には一切見られませんでした。非常にしっかりとした造りで、強めに力を加えても何処かを支点として左右に動きそうな様子もないです。

サイドボタンはやや固めで、ストロークが長めに取られています。長いとは言えど本体にボタンが埋まるほどではなく、押しづらさはそこまで感じません。

ただし、筆者の個体では奥側のサイドボタンが押しづらいです。その原因は、ボタンに対して内部のスイッチが手前側に寄っていることでした。ボタンの奥を押し込んでも判定は無く、真ん中あたりを押し込むと正常に反応します。

ホイールは少ない力で回り、ノッチ感も軽め。そこまで明瞭とは言えないですが、誤爆する心配は無さそうです。可もなく不可もなく。ホイールクリックは短いストロークで適度な固さがあります。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

Model Dの搭載センサーはPixArt PMW3360で、ソフトウェアから400~12,000DPI(100刻み)のDPI調整が可能です。初期DPIは400, 800, 1600, 3200, 5000, 10000の5段階で、ホイールの下に備わったボタンから切り替えられます。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800/1600/3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について
基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。 しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCounts

xSum

xCounts、xSumともに綺麗な波形です。実際のゲームプレイでもトラッキングに違和感は無く、Model Dのセンサー挙動は正確であると結論付けます。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、Model Dのリフトオフディスタンスは0.7mmでした。Model OやModel O-と同様、非常に短い数値です。

マウスソール

Model Dのマウスソールは厚さ0.81mm、100%PTFE(テフロン)製の「G-Skates」で、独自形状のものが四隅に4枚。有名なHyperglideとも遜色ない、非常に滑りやすいソールと言えます。使用の際は保護フィルムを剥がすこと。

一見するとModel OやModel O-のソールと同じ形状に見えますが、大きさが異なるので貼り付けられません。純正の交換用ソールが欲しい場合、別途発売されているModel D専用のものを入手する必要があります。

替えのソールは付属していませんが、マウスパッドとの接地面積を拡大するための追加ソールが付属しています。これを追加すると、まるでEC-Aや新ECのような大きな形状になります。

ケーブル

Model Dは前作からパッケージが刷新され、ケーブルの根本あたりが折れないよう工夫されています(現行ロットではModel OやO-も新パッケージを採用しているとのこと)。これで数多く報告されていたケーブルの断線問題は解決に向かうのではないでしょうか。

またコードを覆う布の品質が格段に向上しており、Model OやModel O-に見られた布の余りもありません。主要マウスバンジーへの取り付けも問題なく行えました。

ケーブル自体は以前と同様でやや固さが残った疑似パラコードケーブルという印象ですが、根本は以前と比べてスムーズに可動するようになっています。標準ケーブルとしては不満が挙がりづらいのでは。

ソフトウェア

Model Dはソフトウェア「Glorious Model D Software」に対応しています。以下のURL内の [Download Model D Software] よりダウンロード可能です。

Glorious Model D Software:https://www.pcgamingrace.com/pages/glorious-model-d-downloads

設定項目は、計6ボタンへのキー・マクロ割り当て、400~12,000DPI(100刻み)のDPI調整、LEDライティング設定、リフトオフディスタンス調整、4段階のポーリングレート切り替え、デバウンスタイム調整です。オンボードメモリを備えており、マウス本体にプロファイルを保存可能。

シンプルで分かりやすいUIかつ、最低限の設定項目も揃っています。ちなみに、LEDライティングをOFFにしても裏側のDPI設定を示すLEDインジケーターは点灯したままですが、表側にまで透けないよう工夫されています。参考までに。

(次の新作が出たあたりで、UIは据え置きでGloriousデバイス製の統合ソフトウェアが欲しい)

結論とターゲット

「Glorious Model D」について詳しく見てきました。Zowie EC1をベースとした形状の大型ゲーミングマウスで、中小サイズが多い軽量ゲーミングマウスの中では珍しい選択肢の一つとして挙げられるのではないでしょうか。

奥側のサイドボタンが押しづらいことについては、さまざまな原因が想定されるのでリサーチ後に追記する予定(この一点を除けば完成度の高いゲーミングマウスと言えるだけに惜しい)。Model OやModel O-の初期ロットで見られた左右クリックのガワのカタつきや、パッケージの問題によるケーブルの断線しやすさは改善されたと言っていいでしょう。

競合として挙げられる他社製マウスとは異なり、両サイドに穴が開いておらず十分なグリップ感が得られることから、大きさ・形状・重量の好みが合うならば唯一無二の選択ともなり得るでしょう。

Glorious Model D
価格: 6,980円~ (本稿執筆時点)

以上、Glorious PC Gaming Race(グロリアス)のゲーミングマウス「Glorious Model D」のレビューでした。