Darmoshark M3 レビュー

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Darmoshark M3 レビュー

本稿では、Darmosharkのゲーミングマウス「Darmoshark M3」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Darmoshark Japan

Darmoshark M3
価格: 5,980円(執筆時点)   Darmoshark

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この製品について

先日Darmosharkの日本正規代理店が決定して公式Twitterが開設され、「Darmoshark M3」および「Darmoshark PAD-1」の国内発売がアナウンスされました。公式ECサイトでの先行予約価格は税込5,980円と非常に安価になっています。

「Darmoshark M3」はFinalmouse Air 58クローンのゲーミングマウスで、形状と大きさだけでなく本体重量やソール形状まで本家にそっくりです。前作のN3と同様、PixArt PAW3395センサー、Kailh GM 8.0スイッチといったハイエンド機に搭載されるパーツを搭載しています。

製品仕様とスペック

カラー ブラック/ホワイト/カーキ 表面 マット
形状 左右対称 サイズ 66.12 x 129.55 x 39.23mm
本体重量 58±5g ボタン数 7つ
センサー PixArt PAW 3395 解像度 最大26,000dpi
最大加速度 50G 最大速度 650IPS
ポーリングレート 1000Hz エンコーダー
デバウンス 0 ~ 20ms スイッチ Kailh GM 8.0
接続方式 2.4GHzワイヤレス/有線 ケーブル パラコード
ソール PTFE ライティング 非搭載
ソフトウェア 対応 メーカー保証 1年間

バリエーション

ブラック・ホワイト・カーキの3色展開です。

パッケージと内容物

Darmoshark M3のパッケージの内容物は以下の通りです。

  • マウス本体
  • USB Type-C to USB Type-A ケーブル
  • 延長アダプタ
  • USBレシーバー
  • 交換用マウスソール
  • 取扱説明書

パフォーマンス

接続とバッテリー

接続方式

Darmoshark M3は2.4GHzワイヤレスとBluetoothに対応しています。付属のUSBレシーバーをPCに接続してマウス底面のスイッチを下側に切り替えると2.4GHzワイヤレスで動作します。延長アダプタとケーブルが付属しており、マウスと2.4GHzレシーバーの距離を近づけて使用できます。検証中、動作は安定しており、長時間連続で使用していても不具合は発生しませんでした。

バッテリーと充電

Darmoshark M3は最大84時間持続する500mAhの大容量バッテリーを搭載しています。コアユーザーから評判だった前作「Darmoshark N3」は200mAhと容量が小さいバッテリーを搭載しており持続時間は30時間以下でした。M3は他社製ワイヤレスマウスとほとんど差がなく、長時間使用しても頻繁に充電する必要が無くなっています。

マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行し、余計なバッテリー消費を防ぐことができます。バッテリー充電は付属のUSB Type-Cケーブルで行うことができ、充電中に有線マウスとして使用する場合は底面のスイッチを真ん中に戻す必要があります

ビルドクオリティ

Darmoshark M3は十分なビルドクオリティを備えています。いくつかの問題を抱えていますが、いずれも通常使用で悪影響を及ぼすことはありません。価格の安さやコストパフォーマンスを重視する方はあまり深く考える必要はなく、クオリティ重視であったり神経質な方は避けたほうが無難かと思います。

シェルの成形精度はそこまで低くないですがムラがあり、トップシェルとサイドシェルの継ぎ目がほとんど見えない部分と隙間がハッキリと視認できる部分が混在しています。グリップしたときにカタついたり軋んだりすることはありません。

ミディアム~ラージサイズで500mAhの大容量バッテリーを搭載しながら59グラムの軽量設計となっていることからも想像できるように、やはりシェルは非常に薄いようで、サイドを押すとたわみます。左サイドを親指で強く押し込むとサイドボタンが押下されますが、これは実際にゲームをプレイするときの力の入り方では再現されません。

筆者の個体ではホイールが少し左にズレています。これは操作性には一切影響せず、ただ見た目の問題に留まります。本体を激しく振っても音は鳴らず、各パーツはしっかりと固定されていることが分かります。

ややチープな造りであることは否めませんが、競合他社と比べてあまりに価格が安いこともあり、個人的にはもう少し酷くても笑って済ませられるかもしれません。

グリップ性能

Darmoshark M3は前作N3と同じコーティングのように見えます。表面はサラサラとしていて肌触りが良いです。触った部分には跡が残りづらく、汗や皮脂による汚れは目立ちづらいです。ただし、グリップ性能は非常に低いです。手汗をかいていても乾燥していても滑りやすいので、グリップテープによる対策が必須となるかと思います。

本体重量

Darmoshark M3の本体重量はメーカー公称値58±5gで、実測値が59.0gでした。メーカーが意図したものかは不明ですが、Finalmouse Air 58の形状だけでなく本体重量もそのまま反映させたクローンマウスとなっています。

重量バランス

重心はセンサー付近で、中心よりもわずかに後ろ側にあるように感じます。

形状と大きさ

Darmoshark M3の寸法は66.12 x 129.55 x 39.23mmでミディアム~ラージサイズに分類できます。

Finalmouse Air 58 (= Finalmouse Ultralight Pro) のクローン形状で、本家よりも若干大きめです。上の比較画像から分かる通り、Finalmouse Starlight-12 Small / Mediumよりも大きいので注意が必要です。手が平均~大きめの方に合うサイズ感です。

本体を横から見ていくと、全体的に平べったく、最も背が高いのは真ん中よりやや後ろ辺り。本体後部の背の高さや傾斜の作り方はVaxee XEとほぼ同じで、幅が広くてあまり丸みを帯びていないコブがあります。つかみ持ちの際に手のひらでしっかりと支える方に適しています。

両サイドのカーブは緩やかではあるものの、真ん中から先端にかけては程よい逆ハの字になっています。これが実際にグリップしてみると思ったよりも印象的で、見かけ以上に持ち上げ動作が容易だったり、つかみ持ちで薬指を縦に寝かせるようにして固定するのに適しています。

メインボタンはU字状に深く窪んでいるため、人差し指と中指を固定しやすいです。細かく造形されているわけでもなく全体的にシンプルに見えますが、想像以上に手に馴染みやすい優れた形状です。

持ち方の相性

前置き:筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとは相性が良いです。左右対称マウスということもあってグリップする角度を制限されてはしまうものの、平均的な手の大きさではそれぞれの指が窮屈に感じることはなく程よくフィット感も得られます。ただ、かぶせ持ちであえてこれを選ぶ必要性は特に見当たらないのも正直なところです。

サイドボタンやホイールには問題無く指が届きます。

つかみ持ち

つかみ持ちとは非常に相性が良いです。手が平均~大きめの方に適したサイズ感で、手のひらでしっかりと支える深めのグリップと相性が良いです。

カーブが緩やかで程よい逆ハの字になったサイドは、どのように指を配置しても違和感が出づらいです。筆者の場合は薬指を縦に寝かせるようにして固定するとしっくりときます。

センサーの位置がリア寄りなのは気になる点です。主要メーカーのつかみ持ちに適したマウスと比べ、深めにつかみ持ちしたときにセンサーが手のひら側に潜り込んでしまいます。筆者が普段通りグリップするとセンサーが小指の真横辺りにきます(G PRO X SUPERLIGHT = XE Wireless > Viper V2 Pro > M3)。

メインボタンには指先に沿うようなU字状の深い窪みがあり、指先でのコントロールも容易に感じられます。手前側でクリックすると押下圧と跳ね返り感が増しますが、つかみ持ちで押す範囲では押し心地は良好です。サイドボタンとホイールには指が届きやすいです。

つまみ持ち

つまみ持ちともそこまで相性は悪くありませんが、サイズが大きすぎるのであえてこれを選ぶ必要は無さそうです。これよりも指先で動かしやすいマウスは他にいくつもあります。

スイッチ

メインボタン

メインボタンのマイクロスイッチにはKailh GM 8.0が採用されています。ハッキリとした感触が得られることを特徴としたスイッチです。押し心地は固めで、パキパキと歯切れが良いです。連打もホールドも苦ではありませんが、直前にクリック感が軽いマウスを使っていると少し意識して力を入れる必要が出てくるかと思います。

シェルが薄いマウス特有の、バンプ時の「カチッ」という音が響く感じがあります。イヤホンやヘッドフォンをしていると気になりませんが、フィーリングはそこまで良くはないです。

メインボタンが分離したセパレート設計により、押し込む場所によるクリック感の変化が抑えられています。手前側にいくにつれて押下圧と跳ね返り感が若干増しますが、ホイールより0.5センチほど手前側を押し込んでもそこまで不快ではなく、浅めのつかみ持ちでも快適に操作できます。悪くない設計です。

サイドボタン

サイドボタンはやや小さめで本体からしっかりと飛び出しています。エッジは面が取られていて親指をスライドさせても引っ掛かりを感じません。ボタンは本体のやや奥側に搭載されていて、かぶせ持ちやつかみ持ちで両方に指が届きやすいです。

押し心地は手前側が柔らかめで奥側は少し固いです。感触はとてもチープで、プリトラベル・ポストトラベルともに長いです(特に奥側)。以前使用していたマウスとのギャップでレイズのブラストパック思い通りにコントロールできないなど、シビアなタイミングが求められるシーンでは慣れが必要でした。結果的にはFPSでキャラクター操作にかかわる重要なキーを割り当てても問題無く操作できていますが、あまり快適ではありません。

ホイール

ホイールは本体からあまり飛び出していません。ゴムリングには模様が入っており、適度に指に引っ掛かって回しやすいです。

回し心地は軽くもなく重たくもなく。回したときのノッチ感がハッキリとしており、1ノッチごとの分離感がしっかりと得られます。連続したスクロールも1ノッチ単位の細かな操作も行いやすく、好みが分かれづらいものだと感じます。

ホイールクリックはやや軽め。最低限の力で押し込むことができて誤作動もしづらい、ちょうどいい固さだと感じます。ハッキリとした感触が得られるので重要なキーをバインドしても快適ですが、跳ね返りが弱いので連打するのには不向きです。

センサー

Darmoshark M3はPixArt製のフラッグシップセンサー「PixArt PAW 3395」を搭載しています。N3のレビューでも言及しましたが、この価格帯のマウスにこのクラスのセンサーが採用されているのは不思議です。最大26,000DPI、最大速度650IPS、解像度50~26000DPIに対応。初期DPIは400 / 800 / 1600 / 3200 / 4800の5段階で、本体底面に搭載されたDPIボタンで切り替えられます。ソフトウェアからは100~26000dpiを100刻みで調整可能です。

このマウスはRipple Control・Motion Syncの2項目がはじめから有効化されているので注意が必要です。特にRipple Controlは無効化しているユーザーが多いと思われるので、ソフトウェアを起動してのセッティングが必須となります。

センサーの挙動を可視化するツール「Mouse Tester」での検証に加え、『VALORANT』と『Apex Legends』でもプレイテストを行った結果、センサーが正常に動作していることを確認できました。

* 付属の延長アダプタ・ケーブルを使用し、マウス本体とUSBドングルを近付けた状態で検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッドは「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」。環境によって結果が変動する可能性があるので、あくまで参考程度にお願いします。

MouseTester: xCounts (Motion Sync On)

MouseTester: xCounts (Motion Sync Off)

MouseTester: xSum (Motion Sync On)

MouseTester: xSum (Motion Sync Off)

センサー位置

Darmoshark M3のセンサーはマウス本体の真ん中よりも後ろ側に搭載されています。主要メーカーの左右対称マウスと比べ、つかみ持ちでグリップしたときに手前側に潜り込んでしまいます。使い始めはカーソルの移動量に慣れない可能性があります。

* センサーの位置が変わると、手首を支点にしてマウスを動かしたときのカーソルの移動量に差が出ます。一般的には、手首の動きを細かく捉えられることから、センサーが真ん中よりも前側に寄っているものは優れているとされており、後ろ側に寄ったものは好まれない傾向にあります。

マウスソール

Darmoshark M3は四隅に中型ソールが貼り付けられています。Finalmouse Air 58と同じ形状に見えます。厚さは実測値mmでした。仕様表には黒のPTFEと書かれていますが、筆者の個体は純白のPTFEソールでした。滑り出しのスムーズさは標準程度で、滑走速度はやや速め。エッジの処理はわずかに丸められている程度で、滑走面が粗かったり中間層の柔らかいマウスパッドと組み合わせると擦れを感じます。

デフォルトのものと同じ交換用ソールが1セット付属しています。

設定・ソフトウェア

Darmoshark M3は専用ソフトウェアに対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

Darmoshark M3 Software:http://darmoshark.cn/qudongxiazai/45.html

シンプルで分かりやすいです。基本的な設定だけでなくデバウンスタイム(0~20ms)やリフトオフディスタンス(Low/High)の調整も可能です。バッテリー残量は1%刻みで表示されます。

初期状態でRipple Controlが有効化、ポーリングレートが500Hzに設定されていることには注意が必要です。これに加えてMotion Syncもはじめから有効化されています。このマウスを購入して手元に届いたら、まずソフトウェアで設定を確認してから使い始めることをお勧めします。

結論とターゲット

「Darmoshark M3」はFinalmouse Air 58のクローン形状を採用したワイヤレスマウスで、既存のStarlight-12シリーズのMediumよりも一回り大きなミディアム~ラージサイズです。このサイズ感は意外と珍しく、「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」「Razer Viper V2 Pro」などミディアムサイズの左右対称マウスが少し小さく感じる方に適しています。Kailh GM 8.0マイクロスイッチやPixArt PAW 3395センサーを搭載していながら約6000円で入手できるコストパフォーマンスの高さも魅力です。

シェルの成形精度がそこまで高くなかったり、両サイドを押し込むと少したわんだりと、気になる点がいくつかあります。また、筆者の個体ではホイールが少し左にズレています。どれも実際にゲームをプレイするにあたって困ることはありませんが、神経質な方は避けたほうが無難です。個人的には価格が安すぎて全然許容できてしまいます。

N3ではかなり短かったバッテリー持続時間はM3になって最大84時間に向上しています。表面のグリップ性能が低く、標準ソールの品質も良いとは言い難いので、サードパーティー製のグリップテープやソールで対策することをお勧めします。細かな気になる点は多々あるものの、低価格帯のワイヤレスマウスとしてはスペックが高く、コストパフォーマンスを求める方にお勧めです。

総合評価4.0 out of 5.0 stars

* それぞれ 長所 注意点 短所 の3段階で評価しています。
 ユニークなエルゴノミクス形状
 安定したワイヤレス接続
十分なビルドクオリティ
 60g以下の軽量設計
 歯切れの良いクリック感
扱いやすいホイール
高精度なセンサー
価格が非常に安い
本体重量は公称値オーバー
マウスソールの品質が低い
表面のグリップ性能が低い
サイドボタンの感触がチープ
バッテリー持続時間が短い
Darmoshark M3
価格: 5,980円 (本稿執筆時点)

以上、Darmosharkのゲーミングマウス「Darmoshark M3」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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