BenQ ZOWIE EC-CW レビュー

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BenQ ZOWIE EC-CW レビュー

今回はBenQのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE EC-CW」をレビューします。

レビューサンプル提供: ベンキュージャパン株式会社

BenQ ZOWIE EC-CW
価格: 21,800円 (本稿執筆時点)

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この製品について

遂にZOWIEがワイヤレスマウスを出しました。第1弾はEC-CWシリーズで、従来と同様に3種類のサイズが展開されています。

製品仕様とスペック

カラー ブラック 表面 マットコーティング
形状 左右非対称 サイズ
EC1-CW: 69 x 130 x 42mm
EC2-CW: 65 x 123 x 42mm
EC3-CW: 66 x 119 x 41mm
本体重量
EC1-CW: 79g
EC2-CW: 77g
EC3-CW: 76g
ボタン数 5つ
センサー PixArt PAW 3370 解像度 最大19,000dpi
最大加速度 50G 最大速度 400IPS
ポーリングレート 1000Hz SoC Nordic nRF52833
クリック応答速度 2段階 (Fast/Normal) スイッチ Huano Black shell Blue dot
接続方式 2.4GHzワイヤレス ケーブル パラコード
ソール PTFE ライティング 非搭載
ソフトウェア 不要 メーカー保証 1年間

バリエーションと本体価格

BenQ ZOWIE EC-CWは3種類のサイズを展開しています。

EC1-CW
(Large)
EC2-CW
(Medium)
EC3-CW
(Small)
サイズ  69 x 130 x 42mm 65 x 123 x 42mm 66 x 119 x 41mm
本体重量 79g 77g 76g
製品ページ 楽天市場 楽天市場 楽天市場
BenQ公式 BenQ公式 BenQ公式
価格 21,800円

パッケージと内容物

BenQ ZOWIE EC-CWは有線バージョンとは異なる豪華なパッケージに入っています。内容物はマウス本体、ケーブル、延長アダプタ、USBドングル、エンハンストワイヤレスレシーバー、交換用ソール1セット、取扱説明書。

接続とケーブル

BenQ ZOWIE EC-CWは2.4GHzワイヤレスに対応しています。延長アダプタとケーブルのほか、通常よりも安定した通信が可能になるエンハンストワイヤレスレシーバーも付属します。

2.4GHz帯域が混み合うオフライン環境に頻繁に足を運ぶなら重宝しそうですが、自宅のみでの使用なら通常のUSBドングルでも問題無いような気がします。ZOWIEマウスを複数購入したときに使いまわせるようにもなるので、必要に応じて購入できるようにエンハンストワイヤレスレシーバーが別売りのオプションになっていたら嬉しかったです。

ただ、このエンハンストワイヤレスレシーバーは充電ドッグの役割も果たす優れモノなので、正直あって損はないです。結構大きくて背が高いのでモニターとの位置関係には少し注意したいところ。

バッテリー

BenQ ZOWIE EC-CWのバッテリー容量は300mAhで最大70時間の連続使用に対応しています。個人的にバッテリー持ちは十分だと感じますが、他者のハイエンド機と比べるとやや劣るという評価になります。

充電はケーブルに繋ぐかレシーバーに置くか2通りを選べます。そのまま置くとマウスが斜めになりますが、マウスパッドの厚みが加わるとマウスが平行になって安定する仕組みです。

ビルドクオリティ

BenQ ZOWIE EC-CWのビルドクオリティは良好です。シェルの強度はとても高く、強い力でグリップしてもたわまず、カタついたり軋み音が鳴ったりすることもありません。それぞれのスイッチは適切に取り付けられていてフィーリングに違和感はありません。シェルの薄いマウスによくあるスイッチ押下時の反響も確認できません。

コーティング

コーティングはEC-Cシリーズ(有線)と異なります。EC-Cシリーズ(有線)は表面にツヤがあるのに対し、EC-CWシリーズ(無線)はツヤのないマットな仕上げになっています。相変わらず触った部分には跡が残りやすいですが、汗や皮脂による汚れはほんの少し目立ちづらくなったように感じます。

マットコーティングによるグリップ性能が高く、指先や手のひらをしっかりと固定できます。手が乾燥していても手汗をかいていても適度にグリップしてくれます。筆者の場合はグリップテープは不要と感じましたが、手汗の量が多いと気になるかもしれません。

本体重量・重量バランス

BenQ ZOWIE EC-CWの本体重量はそれぞれEC1-CWが79g、EC2-CWが77g、EC3-CWが76gとなっています。大きさが違ってもそこまで差がないのは意外なところ。EC2-CWは公称値77gに対して実測値77.9gで、約1グラムの誤差がありました。

重心はセンサー付近にあります。重さが偏っている部分はなく、重量バランスは良好です。

形状と大きさ

BenQ ZOWIE EC-CWシリーズは3種類のサイズを展開しています。EC2-CWはEC1-CWが一回り小さくなったものです。EC3-CWはEC2-CWよりも全長が短いものの幅は広がっていたり、フィット感を損なわないように形状がうまく調整されています。

EC1-CW
(Large)
EC2-CW
(Medium)
EC3-CW
(Small)
69 65 66
全長 130 123 119
高さ 42 42 41

ZOWIEのような複数サイズ展開だと、手の大きさや持ち方に合わせて自分に合ったものを選択できるのが強みです。筆者のような平均的な手の大きさでは、かぶせ持ちではEC1-CWかEC2-CW、つかみ持ちではEC2-CWかEC3-CWがベストな選択だと感じます。

ZOWIE ECは人間工学に基づいて設計されたエルゴノミクス形状・左右非対称マウスのシリーズです。IE3.0クローン(の1種)とも呼ばれます。手の自然なフォームに合わせて造形されており、かぶせ持ち・つかみ持ちでフィット感を得られやすい形状です。

本体を後ろから見ると、手を自然なフォームで載せたときの角度に合わせ、左から右にかけて背が低くなっていきます。

背の高さのピークは本体真ん中あたりで、真ん中から本体後部にかけては真っすぐ降りていきます。ECシリーズは意外と本体後部がそこまで高くありません。

左サイドは後部の大きな膨らみが親指の付け根に張り付くようにフィットし、真ん中よりも少し奥側が程よく窪んでいるので指先でしっかりと固定できます。

右サイドは先端が水平になっていて薬指を立てても寝かせても違和感が出ません。

EC-CシリーズからEC-CWシリーズへのアップグレードで目立った形状の変化はありませんが、マイナーアップデートとして、EC-Cシリーズはサイドシェルにまでメインボタンが覆いかぶさる形になっていましたが、EC-CWではメインボタンの両端がやや狭くなっています。これにより両サイドの先端側のスペースが広くなり、薬指を伸ばし気味にするような持ち方の制限が無くなりました。

ZOWIE ECシリーズは間違いなくレジェンドマウスの一つだと思っています。今でこそクローン形状を採用したマウスが市場に溢れていますが、そういった状況でも本家がこうやって小さなアップデートを続けているのは個人的に嬉しいことでした。

マウスの形状に合わせて持ち方を工夫しなくても、自然と覆い被せるだけでフィットするのがZOWIE ECシリーズの良いところです。かぶせ持ちとつかみ持ちに適していて、ホイールや両方のサイドボタンに指が届きやすく、グリップの深さによるクリック感の変化も気になりません。

スイッチ

メインボタン

メインボタンにはHuano Black shell Blue dotマイクロスイッチが搭載されています。押し心地はやや柔らかめで、跳ね返りの強さは標準的。プリトラベルとポストトラベルが適度にあり、指を寝かせた状態でも連打とホールドが違和感なく行えます。歯切れが良くて好みが分かれづらいクリック感だと思います。

クリックしたときのフィーリングはEC-Cシリーズ(有線)と大差ありませんが、EC-CWシリーズ(無線)のほうが総ストロークが少し短くなって感触が良くなったように感じます。

メインボタンはセパレートタイプではありませんが、かぶせ持ちとつかみ持ちではボタンを押し込む場所によるクリック感の変化はほぼありません。ホイールより0.5センチほど下側までは押下圧と跳ね返り感がほぼ変わりません。

サイドボタン

サイドボタンは大きめ。本体から程よく飛び出しています。マットコーティングの本体とは違ってグロス仕様になっています。エッジは少し角ばっていて親指をスライドさせたときに引っ掛かるような感触があります。

押し心地はやや固めで、プリトラベルとポストトラベルが非常に短いです。パキパキと歯切れが良く、押したときに感触がしっかりと指に返ってきます。ゲームで重要なキーを割り当ててもうまく機能します。

ホイール

ホイールは本体から程よく飛び出しています。ゴムリングには水平方向に切り込みが入っており、適度に指に引っ掛かって回しやすいです。

お馴染みの光学式ホイールが採用されています。従来のものと比べてノッチ感が弱くて回し心地も軽いです。それでいて分離感はハッキリと得られるので、1ノッチ単位の細かな操作も連続したスクロールも行いやすいです。回したときの「カチカチ」といった音も少し抑えられています。

ホイールクリックは軽くもなく重たくなく。最低限の力で押し込むことができて誤作動もしづらい、ちょうどいい固さだと感じます。

センサー


BenQ ZOWIE EC-CWは「PixArt PAW 3370」を搭載しています。高性能なセンサーであることに間違いはないのですが、最近ではワングレード高いPixArt PAW 3395が主流になっているので、どうしても遅れてやってきた感は否めないのかなと思います。

最大19,000DPI、最大加速度50G、最大速度400IPSに対応しています。初期DPIは400 / 800 / 1600 / 3200の4段階で、本体底面に搭載されたDPIボタンで切り替えられます。

「Mouse Tester」での検証に加え、「VALORANT」と「Apex Legends」でもプレイテストを行った結果、センサーは正常に動作していることを確認できました。

センサーがPixArt PAW 3370であることをデメリットとして指摘されているのを見かけますが、通常使用において3395と体感できるような違いは確認できず、マイナス要素にはならないと判断しています。

* 付属の延長アダプタ・ケーブルを使用し、マウス本体とUSBドングルを近付けた状態で検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッドは「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」。環境によって結果が変動する可能性があるので、あくまで参考程度にお願いします。

センサーの位置

BenQ ZOWIE EC-CWのセンサーは本体の真ん中よりやや後ろ側に配置されています。EC-Cシリーズ(有線)からの変更はありません。つかみ持ちしたときにセンサーの位置を左右対称マウスと比較すると手前側に潜り込んでしまうので、左右対称マウスからの乗り換えの際は注意が必要です。同じエルゴノミクスマウスにはセンサーがやや後ろ側に搭載されているものが多いので、そういったマウスからの乗り換えではセンサー位置の違いによるカーソル移動量の変化は気にならないかと思います。

マウスソール

マウスソールは上部に2枚、下部に1枚貼り付けられています。材質はPTFEで厚さは実測値0.63mmでした。置くだけ充電を実装するために上部ソールが2分割されていますが、他のマウスでもたまに見かけるような自然な形状だと思います。

操作感については、滑り出しは軽くもなく重くもなく、滑走速度もそこまで速くないバランスタイプ。エッジは適切に処理されていますが、ソール自体が本体からあまり飛び出ておらず、中間層が柔らかいマウスパッドと組み合わせるとボトムシェルが擦ります。これといって問題視はしていません。

設定

BenQ ZOWIE EC-CWシリーズは従来のZOWIE製マウスと同様、ソフトウェア不要で設定を本体のみで完結できるプラグアンドプレイ方式を採用しています。

dpi変更(初期dpiは400, 800, 1600, 3200dpiの4段階)とポーリングレート変更といった基本的な設定項目のほか、リフトオフディスタンス調整(Low, Medium, Highの3段階)やクリック応答速度(Fast, Normalの2段階)のような細かな設定にも対応しています。パッケージに日本語マニュアルが同封されているので迷わずに設定できるかと思います。

結論とターゲット

「BenQ ZOWIE EC-CW」について詳しく見てきました。良くも悪くもZOWIEマウスは安定していて、ワイヤレス化するにあたって大きな仕様変更はされていません。滑りづらいマットコーティングが施された頑丈なシェルに包まれたマウスは、手に取った瞬間にとても堅実な造りだと感じさせられます。今作は特にスイッチ周りの調整が優れていて、何よりシェルが作り込まれているので左右クリックの感触がとても良いです。とにかく製品としてのクオリティが高いです。

スペックから判断すると約22,000円の販売価格は高いように感じますが、実物を手に取るとほぼほぼ納得できます。(やっぱり高いなとも思うけど。)ただしクオリティを二の次にするなら、ZOWIE ECに似た形状でもっと軽かったり安いものがたくさんあるのも事実です。ZOWIE EC-CWはそれなりに高価なのは覚悟したうえでクオリティを最優先してマウスを選びたい方に刺さるマウスです。コストパフォーマンスを求めていて他メーカーとの数千~1万円の価格差が気になるという方には不向きです。

ZOWIE ECのようなかぶせ持ち・つかみ持ち向けのエルゴノミクス形状は、『CS:GO』『VALORANT』のようなタクティカルシューターで水平方向へのエイムの安定性を高めてくれるように感じます。本体重量は3サイズいずれも70グラム台後半で、現在流行しているマウスと比べると重たいですが、それさえ許容できるのであればエルゴノミクスマウスの最有力候補となります。

総合評価4.5 out of 5.0 stars

* それぞれ 長所 注意点 短所 の3段階で評価しています。
 本家エルゴノミクス形状
 安定したワイヤレス接続
非常に高いビルドクオリティ
バッテリー持ちが良い
 滑りづらいコーティング
 明瞭なクリック感
 歯切れの良いサイドボタン
分離感の強いホイール
高精度なセンサー
ソールの厚み不足
主流マウスと比べて重たい
エンハンストワイヤレスレシーバーは別売りオプションではない
価格が高い
BenQ ZOWIE EC-CW
価格: 21,800円 (本稿執筆時点)

以上、BenQのゲーミングマウス「BenQ ZOWIE EC-CW」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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3 件のコメント
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くらなま

レビューいつも参考にしています。
deathadder v3 proと比較して気になる点はありますか?

かまくら

ここのコメント欄は全然返してくれないですよー