WAIZOWL OGM Pro レビュー

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WAIZOWL OGM Pro レビュー

本稿では、WAIZOWLのゲーミングマウス「WAIZOWL OGM Pro」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: MechKeys

WAIZOWL OGM Pro
価格: 99.99ドル(執筆時点)   MechKeys

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この製品について

「WAIZOWL OGM Pro」は海外で少し話題になったワイヤレスマウスです。Zowie ECがベースにあるものの左右で角度がついていないハーフエルゴ系のオリジナル形状が特徴です。シェルのクオリティが高かったり、表面にグリップ性の高いコーティングが施されていたりと、新興メーカーの製品とは思えない本格的な造りとなっています。

製品仕様とスペック

カラー ホワイト/ブラック&ホワイト 表面 マットコーティング
形状 左右非対称 サイズ 66.0 x 121.0x 40.0mm
本体重量 68g ボタン数 6つ
センサー PixArt PAW 3395 解像度 最大26,000dpi
最大加速度 50G 最大速度 650IPS
ポーリングレート 最大1000Hz エンコーダー TTC Gold
デバウンス スイッチ TTC Gold
接続方式 2.4GHzワイヤレス ケーブル パラコード
ソール PTFE ライティング 搭載
ソフトウェア 対応 メーカー保証 1年間

パッケージと内容物

WAIZOWL OGM Proのパッケージの内容物は以下の通りです。

  • マウス本体
  • USB Type-C to USB Type-A ケーブル
  • 延長アダプタ
  • USBレシーバー
  • グリップテープ
  • マウスソール
  • 取扱説明書

パフォーマンス

接続とバッテリー

接続方式

WAIZOWL OGM Proは2.4GHzワイヤレス・Bluetoothに対応しています。付属のUSBレシーバーをPCに接続し、マウス底面のスイッチを右側に切り替えると2.4GHzワイヤレス接続で動作します。延長アダプタとケーブルが付属しており、マウスとレシーバーの距離を近づけて使用できます。

検証中、ワイヤレス接続で正常に動作し、長時間連続で使用していても不具合は発生しませんでした。

Logicool G Pro X Superlight および Razer Viper V2 Pro / Deathadder V3 Pro といった大手メーカー製のフラッグシップ機と同じワイヤレス送信機 Nordic MCU を搭載しており、遅延の面に関して高いパフォーマンスが期待できます。

マウス底面のスイッチを左側に切り替えるとBluetoothモードになり、「OGM Pro BT」という名前で検出可能になります。多少の遅延は感じるものの作業用途では問題なく使用できます。

バッテリーと充電

WAIZOWL OGM Proのバッテリー持続時間は最大125時間です。これは他社製のフラッグシップ機とほぼ同じ長さで、こまめに充電する必要がなく快適に使用することができます。付属のUSB Type-Cケーブルによって短時間でのバッテリー充電が可能です。

マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行し、余計なバッテリー消費を防ぐことができます。バッテリー充電中に有線マウスとして使用する場合は、マウス本体底面のスイッチを真ん中に合わせる必要があります。

ビルドクオリティ

WAIZOWL OGM Proのシェルの組み立て精度は高く、トップシェルとサイドシェルの継ぎ目はほとんど見えず、本体を激しく振っても音は鳴りません。また強度も申し分なく、マウスを強めに握ってもカタついたり軋んだりしません。

グリップ性能

WAIZOWL OGM Proのグリップ性能はやや高め。表面は滑らかな質感で、触った部分に跡が残りづらく汗や皮脂による汚れが目立ちづらいものです。手が極度に乾燥しているとグリップ性が得られませんが、通常~適度に手汗をかいた状態では高いグリップ感が得られます。手触りの良さと程よいグリップ性を両立したROCCAT Kone Pure Ultraに似たコーティングだと感じます。

マウスの形状に合わせてカットされたグリップテープが付属しており、メインボタンと両サイドに貼り付けられます。厚さは実測値0.48mmです。十分に滑り止めの機能を果たしてくれますが、多量の手汗によってグリップ性が弱まるので注意が必要です。

本体重量

WAIZOWL OGM Proの本体重量はメーカー公称値68g、実測値がgでした。ほぼ公称値通りです。

ミディアムサイズのエルゴノミクスマウスには60g前後の軽量なものも増えてきていますが、全体的なクオリティから判断するに、このマウスは過度な軽量化を行わず品質の安定化を重視している印象を受けます。最大125時間持続する大容量バッテリーを搭載していたり、シェル表面にコーティングを施しているのも重量が増える要因となります。個人的にこういった操作性にかかわる部分の手を抜かない姿勢はとても好印象です。

重量バランス

重心はセンサー付近、ほぼ中心にくるよう調整されています。大半のゲーミングマウスはこれと同じように重心が中央辺りに調整されているので、他のマウスから乗り換えても違和感は出づらいと言えるでしょう。また重量バランスに優れていて偏りはありません。

形状と大きさ

WAIZOWL OGM Proの寸法は66.0 x 121.0x 40.0mmでミディアムサイズに分類できます。

本体を横から見ると、かぶせ持ちのエルゴノミクスマウスによくあるシルエットのように見えます。全体的に背が高く、最も背が高いのは真ん中辺り。真ん中から後部へもアーチ状に降りていくので本体後部がそこまで低くなく、手のひらへのホールド感は強くなくも弱すぎないものになっています。

親指側の左サイドはほぼ窪んでいないどころか、わずかにハの字に開いています。親指の付け根があたる後部はやや膨らんでいて、親指の腹があたる部分から先はほぼ水平に近いもの、といったイメージ。このような設計は左右非対称マウスとしてはかなり珍しく、ROCCAT Kainシリーズ以外に見たことがありません。

右サイドはZowie ECシリーズをはじめとしたかぶせ持ち向けエルゴノミクスマウスでよく見かける、本体後部から先端にかけて先細っていくシェイプです。薬指を配置する部分が逆ハの字になっていることから、かぶせ持ちだけでなくつかみ持ちのような指を立てる持ち方も想定された設計であることが分かります。

後ろ側から見ると、左右非対称マウスながらほぼ角度がついていないことが分かります。また、メインボタンは左側のほうがわずかに背が高いもののほとんど変わりません。このマウスの土台となっているのはIE3.0クローンやZowie ECであると考えられますが、後ろ側から見たときのシルエットは左右対称マウスに近い、いわゆるハーフエルゴ(左右対称マウスの特徴を持った左右非対称マウス、ということを示す造語)となっています。

BenQ ZOWIE EC2-C 比較

OUTSET AX 比較

持ち方の相性

前置き:筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとは相性が良いです。筆者のような平均的な手の大きさでジャストフィットします。左サイドの手前側には親指の付け根に沿う膨らみがわずかにあるものの、そこを除けばほぼ水平になっており、親指側が窪んでいる左右非対称マウスと比べて親指の位置を制限されづらく持ち方を微調整できます。右サイドはIE3.0クローンやZowie ECと似たシェイプで、先端辺りがハの字になっているので指先で固定しやすくなっています。

本体後部のコブは手のひらに程よく接触し、そこまで圧迫感はありません。IE3.0クローンやZowie ECシリーズのような左右非対称マウスのように角度がついておらず、左右対称マウスに近い角度でグリップすることになるのは新鮮です。サイドボタンやホイールには指が届きやすいです。

つかみ持ち

つかみ持ちとは非常に相性が良いです。つかみ持ちは推奨サイズがぐっと広まり、手が大きめの方でも快適に扱えるサイズ感となり、筆者のような平均的な手の大きさでもちょうどいいです。

右サイドの奥側がハの字になっており、薬指を縦に置くとしっかりと固定できます。親指側はほぼ水平なので指の腹でしっかり支えることができ、意外にも自然なフォームでマウスを固定できます。本体後部のコブは高すぎず低すぎず、手のひらに程よく接触して圧迫感はありません。グリップする角度や深さ、指の配置まで細かく調整できます。IE3.0クローンやZowie ECと同じく、小指を置く部分が膨らんでいることは好みが分かれるポイントと言えます。サイドボタンやホイールの配置は適切で、どちらにも指が届きやすいです。

つまみ持ち

つまみ持ちとは相性が悪いです。

スイッチ

メインボタン

メインボタンのマイクロスイッチにはTTC Goldが採用されています。押し心地は固くもなく柔らかくもなく、はっきりとした感触が得られる優れたクリック感です。ややストロークが長く感じられますが、実際にはバンプ(カチッと鳴る部分)の移動量が多いだけでプリトラベル・ポストトラベルは程よい長さに留まっています。跳ね返りの強さが押し込む前と押し込んだ後で変化せず、連打しやすい印象です。

メインボタンが分離したセパレート設計になっており、マウス本体の半分を占めています。DPIボタンの辺りから押下圧と跳ね返り感が増して詰まったような感触になりますが、かなり手前側で押し込むのにも最適化されており、実際にクリックすると考えられる範囲ではほぼフィーリングは変化しません。これはとても優れた設計であると感じます。

サイドボタン

サイドボタンは程よい大きさで、本体から大きく飛び出しています。エッジは丸められていて、親指が触れても痛くなく引っ掛かりません。ボタンの配置は真ん中よりやや奥側に寄っており、かぶせ持ちとつかみ持ちで両方のボタンに指が届きます。

押し心地は固くもなく柔らかくもなく。フィーリングはやや詰まったような感じでチープです。また、プリトラベルは短いもののポストトラベルが非常に長いので、親指の離れが悪くなるような持ち方では押しづらさを感じるかもしれません。FPSでキャラクター操作にかかわる重要なキーを割り当てる場合は注意が必要です。

ホイール

ホイールは本体から程よく飛び出しています。ゴムリングに入った水平方向の切り込みは適度に指に引っ掛かり回しやすいです。

エンコーダーはTTC Goldが搭載されています。ホイールはやや軽めでノッチ感も弱く、分離感はそこまで得られませんが、回し心地に一貫性があり安定しています。軽めのホイールを好む方に合いそうです。連続したスクロールには適しますが、1ノッチ単位の細かな操作が求められるシーンは苦手とする印象です。ジャンプなどキャラクターコントロール関連のキーをバインドしてもうまく機能します。

ホイールクリックは固くもなく柔らかくもなく。ホイールユニットが揺れたり歪んだりすることもなく、クリック時にはっきりとした感触が指に伝わります。頻繁に使用するキーをバインドしても快適に操作できます。

センサー

WAIZOWL OGM Proは、PixArt製のフラッグシップセンサー「PixArt PAW 3395」を搭載しています。最大26,000DPI、最大速度650IPS、最大速度50Gに対応。初期DPIは400 – 800 – 1600 – 3200の4段階で、本体底面のDPIボタンを押すと切り替わります。

センサーの挙動を可視化するツール「Mouse Tester」での検証に加え、『VALORANT』と『Apex Legends』でもプレイテストを行った結果、センサーが正常に動作していることを確認できました。

* 付属の延長アダプタ・ケーブルを使用し、マウス本体とUSBドングルを近付けた状態で検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッドは「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」。環境によって結果が変動する可能性があるので、あくまで参考程度にお願いします。

MouseTester: xCounts (Motion Sync On)

MouseTester: xSum (Motion Sync On)

MouseTester: xCounts (Motion Sync Off)

MouseTester: xSum (Motion Sync Off)

Motion Syncはデフォルトで有効化されており、ソフトウェア上でオンオフを切り替えることができます。

センサー位置

WAIZOWL OGM Proのセンサーはマウス本体の真ん中よりもやや後ろ側に搭載されています。中型~大型のエルゴノミクスマウスはこの位置が多い印象です。

* センサーの位置が変わると、手首を支点にしてマウスを動かしたときのカーソルの移動量に差が出ます。一般的には、手首の動きを細かく捉えられることから、センサーが真ん中よりも前側に寄っているものは優れているとされており、後ろ側に寄ったものは好まれない傾向にあります。

マウスソール

WAIZOWL OGM Proにはデフォルトで上下に2枚の純白PTFEソールが貼り付けられています。厚さは実測値mmでした。

エッジは面取り加工されていて、角が丸まっているタイプよりも滑らかで滑走面が粗かったり中間層や柔らかいマウスパッドと組み合わせても引っ掛かりづらいものです。操作感はバランスの取れたもので、初動は引っかかりなくスムーズで程よく滑ります。標準ソールとしては優秀なものです。

レシーバーを本体に格納する兼ね合いで下側のソール形状がやや特殊なものになっています。センサー回りのO型ソールはエッジが尖ったままなのが気になるところですが、センサー位置と読み取り面との距離を一定に保つため意図的に残されている気もします。

交換用マウスソールが1セット付属しています。

設定・ソフトウェア

WAIZOWL OGM Proは専用ソフトウェアに対応しています。以下のURLの「Description」項目内にある「Driver」というリンクよりダウンロード可能です。

WAIZOLW OGM Pro Software:https://mechkeys.com/collections/mice/products/waizowl-ogm-pro-mouse?variant=43944455667935

シンプルで分かりやすいUIになっており印象が良いです。基本的な設定項目に加え、リフトオフディスタンスやデバウンスタイムの調整、Motion Syncのオンオフなどが行えます。バッテリー残量も1%単位で表示されます。

結論とターゲット

「WAIZOWL OGM Pro」の最大の特徴は、IE3.0クローンやZowie ECをベースとしつつ左右対称マウスの要素も含まれた、かぶせ持ち・つかみ持ち向けのハーフエルゴノミクス形状です。左右非対象マウスのようなシルエットは手にある程度のフィット感を与えます。左右対称マウスのように後ろから見たときに角度がついておらず、グリップする角度を調整しやすくなっています。サイドにはほとんど窪みがなく指先の位置を細かく調整できます。既存のマウスとは異なるグリップ感を実現する、とても優れた形状だと感じます。

シェルの組み立て精度や強度は申し分なく、表面には優れたコーティングが施されています。最大125時間持続する大容量バッテリーを搭載し、本体重量は68グラムと軽すぎず重すぎないものです。Logicool G PRO X SUPERLIGHTやRazer Viper V2 Pro / DeathAdder V3 Proと同じワイヤレス送信機 Nordic MCU を採用するなど、コンポーネントの選択にもこだわりを感じます。とにかく堅実に造られている印象です。

結論としてWAIZOWL OGM Proはミディアムサイズのかぶせ持ち・つかみ持ちエルゴノミクスマウスを探していて、グリップする角度や指先の位置を制限されづらいものを探している方にお勧めです。馴染みのないメーカーですがクオリティは高く、価格以上の価値がある製品だと感じます。本製品を取り扱っている中国のECサイト MechKeys で購入時に割引コード:mioniggを入力すると割引されます。

総合評価5.0 out of 5.0 stars

* それぞれ 長所 注意点 短所 の3段階で評価しています。
 オリジナルのハーフエルゴ形状
 安定した2.4GHzワイヤレス
シェルの成形精度・強度が高い
最大125時間持続するバッテリー
優れたコーティング
 軽量設計/適切な重量バランス
 優秀なメインボタン
高品質なソール
サイドボタンがややチープ
センサー周りのO型ソールは角が尖っている
特になし
WAIZOWL OGM Pro
価格: 99.99ドル (本稿執筆時点)

以上、WAIZOWLのゲーミングマウス「WAIZOWL OGM Pro」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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たかやん

初めまして。
こちらのマウスと同じ物を購入したのですが、
driverが形式?が違うせいなのか、ダウンロードが出来ません。
ダウンロード方法を教えて頂けると助かります。