「ROCCAT Kain 100/102 AIMO」レビュー。上位モデルに引けを取らないクオリティのゲーミングマウス

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「ROCCAT Kain 100/102 AIMO」レビュー。上位モデルに引けを取らないクオリティのゲーミングマウス

本稿では、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングマウス「ROCCAT Kain 100/102 AIMO」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: ROCCAT Japan

ROCCAT Kain 100/102 AIMO
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「ROCCAT Kain 100/102 AIMO」は、Kainシリーズのエントリーモデルという位置付け。100がブラック、102がホワイトとなります。有線版のKain 120/122 AIMO、無線版のKain 200/202 AIMOがKainシリーズとしてラインナップされています。

左右非対称ながらサイドが水平になった独特な形状はKainシリーズ共通で、Kain 120/122と異なる点は センサー、サイドの表面コーティング、ケーブル、ライティングの部位。詳しく見ていきます。

Kain 100/102は計6ボタンを備える左右非対称ゲーミングマウスで、ブラックとホワイトの2色展開。

表面コーティングは、前面がKain 120/122と同等でかなり優秀。一方で、サイドはテクスチャード加工が施されたゴム製パネルに変更されています。この手のコーティングとしては比較的滑りづらいですが、好みが分かれる可能性有り。

形状を4方向からチェック。寸法は幅65 全長124 高さ43mmで、中型サイズに属します。

本体重量は公称値89gで、ケーブルを含んだ実測値は92.6gでした。

センサーにはPixArt PMW3331が搭載されています。主なスペックは 最大8500DPI、加速度35G、最大速度300ips。ここはKain 120/122からダウングレードしたと言っていいでしょう。LoDの長さが気になるところ。詳しくは後述。

ソフトウェア「ROCCAT Swarm」による詳細設定に対応。Kain 120/122AIMOでは備わっていた本体前面のROCCATロゴのLEDは取っ払われ、ライティングはホイール部分のみとなっています。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
ROCCAT Kain 100/102 AIMO 製品仕様
形状 左右非対称型
表面素材 前面マット(独自コーティング)、サイドはラバー
サイズ 幅65.0 全長124.0 高さ43.0mm
重量 89g
ボタン数 6
センサー PixArt PMW3331
DPI 200~8,500DPI (100刻み)
ポーリングレート 125/250/500/1000Hz
LoD 1.9mm~ (実測値)
スイッチ オムロン製 (Titan Click)
ケーブル ビニール製 (1.8m)
ソフトウェア 対応 (ROCCAT Swarm)
価格 6,580円 (Amazon.co.jp、本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
ROCCAT Kain 100/102 AIMO
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

Kain 100/102 AIMOは中型サイズに分類されるゲーミングマウス。当メディアでは過去にKain 120/122やKain 200/202のレビューも行っているため、繰り返しお伝えすることとはなりますが、細かな窪みを取っ払って傾斜によってフィット感を再現しているマウスです。

最大の特徴は、左右非対称型ながらサイドがほとんど水平なこと。指に干渉するような複雑な造りではないため、特定の持ち方で相性問題が発生しづらい、作り込まれた形状だと言えます。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

かぶせ持ちでは、右サイドの緩やかな傾斜が薬指・小指に沿うようにフィットし、しっかりと握り込むことができます。相性が良いです。

浅く握るか深く握るか(手首をマウスパッドに接地させるかさせないか)を形状によって強制されることなく、持ち方の自由度もかなり高いです。

つかみ持ち

つかみ持ちも相性良し。かぶせ持ちと同様、形状によって握り方を強制されることはなく、フィットしやすいポイントを自由に探ることができます。

ただ一つ懸念点を挙げるとすれば、サイドのコーティングが変更されているので、人によってはKain 120/122のような満足なグリップ感が得られない可能性があること。筆者は問題無く使えました。

つまみ持ち

つまみ持ちは指を立てても寝かせても良し、スタイルを問わず持ちやすいです。指先でつまんだときサイドコーティングのグリップ感は強いように感じるので、つかみ持ちの項目で挙げた懸念点はつまみ持ちでは解消されそうです。

ただし、全体的に高さがあるマウスなので、左右クリックの打点が高くなることに注意。また軽量マウスを使用する方が多い現状、89gの本体重量を許容できるかも鍵になりそうです。

ボタン配置・クリック感

スイッチ周りは上位品であるKain 120/122や200/202から変更はないよう。メインスイッチはオムロン製で、ROCCAT独自のスイッチ機構「Titan Click」によって明瞭なクリック感を実現しています。

ほんの少し固いクリック感で、ストロークは非常に短く、跳ね返りは強め。タップ撃ち・連打どちらも容易に行えます。

サイドボタンは本体から大きく飛び出しており、ボタンの面積も広め。位置はやや上に寄っており、親指をやや上に動かす必要があります。マウスを握る手に力が入っても誤爆の心配は無さそうです。

クリック感は軽く、ストロークは短め。こちらも押した感覚がハッキリと得られます。

ホイールはROCCAT独自設計の「2D Titan Wheel」で、小刻みで強めのノッチ感があり、操作感はやや重ため。細かな制御がききやすく、ゲームプレイに適したホイールだと感じます。

ホイールクリックは若干固めで、やや深めのストローク。ホイール全体が沈み込む独特なクリック感で、ホイールクリックを多用するゲームでも正確に操作が行えます。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

Kain 100/102 AIMOの搭載センサーはPixArt PMW3331です。初期DPIは400, 800, 1200, 1600, 3200で、ソフトウェアから200~8,500DPI(100刻み)の調整が行えます。また、センサーとマウスパッドとの最適化を図るキャリブレーションにも対応。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTesterの見方について
基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。 しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

xCounts

xSum

センサー挙動は良好で、ゲームプレイ時のトラッキングにも違和感はありません。筆者の感覚では、3360や3389と比べて追従性が劣っているとは感じませんでした。

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

ソフトウェアでキャリブレーションを済ませ、マウスパッド「PureTrak Tallent」上で計測した結果、Kain 100/102 AIMOのリフトオフディスタンスは1.9mmでした。やはりセンサーをダウングレードしているぶんLoDは長いです。

マウスソール

マウスソールは上下に大サイズが2枚で、Kain 120/122 AIMOと同形状です。さほど滑らずそれなりに止まる傾向にあり、標準ソールとして十分使えるクオリティです。

角が丸められており、マウスパッドへの引っ掛かりはありません。

ケーブル

Kain 100/102 AIMOに備わったビニール製ケーブルは、同社のKone Pure Ultraで採用されているものと同等。ちなみに上位品のKain 120/122 AIMOでは硬い編組ケーブルが使われており、ケーブルに限っては下位モデルの方が優れていると言えます。

ケーブルの太さは実測値3.00mmで、ごく一般的な太さと言えます。定番とされるマウスバンジーには問題無く適合します。

ソフトウェア

Kain 100/102 AIMOは、ROCCAT製デバイスの統合ソフトウェア「ROCCAT Swarm」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

ROCCAT Swarm:https://ja.roccat.org/Support

設定項目は、200~8,500(100刻み)のDPI調整、キャリブレーション、計6ボタンへのキー・マクロ割り当て、LEDライティング設定、4段階のポーリングレート切り替えなど。リフトオフディスタンスの調整は行えません。

Swarmは細かな機能が多いのが特徴ですが、必要な項目だけピン留めしておけば、ホーム画面に一纏めに表示することができます。なかなか便利なので活用してみては。

結論とターゲット

「ROCCAT Kain 100 AIMO」について詳しく見てきました。Kain 120/122がプロユース向け製品だとするならば、Kain 100/102はカジュアルゲーマーの強い味方。全体的に品質は高く、それでいて価格は6,000円台にまで抑えられています。

上位品であるKain 120/122や200/202と比べるとリフトオフディスタンスの長さが目立ちます。また、ザラついたゴム製のサイドコーティングはそれなりのグリップ感をもたらすものの、好み次第では不満に感じる可能性有り。目立った懸念点はこれくらい。

このところ立て続けに同シリーズ(Kain)の製品を発売しているROCCATですが、安く入手したい方は100/102、ハイエンドを求める方は120/122、無線を好む方は200/202と、ターゲットを明確に絞れているのが好印象。特にこの価格帯となると、Titan Clickの良好なクリック感はより一層際立ちます。

ROCCAT Kain 100/102 AIMO
価格: 6,580円 (本稿執筆時点)

以上、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングマウス「ROCCAT Kain 100/102 AIMO」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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