「G-wolves Skoll Sk-l」レビュー

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「G-wolves Skoll Sk-l」レビュー

本稿では、G-wolvesのゲーミングマウス「G-wolves Skoll Sk-l」のレビューをお届けします。 [no_toc]

レビューサンプル提供: G-Wolves

G-wolves Skoll Sk-l
タイプ:左右非対称センサー:Pixart PMW3360解像度:最大12,000dpi最大加速度:-ポーリングレート:1,000Hzボタン数:5個リフトオフディスタンス:0.8mm前後ソフトウェア:対応サイズ:W68×D125×H42mm重量:約65g(ケーブル除く)価格:59.90ドル (本稿執筆時点)

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プロトタイプ

製品版

製品仕様と外観

2019年6月、中国のゲーミングデバイスメーカーG-wolvesから続々と超軽量ゲーミングマウスが発表されました。その第1弾として登場したのが、左右非対称型で本体重量わずか65gを実現したZowie EC2クローン「G-wolves Skoll Sk-l」です。これまでハニカム構造が採用されたマウスはすべて左右対称だっただけに、左右非対称型マウスユーザーにとって期待値は高いのではないでしょうか。

基本仕様としては、計5ボタンを備えた左右非対称ゲーミングマウスです。幅68×全長125×高さ42mmと中型サイズで、形状はZowie EC2のクローンとなります。それなりに高さが確保されているだけに本体面積も増加していますが、両サイドにまで及んだハニカム構造によって65g(ケーブルを除く)まで軽量化を図られています。カラーバリエーションはブラック、ホワイトの2色展開で、表面材質はマットとなります。

センサーにはPixart PMW3360を搭載しており、ソフトウェアによって200~12,000DPIを100刻みで調整可能です。DPI設定は7種類まで保存しておき、本体底面にあるDPI変更スイッチにより切り替えられます。ポーリングレートは125から1,000Hzまでの4段階に対応。スイッチには耐久性5,000万回のオムロン製(Omron D2FC-F-K)が採用されています。

ケーブルには、一般的なマウスコードと比べて非常に軽くて柔らかい 疑似パラコード が採用されています。ケーブルを浮かせない状態での実測値は約67gで、操作時にケーブルの抵抗感や重みを感じづらいです。マウスソールは四隅に小さめの楕円型が4枚貼り付けられています。いわゆる「汎用マウスソール」で代用できる形状なので、貼り替えには困らないでしょう。

ソフトウェアに対応しており、各ボタンへのキー・マクロ割り当て、DPIやポーリングレートの調整などが行えます。また、本体底面のフチにRGB LEDライティングを備えており、本体底面のLED切り替えスイッチおよびソフトウェアによって発光色やパターンを変更でき、LEDを完全に消灯することも可能(LED OFF)です。

ギャラリー

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パフォーマンス

マウスの持ち方3種との相性

「G-wolves Skoll Sk-l」の形状はZowie EC2のクローン、つまり中型サイズのかぶせ持ちを想定して設計されたものです。以下から、それぞれの持ち方との相性について詳しく解説します。なお、ユーザーの手の大きさによって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。参考として、筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cm(日本人男性の平均)となります。

かぶせ持ちは言わずもがな相性抜群です。マウス本体を手で覆ったとき、どの指にも違和感が一切出ず、自然とフィットしてくれます。手をふわっと乗せる形、しっかりと握り込む形、どちらでも非常に安定したマウス操作が可能でした。

つかみ持ちもかなり快適です。マウスの後部ギリギリに手のひらを預けることで、自然と各スイッチが押しやすい指の配置になります。手の大きさによって調整する余地もありそうです。また、本体重量が65gと非常に軽いことと、サイドに及んだハニカム構造によって増したグリップ感も相まって、瞬時に持ち上げやすいです。

一方で、筆者の手の大きさではつまみ持ちとの相性は悪いです。マウス全体にある程度の高さがあるので、どうしても人差し指と中指に力が伝わりづらいフォームとなり、瞬時にクリックする動作がやや難しく感じます。手が大きめの方ならば対応できる可能性はあります。手首支点での操作のしやすさ、持ち上げやすさなど、その他の点は気になりません。

結論として「G-wolves Skoll Sk-l」は、かぶせ持ち・つかみ持ちとの相性が非常に良かったです。そもそも、クローン元であるZowie ECシリーズはプロゲーマー使用率1位を誇るマウスで、最も競技シーンで支持を得ているIE3.0クローンだけに、形状に関しては完全に信頼を置いてしまっていいとまで言えます。

ボタン配置・クリック感

「G-wolves Skoll Sk-l」は、発表当初からスイッチの型番が公開されていただけに、力を注いでいるのだろうという印象でした。メインスイッチは軽めで、少ない力で押し込めます。跳ね返りも強いので、かなり連打しやすいと感じます。マウスを握る手に力が入ってカーソルがブレてしまう心配は一切無さそうです。

このマウスの唯一の懸念点とも言えるのが、端が丸く加工されており、扇状に緩やかに盛り上がっている、癖のあるサイドボタンの形状です。本体からほとんど飛び出ておらず、親指の腹でスライドして押そうとすると、ボタンの真上まで親指を持ってくる必要があります。親指の腹の端のほうで瞬時に押し込む、といった動作は難しいと感じました。押し心地に関してはアソビが少なく、少ない力でカチッと押しやすいです。

ホイールは非常に柔らかく、一度回すごとの引っ掛かりもかなり弱め。クローン元とは真逆の性質となっています。ホイールクリックは軽めで押しやすく、グラつきなどもなく安定しています。ホイール周りの耐久性に関しては心配無さそうです。

センサー挙動とリフトオフディスタンス

MouseTesterの見方について

基本的には、波形に点が綺麗に沿っていれば、マウスのセンサーが正確なトラッキングを行えている、という認識で構いません。マウスを動かす速度が速いほど、波形が縦方向に長く生成されます。つまり、波形の折り返し地点は、マウスが最高速度に達したことを表します。

  • 横軸 Time(ms):経過時間を表す、1000分の1秒
  • 縦軸 xCounts:マウスの左右への移動量。右に動かすと波形が上方向に、左に動かすと波形が下方向に生成される。マウスを動かす速度が速くなるほど、縦方向に大きな波形が生成される。

例えば、「中間地点の波形に点が綺麗に沿っているが、折り返し地点でブレが生じている」という場合、基本的には正確にトラッキングできているが、マウスを動かす速度が速いと反応がブレる、といった見方となります。

しかし、折り返し地点のブレが毎回同じような傾向だった場合、「マウスを早く動かすとカーソルが毎回その動きをする」ということですので、カーソルの動きは安定しているということになります。そのような場合、マウスを早く動かすとカーソルの動きに癖が出るものの正常、といった認識で構いません。

「G-wolves Skoll Sk-l」にはPixart PMW3360 センサーが搭載されています。ソフトウェア上で200~12,000DPIを100刻みで設定できます。また、DPI設定を7つまで保存しておき、底面のDPI変更スイッチで瞬時に切り替えることも可能です。

例のごとく、MouseTesterでセンサーの正確性を検証します。ツールの性質上、環境によって結果が変更する可能性があることを前置きしておきます。画像は、400, 800, 1600, 3200DPIでマウスパッド Xtrfy GP2 上でテストした結果となります。十分に精密なトラッキングが行えており、マウスを高速で動かしたときのカーソル挙動もほぼほぼ正確。センサーの正確性については優秀と言えるでしょう。

マウスを浮かせてセンサーが反応しなくなるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証します。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーの反応が途絶える距離を測りました。結果、リフトオフディスタンスは0.8mmと非常に短めでした。意図しないカーソルの動きをしっかりと抑えられます。

マウスソール

マウスソールは、小サイズが四隅に4枚貼り付けられています。汎用マウスソールを代替品として使用できる楕円形なので、ソールの好みが合わない場合は柔軟に対応可能です。標準ソールとしては滑りやすさに長けたものとなっていますが、その他大多数のソールよりも消耗が早いと感じました。

交換用マウスソールが付属しています。楕円形のものが2セット(計8枚)に加え、大サイズの底面の上下のフチに合わせた形状のものが2枚。これを貼ることで上下に大きめのソールを2枚貼られたものに近い操作感となりそうです(滑り心地の変化については動画で検証します)。

ケーブル

「G-wolves Skoll Sk-l」には柔らかくて軽い 疑似パラコード が標準で備わっています。マウス操作時にケーブルの重たさを感じづらく、激しく動かしても有線ゲーミングマウス特有の煩わしさを感じないものです。本体カラーを問わず黒のケーブルで統一されているようです。

以前行った配信でも軽くお話しましたが、根本から先まで柔軟に折れ曲がり、これまで触ったことのある標準ケーブルの中では最も柔らかいと感じました。ケーブル単体で販売されているパラコードと比較すると、さすがに若干芯が残っているかなといった程度。相当こだわりのある方でない限り、ケーブルを換装する必要は無さそうです。

ソフトウェア

ソフトウェアによる詳細設定に対応しています。設定項目としては、LEDライティング設定、各ボタンへのキー・マクロ割り当て、DPIやポーリングレート・ホイール速度の設定、マクロの記録・保存となります。日本語には対応しておらず、中国語か英語から選択することになりますが、「DPI」「ポーリングレート」などの基本的な用語が分かる方ならば困りません。

マウス本体の底面には、ソフトウェアで設定した最大7パターンのDPIを切り替えるスイッチ(左)、LEDライティングのパターン切り替えスイッチ(右)が搭載されています。ライティング切り替えはあらかじめ用意されたプリセットから行うことになるので、自分好みに設定したい場合はソフトウェアを通して設定する必要があります。

必要最低限の機能はすべて揃っていますし、UIもシンプルで分かりやすく、ソフトウェアに対して特に不満はありません。一つ挙げるならばリフトオフディスタンスの調整が不可能な点ですが、標準で0.8mm前後と短めなので個人的には全く問題ありません。

結論とターゲット

「G-wolves Skoll Sk-l」は、左右非対称としては初の超軽量ゲーミングマウス。クローン元がZowie EC2なだけに、形状に関しては100%の信頼を置いていいでしょう。かぶせ持ち・つかみ持ちユーザーに最適です。全体的に高さがある中型マウスを65gまで削ぎ落すことに成功しながら、レビューを進める中で耐久性に不安が残ることはありませんでした。

クリック感、センサーの正確性、ケーブルの仕上がり、どれも高水準。ただし、本体からサイドボタンがほぼ飛び出ておらず、親指の腹の端でスッと押し込みづらいです。腹で軽々と押し込むには、サイドボタンの高さまで親指をスライドする必要があります。これまでの傾向によっては、長年の癖を矯正しなければならない可能性があります。

ターゲットとしては、超軽量ゲーミングマウスが気になっていて、手へのフィット感を重視してマウスを選ぶ方に最適。また、普段IE3.0クローン系統のマウスを使用している方ならば、ゲームによって重量を切り替えるための”飛び道具”のような意味合いで持っておく、というのも面白いかもしれません。

G-wolves Skoll Sk-lの購入方法

G-wolvesは中国のゲーミングデバイスメーカーで、日本に正規代理店がありません。国内からG-wolves Skoll Sk-lを入手する方法としては、X-raypadなどの海外通販サイトから買うのみ。もちろん国内での通販よりも送料が掛かりますが、製品の到着は”発送から”1週間以内となります。発送までに掛かる日数は保証できません。

※発売日は7月23日(火)で、注文順に順次配送とのこと。本稿執筆時点では予約受付中。
※注文時、既に大量の注文が入っていると、次回ロットでの配送となる可能性があります。

2019/9/14追記:国内Amazonにて取り扱い開始。

G-wolves Skoll Sk-l
タイプ:左右非対称センサー:Pixart PMW3360解像度:最大12,000dpi最大加速度:-ポーリングレート:1,000Hzボタン数:5個リフトオフディスタンス:0.8mm前後ソフトウェア:対応サイズ:W68×D125×H42mm重量:約65g(ケーブル除く)価格:59.90ドル (本稿執筆時点)

以上、G-wolvesのゲーミングマウス「G-wolves Skoll Sk-l」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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