「vaxee PB Black」レビュー。軽い滑り出しでマイクロフリックに適したコントロール系マウスパッド

「vaxee PB Black」レビュー。軽い滑り出しでマイクロフリックに適したコントロール系マウスパッド

本稿では、vaxeeのゲーミングマウスパッド「vaxee PB Black」のレビューをお届けします。

vaxee PB Black
価格:6,690円(執筆時点)   vaxee

ファーストインプレッション

PB Blackは、「もっと厚いパッドを発売してほしい」というユーザーからの声を反映させて開発された、vaxeeとして2作目となるゲーミングマウスパッド。1作目となる PA Mousepad は、リーズナブルな価格と万能な操作性から『VALORANT』のプレイヤーを中心に愛用されています。

PAと同じ織り方のクロス表面が使用されていますが、インクによる着色と熱昇華の工程を無くしたことで、結果的にPAよりも滑りが抑えられコントロール性能を高めた操作感となっているとのこと。また、フラットパッケージに梱包されているので巻き癖とは無縁です。さらに、底面にシリコンベースを加えた3層構造となっているため、厚みが4.5mmに増し、グリップ性能も向上しています。

それらを実現するための製造工程の複雑化が理由で、税込6,690円と布製マウスパッドとしては強気な価格設定となっています。このPB Blackが一体どのような操作性をもたらすのか、本稿で詳しく解説します。

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製品仕様とスペック

材質 布製 表面
サイズ 470 x 390mm 厚さ 4.5mm
エッジ 切りっぱなし ベース シリコンラバー
カラー ブラック

パッケージと内容物

フラットパッケージ、埃防止袋に梱包されて届きます。内容物はマウスパッドのみ。

巻き癖

フラットパッケージに梱包されて届くので、巻き癖は一切ありません。

バリエーション

サイズ

PB Blackの寸法は470 x 390mmで、ローセンシに対応する大判サイズとなっています。

厚さは4.5mmとやや厚めになっています。

中間に位置する黒いゴムが、よく”中間層”と呼ばれる高密度ベース。布製マウスパッドのほとんどは滑走面+高密度ベースの2層構造のところ、PB Blackは底面にシリコンベースを加えた3層構造となっています。

カラー

ブラックの1色のみ。

パフォーマンス

滑走面

PB Blackの滑走面にはPAと同じ織り方のクロス表面が使用されています。しかし、PB Blackはインクによる着色が無く、熱昇華の工程も省いているため、PAとは異なる操作感をもたらします。

指でなぞった際、水平方向はほぼ引っ掛かりがなく、垂直方向に動かすと若干の引きずりを感じます。実際にマウスを滑らせた際も同様で、やや水平方向のほうがスムーズな印象を受けますが、指でなぞったときほどの違いは見られません。縦横の滑りの差はほとんどの布製マウスパッドと同等か少ないと言えます。

そこまでザラつきがあるわけでもなければ、硬い素材が使われているわけでもないため、擦れ感はかなり少ないです。激しいマウス操作によって手首や腕が擦れたとしてもダメージはありません。

右下には塗料であしらわれたvaxeeロゴが配置されています。この上でマウスを操作すると、引っ掛かりこそ感じないものの滑りが若干鈍くなるため、マウスパッドを広く使って操作する場合は注意が必要です。

操作感

PB Blackはコントロールバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑走速度を比較すると「Esports Tiger Neon」よりも若干遅く「Razer Gigantus V2」よりも速いといったところ。

vaxee PAと同じ織り方のクロス表面が使用されていますが、インクによる着色・熱昇華の工程がないため異なる操作感となっています。比較するとPB Blackの方が滑走時の抵抗感が強く、明らかに差別化されています。縦横の滑りの差は一般的な布製マウスパッドと同程度です。

中間層のスポンジはPAと比較してやや硬めではあるものの、上記のような3層構造となり厚さが4.5mmに増したぶん、若干クッション性が増しています。しかしソールが過度に沈み込むことはないので、マウスに圧を掛けたときの滑走速度は安定しやすく、程よいストッピングアシストが得られます。

”コントロール系”と呼ばれる同系統のマウスパッドには、滑走速度だけでなく滑り出しも鈍いものが比較的多いです。マウスの滑り出しが鈍いと、短い距離を素早く動かすマイクロフリックの際に発生する初動の引っ掛かり感が精度の低下に繋がる可能性があります。

一方で、PB Blackの静摩擦は同じコントロールバランスタイプに属するマウスパッドの中では若干低いです。つまり、似たような滑走速度を持つマウスパッドの中では、マウスの滑り出しがスムーズかつ引っ掛かりを感じづらい操作感になっています。

『VALORANT』をはじめとするフリックエイムが主体となるタイトルをプレイしている場合、程よい滑走速度・コントロール性能を維持しながらマウスの滑り出しがスムーズになることは有利に働き、マイクロフリックの精度向上に繋がるのではないかと考えます。

vaxee PAとの比較

下記の比較表の通り、vaxee PAはバランスタイプ、vaxee PB Blackはコントロールバランスタイプに属します。表面にコーティング処理が施されていないために操作感が異なり、より遅い滑走速度・強い抵抗感をもたらします。

PAはバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドの中では初動の引きずり感が強かったものの、PB Blackはコントロールバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドの中では比較的少ない部類で、クイックな操作性とコントロール性を両立します。

また、PAは滑走面と中間層の2層構造なのに対し、PB Blackは底面にシリコンが敷かれて3層構造となっています。それに伴いクッション性が向上し、PAよりも容易にマウスソールが沈み込むため、マウスに圧を掛けることによるストッピングアシストが得られやすくなっています。

筆者の印象では、PAはフリック・トラッキングなどあらゆるマウスの動かし方に対するバランスを重視し、幅広いタイトルに適した操作感、PB Blackは『VALORANT』などのフリックエイムが主体となるタイトルで使用する頻度の高いマイクロフリックへの適性を高め、より特化したものであると感じます。

他社製マウスパッドとの滑り比較

PB Blackは「コントロールバランス」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。

エッジ

エッジは切りっぱなし。マウス可動域とエッジの高さが変わらず、手首や腕が引っ掛からないので、操作性は向上します。その一方で、ステッチ加工が施されたものとは異なり、ある程度使用しているうちに手首や腕が触れる部分がほつれたり毛玉ができることは懸念点と言えます。

一般的な布製マウスパッドと比べてやや分厚めの4.5mm厚なので、デスクに配置した際にやや高さが出てくることには注意。

底面

PB Blackは滑走面・高密度ラバーベース・シリコンベースの3層構造となっており、この3層目に配置されたシリコンベースはデスクに設置した際のグリップ感を向上させるために設けられたもの。

拡大写真で確認できるように、複数の気孔を持たせることでグリップ性能を向上させています。

グリップ感は非常に優れており、既存の布製マウスパッドの中で最も高いです。本来のゲーム操作では想定できないほどマウスを激しく動かしても、マウスパッドが動くことはありません。

センサー相性

各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。

なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。

正常に動作する
 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
通常使用が不可能

Endgame Gear XM1r (PixArt PAW3370)
ZYGEN NP-01S (PixArt PMW3389)
BenQ ZOWIE FK2-B (PixArt PMW3360)
Razer Viper Mini (PixArt PMW3359)
BenQ ZOWIE FK2 (PixArt PMW3310)
ASUS ROG Keris Wireless (PixArt PAW3335)
Logicool G Pro Wireless (HERO 25K)
Razer Viper 8KHz (Razer Focus+)
Razer Viper (Razer 5G)
Glorious Model O Wireless (Glorious BAMF sensor)
ROCCAT Kone Pro Air (Owl-Eye 19K)
ROCCAT Kone Pure Ultra (Owl-Eye 16K)

主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス12種で検証したところ、すべて正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行っています。

ソール相性

エッジが適切に処理されたソールと組み合わせることを推奨します。PB Blackは適度なクッション性を持っており、マウスに圧を掛けた際にソールが容易に沈み込むため、エッジの処理が甘いソールと組み合わせると初動の引きずり感、不均一な引っ掛かり感が生じます。

ソール厚は0.55mm以上のものを推奨します。これより薄いものと組み合わせると、ソールが沈み込んだ際にマウスのボトムシェルとマウスパッドが擦れ合い、操作の快適性を損なう可能性があります。

ソールの形状や大きさによる操作感の変化は比較的少ないです。特に干渉するような組み合わせも見つかりませんでした。

耐久性・湿気への耐性

前提として、布製マウスパッドは基本的には消耗品という認識で、特定の素材や織り方を採用したものを除き、湿気や摩耗への耐性にはそこまで期待できません。

PB Blackはごく一般的なクロスサーフェイスを採用しているため、湿気の影響をそれなりに受けやすいと考えてください。また、布製マウスパッドである以上、滑走面の摩耗による操作感の変化は避けられません。

しかし一般的には、滑走面にコーティングされたものよりもノンコーティングの方が劣化が遅いとされているため、PA Mousepadよりも耐用性は高いと言えます。1日3~5時間のゲームプレイで約2週間ほど検証した時点では、滑走速度の変化は感じられません。

布製マウスパッドと見てもvaxee製品として見ても高価格なので、耐久性には期待したいところではありますが、一般的なノンコーティングの布製マウスパッドと変わりません。

結論とターゲット

「vaxee PB Black」について詳しく見てきました。PAの製造工程からインクによる着色・熱昇華を省き、明らかに操作感が異なるマウスパッドに仕上がっています。滑走速度は「Esports Tiger Neon」よりも若干遅く「Razer Gigantus V2」よりも速いといった具合で、コントロール性能を重視しつつ程よい滑走速度を維持したものになります。

同じコントロールバランスタイプに属するマウスパッドと比較して滑り出しが軽く、『VALORANT』で多用する”短い距離を素早く動かす”マイクロフリックをスムーズに行うことができます。コントロール系のマウスパッドを使用していて初動の引きずり感が気になる場合、PB Blackの操作感は非常に優れたものであると感じるでしょう。

滑走面・高密度ラバーベース・シリコンベースの3層構造となった影響で、PAと比べてクッション性がわずかに向上しています。しかしマウスソールが過度に沈み込むことはないため、マウスに圧を掛けたときの滑走速度の安定性・程よいストッピングアシストを両立します。

エッジは切りっぱなしなので、ステッチ加工されたものを好む場合は注意しましょう。

グリップ性能の向上を目的にあしらわれた底面のシリコンベースは、既存の布製マウスパッドの中で最も優れています。PB Blackがvaxee製品らしからぬ価格設定となっているのは、この構造を実現したことによる製造工程の複雑化が理由です。他の布製マウスパッドと比較したときに品質は明らかに優れていますが、布製マウスパッドが消耗品である以上はディスアドバンテージと言わざるを得ません。

総合評価 4.5 out of 5.0 stars

品質が高い
 コントロール性能が高くフリックに適している
 静摩擦と動摩擦のバランスに優れている
 程よいクッション性による滑走速度の安定性と高い静止力
巻き癖が一切ない
現行マウスセンサーと相性が良い
非常に優れた底面ラバーのグリップ性能
(PAと比較して)長持ちする滑走面
(エッジは切りっぱなし)
 価格が高い

vaxee PB Black
価格: 6,690円 (本稿執筆時点)

以上、vaxeeのゲーミングマウスパッド「vaxee PB Black」のレビューでした。

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3 件のコメント
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asdfadf

匂いについても教えてほしいです

asdfadf

ありがとうございます
もしよければGSRとも比較していただきたいです