「Logicool G913 TKL」レビュー。ハイエンド志向な方は要チェックの無線テンキーレスキーボード

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「Logicool G913 TKL」レビュー。ハイエンド志向な方は要チェックの無線テンキーレスキーボード

本稿では、Logicool(ロジクール)のゲーミングキーボード「Logicool G913 TKL」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Logicool

Logicool G913 TKL
価格: 27,500円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「Logicool G913 TKL」は、ハイエンド機種の位置付けで昨年に発売された無線ゲーミングキーボード「Logicool G913」のテンキーレスモデル。ゲーマーの主流となりつつあるのはキー数の少ないコンパクトなキーボードなので、この展開はごく自然であると言えます

Logicool G Pro Wirelessなどの同社製マウスにも採用されている独自のワイヤレス通信技術「LIGHTSPEED」を搭載しており、1msの高速応答を可能としています。また最大バッテリー持続時間はLED消灯時で約1,100時間。※ただしLEDをONにすると40時間台に

G913はとにかく見どころの多いゲーミングキーボードですし、後発モデルということで上記のような性能の向上も見られるため、一つ一つ丁寧に見ていきましょう。それでは以下からどうぞ。

パッケージには G913 TKL本体、USBレシーバー、USBケーブル、取扱説明書が入っています。

この薄型設計がG913 TKLの大きな特徴といえます。また、キーの列ごとに傾斜をつけた構造である「ステップスカルプチャー構造」は採用されておらず、全てのキーが水平に並んでいます。

ディテールも確認します。目立って安っぽい箇所はなく、値段相応な造りとなっているのではないでしょうか。

日本語配列のテンキーレスキーボード。サイズは幅368 奥行150 高さ22mmで、他社製テンキーレスと比べると上段にメディアキーを搭載しているぶん奥行きがやや広め。本体重量は810g。

フルキーモデルのG913と比べると、一部のキーが省略されています。(左側のカスタマイズ可能なGキーx5、上段のプロファイル切り替えボタンx4) 音量調整バーまで備えるメディアキーは健在。

キースイッチは以下の3種類から選択可能。Kailh製ロープロファイル軸のカスタム品…いわゆる薄型キースイッチで、いずれも浅いキーストローク(2.7mm)、短いアクチュエーションポイント(1.5mm)を特徴としています。

なお、今回のレビュー機はGLタクタイルとなります。

スイッチ
  • カスタム元
  • 作動点
  • キーストローク
  • 押下荷重
  • タクタイル圧
GLタクタイル
  • 茶軸
  • 1.5mm
  • 2.7mm
  • 50g
  • 60g
GLリニア
  • 赤軸
  • 1.5mm
  • 2.7mm
  • 50g
GLクリッキー
  • 白軸
  • 1.5mm
  • 2.7mm
  • 50g
  • 60g

裏面には角度調整スタンド(4°, 8°の2段階)と、滑り止めラバーが備わっています。

接続方式は USBレシーバーを介した無線接続(LIGHTSPEEDワイヤレス)、Bluetooth接続の2種類。例えばデスクトップPCに無線接続しながら、ラップトップにBluetooth接続するなど、複数デバイスへの接続も可能です。入力を有効にするデバイスは1ボタンで切り替えられます。

充電時には付属のUSBケーブルを接続する必要があります。接続ポートは奥側のやや左寄りに備わっており、充電中も一般的な有線キーボードのように使用可能です。

スペック&ギャラリー

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Logicool G913 TKL
価格: 27,500円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

操作感

G913 TKLに搭載されたGLキースイッチの正体は、Kailhロープロファイル(低背)キースイッチのカスタム品。今回のレビュー機に搭載されたGLタクタイルは、弱めのタクタイル感により確かな打鍵感を得られる茶軸に近いキースイッチです。

主なスペックはキーストローク2.7mm アクチュエーションポイント1.5mm 押下荷重50g タクタイル圧60g。通常、Kailhのロープロファイル軸はキーストローク3mmですが、GLキースイッチではさらに0.3mm短く調整されています。市販キーボードではトップレベルでストロークが浅いです

キーストロークの浅さがゲームプレイにどのように影響するかというと、リセットポイントまでの到達が速くなります。理論上は、押し続けていたキーを意図したタイミングで素早く離せたり、キー連打速度が向上します。

打鍵感については、”メンブレンにタクタイル感が足された”ようなものに感じます。まんまストロークが浅くなった茶軸なのですが、キーの跳ね返りがやや弱くてフニャっとしているため、正直なところ”心地良い打鍵感”とは言えないかなと。

ロープロファイル茶軸の利点としては、これは茶軸の特性ではあるのですが”タクタイル感とほぼ同時にキー入力が検知される”ので、押した感覚をしっかりと得ながらキーボード操作を行えること。やはりストロークが浅いこともあり、よりリアルタイムにキーが反応しているような感覚が得られます。

難点として”指が疲れやすい”ことが挙げられます。特に小指には負担が掛かります。G913 TKLは押下荷重が約50g、筆者が主に使用しているキースイッチはCherry MX Silent Redは約45gです。キースイッチが薄いからといってこの差は埋まりません。

※ちなみにG913 TKLの押下荷重は実測値50g。アナログで測定したところ、ちょうど圧が50g掛かったところでキーが底まで降りていきました。

その他、いくつか補足を。キーキャップの揺れはそこそこ目立ちます。そもそもキーキャップの留めが甘く、本体を振ると「カシャカシャ」と鳴るほどなので、おそらく意図的なものなのかなと。斜めから押し込んでも引っ掛かりは一切ないですし、操作性に問題はありませんが、打鍵感には少なからず影響しています。

また、G913 TKLは本体がとても薄くてキー全てが水平に設計されているため、キーボードを操作する指や手首の角度が変わります。一般的な高さのキーボードにリストレストを備え付けたときを想像すると分かりやすいと思います。楽なフォームで操作できるので個人的には高く評価しています。

打鍵音

タイピング音は「カチャカチャ」系で柔らかい音です。タクタイル感とほぼ同時にキーが底打ちされて音を発するので、どんな圧で押し込んだときも打鍵音はほぼ変わりません。

静音とも言えませんがそこまで大きくもないので、ボイスチャットに干渉しづらいかと思います。

その他の機能

本体左上に備わった4つのキーでは、左から 接続方式(LIGHTSPEEDワイヤレスとBluetooth)の切り替え、プロファイルの切り替え、LEDライティングの輝度変更が行えます。ちなみにゲーム起動時に自動でプロファイルを切り替える設定も可能です。

ワイヤレス機器となると通信の安定性が気になるところですが、LIGHTSPEEDワイヤレスは遅延無し、安定性も全く問題ありません。ただしUSBレシーバーからなるべく近づけることを推奨します。

ただ、フルキーモデルのG913をレビューした際にも触れたのですが、キーボードを無線化するメリットがあまりに少ないように個人的には感じてしまいます。マウスならば操作性に大きく関わるのですが、キーボードは頻繁に動かすモノでも無いですし…。

本体右上にはメディアキーが搭載されており、音楽やビデオの音量調整、再生/停止、スキップ、ミュートを手元で行えます。メディアキーは特定の音楽やビデオを対象に反応するため、例えばゲームプレイ中にSpotifyを操作することもできます。

これらのキーが上段一列に並んでいるので他社製テンキーレスキーボードよりも奥行きがやや広くなってはいますが、あって損は無い便利な機能です。

キーキャップ

キーキャップはロープロファイル軸特有の2箇所のツメで固定するタイプ。前述の通りキーキャップは完全に固定されずにアソビがあり、本体を振ると「カシャカシャ」と音が鳴ります。

表面素材は滑りやすいですが、キーキャップの揺れによって程良くカバーされます。

ソフトウェア

G913 TKLは、Logicool製デバイスの統合ソフトウェア「Logicool G HUB」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

Logicool G HUB:https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/innovation/g-hub.html

設定項目は、LEDライティング設定(LIGHTSYNC)、キー・マクロ割り当て、ゲームモード設定。

キーのリマップは不可能で、F1~F12に好きな機能を割り当てる仕組み。つまり最大12種類のキーカスタマイズにのみ対応しています。フルキーモデルでは左側に割り当て専用キーが5つ確保されていたので、G913 TKLはキー数が少なくなったぶん機能は縮小したと言えます。

ゲームモード有効時、Windowsキーなどの赤く光った箇所はデフォルトで無効、その他にもあらかじめ選択しておいたキーを無効化できます。特定のゲームタイトルでよく誤爆するキーを切っておくなど特殊な使い方も可能です

結論とターゲット

「Logicool G913 TKL」について詳しく見てきました。テンキーレスサイズになっても、専用メディアキーや、2種類のデバイス接続(USB/Bluetooth)を1ボタンで切り替える機能は健在です。デスク上でWindowsとMacの両方を扱うユーザーにはとても便利。

ゲーム用途でも、コンパクトになったことでマウスの可動域を広く確保できるうえ、キーストロークが非常に浅く調整されたロープロファイル軸は ”リセットポイントへの到達”を速めてくれるので、キー連打速度の向上などが見込めます。

こうやって見ると、トップクラスの性能であることは確かです。

しかし「Logicool G913(有線版)」のレビューでも指摘した通り、キーボードを無線化するメリットが少ない…。仮にマウスを無線化するとなれば大きな恩恵を得られるのですが、キーボードの場合はデスク上を這うケーブルが1本無くなるだけで、費用対効果はとても薄いと言えます

よって、限られた予算の中でパフォーマンスを重視する方にとっては不向き。他の選択肢をお勧めします。とはいえ同じような条件が揃った製品が他に無いことは確かなので、G913 TKLが持つあらゆる機能に魅力を感じつつ、お金を掛けられるという方にとっては唯一無二な選択肢となります。

Logicool G913 TKL
価格: 27,500円 (本稿執筆時点)

以上、Logicool(ロジクール)のゲーミングキーボード「Logicool G913 TKL」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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