「HyperX Cloud Alpha S」レビュー。1万円台で全て揃える、入門ゲーマーのオーディオ環境構築に最適

「HyperX Cloud Alpha S」レビュー。1万円台で全て揃える、入門ゲーマーのオーディオ環境構築に最適

本稿では、HyperX(ハイパーエックス)のゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud Alpha S」のレビューをお届けします。

HyperX Cloud Alpha S
価格: 14,980円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

Cloud Alphaシリーズの特徴は、低音用と中音~高音用のデュアルチャンバードライバーを採用し、それぞれの音域が埋もれないよう設計されていること。新型モデルの「HyperX Cloud Alpha S」はそれに加え、低音調節スライダーがイヤーカップ側面に搭載されており、低音域の強弱を3段階で調整することが可能となっています。

ゲーミングヘッドセットと言えば、低音に寄せた音を鳴らす傾向にあります。それだけ低音域にゲーム内の効果音が詰まっているということになりますが、その強弱をユーザー側で調整できるのは嬉しいところ。早速見ていきます。

全面つや消しの黒基調で落ち着いた印象。イヤーカップのロゴとアルミフレーム部のみ淡いブルーとなっています。

前述の通り、低音用と中音~高音用に分かれた50mm径のデュアルチャンバードライバーを採用しており、周波数特性は13~27,000Hz。インピーダンスが65Ωと高いので、普段通りの音量が出づらいかもしれません。それなりにボリュームを上げて使用する必要があります。

イヤークッションはPUレザー製で、Cloud Alphaよりも通気性が8倍も向上したとのこと。さらに布製イヤークッションも同梱されており、簡単に付け替えることができます。隙間から音が抜けることで鳴りの傾向が変わるので、通気性や音を聴き比べながら、好きな方を選びましょう。

ヘッドレスト、イヤークッションともに柔らかく、厚みもそれなりに確保されています。実測値はそれぞれ、ヘッドレストが約18mm、イヤークッションが約22mmです。イヤークッションは内径が広めで耳全体を覆ってくれるので、密閉性にも期待できそうです。

重量は310g(マイクを含んで321g)と一般的な重たさ。本体はCloud Alphaよりも約10g重たいですが、違いはほとんど実感できなさそうです。

長さ調節スライダーは強めの引っ掛かりがあるタイプで、装着中にズレてしまう心配は無さそうです。一度決めた位置でしっかりとロックされます。

付属の3.5mmケーブルは取り外しが可能です。また、Cloud Alpha Sには専用のUSB DACが付属しており、以下の操作を手元でおこなえます。

  • 7.1chバーチャルサラウンドの有効/無効化
  • ボリューム調整
  • ゲームとボイスチャットの音量バランス調整
  • マイクの有効/無効化

表側の4ボタンのマークは印字ではなく浮き上がっているので、手元に視線を移さずに操作できます。裏面はクリップ式。

マイクは双指向性のエレクトレットコンデンサー方式で、ノイズキャンセリング機能を搭載、周波数応答は50~18,000Hz。先端にはポップガードが標準で備わっています。

Cloud Alpha Sは前作のCloud Alphaよりも実勢価格が2,000円ほど高く、クッションがアップグレードされたことと、低音調整スライダーが搭載されていることの2点が大きな違いとなります。この低音のカスタマイズ機能がゲームプレイで恩恵をもたらしてくれるのか、詳しく見ていきます。

スペック

HyperX Cloud Alpha S 製品仕様
タイプ 密閉型
ドライバー ネオジム磁石カスタムダイナミック50mm径
周波数帯域 13~27,000Hz
音圧 99dBSPL/mW (1,000Hz時)
T.H.D. 1%未満
サラウンド バーチャル7.1chサラウンド対応
接続 3.5mm / USB DAC
マイク 双指向性、50~18,000Hz
重量 298g (マイクとケーブルを除く)
価格 14,980円 (本稿執筆時点)

ギャラリー

製品イメージをチェックする (開閉できます)
HyperX Cloud Alpha S
価格: 14,980円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

音の傾向、低音調整スライダー

Cloud Alpha Sは、低音域が強めに鳴る傾向にあり、中音~高音域は埋もれない程度に留まっています。また、低音調整スライダーの効果はかなり明確に感じ取ることができ、1段階切り替えるだけで響きが相当変化します。

低音調整スライダーを開き切った状態(低音域を最も強めた状態)だと、低音域に潜んだ効果音がグッと主張してくるので、足音と銃声がピンポイントに聞き取りやすくなります。真ん中に合わせてもそれなりに聞こえますが、少しマイルドな音になります。逆に閉じ切った状態(低音域を最も弱めた状態)では、音域ごとの分離感を感じ取りづらくなり、上記に示したような恩恵が受けられません。

これは言わば簡易イコライザーで、「手元で3パターン選べるよ」と選択肢を与えられているようなもの。どれが最も聞き取りやすいかはユーザー次第ですが、スライダーの段階ごとに音は大きく変化するので、ゲームタイトルごとに聞き取りやすい調整を見つけられやすいのではないでしょうか。

音域ごとに分離感がある

製品仕様の項目でお伝えした通り、Cloud Alpha Sはデュアルチャンバードライバーを採用しており、低音域と中~高音域を分離する仕組みとなっています。同価格帯ヘッドセットとの明確な違いは、ゲーム内の効果音をハッキリと区別できること。

例えば『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』で飛行機が頭上を通過している際、地上の音がかき消されずに聞き取ることができたり、『レインボーシックス シージ』で室内の銃声と室外の爆発音、のような響きが異なる音が同時に発生しても、その両方を認識することができます。

ただし、音の解像度はそこまで高くありません。高価なオーディオ機器のように繊細な音が分離して聞こえるのではなく、より大きな区切りで「音域ごとに分離する」という表現が正しいのかなと思います。なんにせよ、ゲームに最適な音響であることは間違い無いです。

これらの特性から、リスニング用途にはあまり期待しない方が良いです。試しに音楽鑑賞してみると、本来聞こえていたはずの音が低音で埋もれたり、楽器とボーカルのバランスが崩れたりし、心地よさはあまり感じられませんでした。Cloud Alpha Sはゲーム専用機ということで結論付けます。

USB DAC

筆者の環境では、オンボード(48kHz/24bit)とUSB DAC接続時(48kHz/16bit)でほとんど鳴りに変化が生じませんでした。それなりに良い音を鳴らせるサウンドチップが積まれたマザーボードを使用していることも影響しているかもしれませんが、USB DAC自体は音の傾向にほとんど手を加えていないのかなと思います。

USB DACは計6ボタンにさまざまな機能が集約されています。表面の左側ボタンは音量調整、左側面にはマイクの有効/無効化ボタンが搭載されています。その他を詳しく見ていきます。

USB DACの中央にあるボタンを押すとバーチャル7.1chサラウンドの有効/無効を切り替えられます(白いLED点灯時、有効)。よくある違和感のある残響音(リバーブ)は少なく、それなりに音場が広がります。2.1chステレオ時にしっかり再現されていた定位がぼやけず、音の距離感を掴むのが容易になった、というのが筆者の第一印象です。

とはいえ、その若干の残響音が聞き取りやすさに影響してしまうので、2.1chステレオで運用した方が前述の”音域の分離感”を最大限に活かせるのかなと思います。

ゲームとボイスチャットの音量バランスを調整する機能は、USB DAC経由でCloud Alpha Sを接続した状態で、ボイスチャットツールの入力デバイスを「マイク (HyperX Cloud Alpha S Chat」に設定することで利用可能となります。

右上のボタンを押すとゲームの音量が、右下のボタンを押すとボイスチャットの音量が上がります。調整時には音が鳴ります。ゲームプレイ中にどちらかの音が聞こえづらいとき、バックグラウンド経由でボイスチャットツールを開いて音量調整をする必要が無いので、かなり重宝する機能でしょう。

マイク音質

マイク品質は値段相応。ノイズや周囲の音を拾わず、円滑なコミュニケーションを図れますが、ヘッドセット特有の声の輪郭を捉えられない感じがあります。

ちなみに、USB DAC ミュートボタン押下時のマイクの遮断音はそこまで気になりません。

装着感

Cloud Alpha Sは密閉性が高く、周囲の音を遮ります。筆者の場合、耳の後ろあたりに若干の隙間ができますが、これによって音を拾い逃している感覚はありません。音の検証からレビュー執筆までの間、1日最大8時間ほど装着していましたが、窮屈さは感じませんでした。

本体重量は310gと一般的な数値ですが、頭の形に自然とフィットすることもあり、頭部へのストレスは感じませんでした。イヤーカップ同士がくっついていますが、ヘッドバンド自体が柔らかく、側圧は弱いと感じました。長時間装着していても疲れづらい調整になっています。

結論とターゲット

ゲーマー向けのオーディオ環境を構築するにあたって、必要なものをオールインワンにしたようなゲーミングヘッドセット。デバイスをすべてフラッグシップ機で揃えたいという方にとっては選択肢になり得ないものの、ヘッドセットとDAC(またはサウンドカード)込みで1万円台で揃えたい方にとって不足は無いでしょう。

ただし、ゲームで重要となる低音域を強調する傾向にあることから、モニター用途・リスニング用途とは相性が悪いです。コストパフォーマンスが良いとはいえ、あくまでゲームプレイに使用したときに真価を発揮するものと考えてください。

Cloud Alphaとは約2,000円の価格差がありますが、簡易イコライザーとも言える低音調整スライダーを備えるほか、クッションのアップグレードによる装着感の改善も図られており、あえてこちらを選ぶ方が満足感が高いのではないかと思います。ゲーミングヘッドセット入門製品の新定番となりそうです。

HyperX Cloud Alpha S
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以上、HyperX(ハイパーエックス)のゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud Alpha S」のレビューでした。

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