HID-Labs 磁気方式キースイッチ用ショートストロークスペーサー レビュー
HID-Labsの 磁気方式キースイッチ用ショートストロークスペーサー をレビューします。
レビュー用サンプル提供:HID-Labs
この製品について
磁気式キースイッチを簡単にショートストローク化するカスタム部品です。
このスペーサーを発売したHID-Labsは、LAMZUやEspTigerをはじめとする海外ゲーミングデバイスメーカーの日本正規代理店も務めているゲーミングデバイスのカスタムショップです。
ショートストロークスペーサーの使い方
使い方はとても簡単です。
SteelSeries Apex Proシリーズ以外の磁気式キーボードは、キースイッチ引き抜き工具さえあれば、キースイッチをキーボード本体から簡単に取り外すことができます。
その取り外した磁気式キースイッチの裏側には丸い穴があります。その穴にショートストロークスペーサーを入れて、再度キーボードに取り付けるだけでセットアップは完了です。
今回はWooting 60HEのWASDキーに3.0mmのスペーサーを取り付けてみました。
通常ではキーストローク4mmですが、WASDキーのみキーストローク1mmの状態です。
バリエーション
高さのバリエーションがあり、自由に組み合わせて使用できます。
- 通常 1mm/1.5mm/2mm/2.5mm/3mm
- 微調整用 0.13mm/0.2mm/0.25mm/0.3mm/0.35mm/0.4mm
HID-Labsのテストでは、Wooting 60HEに3mmと0.13mmを取り付けた状態では問題無く使用でき、3mm+0.25mmスペーサーでは認識するスイッチと認識できないスイッチが生じたとのこと。
上記の説明の通りなら、キーストロークは最短0.87mmにできるということになります。通常用と微調整用の両方を組み合わせることであらゆる深さに調整することが可能です。
筆者はWooting 60HEに3mmのスペーサーを取り付けたキーストローク1mmの状態で長期間使用していますが、正常に動作しており、今までのところ一切問題は起きていません。
ただし、ユニットやセンサーの個体差によっては異なる結果をもたらす可能性があるので、上記のテスト結果は参考程度に留めておくのが良さそうです。
対応キースイッチ
以下が対応キースイッチの一覧表です。HID-Labs公式サイトにも記載がありますが、いくつかのキーボードに関しては情報を提供させていただきました。参考程度にお願いします。
とりあえずWooting 60HEユーザーなら問題無く使えます。
キースイッチ分類 | 対応可否 | キーボード | キースイッチ | 備考 |
Gateron KS-20系統 | 〇 | Wooting 60HE Wooting two HE Wooting two Lekker Edition |
Lekker Switch | |
Varmilo Victory | Varmilo x Gateron | |||
Corsair K70 MAX RGB | Corsair MGX | |||
Gateron KS-20 Orange | ||||
Gateron KS-20 White | ||||
Gateron Jade | 穴無し。キースイッチを分解し、 内部にスペーサーを内蔵可能。 |
|||
Gateron KS-20系統 | × | SteelSeries Apex Pro | OmniPoint 2.0 | はんだ付けあり 基板からスイッチの取外しが困難 |
GEONWORKS | 〇 | Raptor HE Gaming Switch | ||
Gateron 2.0 / Gateron KS-37系統 |
〇 | Higround Performance Base 65 VXE ATK68 (G版) Keychron Q1 HE |
キースイッチを分解し、 内部にスペーサーを内蔵可能。 |
|
Endgame Gear KB65HE Meletrix Boog75 |
Gateron KS-37B | |||
Arbiter Studio Polar 65 | Fuji Magnetic Switch | |||
Yuki Aim Polar 65 Katana Edition | Gateron Yuki Aim Edition | |||
RAESHA | × | DrunkDeer A75 / G65 / G60 ELECOM VK600A |
RAESHA | |
VXE ATK68 (L版) | RAESHA V2 | |||
Kailh | × | Keydous NJ98-CP | Kailh Flame Switch Kailh Mistral Switch |
素材について
スペーサーに採用されているPOMは摺動性および耐摩耗性に優れた素材です。
磁気式キーボードは磁界の変動によって電気信号を送ることでキーの入力を検知してオンオフを動的に制御する仕組みなので、その動作に影響を与えないような素材が選定されています。
使用感
キーストロークを短くすることで、キー入力のオンオフをより高速化する効果が期待できます。
キーストロークがたった1.9mmのZENAIM KEYBOARDを使用したとき、キー入力のオンオフのタイミングがとても掴みやすいように感じましたが、今回ショートストロークスペーサーを使ってキーストロークを1.0mmに短縮したWooting 60HEでも同様のことを強く感じました。
VALORANTをプレイしていると、体感上ではスペーサーを取り付けた状態の方がキーを離したときにすぐキャラクターが止まるように感じました。
それに加えて、色々な比較検証を行ったところ、スペーサーを取り付けた状態の方がデッドゾーン(キーを最も深くまで押した状態から離したときにRapid Triggerの入力オフ判定が行われない距離)が若干短くなっているように感じました。
また、キーを押したときに指が深く沈まないので操作が安定しやすく、キーを離してから再度押し込む動作の移動量が少なくて楽というメリットもあります。
ゲームプレイにおいてはショートストローク化した状態の方が明確に有利であると感じました
ただし、キーを深く押し込めたほうがキータッチの感触は良かったり、ストロークが短いキーとそうでないキーが混在しているとタイピング時にやや不便だったりと、普段使いでのデメリットがいくつかあるように思います。
結論とターゲット
HID-Labs 磁気方式キースイッチ用ショートストロークスペーサーは、対応キースイッチであれば少ない費用で簡単にショートストローク化を叶えてくれる優秀なカスタマイズ用パーツです。
そもそもRapid Trigger対応キーボードはキーをわずかに押したり離したりするだけで入力のオンオフ判定が行われるので、キーを深く押し込める必要はないように感じていました。
個人的には思ったよりも違いを感じられたので、同じことを考えていた人にはもちろん、興味本位でショートストローク化したらどうなるのか知りたいという人にも気軽に試してみてほしいです。
以上、HID-Labsの 磁気方式キースイッチ用ショートストロークスペーサー のレビューでした。