「Dream Machines DM4 Evo」レビュー。派手なライティングのG403/G703クローン
本稿では、Dream Machines(ドリームマシーンズ)のゲーミングマウス「Dream Machines DM4 Evo」のレビューをお届けします。
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製品仕様と外観
Dream Machinesは、ポーランドのゲーミングデバイスメーカー。このブランドの特色を簡単に説明すると、有名なメーカー製ゲーミングマウスのクローン形状に、流行りの仕様・スペックを反映させ、比較的安価で売り出すことでしょうか。
今回レビューするDM4 Evoは、Logicool G403 / G703のクローン形状に、Huano製マイクロスイッチやパラコードケーブルなどのDream Machinesでは定番ともいえる仕様、さらには派手なLEDライティングゾーンを搭載したモデル。早速詳しく見ていきます。
DM4 Evoは、7ボタンを搭載した左右非対称ゲーミングマウス。
ブラックの1色展開。前面にはラバーコーティングが施されています。油分があっても滑りづらく、グリップ性能は高いです。両サイドは細かなテクスチャのプラスチック製となっています。
形状を4方向からチェック。横から見ると起伏はなく、緩やかなアーチを描いています。
寸法は公称値126 x 63 x 40 mmと、Logicool G403/G703 (124 x 68 x 43 mm)と比べるとDM4 Evoの方が少しだけ長いのですが、G403/G703の特徴でもある本体後部の膨らみが抑えられているのが2機の大きな違いかなと。
こうやって2機を並べてみると瓜二つなようにも見えるのですが、実際に握ってみると結構違ったりします。これに関しては【操作感・持ち方の相性】の項目にて詳しく解説します。
本体重量は公称値97g(ケーブルを除く)、実測値は99.9gでした。ひと昔前はこのサイズならばこれくらいの重量は平均的でしたが、最近のゲーミングマウスとしては重たいですね。そういや前作のDM5 Blinkもこのくらいでした。
重心が中心部分にありますし重量バランスは適切なので、さほど問題を抱えていないようにも思えますが、やはり70g~80g台のゲーミングマウスを長期間使用していた筆者にとっては重たいと感じます。
センサーには最大16,000DPIに対応する PixArt PMW3389 を搭載しています。ソフトウェアから100刻みでのDPI変更、リフトオフディスタンスの10段階切り替えが可能。またカタログスペック上ではLoD 1.8mm以下を謳っています。
その他、専用ソフトウェア「DM4 Evo Gaming Mouse Software」に対応しています。
スペック&ギャラリー
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Dream Machines DM4 Evo 製品仕様 形状 左右非対称 表面素材 プラスチック サイズ 126 x 63 x 40 mm 重量 97g (ケーブルを除く) ボタン数 7 センサー PixArt PMW3389 DPI 100~16,000DPI (100刻み) ポーリングレート 125/250/500/1000Hz LoD 1.1mm~ (実測値) スイッチ Huano製 (2,000万回耐久) ケーブル シューレースケーブル ソフトウェア 対応 価格 5,480円 (ふもっふのおみせ、本稿執筆時点) - 製品イメージをチェックする (開閉できます)
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パフォーマンス
持ち方の相性・操作感
DM4 Evoは、G403/G703の本体後部にあるコブがフラットになり、幅も少しだけ削ったような形状。本家のようにミリ単位でピッタリと手にフィットする感覚こそ薄れているものの、指や手のひらのガイドが曖昧になったことで過度に持ち方を制限されることなく手に馴染みます。
これ自体は中型サイズに分類できますが、少しだけ小さめに設計されているため、より日本人の平均的な手の大きさでのかぶせ持ちに丁度良いサイズになっているかなと。
ただし、どの持ち方でも共通して言えるのは97gは重たいよね…ってところ。最近になって平均的な重量がガクッと下がったため、直近でゲーミングマウスをいくつか買い替えている方にとっては気になるかもしれません。重いマウスに慣れている方ならば問題はありません。
上記を踏まえたうえで、一般的とされる持ち方3種類との相性をチェックします。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズです。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。
かぶせ持ち
かぶせ持ちはとても相性が良いです。どの部分も干渉することなく、自然なフォームで握り込むことができます。また、適切なサイズ感で、筆者のように平均的な手の大きさであれば違和感が生じることは無さそうです。
その他の特徴として、G403/G703は本体後部のコブがちょうど手のひらの真ん中に突き刺さるのですが、DM4 Evoでは緩やかなカーブとなっているため、持ち方を制限されづらいです。多少は持ち方に癖があったとしても融通が利きます。
つかみ持ち
つかみ持ちも相性が良いです。本体後部のギリギリまで高さが残っているため、手のひらを添えるだけでも相当な安定感があります。両サイドは緩やかなシェイプとなっており、ガイド線のようなものはなく、親指・薬指・小指の3本が自由に配置できます。
つまみ持ち
つまみ持ちには長すぎる設計で、指の関節を使った際の可動域が狭いです。関節を少し曲げると本体後部が手のひらに触れてしまいます。
また、左サイドの最も窪んでいる部分が奥の方に寄りすぎており、親指を適切なポジションに配置しづらいです。つまみ持ちではグリップ感を得づらいので、かぶせ持ちかつかみ持ちで運用するのが適切であると言えます。
ボタン配置・クリック感
メインスイッチ
メインボタンには2,000万回耐久のHuano製マイクロスイッチが採用されています。重たくもなく軽くもなく、しっかりめの押し心地。アソビはほとんどありませんが、ストロークが若干長いことも相まって、ボタンを1回押下するごとに確かな手ごたえを感じます。
直近のメーカー製ゲーミングマウスはクリック感の調整が重んじられる傾向にあり、押し心地が軽くてストロークが浅いものが採用されているように思います。そういったものに慣れている方だと、クリック感がちょっと重たいと感じるかもしれません。
サイドボタン
サイドボタンはG403/G703よりも小さいですが、適切な位置に備わっています。押下時にカコッと詰まった音が鳴りますが、ちょうど良い固さでストロークも短く、特に押しづらさは感じません。
ホイール
ホイールの回し心地は軽く、ノッチ感は弱いです。ゲームプレイ中に激しいマウス操作を行いながら正確に1ノッチ回すのはやや難しいかなと思います。
ホイールクリックは固めで、指にそれなりの力を込める必要があります。味方チームへのピンに活用するタイトルならばまだしも、多用する場合は少し厳しいかもしれません。
センサー挙動・リフトオフディスタンス
DM4 Evoは PixArt PMW3389 センサーを搭載しています。ホイール下のボタンから切り替えられる初期DPIは400, 800, 1200, 2400, 16000で、ソフトウェア上からは100~16,000DPIを100刻みで調整可能。
例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800/1600/3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。
MouseTester: xCounts
MouseTester: xSum
xCounts, xSumともに綺麗な波形です。実際に『VALORANT』をプレイしてセンサー挙動を確かめたところ、特に違和感はなく、正確なトラッキングが行えていると感じました。
リフトオフディスタンス (LoD)
マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。
マウスパッド「PureTrak Talent」上で計測した結果、DM4 Evoのリフトオフディスタンスは1.1mmでした。十分に短い数値であると言えます。
マウスソール
黒いPTFE製マウスソール。独自の形状で、上部に2枚、下部に1枚、センサー周りに1枚という配置。交換用ソールが1セット付属しています。
比較的よく滑りますし、エッジも最低限は加工されているのでマウスパッドとの引っ掛かりは感じません。
ケーブル
ケーブルはDream Machines製マウスではお馴染みのシューレースケーブル (パラコードケーブル)。さすがに単体で販売されているパラコードケーブルと比べるとやや芯が残っていて固いですが、標準ケーブルとしては十分なクオリティです。
ソフトウェア
DM4 Evoは、専用ソフトウェア「DM4 Evo Gaming Mouse Software」に対応しています。以下のURLより [Mouse] – [dm4evo] と選択し、表示されたリンクをクリックするとダウンロードできます。
DM4 Evo Gaming Mouse Software:https://www.dreammachines.pl/en/drivers
よく見るUIですね。設定項目は、ボタンへのキー・マクロ割り当て、100~16,000(100刻み)のDPI調整、LEDライティングに関する設定、ポーリングレート切り替えなど。
注意点として、初期状態ではマウス加速がONになっています。右側の項目 [Mouse Parameter] より、 [Improve pointer precision] のチェックを外すとマウス加速が無効になります。
LEDライティングゾーン
DM4 Evo本体には、ホイール、ロゴ部分、底面のエッジに合計3つのライティングゾーンを備えています。一つ前に発売されたDM5 Blinkもそうでしたが、最近のDream Machinesはこういった路線のようです。
ソフトウェアからLEDライティングに関する設定を行えます。あらかじめ用意された9種類のライティングパターンから選択でき、パターン速度を3段階で切り替えられます。なお、これらの設定は3つのゾーンが一括で変更されるもので、1ゾーンごとの調整は行えません。
マウスパッド上に置いていても、マウス周辺がふんわりと灯って綺麗です。
結論とターゲット
「Dream Machines DM4 Evo」について詳しく見てきました。日本人の手の大きさに適したサイズ、もっと言えばG403/G703を少し小さくしてなだらかにした形状。すんなりと手に馴染むので、個人的に気に入っています。
しかし、本体重量97g(ケーブルを除く) という点は、DM4 Evoを選択するうえで大きな障壁となります。重いマウスに慣れている方ならば問題はありませんが、近年発売され続けている”軽量マウス”に手を出しており、それらを気に入っている方にとっては重たいと感じるでしょう。
その他、メインスイッチは辛口で評価したものの好み次第で、十分に許容できる範囲なのですが、緩いホイールは少し残念に思いました。とまあ、気になる点をピックアップしてもこのくらいなんですよね。
そこらのIE3.0クローンよりも”少しだけ”小さいゲーミングマウスを探している方や、派手なライティングが好みな方にとって、DM4 Evoは非常に良い選択肢になりそうです。決して目新しいものではありませんが、5,000円台のゲーミングマウスとしてはそこそこ良し。
以上、Dream Machines(ドリームマシーンズ)のゲーミングマウス「Dream Machines DM4 Evo」のレビューでした。