「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」レビュー。スマホアプリで各種設定が可能なゲーミングヘッドセット+USB DAC

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「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」レビュー。スマホアプリで各種設定が可能なゲーミングヘッドセット+USB DAC

本稿では、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Turtle Beach

Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP
価格: 24,973円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

ゲームに適したオーディオ環境を手っ取り早く整えたい場合、ゲーミングヘッドセットとUSB DACがセットになった製品はとても良い選択肢となります。

セット商品となると限られた選択肢しかないのが現状ですが、アメリカ市場でシェアNo.1を誇るTurtle Beachから「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」がという製品が登場したので詳しく見ていきます。

まずはElite Pro 2ヘッドセットからチェック。質感の良い本体。金属製パーツが至る所に採用されており、耐久性が高められています。

長さ調整バーは3段階のみで、カチッとクリック感があります。金属製フレームの手前にメッシュ製ヘッドレストが備わっており、頭の形に合わせて伸縮する仕組みとなっているため、細かな調整は不要という判断でしょうか。

大きなハウジングは鏡面ブラックとなっています。しっかりと耳全体を覆えそうな大型ハウジング・分厚いイヤークッションも特徴的。いずれもマグネット式で着脱可能となっており、取り外すとネオジム磁石50mm径のNanoclearスピーカーが露わに。周波数応答は12~20,000Hz、インピーダンスは32Ω。

イヤークッションは柔らかい低反発フォーム。外側のみPUレザー、内側を含む他の部分がメッシュ素材。低音域を逃がさずに遮音性も保つための構造ですね。

基本的には以前レビューした「Turtle Beach Elite Atlas (ヘッドセット単体)」と同じ仕様ですが、ケーブルに備わったインラインリモコンにあった音量調整ダイヤルが撤廃されており、Super AMPの方で調整する仕組みとなっています。

ケーブルは3.5mm接続(シングル4極)で、手元でマイクのON/OFF切り替えが可能なインラインリモコンを備えています。その他、デュアル3極の音声分離ケーブルも付属しています。

続けてSuper AMPを見ていきます。メイン部分はLEDライティングゾーンとそれを囲うようにボリューム調整ノブが、前面にはヘッドセットジャック、背面には各種接続ジャックが備わっています。

サイズは大雑把に計測して幅8cm 奥行9cmとコンパクトで、接続したケーブルも前面・背面で割り振られるため、手元に設置しても邪魔になりづらいと言えるでしょう。

最大の特徴とも言えるのが、Bluetooth接続を介してスマートフォンのアプリから設定を行える点。逆にPC版のソフトウェアからはファームウェア更新しか行えないため、詳細設定にはスマホアプリが必須となります。

主な設定項目としては、3Dオーディオを用いたバーチャルサラウンド技術「DTS Headphone:X」に対応、イコライザー切り替え、ゲーム音声とボイスチャット音声のバランス調整など。設定項目に関して、詳しくは後述の【ソフトウェア】の欄で解説します。

対応機器はNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、PC。付属のUSBケーブル、光デジタルケーブルの2種類を使い分けることで幅広いプラットフォームに対応します。

スペック&ギャラリー

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Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP
価格: 24,973円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

ソフトウェア

PC版ソフトウェアの機能はファームウェア更新のみとなっており、オーディオに関する設定はスマートフォンのアプリから行う仕様となっています。本稿ではiPhone版「Turtle Beach Audio Hub」を利用しながら進めていきます。 ※本稿で使用する機器: iPhone SE 第2世代

アプリ初回起動時にSuperAMPとのBluetoothペアリングを求められますが、ここで承諾しても正常に接続されなかったため、iPhoneのホーム画面から [設定] – [Bluetooth] と進め、自分のデバイスから [Elite SuperAmp ~~~] を選択してペアリングしました。

「Surround Mode」はバーチャルサラウンドに関する設定です。あらかじめ用意された3種類のプリセット [Game], [Movie], [Music] から切り替えられます。また、 [Stereo] に設定するとバーチャルサラウンドは無効化され、2.1chステレオ再生となります。

「Game Preset」はイコライザー設定で、あらかじめ用意された4種類のプリセット [Signature Sound], [Bass Boost], [Bass + Treble Boost], [Vocal Boost] から切り替えられるほか、 [Create] から

「Superhuman Hearing」は簡単に言えば、低音域をカットすることで音の響きを軽減し、小さな音を聞き取りやすくする機能。各音域のバランスが均等なサウンドになります。本来コンプレッサーを掛けると痩せた音になり、人によっては「音質が劣化した」と感じられますが、有効化しても音質はそこそこ保たれます。

ただし、ゲーム内の重要な効果音に低音域が多く含まれている場合は逆に拾いづらくなったりと、ゲームタイトルのサウンドデザインによっては相性が悪いです。あくまで音響をカスタムする機能の一種ですので、好みに応じてON/OFFしましょう。

マイクに関する設定は、後述の【マイク設定】で解説します。

音質傾向

Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMPの音質傾向を、Surround ModeをStereo (バーチャルサラウンド無効、2.1chステレオ)に、Game Preset(イコライザー設定)をすべてフラットに設定した状態で検証しました。なお、PCにUSB接続での検証となります。

様々な音源を聴いた結果、Elite Atlasのレビューでもお伝えしたようなドンシャリ傾向にあります。低音域はややブーストがかっていますが、強すぎず弱すぎず。耳が処理しやすい適度な量感となっています。また、本来ゲームで使われないような重低音はカバーしていませんが、そこそこ深いところまで鳴ります。

それに対し、高音域は強めに再生されますが、鳴っている距離がやや遠いので抜け感が物足りない? とにかく耳に刺さることはありません。”高音域”だけを切り取って評するならば文章の通りですが、結果的に低音域に埋もれずに分離感が感じられるため、全体で見ると優れたチューニングとなっています。

今回の検証ゲームタイトルは無料FPS『VALORANT』。前提として、VALORANTはShiftキーをホールドすることで足音を完全に消せるタイトルで、素早い視点移動や位置の予測も重要となるのですが、やはり敵が鳴らした音から情報を得るのは基本事項となります。

このTurtle Beach Elite Pro2 + Super AMP、かなり定位感に優れています。イメージとしては、方向感・遠近ともに音が鳴る位置にメリハリがある感じです。複数の音が鳴っているときも脳内で処理がしやすく、複数の足音が聞こえながら射線を1つ1つクリアリングしていく際など、正確な判断を行いやすいかなと。

もともとFPSに適したチューニングではあるのですが、ゲームタイトル毎にサウンドデザインは異なるため、アプリ内の [Create] からプレイするタイトルに合わせたイコライザー設定を作成するといいでしょう。

ただ個人的には、低音域を上げすぎると響きが気になり、複数の音が重なったときに脳内で処理しづらいサウンドとなってしまうように感じます。あらかじめ用意された [Signature Sound] は低音域がほんの少しブーストされた”ほぼフラット”なものなので、個人的に一番勧めたい設定となります。

マイク品質・設定

Elite Pro2のマイクは非常に優秀で、こもりのない鮮明な音を録音できます。ただしそれなりに感度が高く、マウスやキーボードの操作音も拾ってしまいます。Discordなどノイズキャンセリングが効いたボイスチャットツールでは、使用できます。

アプリからは、ゲーム音声とボイスチャット音声のバランスを調整する「MIX」機能や、マイクに入力された音声がリアルタイムで再生され、自分でも聞き取れるようになる「MIC MONITOR」が利用可能です。

ゲームプレイ中に裏画面に移行することなくマイク入力の音量やゲーム音声とのバランスを調整できるのは利点だなと感じました。実質、ヘッドセット本体やUSB DACにそういった設定が行えるボタンが搭載されているようなものだなと。

装着感

大きなハウジングを備えるElite Pro2、装着すると分厚いイヤークッションが耳全体を覆います。側圧はやや強め。肌触りの良いサラッとした素材なので不快感はありません。もちろんドライバーに耳が触れることはありません。

長さ調整スライダーは調整幅が3段階なので、頭のサイズによって相性問題が懸念されるところ。ただ、ヘッドのメッシュ製ヘッドレストが伸縮する仕組みとなっているため多少は融通が利きます。

イヤーカップにはProSpecsGlasses Reliefシステムが採用。これは眼鏡を着用した状態でもヘッドセットを快適に装着できる機能です。イヤーカップとエンクロージャーに隙間があり、負荷が掛かると様々な角度に傾く仕組みとなっています。

結論とターゲット

「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」について詳しく見てきました。競合製品とほぼ同価格で、ゲーム用途において優れたパフォーマンスを発揮するヘッドセット+USB DACのセット。

ゲーミングヘッドセットメーカーらしいFPSゲームに特化した音質傾向で、簡易的なイコライジング機能、”十分に使える”バーチャルサラウンド機能も備えているため、ゲーム向けにオーディオ環境を構築したい方にとっての強力な選択肢となるでしょう。

他社製品と大きく異なるのは、スマートフォンのアプリで操作を行う点です。手軽に設定が行えるので個人的には高く評価していますが、設定幅はPCソフトウェアを備える製品に軍配が上がります。その一例として、Super AMPのイコライジングは高音域・中音域・低音域の3バンドのみ。

ただ逆に言えば、オーディオの知識が無い方でも直感的に設定でき、前後での音の変化も分かりやすいため、自身のプレイしているゲームタイトルに最適なサウンドを探る機会になりやすいかなと。初心者の最初の1台や、スマホアプリでの手軽な操作に惹かれた方にお勧めです。

Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP
価格: 24,973円 (本稿執筆時点)

以上、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Elite Pro2 + Super AMP」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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