「Turtle Beach Elite Atlas」レビュー。国内進出したアメリカ市場No.1シェアブランドのハイエンドモデル、その性能はいかに

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「Turtle Beach Elite Atlas」レビュー。国内進出したアメリカ市場No.1シェアブランドのハイエンドモデル、その性能はいかに

本稿では、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Elite Atlas」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Turtle Beach

Turtle Beach Elite Atlas
価格: 12,580円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「Turtle Beach Elite Atlas」は、米国シェアNo.1のゲーミングオーディオブランドTurtle Beachのハイエンド製品に位置するゲーミングヘッドセットです。先日国内取り扱いが開始されたばかり。

事前情報としては、Turtle Beach全体の特徴としてゲーミングヘッドセットの王道とも言えるドンシャリ傾向のチューニングであることと、CS:GOチーム「Astralis」が使用している(Astralisオフィスでの使用を確認)こと、さらにTwitchストリーマーDrDisRespectがElite Atlasのワイヤレス版(国内未発表)を使用しているということ。早速詳しく見ていきます。

金属製パーツがヘッドバンドやカバーに採用されており、質感・耐久性ともに高められています。

カバーやイヤークッションはマグネット式で着脱可能。イヤークッションを取り外すと出現するのは、esports専用に開発されたというネオジム磁石50mm径のNanoclearスピーカー。周波数応答は12Hz~20,000Hzで、インピーダンスは32Ω。

イヤーカップは耳全体を覆える大サイズ。Aerofitイヤークッションは外側のみPUレザー、その他(内側も含む)はメッシュ。周囲の音を遮断しつつ、深みのある低音を逃がさない仕様です。クッションは分厚く、柔らかい低反発フォームが採用されています。

ヘッドレストは外側の金属フレームから独立しており、装着時に緩んでくれるため、頭頂への圧を軽減してくれます。

長さ調整スライダーは左右ともに3段階のみ。ヘッドバンドが頭の大きさに合わせてある程度緩んでくれるので、よほど頭が大きな方でない限り相性問題は発生しなさそうですが、調整幅が狭いのは不安要素。

筆者の場合は1段階進めたところでちょうどフィットしました。

接続ケーブルは3.5mmシングル4極で、音声分離ケーブル(3.5mmデュアル3極)が付属しています。ケーブルにはコントローラーが備わっており、音量調整とマイクのON/OFFが行えます。

ブームマイクは単一指向性で、周波数帯域は未公開。

スペック&ギャラリー

仕様/スペックをチェックする (開閉できます)
Turtle Beach Elite Atlas 製品仕様
対応機種 PC, Mac, PlayStation 4, Xbox One, Nintendo Switch
ドライバー ネオジウム磁石50mm径 Nanoclearスピーカー
周波数帯域 12~20,000Hz
インピーダンス 32Ω
T.H.D
マイク 搭載
マイク特性 単一指向性(カーディオイド)
マイク周波数帯域 100~10,000Hz
接続 3.5mm3極, 3.5mm4極
ソフトウェア 非対応
価格 12,580円 (本稿執筆時点)
製品イメージをチェックする (開閉できます)
Turtle Beach Elite Atlas
価格: 12,580円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

音質傾向

Elite Atlasは中音域が削られたドンシャリ傾向。全体的なバランスとしては高音域よりも低音域に重きが置かれ、それぞれに分離感があって聞き分けやすいのが特徴です。

低域は、重低音とまではいかないものの深めの低音までハッキリと拾えています。適度な量で耳にガツンとくる感じも無く、他の音域を殺しづらいようバランスを保てています。

ドンシャリ傾向であると前述した通りで、中域は量感少なめで埋もれ気味。リスニングでチェックすると距離はそこまで遠くは感じないものの、曲によってはボーカル(中域)が低域に埋もれてしまうことも。

高域はやや詰まっていて抜け感に欠けます。ただ鳴っている距離が若干遠く、シャリッとしながらも耳に刺さることは一切無く、低域にも埋もれず独立した音として聞き分けられます。

実際のゲームプレイでは、『Counter-Strike: Global Offensive』の場合は足音から敵の位置を把握するのが容易く、普段の環境と遜色なく聞き取れました。『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』では屋内・屋外で複数の足音が鳴った際、それぞれの距離・方向を聞き逃しづらいと感じました。

上記のような音質傾向に加え、全体的な音の粒はそこそこ粗め。解像度はさほど高くありません。あまり慣れていない方でも重要な音を容易に聞き取ることができる、FPSゲーム特化のチューニングと言えます。また、音場は広く、特に水平方向への広がりは素晴らしいです。

USBサウンドアンプやオーディオインターフェイスとの組み合わせもいくつか試しましたが、特に問題無く使えています。注意すべきは、イコライザー調整時はLowを上げすぎると響いてしまい、他の音域にまで侵略してしまう点。よほど目的が明確でない限りはそのまま使用するのが吉。

装着感

個人的に装着感は非常に良く、長時間にわたるゲームプレイを難なくこなせます。筆者の場合は長さ調整スライダーを1段階進めたところでちょうど耳にフィットしましたが、3段階でしか調整できないため、頭の大きさによって相性問題が懸念されます。

初期状態では側圧はやや強めに感じます。ティッシュ箱を挟み込んで側圧を弱めると、分厚いイヤークッションのおかげで密閉性を損なわずに改善することができました。

Elite Atlasのイヤーカップには特許取得済みのProSpecsGlasses Reliefシステムが採用されています。写真のようにイヤーカップとエンクロージャーに隙間があり、さまざまな角度に動くため、眼鏡を着用しているユーザーも違和感なく装着できるとのこと。

普段あまり眼鏡を掛けない筆者があえて試してみましたが、フレームとの干渉や締め付けは一切気にならず、しっかりと効果を実感できました。

マイク

TRUSPEAKテクノロジー(詳細不明)に対応するというマイク。マイク先端は布で覆われているため、別途ポップガードを用意する必要は無さそうです。

音質をチェックしたところ、音のぼやけ・声のこもりが無く、鮮明な声を届けられました。同価格帯のヘッドセットに搭載されたマイクと比較すると、Elite Atlasは非常に優秀だと言えます。

ただ筆者の環境ではそれなりに周囲の音も拾ってしまい、Audacityで録音を試みたところマウスやキーボードの操作音もそのまま反映されました。Discordなど入力感度を調整できるボイスチャットツールでは声以外を排除しやすく、喋っている内容を正確に聞き取りやすいです。

結論とターゲット

1万円前半のゲーミングヘッドセットとなると選択肢は豊富。既に国内で人気を博している競合製品と比較した際に、Elite Atlasの音質傾向・マイク音質・装着感はそれらよりも優れていると感じました (※装着感に関しては頭の形状に大きく影響されるので注意)。

ハイエンドと称するElite Atlasですが、細かな部分までこだわらないライトユーザーならば、イコライザー調整などを要さずPCに直接繋ぐだけでOK。煩わしい設定要らずでゲームに最適化された音が鳴らせる、初めの一台としても十分に価値のある製品なのではないかと思います。

注意すべきは、音質傾向からゲーム以外の用途にはあまり適さないこと。それを踏まえたうえで「FPSで重要な音を聞こえやすくしたいけど、イコライザー調整はよく分からない」という方に向けた入門機と位置づけられるのではないでしょうか。

Turtle Beach Elite Atlas
価格: 12,580円 (本稿執筆時点)

以上、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Elite Atlas」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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