Wraith Spirit of Aim Hybrid & Speed レビュー
Wraith Esportsのゲーミングマウスパッド Wraith Spirit of Aim Hybrid と Wraith Spirit of Aim Speed をレビューします。
レビュー用サンプル提供:Wraith Japan
動画で見る
この製品について
ガラスマウスパッドの評判がとても良いWraith Esports。以前レビューしたBlade X Japan Editionがかなり特徴的だったので個人的に注目しているメーカーです。
今回紹介するSpirit of Aimという布製ゲーミングマウスパッドのシリーズは5,200円と安価で入手できます。安い割に仕様も悪くなさそうなので、詳しくチェックしていければと思います。
SpeedとHybridの2種類の表面があり、それぞれWhiteとBlueのカラーバリエーションがあります。
Wraith Spirit of Aim 共通仕様
パッケージと梱包状態
マウスパッドはフラットパッケージに入って届きます。
巻き癖の一切ない、完全に真っすぐな状態で使い始められます。
とてもユニークなデザイン。個人的には一周回ってかなり好きです。
こういう絵からしか得られない養分があると思います。
サイズ
サイズは470 x 420mm ローセンシ対応の大サイズです。
エッジ
ステッチの幅は標準的で、背の高さは滑走面よりも若干低いくらい。
使っていて腕や手首の辺りが気になることもなければ、マウスを大きく振ってマウスパッドの端に到達したときに乗り上げたり引っ掛かることもありません。とても良い造りです。
ベース
ベース材にはウレタンゴム SCRが採用されています。厚さは約3mmです。
裏面には充分なグリップ力がありますが、最近流行しているポリウレタンには劣ります。筆者の環境ではうまく機能します(Flexispot E7 純正デスク天板)が、デスク天板の材質によっては少しずれるかもしれません。
Spirit of Aim “Hybrid”
硬さ
このマウスパッドの柔らかさはSoftに分類できます。だいたいPulsar ES2 3mmと同じくらいの硬さで、厚みが似ているマウスパッドで言うとArtisan Hayate Otsu Softなんかも近いです。
柔らかさの割には反発感が強いです。これは沈み込んで滑りが鈍くなった状態から、滑りが元に戻るまでの時間が短くなることを意味します。
どちらも少し荷重が掛かると沈み始め、程よく減速します。細かな手の震えやブレが抑えられるので、力みがちな人でもマウス操作が安定しやすい傾向にあると思います。
サーフェイス
表面は粗くて立体感があります。肉眼でも捉えられるほどには凹凸しています。
ざらざらとした手触りではあるものの、生地の質感が若干しっとりとしていることもあり、腕や手首へのダメージは少ないです。
また、肌にまとわりつくような感触があるため、気になる人もいるかもしれません。
これはアームカバーを着けることで軽減できます。CW-XやPulsarのアームカバーを着けた状態だと、そのまま腕を滑らせるときよりも少し抵抗が少なくなります。
厚み
厚さ3mmを謳っていますが、実際に測ると4.32mmありました。
基本的に布製ゲーミングマウスパッドはベース材のみの厚さが表記されることが多く、実際に測ったときには表面の生地の厚さも加算されるので、このような大きな差が生じることがあります。
このマウスパッドは表面の生地が分厚くてしっかりとしているという認識で良いと思います。
初動の軽さ
初動はやや軽いです。手の細かな震えやブレを拾いづらいほどの程よい抵抗はありつつ、少ない力で動かし始めることができます。
マウスに荷重を掛けたまま動かし始めても、そこまで変化はありません。
切り返し時の抵抗
マウスを左右や上下に切り返したときの抵抗は小さいです。
軽く滑らせていても、押し込んでいても、つっかえることなくスムーズに方向転換できます。
滑走速度
滑走速度はバランスタイプの中でも速いほう。Artisan Zero Midと同じか少し遅いくらい。このマウスパッドの方がマウスを滑らせたときの感触が少しだけしっとりとしていて、わずかに遅いように感じます。
荷重が掛かったときは程よく減速します。手の震えやブレを抑えるのにも役立ちます。
汎用丸形マウスソールで使ったとき、荷重が掛かったときの滑りの変化が自然だと感じます。「これくらい押し込んだらこれくらい鈍くなるだろう」という感覚と実際の滑りが一致するイメージ。
湿度による滑りの変化
湿度による滑りの変化は比較的少ないです。
部屋の湿度が上がっても滑りやすさやマウスを滑らせたときの感触はあまり変わりません。
使用感
バランス系マウスパッドの中でも初動が軽く、マウスを下に押し込んでコントロールするのに長けています。大まかな特性はInfinityMice Vagabondに近いと感じました。
最大の特徴は、軽く滑らせたときには表面が粗いマウスパッドのようなキレの良さが感じられ、下に押し込んだときには滑らかなマウスパッドのようなしっとりとした感触になることです。
VALORANTで使っていて、ミドルセンシとかなり相性が良いように感じました。脱力しながら動かし始め、止めたいときには下に押し込むようにすると、滑りと止めのメリハリが出ます。
ローセンシだとマウスの動きが大振りになって荷重も掛かりやすくなるので、キレの良さが失われてしまうように感じましたが、それでも制御しやすいバランス系マウスパッドとして機能します
Spirit of Aim “Speed”
硬さ
このマウスパッドの柔らかさはSoftに分類できます。だいたいPulsar ES2 3mmと同じくらいの硬さで、厚みが似ているマウスパッドで言うとArtisan Hayate Otsu Softなんかも近いです。
柔らかさの割には反発感が強いです。これは沈み込んで滑りが鈍くなった状態から、滑りが元に戻るまでの時間が短くなることを意味します。
少し荷重が掛かるだけで沈み始め、程よく減速します。ただ、もともとの滑りが速いので、しっかり自分で止める必要があります。あまり期待しないほうがいいです。
細かな手の震えやブレが抑えられるのは柔らかいマウスパッドの利点です。力みがちな人でもマウス操作が安定しやすい傾向にあると思います。
サーフェイス
表面の生地はEspTiger Grandmaster / Grandmaster SE Jin (Pink) / Grandmaster SE Qin (Blue) と同じものが使われています。
斜めに浮き出た部分の糸がしっかりとしていて、指でなぞると凹凸としているのがはっきりと分かります。指でなぞっても腕を滑らせてもざらざらとしているように感じます。
素肌で触れてもアームカバーを着けていても、手首や腕が擦れるときに音が鳴ります。特に縦方向に擦れたときは音が大きいです。
アームカバーとの相性は悪くありません。CW-XとPulsarのアームカバーを着けた状態で腕を動かすと、擦れる音が際立つものの、何も着けていないときと同じくらい滑ります。
厚み
厚さ3mmを謳っていますが、実際に測ると4.15mmありました。
基本的に布製ゲーミングマウスパッドはベース材のみの厚さが表記されることが多く、実際に測ったときには表面の生地の厚さも加算されるので、このような大きな差が生じることがあります。
このマウスパッドは表面の生地が分厚くてしっかりとしているという認識で良いと思います。
初動の軽さ
初動はとても軽いです。非常に少ない力で動かし始めることができ、わずかな動きも拾うので微調整しやすいです。
マウスに荷重を掛けても初動は軽いままです。
切り返し時の抵抗
マウスを左右や上下に切り返したときの抵抗はとても小さく、ほぼ抵抗を感じることなく方向を変えることができます。
マウスを押し込んだ状態でも気になるほどの抵抗は発生しません。
滑走速度
滑走速度はスピードタイプに分類でき、その中で遅いほうです。代表的なマウスパッドと比較すると、Artisan Hayate Otsu Softよりも少し速く、Artisan Raiden Xsoftよりも少し遅いくらい。
マウスを滑らせたときの感触は、粗いマウスパッド特有のキレの良い感じ。
もともとのスピードがかなり速いのですが、荷重が掛かると止めるのに十分なくらいには減速します。よほど力んでいない限り、押し込んでマウスを止めるのに適しています。
汎用丸形マウスソールと大型マウスソールどちらで使ってもあまり印象が変わりません。
湿度による滑りの変化
湿度による滑りの変化は少ないと感じました。
部屋の湿度が上がっても滑りが変わったり、マウスを滑らせたときの感触がしっとりとすることなく、いつも通りの感覚で使えます。
使用感
スピード系マウスパッドの中でも滑りと止めを両立できているように感じます。初動がとても軽いのが強みで、VALORANTでは微調整しやすさを活かした鋭いエイムができます。
マウスを下に押し込んだ状態でも初動の軽さは変わらず、軽い力で動き始めるので、1人目を倒したあとにそのままスプレーで2人目にエイムを合わせたいとき、抵抗なしですぐにマウスが動きます。
ただし、初動の軽さと切り返すときの抵抗の少なさが影響して、G PRO X SUPERLIGHT 2のようなクリック感が重たいマウスと組み合わせると、ボタンを押すときにマウスが若干動いてエイムがずれてしまうことがありました。
このマウスパッドのように初動の軽さが一定以上になると、クリック感がある程度軽いマウスを選んだほうが安定しやすいです
しっとりとしすぎていないというか、程よいキレの良さがあるのがArtisan Raidenと共通していると感じます。マウスを滑らせたときに手元に伝わるざらざら感をもう少し強めたような感じです。
Raidenは硬さがXsoftとMidの2種類のみで、このマウスパッドのように程よい柔らかさのものが無いので、そういった観点ではかなりの需要があると感じました
結論とターゲット
Wraith Spirit of Aimシリーズについて詳しく見てきました。しっかりとした造りで、この品質の海外製マウスパッドが5,200円で販売されているのは良心的だと感じました。
Hybridは粗くてざらざらとした感じではなく、凹凸はありながらもしっとりとした質感で、とても使いやすいです。腕や手首が擦れてもダメージはなく、アームカバーを着けた状態でも使えます。湿度によって滑りが変化しづらいというハイブリッドらしい強みもあります。
軽く滑らせるとキレの良さが出て、下に押し込むとしっとりとした感触になるという特徴があるため、マウスに掛ける荷重をうまくコントロールできる人におすすめです。ミドルセンシでマウスを下に押し込んで止める人と相性が良いと思います。
Speedは伝わる人は限られるかもしれませんが、EspTiger Grandmasterのベースが柔らかいバージョンです。
初動がとても軽く、切り返すときの抵抗も少ないので、とにかく少ない力でマウスを動かすことができます。Artisan Raidenより少しだけキレが良くて、MidでもXsoftでもない程よい柔らかさのスピード系マウスパッドが欲しいという人におすすめです。
Wraith Esportsのゲーミングマウスパッド Wraith Spirit of Aim Hybrid と Wraith Spirit of Aim Speed のレビューでした。