Spyre Loque レビュー
本稿では、Spyreのゲーミングマウスパッド「Spyre Loque」のレビューをお届けします。
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この製品について
Spyre Loqueは前作のKamekが海外のコアユーザーに高く評価されていたもののすぐに終売となり、次作として出てきたのがこのLoque。粗いテクスチャのポリエステル表面を採用したゲーミングマウスパッドで、メーカーいわく滑りと止めのバランスが取れているとのこと。税込4,200円と比較的手が出しやすい価格で、前代未聞の10年交換保証が付くなど、あらゆる面で話題を呼んでいます。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | ポリエステル |
---|---|---|---|
サイズ | 500 x 500mm | 厚さ | 3.0mm |
エッジ | 切りっぱなし / ステッチ加工 | 底面 | ラバーベース |
カラー | ブルー |
開封と仕様確認
梱包・巻き癖
Spyre Loqueはチューブのような箱に入って届きます。巻かれた状態にはなっているものの材質の特性により巻き癖は一切ついておらず、完全に真っすぐな状態で使い始めることができます。
サイズ
Spyre Loqueの寸法は500 x 500mmです。奥行きが広めなスクエアサイズになっており、垂直方向にマウスを動かす機会の多いゲームタイトルにも適しています。
厚さ
厚さは3.0mmと薄めです。
エッジ
Spyre Loqueはエッジのステッチ加工の有無を選べます。今回はステッチなしを選択しましたが、滑走面がポリエステル素材で硬いこともあって手首や腕が擦れると痛く、あまり良い選択とは思えません。
ステッチは滑走面からどの程度浮き出ているのか、また柔らかいのか硬いのかなど手元に無いので分かっていませんが、おそらくステッチありを選択した方が快適だと思われます。
底面
底面はよく見かけるタイプのラバーベース。巻き癖が無くデスク天板とべったりと接地することもあって、メラミン化粧板・ラバーウッド天板の両方で高い滑り止め性能を発揮します。一度設置した場所から動くことはありません。
パフォーマンス
表面特性
Spyre Loqueの滑走面にはポリエステルが使用されています。表面はザラザラとしていて、太い糸で非常に粗く織られているのが肉眼でも分かります。質感は「Esports Tiger EBA」に似ています。とにかく高摩擦で、手首や腕が擦れると痛いです。長袖やアームカバーも引っ掛かって動きづらいです。CW-Xのアームカバーで軽減こそされるものの、それでも腕とマウスパッドとの摩擦が強いので違和感が生じます。とてもザラつきが強い部類のマウスパッドなので、サラサラとした質感のマウスパッドに慣れている方には不向きです。
右下に配置されているロゴは滑走面と同じ質感で引っ掛かりません。
他社製マウスパッドとの滑り比較
Spyre Loqueは「スピードバランス」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
スポンジ硬度
Spyre Loqueのスポンジはやや柔らかく、3ミリ厚と薄めではあるものの一定までは容易に沈み込みます。
操作感
Spyre Loqueはスピードバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度は「LGG Venus Pro」や「Odin Gaming ZeroGravity」よりも速く「Fnatic Dash」や「Artisan 疾風乙」よりも遅いです。ただし、Spyre Loqueは使用環境によって操作感が大きく変化するため、人によって感じ方が異なる可能性があることには注意が必要です。
同じスピードバランスタイプに分類されるマウスパッドと比べて滑り出しが軽いです。粗い滑走面を持つマウスパッドにありがちな、常にソールと滑走面が擦れ合っているようなフィーリングは好みが分かれそうではあります。
マウスソールの面積の大きさによって滑りと止めのバランスが変化しやすいです。具体的には、ソールの面積が大きいほど滑りが遅くなってコントロール性が高まります。ソールの面積が小さい「Razer Viper V2 Pro」や「LAMZU Atlantis」では滑りの速さに対してとにかく滑り出しがスムーズに感じられ、トラッキングエイムが主体となる『Apex Legends』や『オーバーウォッチ2』のようなタイトルに適した操作感になります。『VALORANT』では微調整がスムーズすぎて制御しづらいように感じました。それに対して、ソール面積の大きい「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」や「Vaxee XE Wireless」と組み合わせると、滑走時に程よい抵抗・コントロール性が得られます。こちらは『VALORANT』のような精密なショットが求められるタイトルで快適に扱えました。
また、面積の大きいソールと組み合わせた場合に限り、マウスの押し下げ具合による摩擦の増減が大きいです。これはスポンジ層の沈み込みというよりも、滑走面の繊維が潰れることで抵抗が増していることが強く影響しているのではないかと思います。
縦横の滑りの差は感じられますが、かなり少ないので気になりません。縦に滑らせたときの摩擦が若干強いです。また撥水性は無く、湿気の影響を受けやすいことには注意が必要です。湿度の高いときには滑走音が大きくなって引きずり感が非常に強くなるので変化に気付きやすいです。
突出した滑り出しの速さを特徴としており、高性能なスピード系マウスパッドであることは間違いありませんが、マウスのソール面積で大きく印象が変わるので自分に合うかどうかの見極めが必要です。基本的性能としてはトラッキングエイムが主体であらゆる方向へマウスを動かすタイトルに適した操作感であるように感じます。表面がザラザラとしているマウスパッドが好みではない方には不向きです。
互換性
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行った結果、主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス11種すべてで正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行い、同様の結果が得られました。
結論とターゲット
「Spyre Loque」について詳しく見てきました。箱に入った状態で届きますが巻き癖は一切ありません。底面のすべり止めラバーは2種類のデスク天板でうまく機能しています。ステッチなしを選択するとエッジに腕や手首が擦れると痛いので注意が必要です。
操作感に関しては、とにかく滑り出しがスムーズなスピード系マウスパッドという印象です。ただし、マウスソールの面積によって操作感が大きく変化することには注意が必要です。ソール面積が小さいと滑り出しの軽さが引き立ち、面積が大きいと引きずり感が増してコントロール性が得られます。
滑走面がとても粗いので腕や手首が擦れると痛く、アームカバーを付けても腕とマウスパッドでかなりの摩擦感が生じます。サラサラとした質感のマウスパッドを好んで使用している方には不向きです。表面にザラつきのあるマウスパッドは耐湿性に優れたものが多いのですが、このマウスパッドは湿気の影響を受けやすく、部屋の湿度が高くなると引きずり感が増して滑走音が大きくなります。
使用環境によって変動する要素が多いので万人向けとは言えず、自分に合うかどうかの見極めは必要となってくるものの、高性能なスピード系マウスパッドの一つです。
総合評価4.0 out of 5.0 stars
縦横の滑りの差は僅か
設置した場所から動かない
優れたセンサー互換性
価格が安い/10年保証
表面のザラつきが強い
耐湿性は高くない
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以上、Spyreのゲーミングマウスパッド「Spyre Loque」のレビューでした。