Cerakey レビュー。光沢感があり上品なセラミック製キーキャップ
本稿では、キーキャップ「Cerakey」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: Cerakey
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この製品について
Cerakey(セラキー)は工業用アルミナセラミック製のキーキャップ。開発チーム曰く「ABSやPBTのような樹脂製の物理的・科学的特性ではキーボードの改良に限界がある」と考え、セラミックを素材として用いることを検討したそう。
1月29日までクラウドファンディングサイトMAKUAKEにて先行販売が行われており、一般販売26,300円のところ20,500円の特別価格で購入可能です。ANSI 英語配列のキーキャップ計113個のセット販売で、11色展開で印字の有無も選べます。
製品仕様とスペック
プロファイル | Cherryプロファイル | 互換性 | Cherry MX/クローンスイッチ |
---|---|---|---|
材質 | 工業用アルミナセラミック | キーキャップ数 | 計113個 |
配列 | 英語配列(ANSI) | 重量 |
Letter: 3.5g
左Shift: 7g
右Shift: 8.6g
CapsLock: 6g
Backspace: 8.5g
Spacebar: 32g
|
カラー | 11色展開 |
パフォーマンス
外観
一般的にキーキャップに用いられる素材はPBTやABSのようなプラスチック(樹脂)ですが、Cerakeyはセラミックでできたキーキャップ。セラミックはガラスよりも光沢感に優れる素材です。
表面は均一性がなく、なぞってみると若干デコボコしているのが指先に伝わります。エッジは丸みを帯びていて、柔らかい印象を与えます。セラミック特有の光沢感は上品で、とにかく質感に優れていて見栄えが良いです。
(ホワイト・印字ありモデル)印字はやや太めになっています。
釉薬を塗り1200度前後の温度で8〜12時間の焼成後、改めてプリントを施して再度800℃で焼成するという工程を辿っているとのことで、摩耗に強くプリントが消えづらいものになっているそうですが、見た目を変えずに長く使用したい場合は印字なしを選択しても良さそうです。
Cherry MXおよびクローンスイッチとの互換性あり。
しかし筆者の個体では、真っすぐの状態で完全に固定されずグラつくキーがいくつか存在します。例えば、左Altを強めに打鍵すると写真のように若干斜めにズレてしまいます。セラミックはプラスチックよりも柔軟性が劣るので、おそらく割れ防止のために寸法に余裕を持たせているのかと思われます。素材の特性上、こういった懸念点が出てくることは容易に考えられます。Kailh BOXを始めとするボックスタイプのキースイッチと組み合わせると問題なく固定されます。
セラミックは光の透過率が高く、キーキャップ全体が透過するので、RGBバックライトを目立たせることができます。ABSやPBTのような樹脂製とは異なる楽しみ方ができることは、ライティングを重視する方にとって利点だと言えます。
使用感
キーキャップは1つ3.5~4.5グラムで、重量と脆さのバランスを取ったとのこと。PBTやABSよりも重たいので、キースイッチに圧が掛かって本来よりも”僅かに”キーの押し心地が軽く、跳ね返り感が弱くなります。これは人によってメリットともデメリットとも取れるのではないでしょうか。
当然、サイズが大きいキーキャップは重さが異なります。例えば、左Shiftは7グラム、BackSpaceは8.5グラム、Spaceバーは32グラムです。ShiftやBackSpaceはそこまで大きな差は感じませんが、Spaceバーの押し心地は軽く、その違いは他のキーと比べたときに明らかな差を感じられるほどです。
フィーリングや打鍵音の変化も大きいです。Cerakeyを取り付けたキーはABSのように甲高くなく、PBTよりもさらに鈍い、コトコト系のタイピング音になります。また、押し心地が若干軽く跳ね返りがわずかに弱まるので、タッチが柔らかい印象になります。
キーキャップ表面はとても滑らかな手触りで、少しひんやりとしますが不快に感じるほどではありません。
意外にも、表面にはある程度のグリップ性能があります(ABS > Cerakey > PBT)。適度に湿っていると滑りづらく、乾燥していたり手汗を多くかいた状態では滑りやすいです。ゲーム用途でも不便には感じません.
セラミックは光沢が持続し、汗や脂による色あせや腐食の心配がありません。汚れが目立ったり手触りが気になった段階で拭き取るだけでOKです。メンテナンス性は高いと言えます。
結論とターゲット
セラミック製キーキャップ「Cerakey」は上品な光沢感があり、キーボードの見栄えを良くします。また、柔らかいキータッチやコトコトといったタイピング音も特徴的で、樹脂製では得られない独特なフィーリングをもたらします。チープなメカニカルキーボードでもこれを取り付ければそれっぽさは出せてしまう不思議なキーキャップです。
滑らかな手触りでひんやりとした表面は、意外にもある程度のグリップ性があり、ゲーム用途でも不便には感じませんでした。ただし指が乾燥していたり多く汗をかいた状態では滑りやすく、条件がやや限定的であると言えます。汗や油に強いことに関しては明確なメリットだと言えます。
筆者の個体では、キーによっては完全に固定できずグラついてしまう問題を抱えています。おそらくセラミックが樹脂よりも柔軟性に欠けるので寸法に余裕を持たせて設計しているからだと思われます。これに関してはKailh Boxをはじめとするボックスタイプのキースイッチと組み合わせると改善されますが、特定キースイッチでしか快適に使用できないのは欠点と言えます。
結論として、Cerakeyはキーボードの見た目を高級感あるものにアップグレードさせたい方や、打鍵時のフィーリングを柔らかくしたい方にお勧めです。あくまでこれは打鍵感を向上させたりタイピング音を理想のものに近づけるためのキーボード愛好家向けの製品で、ゲーマーがパフォーマンス向上のために手を出すのには不向きです。
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以上、キーキャップ「Cerakey」のレビューでした。
こんにちはミオニさん
記事、動画、いつも楽しく見させてもらってます。
教えてほしいのですが、Cerakey紹介のキーボードに使われてる透明のアビエイターケーブルってどこの製品でしょうか?
MOMOKA Silver Bullet Keyboard Cable
https://shop.yushakobo.jp/products/momoka-silver-bullet-keyboard-cable
遊舎工房さんが取り扱われてるものです
今はType-Cコネクタモジュールが在庫切れみたいです、、
ありがとうございます。
気長に再入荷待ってみます。