「Angry Miao CYBERBOARD R3」レビュー。とにかく所有欲が満たされるメカニカルキーボード

「Angry Miao CYBERBOARD R3」レビュー。とにかく所有欲が満たされるメカニカルキーボード

本稿では、Angry Miao(アングリーミャオ)のメカニカルキーボード「Angry Miao CYBERBOARD R3」のレビューをお届けします。

Angry Miao CYBERBOARD R3
価格:~99,000円(執筆時点)  Makuake

ファーストインプレッション

何やら10万円近くもするキーボードキットが発売されていると聞きつけ、情報をもとに辿り着いたのがこの「Angry Miao CYBERBOARD R3」。まず目がいくのは上部にあしらわれたLEDパネルで、ケースのデザインも相まってかなり凝った装飾のキーボードという印象。

ガスケットマウント、ホットスワップ対応PCBを搭載する75%キーボードで、有線接続の他にBluetooth 5.0とも互換性があり、同メーカーのマウスマットと組み合わせることでワイヤレス充電に対応します。

どうしてもコレクション的な要素が強いニッチな製品には感じられますが、R3と製品名にあることからも推測できる通り、これまで2回の改善を経て今回でシリーズ3作目となっているようです。

レビューを動画で見る

製品仕様とスペック

キー配列 US レイアウト 75%
キースイッチ TTC Golden Red V3 キーストローク寿命 8,000万回
キーストローク 3.8mm アクチュエーション 1.8mm
スイッチ特性 リニア 押下圧 43g±5g
サイズ 305.0 x 101.0 x 38.5mm 本体重量
完成版キット: 3.2kg
ベースキット: 2.9kg
カラー
クラウド・ホワイト
ブタペスト・ピンク
アクアティック・グリーン
接続方式
無線 Bluetooth 5.0
有線 USB Type-C
バッテリータイプ リチウムイオン バッテリー容量 5000mAh×2
充電方法 Type-C充電/ワイヤレス充電 パネルLED数量 200個
PCB ホットスワップ マウント方式 ガスケットマウント

パッケージと内容物

「CYBERBOARD」シリーズは専用のアタッシュケースに入った状態で届きます。

今回レビューする完成版キットの内容物は、CYBERBOARD R3キーボード本体 (金赤軸81個とスタビライザー内臓)、021Cキーキャップセット、ネジ、工具、ステッカー、取り扱い説明書(日本語表記有り)

このほか、完成版キットよりも安価になったベースキットも販売されており、そちらはキースイッチとスタビライザー、キーキャップが省略されています。

パフォーマンス

デザイン

立体的なデザインが特徴のアルミニウム製ケース。重厚感があります。

タイピング角度は10°。一般的なキーボードに見られるよりもやや角度がついています。

普段は角度調整スタンドを寝かせた状態でキーボードを使うことが多かったのですが、少しタイピングしているうちに容易に慣れることができました。

本体上部のパネルには縦5×横40=計200個ものLEDが搭載されており、200fpsの滑らかなアニメーションを楽しむことができるとのこと。ユーザーが共有したアニメーションや、自身で作成したオリジナルアニメーションも適用可能という、ユニークなデザインとなっています。

時計やバッテリー残量を表示させられるほか、ソフトウェアを介してユーザーが投稿したアニメーション効果を適用したり、自身で用意した画像をアップロードすることでオリジナルのアニメーションを作成することも可能です。詳しくは【ソフトウェアと各種機能】の項で。

背面の中央にはUSB Type-Cポート、右側にはBluetoothアンテナが配置されています。

本体底面。

四隅にはラバークッションが貼り付けられています。

中央に見えるのはワイヤレス充電対応のコイル。こちらは同メーカー「CYBERMAT R2」などと組み合わせることでバッテリー切れの心配なくBluetooth接続で使用し続けられるといったものです。

カラー

クラウド・ホワイト
ブタペスト・ピンク
アクアティック・グリーン

映画監督ウェス・アンダーソンの名作映画をモチーフにしたカラーバリエーション3種類 クラウド・ホワイト、ブタペスト・ピンク、アクアティックグリーンを展開しています。

電気を流す塗装法で彩度を細かく調整する「電気泳動塗装」により、塗装剥がれしづらいとのこと。また、いずれのカラーも彩度21%で統一されており、仮に真っ白なアルミニウムでは冷たい印象を受けますが、クラウド・ホワイトは若干の温かみを感じる色味です。

基本仕様

サイズ

InsertやHomeなどの一部キーが省略され、テンキーレスよりも本体幅が狭い75%レイアウト。高い実用性を維持しつつもコンパクトなので、デスクの幅が狭くても設置しやすいなどの利点があります。

しかしLEDパネルを搭載した特殊な形状のケースということもあり、寸法は343×178×51mmと、ほとんどの75%レイアウトキーボードよりも大きく、80%よりも1キーぶん小さい程度です。

本体重量

スタビライザーやキースイッチ、キーキャップを取り付けた状態で約3.2kg。

市販メカニカルキーボードは軽いもので500g、重たくても1.5kgほどで、CYBERBOARD R3はかなり重たい部類であることが分かります。デスク上で頻繁に動かすような用途には向きません。

打鍵感

CYBERBOARD R3はガスケットにより打鍵時の衝撃が吸収されるため、非常に心地よい打鍵感を実現しています。キーを強く叩いても反響せず、市販製品では目立つ不快音が排除されています。

ガスケットマウントを搭載することによる静音性の高さが際立ち、市販メカニカルキーボードに見られるような接触音を伴う「カチャカチャ」といった打鍵音ではなく、「コトコト」という打鍵音とともに滑らかにキーが降りていきます。

キースイッチやスタビライザーは高い安定性を誇り、ShiftやSpaceキーの揺れは目立たず、どの部分から押し込んでも押下圧は一定です。これは市販製品グレードではなく、パーツを厳選する自作キーボードのような構成となっており、拘りのあるユーザーにも受け入れられるものとなっています。

CYBERBOARD R3の打鍵音は動画でチェックできるので、ぜひ参考にしてみてください。

ビルド

CYBERBOARD R3はマウント方式にガスケットマウントを採用することにより、市販製品と比べて静音性が極めて高く、「コトコト」とキーが降りていく心地よい打鍵感となっています。

市販のメカニカルキーボードには、PCBに空いたネジ穴を使ってスイッチプレートをケースに固定しているものが多いです。この構造では、PCBとスイッチプレートに隙間が空き、ネジで留められた部分だけしっかりと固定された状態になるため、ネジ穴周辺とそれ以外のキーで打鍵感が異なったり、衝撃が吸収しきれないことが原因で反響音が鳴ったりと、いくつかの欠点が挙げられます。

一方でガスケットマウント方式では、その隙間にガスケット(クッション)を装着するため、打鍵時の衝撃を吸収して優れた静音性を実現するほか、打鍵感の向上も見込めます。実装費用が高く、主に高価なキーボードケースに採用される方式です。

キースイッチ

完成版キットのキースイッチには「TTC Golden Red V3」が採用されています。Cherry MX 赤軸と比べてキーストロークとアクチュエーションポイントが0.2mm短い、これといった癖の無いリニアスイッチです。

  • 押下荷重:43±5gf
  • キーストローク:3.8±0.3mm
  • アクチュエーションポイント:1.8±0.4mm
  • 耐久性:8000万回

もしもリニアスイッチを好む場合なら、赤軸よりも若干クイックな操作が可能かつ、銀軸ほどアクチュエーションポイントが浅くないため、万人にとって扱いやすいスイッチであると言えます。

* 完成版キットにのみ同梱。ベースキットでは自身で用意する必要があります。

ホットスワップ

CYBERBOARD R3にはホットスワップ対応のPCBが組み込まれているため、はんだ付け無しでキースイッチを取り外して別のものに交換することができます。

分解は比較的容易で、付属のレンチを使って底のパネルを取り外してPCBやプレートにアクセスし、スタビライザーやキースイッチを取り付け、再度組み立てるという手順を踏みます。

キーキャップ

完成版キットには、Angry Miao製キーキャップ「021C」が付属しています。レトロな雰囲気のAppleの初代Macintoshにインスパイアされたデザイン、オレンジのアクセント、オリジナルキャラクターの印字も。

* 完成版キットにのみ同梱。ベースキットでは自身で用意する必要があります。

ソフトウェアと各種機能

Angry Miaoが提供するCYBERBOARD R3専用ソフトウェアから、キーリマップやLEDパネルに関する設定などが行えます。公式サイト内からダウンロードしたカスタマイズファイルをソフトウェアを介してアップロードすることで、キーボード本体に適用できる仕組みとなっています。

ほとんどのキーボードがソフトウェア上で設定を完結できるため、これはやや不便に感じます。

また、筆者の環境ではキーリマップの変更がうまく機能しませんでした。 *キー割り当ての変更はWindowsの設定からも行えるので、一時的な対処は可能です。

また、中国語以外の言語には非対応です。ソフトウェア上での操作はファイルアップロード時の1クリックのみに留まるので大した問題にはなりません。

LEDパネルのアニメーション変更

あらかじめいくつかのアニメーションプリセットが用意されており、その中には時計やバッテリー残量の表示といった実用性の高いものも含まれています。Fn+F12で表示を切り替えられるので、好きなタイミングで確認することが可能です。

また、Angry Miao公式サイトのライブラリーより、ユーザーが投稿したアニメーションを無料でダウンロードして適用できます。

* 公式ライブラリー:https://diy.angrymiao.com/library/

以下のURLからは、オリジナルのアニメーションも作成することが可能です。

* アニメーション作成サイト:https://diy.angrymiao.com/

ドットを打ち込んでいくか、画像をアップロードして自動変換することで何枚かのフレームを作成し、それぞれのフレームの違いによって動きを出していきます。完成したアニメーションは公式ライブラリーに共有することが可能です。

キーキャップやケースの色との組み合わせを考えながらアニメーションを変更することで、デスク環境の雰囲気を変えることができます。より一層こだわりたいユーザーには嬉しいポイントかと思います。

ショートカットキー

CYBERBOARD R3も例にもれず、Fnキーと特性のキーを同時押しすることでショートカットキーを利用可能です。以下がデフォルトのショートカットキー一覧となります。

1. マルチメデイアファンクションキー

Fn + F1 ミュート Fn + F2 ボリュームダウン
Fn + F3 ボリュームアップ Fn + F4 前の曲
Fn + F5 次の曲 Fn + F6 再生 / ⼀時停止

2. LED / PCB ファンクションキー

Fn + Esc 3 秒⻑押しでスリープ / 再起動 Fn + F9 PCB効果 オン / オフ
Fn + F10 LED効果 オフ / オフ Fn + F11 PCB 効果切り替え
Fn + F12
LED 効果切り替え
*最後の効果がバッテリー残量表示
Fn + ↑ スクリーン輝度を上げる Fn + ↓ スクリーン輝度を下げる
Fn + → スクリーンライト効果スピードアップ Fn + ← スクリーンライト効果スピードダウン
Fn + = PCB 輝度を上げる Fn + – PCB 輝度を下げる

3. Bluetooth ペアリング

Fn+1
デバイス1にBluetoothで接続
*LEDパネルが点滅するまで 5秒間長押し
Fn+2
デバイス2にBluetoothで接続
*LEDパネルが点滅するまで 5秒間長押し
Fn+3
デバイス3にBluetoothで接続
*LEDパネルが点滅するまで 5秒間長押し
デバイス切り替え Fn+1/2/3 キーを押すとデバイス間を切り替える Bluetooth 待機モード 15 分待機するとBluetooth がペアリングしたままLED が自動的に消灯

海外ユーザーからはボリュームコントロールが機能しないといった報告がいくつか見られましたが、筆者の個体では問題なく機能しているため、おそらく修正されたものだと思われます。

キーリマップ

キーリマップに関しては、以下のWebサイト上でキー割り当てを変更し、ファイルをダウンロード、ソフトウェアを介してキーボード本体に保存するという手順を踏みます。

* キーリマップ設定サイト:https://diy.angrymiao.com/

しかしEndやPgUpといった不要キーの置き換えを試みたところ、変更は反映されませんでした。所持するユーザーからも同様の報告がいくつもあったため、こちらは現行バージョンでは機能してないものと思われます。ファームウェアアップデートなどで改善されることを願います。

接続とバッテリー

CYBERBOARD R3は有線接続とBluetooth 5.0に対応しています。本体に切り替えスイッチは存在せず、ケーブルを抜くと自動的にBluetooth接続に切り替わるシームレスな仕様となっています。

複数PCやタブレットを跨いでの操作もスムーズです。しかし【本体重量】の項でも触れた通り、キーボード本体は3kgオーバーと非常に重たく、頻繁にキーボードを動かすような用途には適しません。

Bluetooth接続

Bluetooth 5.0で実際に接続してみると、通信は極めて安定しており、遅延もさほど感じません。作業用途であれば快適に使用することができます。FPSをはじめとした競技性の高いゲームには不向きなので、その場合は有線接続での使用を推奨します。

CYBERBOARD R3には、5000mAhのリチウムイオンバッテリーが2つ内臓されています。これは他のBluetooth接続に対応したメカニカルキーボードと比べて遥かに大容量です。

USB Type-Cケーブルで充電する一般的な方法に加え、背面のコイルによるワイヤレス充電にも対応しています。Bluetoothで使用する場合、同メーカーからは「CYBERMAT R2」のように組み合わせて使用することでワイヤレス充電が利用できるマウスマットもラインナップされているためチェックしてみては。

有線接続

有線接続の場合、背面の中央に配置されたUSB Type-Cポートにケーブルを接続すれば動作します。いずれのキットにもケーブルは同梱しておらず、自身で用意する必要があります。

USB Type-Cポートの配置はちょうど良い高さで、右巻きのコイルケーブルもよほど太く巻かれていない限りは干渉せず、ポートに負担が掛かることはありません。ほとんどのケーブルに対応します。

結論とターゲット

「Angry Miao CYBERBOARD R3」について詳しく見てきました。言わずもがな非常にニッチな製品で、キーボードとは思えないほど高額です。タイピングの快適さやゲームでの高いパフォーマンスを追い求めている場合、これよりも投資が少なくても十分に実現できるかと思います。

ただ、このキーボードのように世界観に入り込んだデザインは他の製品には見られず、所有欲を満たしてくれることはもちろん、デスク上に置いているだけで特別な気持ちにしてくれます。

非常に高価であることや、機能的に不完全だと感じた部分もいくつか見られたことから、全体の評価としてはこのようになりますが、挑戦的な姿勢が見られて個人的には好みなプロダクトです。メカニカルキーボードや周辺機器が好きな方は、ぜひコレクションとして手に取ってみては。

総合評価 3.5 out of 5.0 stars

ユニークなデザイン
ガスケットマウント
カスタマイズ性の高いLEDパネル
優れた打鍵感と高い静音性
ホットスワップ対応のPCB
Bluetooth/有線のデュアル接続
大容量バッテリー
非常に重たい
ソフトウェアの仕様が煩わしい
 非常に高価

Angry Miao CYBERBOARD R3
価格: ~99,000円 (本稿執筆時点)

以上、Angry Miao(アングリー ミャオ)のメカニカルキーボード「Angry Miao CYBERBOARD R3」のレビューでした。

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