「SteelSeries QcK+」レビュー。長年ベストセラーを誇る定番ゲーミングマウスパッドはやや癖アリ
本稿では、SteelSeries(スティールシリーズ)のゲーミングマウスパッド「SteelSeries QcK+」のレビューをお届けします。
製品仕様と外観
定番のゲーミングマウスパッドは何か?という問いに対し、多くのゲーマーはSteelSeriesのQcKを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。今回は、QcKシリーズの中で最もオーソドックスといえる「SteelSeries QcK+」をレビューします。
ちなみに、QcKシリーズは以下の5種類がラインナップされています。
- QcK… 布製。
- QcK Heavy… 布製。通常のQcKよりも分厚い。
- QcK Edge… 布製。フチが縫われている。
- QcK Hard… プラスチック製。
- QcK Prism Cloth… 布製とプラスチック製の両面を使用可能。フチにLEDが搭載されている。
上3つは同じ滑走面が使用されています。中間層の厚いクッションが欲しい場合はQcK Heavyを、フチが縫われているのが良い場合はQcK Edgeをチェックしてみてください。
QcK+は、写真のように箱に丸めて梱包されています。開封時はそれなりに巻き癖・うねりがありますが、巻かれた内側の部分を除けば数日でほぼ完全に収まる程度です。
QcKのサイズ展開は以下の3種類。厚さは2mmで統一されています。
- QcK Mini (小):250×210×2mm (超ハイセンシ向け)
- QcK (中):320×270×2mm (ハイ~ミドルセンシ向け)
- QcK+ (大):450×400×2mm (ローセンシ向け)
今回レビューするのはローセンシ向けの大サイズ QcK+です。滑走面・厚さは全サイズ共通なので、マウスの感度に合わせ、必要な大きさを選べばいいと思います。
フチは縫われておらず切りっぱなしで、フチが使用しているうちに剥がれてくるのは難点と言えます。今回はレビュー記事を執筆するにあたって新品を用意して撮影しています。
裏面は滑り止めのラバーベースで、激しい操作を伴ってもデスクから動きません。滑り止め性能は申し分ないです。よく見るとSteelSeriesのロゴパターンになっていますね。
Amazon.co.jpでの販売価格は1,664円(執筆時点)。ラージサイズでここまで価格が安いマウスパッドは数少ないので、コスパを追求する方の選択肢に含まれやすいですね。ちなみに最も小さいQcK Miniは956円です。
スペック&ギャラリー
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SteelSeries QcK+ 製品仕様 材質 布製 サイズ QcK Mini (小), QcK (中), QcK+ (大) 厚さ 2mm フチ縫い 無し 備考 高耐性、水洗い可能 価格 1,664円 (Amazon.co.jp、本稿執筆時点) - 製品イメージをチェックする (開閉できます)
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パフォーマンス
滑り・止めの傾向
筆者が最後にQcKシリーズを使用していたのは約7年前。当時から数えると把握しきれないほど様々なマウスパッドを試し、好みも既にある程度固まっているため、まるでファーストインプレッションかのようなレポートとなっていることをご了承ください。
QcK+はコントロール系のマウスパッドです。滑りやすさを追求する場合、他の製品を試した方が満足できるはず。表面はやや荒い織り方で、肌に触れても不快にならない程度の細かなザラつきがあります。マウスを置いた時点から若干の抵抗感があり、初動(滑り出し)もやや重たいです。
長距離のトラッキングになると、若干の抵抗感がありつつも表面だけでスルスルと滑っていく感覚です。非常に言葉にするのが難しいですが、思わず”滑りやすい”と錯覚しそうになるフィーリングです。軽く比較しておくと、Logicool G640より滑らず、ZOWIE G-SRよりは滑ります。
QcKは厚さ2mmという薄いマウスパッドなので、分厚いマウスパッドのようにクッションの沈み込みを利用して止めることはできず、もともとの滑走面の抵抗感(ザラつき)を頼りに止める必要があります。この仕様からか、よく他所では「ほどよく滑ってほどよく止まる」と表現されています。
しかし、厚めのマウスパッド特有の”中間層のクッションを活かした止め”に慣れてしまったユーザーの場合、AIMスタイルによっては非常に止めづらく感じる場合があるでしょう。少なくとも、フリックAIMの際にマウスを下に抑え込む癖がある筆者はそう感じました。
センサーとの相性
念のため、手持ちのゲーミングマウスいくつかを使用してセンサーとの相性をチェック。結果として、QcK+とセンサーの相性が悪いゲーミングマウスは見つかりませんでした。
■テストに使用したマウス一覧:BenQ ZOWIE ZA13, Xtrfy M1, G-wolves Hati Ht-M, ZOWIE EC2, XANOVA Mensa Pro, ROCCAT Kone Pure Ultra, Logicool G Pro Wireless, SteelSeries Rival 600
結論とターゲット
「SteelSeries QcK+」について詳しく見てきました。「今更レビューするの?」とツッコまれてもおかしくないほど長年売れ続けているゲーミングマウスパッドですが、ある程度の知見を蓄えたこのタイミングで改めてチェックしてみると”器用貧乏”感が拭えない印象を受けました。
どちらかといえばコントロール系。でも止めに特化している訳でもなく、なんなら中間層のクッションが活きた分厚いマウスパッド(4mm前後)を使い込んできたユーザーからすると、かなりの癖を感じる可能性が高いです。逆に、初めてゲーミングマウスパッドを使う方にとっては「滑って止まる」という感覚を掴みやすいのかも。
とやかく言いましたが、価格が安いことは間違いなく長所と言えるので、”手軽に買える最初の一枚”を探している初心者の方に勧めたいです。細かな性能を追求しだすとキリがない世界、QcKは安牌な選択と言えるでしょう。
(ちなみにFPSプレイヤーに人気を博しているQcK Heavyは、クッションが厚いぶん、QcK+と比べて随分と印象が変わります。レビューは後日掲載します。)
以上、SteelSeries(スティールシリーズ)のゲーミングマウスパッド「SteelSeries QcK+」のレビューでした。