「Xtrfy H1」レビュー。圧巻のゲームサウンド、音の定位を正確に掴みたいコアゲーマーは一度手に取るべきゲーミングヘッドセット

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「Xtrfy H1」レビュー。圧巻のゲームサウンド、音の定位を正確に掴みたいコアゲーマーは一度手に取るべきゲーミングヘッドセット

レビューサンプル提供: Xtrfy Japan

Xtrfy H1 レビュー

Xtrfy(エクストリファイ)のゲーミングヘッドセット「Xtrfy H1」の詳細なレビューをお届けします。

「Xtrfy H1」は、CS:GO強豪チームであるNinjas in Pyjamasのメンバーが開発した、eスポーツ仕様のFPS/TPS向けゲーミングヘッドセットです。プロゲーマーが設計・開発に密に関わるのはXtrfy製品ならではで、細部まで調整が加えられ、ゲームに最適化された製品となっています。


ドライバー:ネオジム磁石、ダイナミック60mm径周波数帯域:5Hz~30000Hzタイプ:密閉型重量:350g(380g)インピーダンス:35Ω音圧レベル:97dBSPL @1kHzケーブル:3極プラグ1.2m、4極変換ケーブル、延長ケーブル2m、サウンドカード0.2mマイク:着脱可能、ProとCasualの2本付属手元で音量調節、マイク切り替え可能サウンドカード:外付けUSB接続、出力サンプリングレート最大96kHz/24bit価格:22,324円 (2018/11/19時点)


当記事では、2018年10月入荷分より従来品からアップグレードされた「Xtrfy H1」の詳細なレビューをお届けします。内部仕様を変更してもリネームしない、Xtrfyの興味深い方針については後述。

製品開封、内容物をチェック

外箱にはXtrfy H1の製品特長が記載されています。

Xtrfy H1 外箱

見どころとしては、サラウンド機能を削ったことでヘッドセットの部品構成にコストを割いている点。その代表として、なかなか見られないダイナミック60mm径ドライバーが搭載されています。

Xtrfy H1 ゲーミングヘッドセット本体

早速、製品を開封。ゲーミングヘッドセット本体はシンプルな外観ですが、ヘッドバンド部分のステッチや編組ケーブルに、Xtrfyのイメージカラーであるイエローが採用された独特なデザイン。

本体から伸びるケーブル長は1.2mで、手元にスピーカーとマイクの音量調節やマイクのON/OFFを切り替えられるコントローラーが搭載されています。

着脱式マイク、サウンドカード、各種ケーブル

その他の内容物は、着脱式マイク(Pro、Casualの2種)、サウンドカード、延長ケーブル(2m)、4極変換ケーブル、取扱説明書となります。

なお、取扱説明書には日本語表記はありませんが、こちら(Xtrfy日本正規代理店 テクテク)より日本語版のクイックスタートガイドやマニュアルをPDFファイルでダウンロードして入手できます。

シングル4極3.5mm変換ケーブル

延長ケーブル(2m)が標準で付属しており、合計で3m以上のケーブル長を確保できます。また標準ではデュアル3極ですが、シングル4極への変換ケーブルも同梱されているので、PCやPlayStation 4、Xbox One、スマートフォンなどあらゆる機器への接続が可能です。

着脱式マイク2本、外付けUSBサウンドカードが同梱

Xtrfy製品は、型番はそのままに従来品をマイナーチェンジしていく傾向にあります。一方で他メーカーでは、製品の仕様が変更された際はリネームして新製品として発表されることが多いです。

Xtrfy H1では2018年10月の入荷分から、着脱式マイクが2本付属(ノイズキャンセリングが効いたPROと、そうでないCASUAL)するようになったほか、USB外付けサウンドカードも同梱されています。

PRO MIC、CASUAL MICの2種マイクが付属

マイクは、周囲の音を拾うCASUALと、周囲の音を拾いづらいPROの2本が付属しています。いつでも取り換えられる着脱式ですので、自分の環境に合ったタイプを選択して使用できます。

サウンドカードが標準で付属

また、標準でUSB外付けサウンドカードが付属しています。これはXtrfy SC1として単体でも販売されている製品で、決してXtrfy H1専用ではなくその他のヘッドセットでも使用可能です。

ヘッドフォンやマイクの音質をチューニングしてe-sportsに向いたゲームサウンドに最適化してくれるもので、USB接続かつ小型なので持ち運びにも適した製品となっています。このサウンドカードXtrfy SC1に関しても、PC / Mac / PlayStation 4と幅広く対応済みとのことです。

製品仕様をより詳細にチェック

以下からは、Xtrfy H1の製品仕様をより詳細にチェックしていきます。主にヘッドフォンの音質やゲームプレイにおける音の定位、マイクの音質や感度に焦点を当てて見ていきます。

サラウンドを削り、基本性能に注力した製品

まずXtrfy H1には、7.1chなどのバーチャルサラウンド機能は備わっていません。サラウンド機能を切り捨て、ゲーミングヘッドセットとしての基本的な構成部品にコストを割いた製品となります。

その結果として、他のゲーミングヘッドセットでは見られないネオジム磁石60mm径の大型ドライバーを搭載(他製品は45mmや50mmが主流)していたり、ソフトウェア不要で接続するだけで動作し、本体コントローラーのみでボリューム調節などの様々な操作が可能となっています。

ネオジム磁石 ダイナミック60mm径ドライバー搭載

「ハイクオリティなサラウンド機能を求める場合、音質や音の定位に直接かかわるゲーミングヘッドセットは高品質なものを選び、別途サラウンド機能を追加した方が理にかなっている」といった考えのもと設計・開発されたのが、このXtrfy H1という製品だそうです。つまりハイエンド志向な方に最適

サラウンド機能が必要であれば、Windows 10の標準機能「Windows Sonic for Headphones」や、Razerが提供するソフトウェア「Razer Surround Pro」によってサラウンド機能を付加することが可能です。これらのソフトウェアや、別途サラウンド対応のサウンドカードを導入しましょう。

癖の無い音質、圧巻なのは音の定位の掴みやすさ

Xtrfy H1で実際にゲームをプレイしてみました。高音がよく鳴る割にはキンキンせず、低音は力強く再生されます。かいつまんで言うと、全ての音域がしっかりと聞き取れるバランスの取れた音質です。

Xtrfy H1を使用して『CS:GO』『PUBG』『CoD:BO4』等をプレイ

細かく言うならば、全音域、特に高音のアプローチが抑えられている印象です。ゲームプレイ中も特定の音が強調されることが無くなり、”重要な音を聞き逃しづらい”フラットな音響を再現しています。

このような優れた音響のおかげか、音の定位に関しては非常に優れています。音の鳴った方向や距離が直感的に判断しやすい、と表現すれば分かりやすいでしょうか。足音や銃声を聴いたあとに「これ、どの辺りから鳴った?」と迷うことが少なくなりました。

Xtrfy H1はゲームサウンドへの最適化を謳った製品ですが、決して音質に癖がある訳ではなく、音の定位を掴みやすいように適切なチューニングが施された、万人受けするゲーミングヘッドセットでした。

柔らかいクッションによる快適な装着感

Xtrfy H1の本体重量は350g(マイク装着時380g)で、60mm径ドライバーを採用していると考えれば軽いですが、ゲーミングヘッドセット全体で見れば軽量設計とは言い難いといった印象です。

しかし、柔らかいクッションによって快適に装着することが可能でした。

ヘッドレストは頭頂部への負担を分散する設計

ヘッドレストのクッションは5つに分かれており、装着時のテンションを各クッションに分散させることで頭への負担を和らげる設計となっています。クッションは合成皮革で、お手入れが楽に行えます。

長時間装着しても頭頂部に重量感を感じることは無く、むしろ軽々と装着できるのはこのヘッドレストの設計のおかげでしょうか。PUレザーの質感から素材が硬そうに見えますが、非常に柔らかいです。

イヤーパッドは肉厚で、クッションは非常に柔らかい

イヤーパッドは実測約2cmの肉厚クッションが採用されており、非常に柔らかい触り心地です。とにかく分厚いので最初はやや側圧が強く感じるものの、装着してるうちに馴染んでいきます。

大きめのO型イヤーパッドは耳をすっぽりと覆うことができ、ヘッドレストと同様に耳に掛かる負担も少ないです。装着感が非常に楽な部類のヘッドセットで、長時間のゲームプレイも快適です。

長さ調節スライダーの強度は問題なし

長さ調節スライダーは段階式で、それぞれの頭の形状に合わせて装着することができます。調節部分はそれなりに硬さが確保されているので、勝手に長さが切り替わってしまう心配もありません。

裏面には目盛りが打ってある

裏面には目盛りが打ってあるので、自分に合った長さを覚えておくことができ、持ち運びの際にも便利です。また、普段見えないところにもXtrfyのロゴが刻印されており、こだわりが垣間見えます。

ソフトウェア不要、操作はコントローラーで完結

前述の通り、Xtrfy H1はソフトウェア不要のゲーミングヘッドセット。接続するだけで動作するうえに、手元に搭載されたコントローラーによって基本操作をすべて済ますことが可能となっています。

スピーカーとマイクの音量調節はダイヤル式

左側のイヤーカップから伸びたケーブルの途中にコントローラーが搭載されており、ヘッドセットを装着すると左胸の下あたりにぶら下がります。ゲーム中にも手が届きやすい最適な位置です。

コントローラーから操作可能なのは、スピーカーとマイクの音量調節(ダイヤル式)、マイクのON/OFF切り替え(スイッチ式)となっています。

マイクON/OFF切り替えはスイッチ式

ゲーム画面から離れることなく手元で操作が行えるコントローラーは、ゲーマーならば重宝するはず。また表面材質はイヤーカップ同様にアルミ製で、ビジュアルも細部にわたって作り込まれています。

マイク音質は良好、普段使いから大会まで

Xtrfy H1は特性の異なる2種のマイクが付属する、大会等での使用も想定された数少ないプロ仕様のゲーミングヘッドセットです。マイク音質にも問題は無く、ボイスチャットを快適に行えます。

左イヤーカップにマイク専用のジャックが搭載されており、好きな方のマイクを差し込むだけで利用可能となります。コード部分はグースネックになっており、マイク先端を好きな位置に移動できます。

左イヤーカップにマイクジャック搭載

まず、それぞれのマイクの違いについて解説しておきます。「CASUAL MIC」は、特定音域や小さな音をカットせずに音をしっかりと拾うのが特徴です。こちらは自宅での普段使いに最適で、大声を出しづらい夜間のゲームプレイもこなせる高感度マイクです。

一方で、ノイズキャンセリングによって周囲の音を遮断し、話し声だけを正確に拾うように調整されたのが「PRO MIC」です。オフライン大会やイベント会場など、周囲が騒がしい環境で使用することを想定された、名前の通りプロゲーマー仕様のマイクとなっています。

マイク装着時のXtrfy H1

それぞれのマイク音質をチェック。CASUAL MICは音が途切れることもなく声をクリアに拾ってくれるといった印象でした。Discordにて使用したところ、音質に関しても非常に好評。やはりヘッドセットなのでブランドマイク単体には適わないものの、ボイスチャットで使用する分には十分な品質です。

PRO MICはノイズキャンセリングが強く掛かっており、大声で話さなければ声が途切れてしまいますが、雑音や物音などは全く聞こえません。通常の環境では自宅での普段使いには適さないですが、ある程度の声量を出せる環境であれば、非常にクリアな音を届けることが可能です。

音の定位を求めるコアゲーマーは一度手に取るべき

「Xtrfy H1」はハイエンド機器として相応しい性能を見せてくれました。特筆すべき点としては、ゲームサウンドに最適化された癖の無い音質によって、とにかく音の定位が掴みやすいところ。また、ソフトウェア不要で動作することや、コントローラーによって手元で主要な操作を行えるのは便利でした。

サラウンド機能を切り捨て、ヘッドセットとしての性能にコストを割いた結果、コアゲーマーが求める部分を抑えたハイエンド製品として仕上がっています。別途サラウンドに対応したソフトウェア等を導入する際も、忠実な音を鳴らしてくれる本製品であれば、自分に合ったチューニングは容易でしょう。

シンプルな外観ながらXtrfy製品らしさが光る

シンプルな外観ですが、アルミ製のイヤーカップによる独特な質感、ヘッドバンド部分のステッチや編組ケーブルにブランドカラーであるイエローが組み込まれていたり、所々にブランドロゴが刻印されている点も好印象。ヘッドレストとイヤーパッドに採用されたクッションの質感も抜群です。

少し気になる部分としては、初期段階では側圧がやや強いことと、イヤーカップの角度調節が不可能であることが挙げられます。ただし筆者の場合は、それらの問題もクッションの快適性が相殺してくれ、長時間装着していても何ら不愉快ではありませんでした。

Xtrfy H1はコアゲーマーの選択肢の1つ

結論としては、ゲームのあらゆる音を聞き逃さないための音質、音の定位の掴みやすさを求めている方であれば、一度は手に取るべきゲーミングヘッドセットだと思います。

最前線で戦うプロゲーミングチームNiPが設計・開発に関わっていることが大きく影響し、ゲームサウンドに最適化された音響は光るものがあります。Xtrfy H1は、FPSなどのe-sportsタイトルをプレイするコアゲーマーの選択肢の1つとして外せない製品と言えるでしょう。


ドライバー:ネオジム磁石、ダイナミック60mm径周波数帯域:5Hz~30000Hzタイプ:密閉型重量:350g(380g)インピーダンス:35Ω音圧レベル:97dBSPL @1kHzケーブル:3極プラグ1.2m、4極変換ケーブル、延長ケーブル2m、サウンドカード0.2mマイク:着脱可能、ProとCasualの2本付属手元で音量調節、マイク切り替え可能サウンドカード:外付けUSB接続、出力サンプリングレート最大96kHz/24bit価格:22,324円 (2018/11/19時点)


以上、ゲーミングヘッドセット「Xtrfy H1」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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