SOKU X1 Limited Edition レビュー
本稿では、SOKUのゲーミングマウスパッド「SOKU X1 Limited Edition」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: SOKU
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この製品について
SOKU X1は、新興メーカーSOKUの第1作目となるゲーミングマウスパッドです。特徴的なデザインに惹かれて気になっていた方も多いんじゃないでしょうか。SOKUはコミュニティ志向のプロジェクトとして2022年8月に立ち上げられ、X1 Limited Editionの公式サイト販売分には公式Discordサーバーでの権限付与、開発にかかわる投票への参加やプロプレイヤーとのディスカッションを閲覧できる権利といったさまざまな特典を付けるなど、面白い動きを見せているメーカーです。
販売価格は35ドル(執筆時点でのレートで約4,600円)で、現在はMaxGamingなどの海外サイトで在庫があります。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | – |
---|---|---|---|
サイズ | 480 x 400mm | 厚さ | 3mm |
エッジ | 切りっぱなし | 底面 | ラバーベース |
カラー | 1タイプ |
開封と仕様確認
梱包・巻き癖
巻かれた状態でビニールに梱包されて届きました。製造から日が経っていない可能性もありますが、巻き癖はかなり少なめです。左端がほんのわずかに浮いているのみでほぼ真っすぐな状態で使い始められます。
サイズ
SOKU X1 Limited Editionの寸法は 480 x 400 x 3.0mm 。ローセンシでも扱える大判サイズです。
エッジ
エッジは切りっぱなしです。ステッチ処理が施されたものと比べ、腕や手首の引っ掛かりが気になりづらく、マウスがステッチに乗り上げる心配もありません。アームカバーを着用するとさらに快適です。デメリットは、長く使用していると端がほつれてくることや、滑走面と中間層が剥離してしまう可能性があることです。
底面
底面のラバーベースは細かな起伏のあるタイプのもの。とてもグリップ性が高く、一度設置した場所から動くことはありません。2種類のデスク天板(ラバーウッド天板・メラミン化粧板)の両方でうまく機能しました。
パフォーマンス
表面特性
SOKU X1の滑走面を拡大すると細い糸でほぼ隙間なく織り込まれていることが分かります。これは同じコントロール系マウスパッドの中でもベーシックな滑走面を持つ「SteelSeries QcK+」「Razer Gigantus V2」などと似ています。表面にはインク着色・熱昇華によるプリントが施されていますがノンコーティングです。
表面の質感はサラサラとしていて、肌触りが柔らかいです。マウス操作時に腕や手首が高速で擦れても痛くなく、アームカバーも引っ掛かりません。
スポンジ硬度
SOKU X1の中間層は厚さ3mm、やや硬めの発砲ゴムです。マウスに圧が掛かってもソールがそこまで沈み込まないので、力が入りがちな方でも滑走速度が安定しやすいです。
一方で、意識してマウスを押し下げてもあまり摩擦が得られないので、滑走時の表面摩擦に頼ってマウスを止める必要があります。点で接地するような面積の小さいソールを組み合わせるとマウスを押し下げたときに強い摩擦を得られやすくなるので、必要に応じてソール面積で調整するといいでしょう。
操作感
SOKU X1はコントロールバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度は「Razer Gigantus V2」や「Vaxee PA Black」よりも速く「Xtrfy GP4」や「Esports Tiger Neon」よりもわずかに遅いです。滑り出しは軽くもなく重たくもなく。マウスを微調整するときに引っ掛からない程度の鈍さなので、トラッキングやマイクロフリックの妨げにはなりません。
マウスを滑らせたときのフィーリングは、表面の質感がサラサラとしたマウスパッド特有の滑らかなものです。中間層は薄くて少し硬いので、マウスを強く押し下げても抵抗が発生しづらく滑走が安定しやすいです。縦横の滑りの差は小さいです。横よりも縦に滑らせたときのほうが抵抗がわずかに強いですが、『Apex Legends』や『オーバーウォッチ2』のようなあらゆる方向にマウスを動かす必要があるタイトルでも気にならない程度です。
SOKU X1の特徴は、どの速さでマウスを滑らせても抵抗感の強さが大きく変動しないことです。マウスを低速で滑らせたときにも中速~高速で滑らせたときと近い鈍さを感じるので、小さな動きから大きな動きまで同じ感覚でマウスを振れるイメージです。「BenQ ZOWIE G-SR-SR Rouge」の滑りをそのまま遅くしたような、ゲームタイトルを選ばない素直な操作感のコントロール系マウスパッドです。
他社製マウスパッドとの滑り比較
SOKU X1は「コントロールバランス」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
互換性
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので参考程度にお願いします。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス11種すべてで正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行い、同様の結果が得られました。
ソール相性
SOKU X1は中間層が少し硬くて薄いので、ソールの選択によって操作性を損なうことはありません。さまざまなソールと互換性があり、好みに合わせて選択することができます。
中~大型ソールを選択すると滑走速度が安定し、マウスを強めに押し下げても抵抗がわずかに増すだけです。点で接地するような小型のソールと組み合わせると、マウスを押し下げたときに程よく沈み込み、中程度のストッピングアシストが得られます。
結論とターゲット
「SOKU X1 Limited Edition」について詳しく見てきました。巻かれた状態で梱包されていますが、筆者が受け取ったものほぼ真っすぐの状態で使い始められました。底面ラバーはグリップ性能が高く、2種類のデスク天板でうまく機能しています。エッジは切りっぱなしなので耐久性の懸念こそあるものの操作を妨げることはありません。
滑走速度はコントロールバランスタイプに分類でき、初動のスムーズさは標準です。マウスをどの速度で滑らせても抵抗感の変化が少なく、小さな動きから大きな動きまで同じ感覚でマウスを振ることができます。また、中間層は薄いうえに少し硬いのでソールが沈み込みづらく、マウスに圧が掛かったときの摩擦の変化も少ないです。表面の質感はサラサラとしており、手首や腕が擦れても痛くなくアームカバーも引っ掛かりません。一般的な布製マウスパッドと同じように湿気の影響は受けやすいことには注意が必要です。
結論としてSOKU X1は表面がサラサラとしていて滑り出しの軽さが標準的なコントロール系マウスパッドを探している方にお勧めです。表面特性・操作感ともに好みが分かれづらいものになっているため、デザインを目当てにして選んでしまっても後悔しづらいかと思います。
総合評価5.0 out of 5.0 stars
滑走が安定しやすい
サラサラとした質感
アームカバーが引っ掛からない
設置した場所から動かない
優れたセンサー互換性
奇抜なデザイン
耐湿性は高くない
以上、SOKUのゲーミングマウスパッド「SOKU X1 Limited Edition」のレビューでした。