「FILCO Majestouch Stingray」レビュー。ゲームに適した薄型メカニカルキーボード
本稿では、DIATEC(ダイヤテック)のメカニカルキーボード「FILCO Majestouch Stingray TKL」のレビューをお届けします。
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製品仕様と外観
キーボードの本来の目的である「入力」にフォーカスする場合、FILCO Majestouchメカニカルキーボードは外せないものと言えます。さまざまなシリーズがあり、キースイッチも数種類から選べるため、好みに合わせて選択できます。
そんな中でも今回は、薄型キースイッチであるCherry MX Low Profile Red Switch (ロープロファイル赤軸) を搭載したFILCO Majestouch Stingrayをレビュー。Laz選手が使用するキーボードとして密かに話題になっています
なお、Majestouch Stingrayには細かなモデル違いがあり、以下の10種類が展開されています。なお、今回のレビュー機は【テンキーレス・英語US ASCII・前面印字モデル】となります。
- フルサイズ・日本語かななし
- フルサイズ・日本語かなあり
- フルサイズ・日本語かななし・前面印字
- フルサイズ・英語US ASCII
- フルサイズ・英語US ASCII・前面印字
- テンキーレス・日本語かななし
- テンキーレス・日本語かなあり
- テンキーレス・日本語かななし・前面印字
- テンキーレス・英語US ASCII
- テンキーレス・英語US ASCII・前面印字
パッケージには Majestouch Stingray TKL本体、キープラー(キーキャップ取り外し工具)、交換用キーキャップ、PS/2変換アダプタ、説明書が入っています。
余計な装飾のない、とてもシンプルなメカニカルキーボードです。一般的なキーボードよりも薄いのが最大の特徴となります。
英語配列の91キー テンキーレスキーボード。サイズは幅358 奥行138 高さ31.7mm (スタンド使用時40.7mm) で、他社製のテンキーレスキーボードとほぼ同じ。本体重量は900g。
キースイッチはCherry MX Low Profile Red Switch (低背赤軸) が搭載されています。主なスペックは 押下圧45g、キーストローク3.2mm、アクチュエーションポイント1.2mm、タクタイル感無し。
裏面には角度調整スタンド、滑り止めラバーが備わっています。
ケーブルは着脱不可能ではありますが、真ん中・右・左の3方向から引き回せるようになっています。
スペック&ギャラリー
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パフォーマンス
操作感
Majestouch Stingrayはキーを押し込んだ後の跳ね返りが強いです。
過去に「低背赤軸」のメカニカルキーボードを何台か使用した経験がありますが、フニャッとした”メンブレンに近い打鍵感”という感想を抱きました。しかしMajestouch Stingrayはキーを押したあとの跳ね返りが強いため、よりメカニカルキーボードらしい打鍵感になっていると感じます。
ゲーミングキーボードでは、キーが反応するまでの深さ”アクチュエーションポイント”が重視されがちです。しかし連打の速さなど実戦での操作に目を向けるとなると、作動点だけでなくキー反応が途絶える”リセットポイント”にいかに速く到達するかも重要となります。
ロープロファイル軸ながらキーがしっかりと跳ね返ってくるMajestouch Stingrayは、指の力を抜き切ることなくキーが押し戻されるため、跳ね返りの弱いキーボードと比べてリセットポイントまで到達するのが僅かに速いと言えます。
また、キーストロークが短ければ短いほど、キーを深く押し込んでからリセットポイントに到達するまでが速くなります。つまり、キーストローク3.2mm、アクチュエーションポイント1.2mmと両方が浅く設計されたCherry MX Low Profile Redはキーの反応速度で優位に立ちやすいと言えます。
ゲーマーに絶大な人気を誇る銀軸と比べてみましょう。同じCherry MXのSpeed Silverは キーストローク3.4mm、アクチュエーションポイント1.2mmです。ロープロファイル赤軸と比べてわずかにキーが深いため、理論上は銀軸のほうがリセットポイントに到達するのが遅れるはずです。
懸念されるのは、キーボード本体が薄いことが影響し、指の立て方や手首の角度が変わってしまう点。一般的なキーボードを使用しているときと比べ、それぞれの指が立ち気味になりますし、スペースバーに据えた親指は思ったよりも深く沈んでいきます。
慣れ次第で違和感は無くなりますが、やはり操作感はかなり違ったものになるため、ここは好みが分かれるポイントと言えそうです。またどちらが操作しやすいかは、使い比べてみないと判断できないかと思います。
上記では「リセットポイントまでの到達の速さ」というゲームでのパフォーマンスに直結する部分を軸にお話しましたが、キーフィーリング(打鍵感)も良好。それぞれのキーはしっかりと自立しており、キーキャップの揺れは僅か。しっかりとした造りです。
打鍵音
打鍵音は「スコスコ」と擦れるような音で、パーツ同士の接触音はほとんど無し。
スタビライザーが備え付けられたEnterキーやBackSpaceキーなども、通常のキーとほとんど同じ打鍵音となっていることは高く評価したいポイント。Spaceバーは押下時にバネの音がしますが、アタック音ではなく大して不快ではありません。
メーカーいわく、打鍵時に発生する負荷や振動を基板と鉄板の両方で逃がす構造になっているとのこと。確かにキーを力強く底打ちしたとしても一切響かず、詰まったような心地よい打鍵音が得られます。
※動画追加予定
結論とターゲット
「FILCO Majestouch Stingray」について詳しく見てきました。跳ね返りの強いロープロファイル赤軸の”リセットポイントに到達しやすい”という特性により、ゲームのパフォーマンス向上も狙えます。
一般的なキーボードよりも薄いので、指の立て方や手首の角度など 普段のポジショニングに変化が生じるのが懸念点となります。筆者の場合、最初は多少なりとも違和感を感じたため、そのまま合わないと感じ続ける方もいるかもしれません。
Majestouchシリーズはキーボードとしての基本的な性能に割り振った製品で、「ゲーム用途にも使えるシンプルなキーボードが欲しい」と考えている方に最適。そんな中でもMajestouch Stingrayはリセットポイントに素早く到達するため、連打や指切りのキー反応速度の向上を狙いたい方にお勧め。
以上、DIATEC(ダイヤテック)のメカニカルキーボード「FILCO Majestouch Stingray」のレビューでした。