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「Artisan 飛燕 Soft」レビュー。センシやプレイスタイルによって印象が大きく変わるゲーミングマウスパッド

「Artisan 飛燕 Soft」レビュー。センシやプレイスタイルによって印象が大きく変わるゲーミングマウスパッド

本稿では、Artisanのゲーミングマウスパッド「Artisan 飛燕 Soft」のレビューをお届けします。

Artisan 飛燕 Soft
価格:2,310円~(執筆時点)  Amazon  楽天市場

ファーストインプレッション

メーカー曰く「軽い滑り出しで止まる」とのことですが、ある程度の圧が掛からないと摩擦が大きくならず、止め性能を感じられません。『Apex Legends』の影響で増えてきたであろうハイセンシ・つまみ持ちのプレイヤーにとっては、パッとしない滑りの速いマウスパッドという印象になるかと思います。

勿論合うプレイヤーにとっては滑りの速さとは見合わない止め性能を得られることは確かですが、現環境においては扱いづらいピーキーな操作感のマウスパッドという評価になってしまいます。マウスパッド自体の品質は全メーカー中でもトップクラスで、細部まで作り込まれています。

レビューを動画で見る

製品仕様とスペック

材質 布製 表面 ポリエステル・アムンゼン
サイズ
S:240 x 210 x 4mm
M:310 x 240 x 4mm
L:420 x 330 x 4mm
XL:490 x 420 x 4mm
※全サイズ共通でMIDは3mm厚
エッジ ステッチ加工
ベース 滑り止めラバー カラー ブラック・ワインレッド

パッケージと内容物

写真のような箱に入ってフラットな状態で届きます。

バリエーション

カラー

ブラックとワインレッドの2色展開。

サイズ

サイズは以下4種類をラインナップしています。

  • S:240 x 210 x 4mm ※MIDは3mm厚
  • M:310 x 240 x 4mm ※MIDは3mm厚
  • L:420 x 330 x 4mm ※MIDは3mm厚
  • XL:490 x 420 x 4mm ※MIDは3mm厚

スポンジ硬度

スポンジ硬度はMid、Soft、Xsoftの3種類をラインナップ。以下はArtisanが公開している性能表です。

硬度 スピード 止めやすさ 移動安定性
MID
SOFT
XSOFT

スポンジが硬いと摩擦の変化が少なくなり、安定した操作感が得られます。逆にスポンジが柔らかいと、マウス操作中に圧を掛けてスポンジにソールを沈み込ませることで、摩擦を増大させ、強いストッピング性能が得られます。しかし、摩擦が変動しやすいので、操作の安定性には欠けます。

滑走速度や安定性を重視してMidを選択するか、止めやすさを重視してXsoftを選択するか、中間のSoftをとるか。理想とする操作感に合わせてスポンジ硬度まで選択できるのはArtisanならではの長所です。

パフォーマンス

巻き癖

Artisanのマウスパッドはフラットな状態のまま梱包されているため、うねりや巻き癖は一切ありません。

滑走面

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湿気や摩耗に強いポリエステル素材で、梨地織りの一種であるアムンゼンで織られた滑走面。海外ではソフトとハードの中間「ハイブリッドパッド」と呼称され、従来の布製マウスパッドよりも優れているのではないかと言われています。(※これもれっきとした布製です)

表面には激しい凹凸があってザラつき感が強いです。手汗によって手首や腕がひっつくことはありませんが、薄い衣服やアームカバー等は引っ掛かりやすく、手首や腕が擦れ続けると痛いです。ここは腕や手首を完全にマウスパッドに預ける肘支点など、プレイスタイルとの相性が悪いと欠点になり得ます。

同じ素材と織り方を採用したマウスパッドに「BenQ ZOWIE GTF-X」「X-raypad Equate Plus」などが挙げられますが、操作感はバランス~スピードタイプまで幅広く、一概には言えません。一般的な布製マウスパッドと同様、糸の太さや柔らかさ、どれほど細かく織られているかによって特性が変動します。

操作感

飛燕 Softはスピードバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度を他社製マウスパッドと比較すると、「Fnatic Dash」「PureTrak Talent」「Odin Gaming Zero Gravity」よりも速く、「Artisan 雷電」や「BenQ ZOWIE GTF-X」よりも遅め。布製マウスパッドの中ではかなり滑る部類です。

アムンゼン生地を採用したハイブリッドパッドの中でも凹凸が激しく、表面のザラつき感が強いのが特徴です。滑走時の摩擦が小さく、トラッキングエイムに適しています。

メーカー曰く「軽い滑りなのにしっかり止められる」「万人に扱いやすい操作性」のマウスパッドとのことですが、飛燕はマウスに圧が掛かってスポンジにソールが沈み込むと一気に摩擦が大きくなる傾向にあるので、滑って止まるという感覚を掴めるのはマウスを下に押さえつけて止める人に限られます。

例えば、つまみ持ちで脱力した状態でエイムするならば、スポンジ硬度が柔らかいもの(今回のSoftやXsoft)を選択しても、滑るけど止まりづらくフリックエイムの制御がしづらいといった印象です。

また、飛燕は縦横の滑りの差がとても大きいです。横方向に滑らせたときと比べ、縦方向の方が大きな滑走音とともに強烈な引きずりを感じられます。マウスを縦に大きく動かす機会が少ないゲームでは気にならず、リコイルコントロールの感覚に慣れるだけで済みますが、上下左右にマウスを動かす必要のあるタイトルでは強い癖が感じられます。

上下への大きなマウスの動きにも適応しなければならない『Apex Legends』のようなタイトルが流行っている現状、万人にとって扱いやすいとは言い難いです。実際にはピーキーな操作感であり、プレイスタイルとの相性が悪いと ”あまりパッとしないスピード系マウスパッド”といった評価になるかと思います。

メーカーが謳うような「滑りと止めの両立」を実現させるには、”滑走面がたわむことで摩擦が大きくなる”という特性をうまく活かす必要があります。

エッジ

エッジのステッチ加工はとても頑丈で、右下にある縫い終わりの処理も丁寧です。ほつれや破れ等は見られません。

ArtisanのNINJA FXシリーズは共通して、エッジのステッチ部分よりも滑走面の方が背が高くなっており、マウス操作中にエッジが手首や腕に一切干渉しません。この点においては現状どのメーカーよりも優れています。

底面

裏面の滑り止めラバーは吸盤構造となっており、グリップ性能は非常に高いです。木製天板(ラバーウッド)との組み合わせではマウスパッドがしっかりと吸着し、マウスを大きく動かしても一切ズレることはありません。

埃などが付着するとグリップ性能が落ちますが、水拭きするだけで新品同様の状態に戻ります。

センサー相性

各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。

なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。

正常に動作する
 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
通常使用が不可能

Logicool G Pro Wireless (HERO 25K)
Glorious Model O Wireless (Glorious BAMF sensor)
Glorious Model D- (PixArt PMW3360)
ZYGEN NP-01 (PixArt PMW3389)
ASUS ROG Keris Wireless (PixArt PAW3335)
BenQ ZOWIE FK1 (PixArt PMW3310)
Razer Viper 8KHz (Razer Focus+)
Mountain Makalu 67 (PixArt PAW3370)
ROCCAT Kone Pure Ultra (Owl-Eye 16K)

主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス9種で検証したところ、すべて正常に動作しました。このほか『Apex Legends』でのプレイテストも行っています。

ソール相性

適度な厚みがあって端がしっかりと丸められたマウスソールと組み合わせることを推奨します。

スポンジ硬度Softは厚みがあってクッション性も高いので、角が尖ったものや薄すぎるソールと組み合わせると、ソールが沈み込んだときに引っ掛かりが生じたり、ボトムシェルが擦ってしまう可能性が高いです。

耐久性

ハイブリッドパッドとも呼ばれるこの手のマウスパッドに採用されているポリエステル素材は、摩耗や湿気への耐性に優れており、一般的なクロス表面のマウスパッドと比べて長持ちします。

またエッジのステッチ加工も頑丈で、長期間使用すると手首が擦れる部分に多少毛玉が出来る程度で、ほつれや破れなどは発生しません。

結論とターゲット

「Artisan 飛燕 Soft」について詳しく見てきました。センシやプレイスタイルによって、このマウスパッドに抱く印象が大きく変わります。マウスを縦に動かす機会が多いタイトルが流行しており、そういった環境ではセンシが高くなる傾向にあります。

飛燕はマウスに圧を掛けたときの沈み込みによって止め性能が得られますが、上記のような環境ではそのような特性を活かしづらいです。特にハイセンシ・つまみ持ちで脱力してマウスを操作するプレイヤーにとっては、あまりパッとしない滑りの速いマウスパッドという印象を抱く可能性が高いです。

操作感こそ人を選びますが、マウスパッド自体の品質に関しては全メーカーでトップクラスです。適度にマウスに圧を掛けて止めるようなプレイスタイルの場合、ザラつき感の強い滑走面、縦横の滑りの差が大きいことを許容できるのであれば、とても良い選択肢となります。

総合評価 4.0 out of 5.0 stars

 滑走面は手首や腕が擦れると痛い
フラット梱包により巻き癖は無い
エッジのステッチ加工は頑丈
底面ラバーのグリップ性能は申し分無い
センサーのトラッキング相性は無い
 縦横の滑りの差が大きい
 人を選ぶピーキーな操作感

Artisan 飛燕 Soft
価格: 2,310円 (本稿執筆時点)

以上、Artisanのゲーミングマウスパッド「Artisan 飛燕 Soft」のレビューでした。

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