ZIRNEX Herald 68-M
ZIRNEX Studioのゲーミングキーボード ZIRNEX Herald 68-M に関する情報をまとめたページです。
ZIRNEX Herald 68-M について
ZIRNEX Herald68-Mは、ZIRNEX Studioのメーカー初となる磁気スイッチ搭載のゲーミングキーボードです。
シルバーとブラックの2色展開で、6063CNCアルミニウムケースとPBTキーキャップを搭載しています。ポーリングレート8000Hzに対応し、アクチュエーションポイントとRapid Triggerは最小値0.04mm~となっています。
スイッチW,A,S,D,Shift,Ctrlの6キーには標準でGateron KS-20T Jadeが、それ以外のキーにはGateron Dual-Rail Whiteが搭載されています。
ソフトウェアは日本語対応予定。執筆時点ではソフトウェアの和訳を進めている最中とのこと。
ZIRNEX Herald 68-M レビュー
レビュー用サンプル提供: KIBU
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製品仕様とスペック
サイズ | 60% |
キー配列 | ANSI |
ケース | 6063CNCアルミニウム |
キーキャップ | Double-shot PBT |
スイッチ | Gateron Dual-Rail White, Gateron Jade (WASD, Ctrl, Shiftのみ) |
アクチュエーションポイント | 0.1mm~ |
Rapid Trigger | 0.04mm~ |
ポーリングレート | 8000Hz |
ボトムデッドゾーン *1 | 0.038 ~ 0.044mm |
入力遅延 *1 | 小さい |
競合製品と比較
パッケージと付属品
- Herald68-M キーボード本体×1
- 手袋×2
- メガネ拭き×1
- 取扱説明書×1
- USB Type-Cケーブル×1
- キーキャッププラー×1
- 替えスイッチ×4
- 予備用ネジ
基本仕様
英語配列の65%レイアウト。重厚感のあるケースとベーシックなキーキャップの組み合わせは好みが分かれづらいものだと思います。
カラーバリエーション: ブラックとシルバーの2色展開です。
ケース: 6063CNCアルミニウムケースを採用しています。本体重量は約1.6kgで、ずっしりとしています。パーツはメインフレームとサイドフレームに分かれ、ねじで留められていますが、精度が高く、とても頑丈です。表面には程よい艶があって質感はよく見えますが、触った部分に跡が残りやすい仕上げは少し気になりました。
キーキャップ: 白文字ではっきりとした印字が施された、黒い Double Shot PBTキーキャップが採用されています。
ケーブル: ケーブル差し込み口は背面の左側にあります。差し色であるオレンジの枠が入っています。付属のケーブルは安っぽく、接続時に緑のLEDインジケーターが光ります。
ソフトウェア
Z-CENTER 専用ソフトウェアに対応しており、詳細設定が行えます。
機能性: このキーボードは多彩な機能を搭載しています。ゲームに役立つラピッドトリガーやSOCDに加え、DKS、MT、TGLなど磁気キーボード特有の機能にも対応しており、幅広いカスタマイズが可能です。
使い勝手: ソフトウェアのUIはよく設計されており、直感的に理解しやすいです。ただし、豊富な機能があるため、ある程度の事前知識が求められます。
Rapid Trigger: 「キー設定」セクションでは、アクチュエーションポイントとRapid Triggerの感度を調整できます。最小値は0.04mmです。WASDとCtrl、Shiftの合計6つのキーにはGateron Jadeスイッチが使用されており、他のキーに比べて動作精度が向上しています。それ以外のキーにはGateron Dual-Rail Whiteスイッチが搭載されています。
デッドゾーン: デッドゾーンを調整可能です。高精度なGateron KS-20T Jadeスイッチを搭載したキーは、デッドゾーンを0に設定しても動作が安定することを確認しました。
性能を検証
結論から言うと、このキーボードの性能はとても優れています。
ポーリングレート: 8000Hzのポーリングレートに対応しており、低レイテンシーでの動作が期待できます。当サイト独自の測定方法によると、このキーボードの入力遅延は比較的小さいことが分かりました(7段階評価の6にあたる結果)。
安定した動作設定: 自分の好みに合わせた設定が可能です。キーの感度を最も高く設定(アクチュエーションポイントとRapid Triggerを最小値の0.04mm、デッドゾーンを0に設定)しても、意図しないキー入力や入力中の途切れは発生しませんでした。
ボトムデッドゾーン: デッドゾーンを0に設定した状態で測定したところ、ボトムデッドゾーンは 最小値0.038mm 最大値0.044mm でした。手動キャリブレーションの結果によって測定値が大きく変動するため、最小値に近い結果を得るにはキャリブレーションを数回行い、微調整する必要があります。
ボトムデッドゾーンが小さいと、Valorantでキーを離すストッピングの速度向上が期待できます。今回の結果であれば「一番底まで押し切った移動キーを0.028mm~0.044mm戻した時点で入力がOFFに切り替わり、キャラクターの移動が止まる」ということを意味します。
使用感
主にValorantで使用しました。アクチュエーションポイント0.1mmに設定したところ、キーを押し始めた瞬間に入力がONに切り替わります。Rapid Triggerを0.04mmに設定すると、キーを少し離すだけで入力がOFFになり、素早いストッピングが可能になりました。
ボトムデッドゾーンが非常に小さい機種(HM66 AegisやMelGeek MADE68など)と比較しても、キーのON/OFFが切り替わるタイミングに大きな違いは感じられませんでした。少なくとも筆者はその差を体感できず、全体を通して、きびきびと動作している印象を受けました。
打鍵感
打鍵感は平均以上で、半数以上のユーザーにとっては十分満足できるレベルだと思われます。ただし、打鍵感にこだわりがある方にとっては、悪くはないけど特別良くもない、という評価になるかもしれません。特にキーボードに対する感覚が鋭い方や、他の上質なキーボードと比較している場合、その違いが少し目立つかもしれません。
キーの感触と音:キーを打鍵した際の反響音はごくわずかです。適度な重さのアルミニウムケースと内部のフォームによって音が抑えられています。本体重量が2kg以上でガスケットマウント構造など、反響音対策が徹底されたキーボードを使用した経験がある場合、このキーボードのわずかな反響音が気になることもあるかもしれません。
スタビライザー: スペースバーやエンターキーを打鍵したときも、衝撃音やばね鳴りなど不快な音は鳴りません。とてもよくできています。
スイッチ: WASDとCtrl、Shiftの合計6つのキーには麻雀の牌同士が当たるような高めの音が鳴るGateron KS-20T Jadeスイッチが搭載されています。それ以外のキーにはGateron Dual-Rail Whiteが使用されており、こちらは滑らかな感触と柔らかい音を特徴としています。そのため、キーの感触と音が一定ではありません。キータッチの向上を主な目的として、ゲームは二の次と考えている場合、スイッチを統一しても良いかもしれません。
結論
ZIRNEX Herald 68-Mは非常に高性能なゲーミングキーボードです。細かく調整可能なRapid Trigger、非常に小さいボトムデッドゾーン、8000Hzのポーリングレート、低レイテンシーを特徴としています。
ソフトウェアは直感的に操作できるように設計されており、多彩な機能を備えていながら、分かりやすさも考慮されています。
打鍵感は平均以上で、多くのユーザーが満足できると思いますが、特にこだわりのある方はやや物足りなさを感じるかもしれません。
6063CNCアルミニウムの使用を謳っているため、質感が優れていると期待してしまいますが、実際の表面仕上げには高級感があまり感じられません。触れた部分に跡が残りやすく、見た目がすぐに悪くなるのは残念です。特にキーボードを頻繁に触ったり、位置を動かすことが多い場合は、この点が気になるかもしれません。
それ以外に目立った欠点はなく、各項目がバランス良く優れています。価格も24,900円と競合製品に比べてリーズナブルで、コストパフォーマンスの面で高く評価できます。