InfinityMice Shogun レビュー
InfinityMiceのゲーミングマウスパッド InfinityMice Shogun をレビューします。
レビュー用サンプル提供:LIT
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この製品について
もともとInfinityMiceはFinalmouse Starlightシリーズの交換用シェルを主力製品とするメーカーでしたが、最近はゲーミングマウスパッドに注力しており、そのクオリティが国内外で高く評価されるようになってきています。Vagabondは国内でもそれなりに知られていると思います。
今回レビューする Shogun は、韓国のコンテンツクリエイター The Real Kenzo とのコラボレーションモデル。YouTubeチャンネルに投稿された動画には、ウィドウメーカー(オーバーウォッチ2)の素晴らしいプレイが無数に収められています。そんな彼が厳選したサーフェイスを使用するマウスパッド、一体どのような操作感となっているのか詳しく見ていきます。
サイズ
InfinityMice公式サイトには以下2サイズの表記があります。よくある長方形サイズでは奥行きが足りないと感じている人にとって、スクエアサイズの選択肢があるのは嬉しいポイント。
- XL SQ : 490 x 490mm
- XL : 490 x 420mm
エッジ
エッジのステッチ加工はとても控えめで素晴らしいです。ステッチ幅が狭いうえに、滑走面よりも背が低くなるよう仕上げられています。
マウスを大きく振って端に到達しても乗り上げたり引っ掛かることがなく、マウス操作を妨げません。
ベース
厚さ4ミリのポリウレタンベースが採用されています。硬度を測ってみたところ、表面硬度は40(Soft)、裏面硬度は25(Very soft)でした。柔らかい部類のマウスパッドです。
- 表面硬度:滑走面に硬度計を当てて測定した硬度
- 裏面硬度:ベース側に硬度計を当てて測定した硬度
表面硬度と裏面硬度は似通った結果がでるものもあれば、著しく異なるマウスパッドもあります。
硬度の値が小さければ柔らかく、コントロール寄りの使用感になる傾向にあります。また、値が大きければ硬くスピード寄りの使用感になる傾向にあります。しかし、一概にすべてそうなるとは限りません。
裏面はInfinityMiceのロゴが入ったオリジナルの防滑パターンになっています。とてもグリップ力が高く、マウスを激しく動かしても一度設置した場所からまったくずれません。
表面の質感
表面はシルキーな質感で、すべすべとしていて光沢があります。とにかく肌触りが良いです。
指でどの方向になぞっても織り目が分からず、全くといっていいほどテクスチャを感じません。毛羽立つような感じもありません。
手首や腕が擦れても痛くなく、アームカバーを着用した状態でも腕がスムーズに滑ります。
滑走面
滑走面の拡大写真がこちら。よく見かけるようなパターンではあります。
昇華印刷でインクが載せられてはいますが、コーティングは施されていません。
操作感
InfinityMice Shogunの操作感を主観でまとめていきます。
縦・横・斜め方向での滑りの差は比較的少ないように感じました。特定の方向だけ滑りの違いが目立つようなことはなく、マウスをあらゆる方向に動かしていても気になりません。
滑走速度は コントロールバランスタイプ に分類できます。
初動の軽さは並み。マウスを押し下げながら動かし始めても引っ掛かりを感じない程度なので、大半の人が扱いやすいと感じられるでしょう。
左右に切り返したときの抵抗は並み。マウスを切り返すときに圧が掛かっていると、ようやくわずかな引っ掛かりを感じる程度です。トラッキングエイムの妨げにはなりづらいと思います。
ベースは分厚くて柔らかいので少ない力で沈み込みますが、その減速具合は控えめです。ブレーキが掛かるというよりも少し鈍くなる感じです。過度な引きずり感が生じず、引っ掛かったりすることもないため、初動から滑走時まで滑りの一貫性を保ちやすいです。
さらさら系とざらざら系の滑り性の違い
- 表面が滑らかでさらさらとしているマウスパッド:滑走感もしっとりとしていて、マウスにまとわりつくような感覚を得られることが多い
- 表面が粗くてざらつきのあるマウスパッド:マウスを動かすときのもたつきが少なく、キレのある操作感のように感じることが多い
マウスパッドに求める特性は人それぞれ違うと思うので、どちらが優れているという話ではありません。あくまでも傾向で、必ずしもこうなるとは限りません。
InfinityMice Shogunは表面がとにかく滑らかで、マウスを滑らせたときにもしっとりとした、まとわりつくような感覚が得られます。
本来ここまで滑らかな表面だと、まとわりつくような感覚があまりにも強くなり、もたつきやキレの悪さに繋がりかねないのですが、不思議とそんなことはなく、滑りと止めのメリハリを保てているように感じるのがInfinityMice Shogunの長所だと感じます。バランス感が素晴らしいです。
基本的にはVALORANTのような的が小さいフリックエイムを得意としているように感じます。動かし始めから終わりまでの滑り性の変化がそこまで大きくない、常に強い抵抗が感じられるタイプの操作感です。
競合製品との比較
InfinityMiceからリリースされているInfinite Control V2 Softは表面の生地やベースがShogunと全く同じです。しかし、プリントの有無の影響からInfinite Control V2 Softのほうが体感できるほど初動が重たくて滑りも遅く、よりコントロールを重視したような操作感となっています。
あえて他社製マウスパッドの中からInfinityMice Shogunに似たものを挙げるなら、旧型Pulsar ParaBrake V2です。(実は現行バージョンは滑走面が変更されていて結構違ったものになっている)
そんなParaBrake V2との決定的な違いは、素肌にまとわりつく感じがなく、アームカバーを着用した状態でも腕がスムーズに滑ることです。InfinityMice Shogunはとにかく表面がさらさらとしていて、それが使い心地の良さに繋がっています。
表面の滑らかさを主観ベースで比較すると以下のようになります。序盤にあるマウスパッドの方が肌触りがよく、マウスを滑らせたときのフィーリングも滑らかな傾向にあります。
InfinityMice Shogun > Pulsar ParaBrake V2 (旧) >> Pulsar ES2 3mm > Lethal Gaming Gear Saturn Pro = Endgame Gear EM-C PLUS > Pulsar ParaBrake V2 (新) > QUAOAR PERSEUS PREMIUM > VAXEE PA Black > BenQ ZOWIE G-SR II > Superbeings Lab Memoria Pro > Artisan Zero Xsoft
滑走速度はコントロールバランスタイプの中でもやや鈍い部類で、Pulsar ES2 3mmやLethal Gaming Gear Saturn Pro Soft、Endgame Gear EM-C PLUSと大差ありません。Artisan Zero XsoftやBenQ ZOWIE G-SR IIよりも若干遅く、VAXEE PA BlackやPulsar ParaBrake V2 (旧) よりかは速いように感じました。
結論とターゲット
InfinityMice Shogunについて詳しく見てきました。エッジのステッチ加工やベースのグリップ力にも文句はありませんが、とにかく表面の特性に優れているゲーミングマウスパッドという印象です。
とにかく肌触りが良いシルキーな質感。これだけでもかなり価値があるように感じます。腕や手首が擦れても快適で、アームカバーを着用した状態でも腕がスムーズに滑ります。
操作感についても、表面が滑らかなマウスパッドにありがちなマウス操作時のもたつきやキレの悪さを感じず、滑りと止めのメリハリを保てているのが長所です。
コントロールバランスタイプに分類しているマウスパッドの中でもトップクラスに使い心地が良く、特に素肌が触れたときの心地よさやアームカバーとの相性の良さを重視する人にお勧めです。
Shogunの操作感が気になっていて無地の方が好みな人は、表面の生地やベースが全く同じInfinite Control V2を試してみると良いと思います。プリントの有無の影響でShogunよりも滑りは遅いですが、方向性は同じで、よりコントロール性に優れたマウスパッドです。
以上、InfinityMiceのゲーミングマウスパッド InfinityMice Shogun のレビューでした。
筆者様的に相性の良いアームカバーを教えていただきたいです。