Rapid Triggerとは

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Rapid Triggerとは

Rapid Triggerがどのような機能なのか詳しく解説します。

Rapid Triggerとは

Rapid Triggerとは簡単に言うとキーのオンオフが高速化する機能です。

設定値にもよりますが、キーを離すとすぐに入力がオフになり、再びキーを押すとすぐに入力がオンになります。

まだRapid Triggerが存在していなかった頃は、ゲーミングキーボードに搭載される主流のスイッチはメカニカルキースイッチというものでした。

メカニカルキースイッチはそのスイッチの種類によってキーの入力がオンオフされる深さがあらかじめ決まっています。

たとえばCherry MX 赤軸というスイッチの場合、アクチュエーションポイントは2.0mmで、リセットポイントもその付近(だいたい1.8mmくらいの深さ)にあります。

  • 入力をオンにするには固定されたアクチュエーションポイント2.0mmの深さを超えるまでキーを押し込む
  • 入力をオフにするには固定されたリセットポイント約1.8mmの深さに戻るまでキーを離す

これに対して、Rapid Trigger対応ゲーミングキーボードでアクチュエーションポイントとRapid Triggerの設定値を0.1mmにした場合、以下のようになります。

  • キーがどの深さにあっても0.1mmでも押し込めば入力がオンになる
  • キーがどの深さにあっても0.1mmでも戻すと入力がオフになる

つまり、キーを離すとすぐに入力がオフになり、再びキーを押すとすぐに入力がオンになるということです。

これはWooting公式サイトで公開されているRapid Triggerの挙動を示したGIFです。

上記で解説したように、普通のメカニカルキーボードの場合はあらかじめ決められた深さまでキーを押したり離したりしないと入力がオンオフされません。

それに対し、Wooting 60 HEのようなRapid Trigger機能を搭載したキーボードは、どの深さまで押していても少し戻せば入力がオフに、再び少しでも押すとオンになります。

Rapid Triggerのメリット

Rapid Triggerによって得られる具体的なメリットは以下の通りです。

  • キーを離した瞬間にオフになるので、VALORANTでキーを離してストッピングするのが高速化
  • キーのオンオフが敏感になるので、素早く正確なコマンド入力が求められる格闘ゲームで有利

先ほども解説したようにストロークの長さが物理的に縮まるので、キー入力のオンオフ判定が圧倒的に速くなります。鈍感な人でもすぐに気付けるくらいの差があります。

昔、アクチュエーションポイントが1.2mmのCherry MX Silver(銀軸)が登場したとき、他の軸とのわずかコンマ数ミリの差で「入力されるまでが速い」「触れただけで反応する」という感想を抱く人が多く、瞬く間にゲーマーに人気のスイッチとなりました。

キーの入力がオンオフされるまでの深さが1mm~2mmも縮まるという事実は驚異的です。

Rapid Triggerのデメリット

特になし。強いて言うなら製品のファームウェア*1次第で性能に差が出ることくらいですが、あらかじめ性能の良し悪しを把握したうえで製品を選べばまったく問題無いです。

*1 ファームウェアとはキーボード本体を制御しているプログラムのこと。設定を変えられる”ソフトウェア”とは別。

Rapid Triggerの仕組み

どのようにRapid Triggerを可能にしているか、その仕組みについて解説します。

Rapid Triggerキーボードではキーをどれくらい押しているかを検知することで「○○mm押し込まれたら入力オン、○○mm戻されたら入力オフ」と動作するようにプログラムされています。

キーの押し込み量をどうやって検知しているのか? そのための手段として、ほとんどのRapid Triggerキーボードでは磁気式キースイッチとホールセンサーというものが使われています。

磁気式キースイッチには、ステムという部品の最も底の部分に磁石がついています。メカニカルキースイッチと似たような見た目をしていますが、物理的な接点はありません。

キーを押すときはステムが上下するので、当然ステムの底に付いている磁石も一緒に動きます。

スイッチの真下には、磁界を電気信号に変えるホールセンサーというものが取り付けられています。

キーを押したときの磁石の上下によって発生する磁界の変化をこれで読み取ってキーの押し込み量を検知しながら、入力のオンオフが制御できるようにプログラムされています。

これは最も代表的な例です。この磁気式キースイッチ以外にも、光学式キースイッチや静電容量無接点方式キースイッチでRapid Triggerを実装しているキーボードもあります。

Rapid Trigger対応機種の性能差について

最小値0.1mmを謳っているRapid Triggerキーボード同士でも性能差があります。

最も分かりやすい差が生まれる要因が「デッドゾーン」というものです。

大半のRapid Triggerキーボードには、キーを一番深く押し込んだ状態から戻すとき、コンマ数ミリの区間はRapid Triggerの入力オフの判定が行われません。これをデッドゾーンと言います。

たとえばRapid Triggerの最小値が0.1mmでも、デッドゾーンが約0.6mmあると、キーを底打ちした状態から約0.7mm戻さないと入力がオフになりません。

ごく一部の製品を除いて、このデッドゾーンの有無やその数値は明かされていません。

デッドゾーンが長ければ長いほど「VALORANTのストッピングが高速化する」というRapid Triggerの恩恵が薄れてしまい、その長さによっては体感できるような差が生まれる場合もあります。

ほとんどの機種ではデッドゾーンはそこまで気になりませんが、もしも性能を重視して選びたいなら、メーカーが公表するスペックだけで判断するのは危険です。

細かな性能差を気にしないのであれば、この話は無視してもらって大丈夫です。

Rapid Triggerさえ付いていれば普通のメカニカルキーボードよりもはるかに高速になります。細かな性能差が気にならない人にとってはRapid Triggerキーボード同士の性能差は微々たるものです。

またRapid Triggerキーボードはファームウェアアップデートが盛んで、購入後も本体をアップデートするだけで性能の向上や機能の追加、バグの改善などが行われる場合もあります。

まとめ

今回はRapid Triggerがどのような機能なのか詳しく解説しました。

  • Rapid Triggerはキー入力のオンオフを高速化する機能
    • 格闘ゲームのコマンド入力やVALORANTのストッピングで有利に
    • デメリットは特にない
  • Rapid Triggerはキーの押し込み量を検知してオンオフ制御する仕組み
  • Rapid Trigger最小値0.1mmの機種同士にも性能差があることが多い

この記事の内容をまとめまるとこのようになります。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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