Nitingale ver.LIT 簡易レビュー
Nitingale ver.LITは、ゲーム用途を想定した左手用ロープロファイルキーボードで、tsuiha.comとLITが共同で立ち上げたプロジェクトです。この記事では実際に使用してみて感じたことをお伝えしていきます。
レビューサンプル提供: LIT
制作者Webサイト tsuiha.com https://tsuiha.com/nitingale_lit_info/
販売サイト LIT https://lit4tms.official.ec/items/78382168
※2023年9月22日 21:30 〜 2023年9月25日 20:00の抽選販売となります。
まず感じたのは、とにかく薄い。筆者のWooting 60 HEと比較すると半分くらい。このキーボードはロープロファイルを一つの特長としていますが、市販のロープロキーボードよりも薄いです。キーボードの背が低いと手首の角度が自然になり、とても楽なフォームを保ったまま操作を行えるのは強みだと感じました。
本体幅も60%キーボードの半分ほど。既存キーボードでは敵わないほどの省スペース化を実現し、マウスの可動域を増やすことができます。その一方で普段通りのキーのポジションになるように位置を調整するのが少し難しく感じました。
ケース無しで基板剥き出しのデザインで、一切の装飾がありません。それゆえに、見た目に関しては好みが分かれそうです。
弧を描くようにキーが並んだ独自の配列が採用されています。エルゴノミクスを強く意識しているように思います。使い始めはShiftとCtrlのキー位置に若干のずれを感じ、小指の運指が難しいと感じることがありましたが、数日で慣れることができました。さらなるエルゴノミクスの向上を目指した配列なので、慣れ親しんだ配列からの変化を嫌う方には不向きです。ただ、普段のキーのポジションとかけ離れている訳でもないので、挑戦する価値はあるかと思います。
キースイッチにはGateron lowprofile 2.0 ks-33が選定されています。ファクトリールブ済み。打鍵感は非常に良いです。引っ掛かったり不快な音が鳴ることはありません。ケース自体が無いので音が内部で反響することはなく、打鍵時の衝撃はゴム足が吸収してくれている感じです。
ロープロファイルのキースイッチながらCherry MX互換で、一般的なメカニカルキーボードに用いられる+型のキーキャップが取り付けられます。キーキャップは自身で用意する必要がありますが、最下段の4つのキーのみ背が低いナイロン製キーキャップが付属しています(写真は試作品の3Dプリンター製)。シンプルな仕様だからこそキーキャップがデザインの大部分を占めるので、こだわりを持って選定したいところ。
このキーボードの大きな特長として、本来スペースバーがある位置に4つのキーが配置されていることが挙げられます。うち1つはスペースに、残りの3つは好きなキーを割り当てることができます。ゲーム操作中、人差し指・中指・薬指はキャラクター移動のWASDキーを押下するのに忙しい一方で、親指は割と休んでいる場面が多いです。この配列なら親指にも4キー分の役割を持たせてフル活用できるので、さらに操作を効率よく行えます。ただ長年にわたって親指にはジャンプキー(Spaceバー)のみを任せていたので、4つものキーをうまく使いこなすのは難しいと感じました。
Remapによるキーリマップやカスタマイズに対応しています。本機をPCに接続した状態で以下のURLを開くと認識し、本体の設定を進めることができます。設定がブラウザ上で完結するデバイスは手軽で良い。個人的に嬉しいポイントです。
Remap https://remap-keys.app/configure
WASDキーにはREALFORCE GX1に搭載されているキルスイッチと同等のような機能を設定できます。例えばAキーを押して左に移動している最中、Aキーを離さずにDキーを押すと、後から押したDキーの反応が優先されて右に移動できます。Apex Legendsなどのキャラクターコントロールが特に重要となるゲームとの相性が良く、切り返しのキー入力時に詰まることが無くなります。VALORANTはプレイしていて特に恩恵は得られないように感じました。
キー数が少ない影響で、ゲームの合間に裏画面に飛んで少し作業するような用途には使えません。あらかじめデスク上にキーボードを2台置いておき、ゲームをするときは腰を据えてゲームに集中し、作業はもう片方のキーボードを自分の手元に持ってくるような形になります。また、インゲームでチャットに返信するときも不便だと感じました。
Nitingale ver.LITはキルスイッチと同等の機能を搭載した、超コンパクトな左手用ロープロファイルキーボードです。親指で複数のキーを扱えるのでキーバインドの幅が広がります。こういった仕様のキーボードがゲーミングデバイスメーカーの製品としてリリースされるとは考えづらいので「こういうものを探していた!」という方には最適な製品です。
ただし大半の人はそうではなく、キーが横一列に並んだ一般的なキーボードに慣れ親しんでいると思います。独自配列を採用している時点で人を選ぶ仕様であることは否めず、使いこなすにはそれなりの期間を必要とします。長く使い込んで慣れることができれば、多彩なキーバインドによる操作性の向上が期待できます。
個人的にはコミュニティ発の本格的なゲーミングキーボードが出てきたことを嬉しく思います。
制作者Webサイト tsuiha.com https://tsuiha.com/nitingale_lit_info/
販売サイト LIT https://lit4tms.official.ec/items/78382168
※2023年9月22日 21:30 〜 2023年9月25日 20:00の抽選販売となります。