「HID-Labs GLASS PAD RINK」レビュー。国内ブランドのハイクオリティなガラス製マウスパッド
本稿では、HID-Labsのマウスパッド「HID-Labs GLASS PAD RINK」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: HID-Labs
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クーポンコード:6QUZ74RS
※色は問わず、【400x300mm】サイズのみ対象。
ファーストインプレッション
GLASS PAD RINKは、ゲーミングデバイスのカスタムショップHID-Labsから発売されているガラス製マウスパッド。国内ブランドなので入手性が高く、特注による大きさや色のカスタマイズにも対応しています。
当初はかなりニッチな製品に思われたガラス製マウスパッドですが、現在ではいくつかの選択肢があります。その中でRINKはどのような立ち位置になるのか、本稿で詳しくチェックしていければと思います。
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製品仕様とスペック
材質 | ガラス | 表面 | フロスト加工(ザラザラ) |
---|---|---|---|
サイズ |
400 x 300 x 5mm
500 x 400 x 5mm
※特注サイズ制作可能
|
エッジ |
磨き加工
かまぼこ加工 *追加料金
|
ベース | オプションで滑り止めシート(¥1,082) | カラー |
ブラック / ホワイト
※特注カラー制作可能
|
パッケージと内容物
発泡緩衝材が敷き詰められた段ボールに、エアクッションに包まれたマウスパッドが入っています。とても丁寧に梱包されており、破損の心配は無さそうです。 *写真はマウスパッド取り出し済み
内容物はRINKマウスパッド本体、取扱説明書。
バリエーション
カラー
ブラックとホワイトの2色展開です。別カラーも特注で制作してもらえます。
今回のレビュー品は塗装無しの透明バージョン。以前したツイートの反響が大きかったため、特注ではなく通常サイズとして入荷したとのことです。塗装が無いぶん価格も安くなっています。
本来、透明ガラスは緑成分が強いものですが、RINKには緑成分を抑えた透明度の高いガラスが使われているので、ほぼ色味が変わることなく下の柄が透けます。
ガラスマウスパッド「RINK」透明バージョンの反響が大きいため、次回発注の際に通常サイズで入荷してみます!
Lサイズ(500×400)、Mサイズ(400×300)です。
塗装がない分少しお安いです。
滑り止めとして小さく切ったGhost Grip Sheetを付属しようと思います。(透明で塗装がないため使用可能!) https://t.co/INtpKatDtA— HID-Labs🖱⚒ (@hid_labs) May 5, 2022
サイズ
サイズは400 x 300mmと500 x 400mmの2種類。特注で寸法を指定することもできます。
ガラス板の厚さは5mm。RINKには底面ラバーが貼り付けられていないので、オプションの滑り止めシートを購入するか、厚さ0.15mmのグリップテープ「HID-Labs Ghost Grip Sheet」で代用しましょう。
ガラス製マウスパッドには厚さ3mm~6mmのものが多く、RINKの厚さは平均的と言えます。しかし、布製マウスパッドと比べるとやや厚めで、デスクとマウスパッドの間にやや高めの段ができることには注意。
エッジ
エッジの処理は 磨き加工 と かまぼこ加工 (※非常に高価、特注専用) の2種類から選択できます。
今回のレビュー品は磨き加工です。個人的にはこちらで十分快適なので、追加料金を払ってまでかまぼこ加工を選択する必要性は今のところ感じていません (※かまぼこ加工は未検証)。横から見たときに角ばっているようにも見えますが、マウス操作の際に手首や腕へのダメージはありません。
ただし、他のガラス製マウスパッドと同様で、アームカバーとの併用を推奨します。ガラス素材の性質上、肌が乾燥しきった状態でなければ張り付きや擦れによる抵抗を感じます。
ちなみに旧ロットでは四隅が尖っていましたが、現行ロットではコーナーR加工が施されています。
底面
RINKの底面にはすべり止めラバーが貼り付けられておらず、ガラス板1枚の状態で届きます。
そのため、オプションの滑り止めシート(¥1,082)を購入するか、同社製の厚さ0.15mmのグリップテープ「HID-Labs Ghost Grip Sheet」で代用するなど、別で用意する必要があります。
オプションの滑り止めシートは、マウスパッドとデスクの間に敷いて使用するタイプのもの。こちらはグリップ性能が非常に高く、激しくマウスを操作しても一度設置した場所からズレることはありません。ブラックやホワイト、特注でその他のカラーを選択した場合は追加購入をお勧めします。
しかし、透明バージョンではシートが透けてしまって見栄えを損ないます。筆者はHID-Labs Ghost Grip Sheetをパンチャーで丸くカットして四隅に貼り付けることで代用しています。
ガラス板自体にそれなりの重みがあるため、いずれの方法でも一切ズレることなく快適に使用できます。
パフォーマンス
滑走面
ガラス素材の滑走面は完全にフラットで、縦横の滑りの差がなく、どの方向に滑らせても抵抗感を均一に保ちます。表面にはザラザラなフロスト加工が施されており、滑走面にはきめ細かな凹凸があります。
これは肉眼でも捉えることができますが、拡大するとより分かりやすいです。やや粗削りだったSkyPAD Glass 2.0の表面処理を丁寧にしたもの、といった印象を受けました。
とてもきめ細かいので、指でなぞったときにザラつきはほぼ感じられません。とても滑らかな肌触りで、腕や手首が擦れてもダメージはありません。
※ガラス製マウスパッド共通の注意点として、室温によっては表面が冷えること、肌が乾ききった状態でなければ張り付きが気になることが挙げられます。長袖やアームカバーを着用し、肌が直接触れない状態で使用することをお勧めします。
操作感
RINKはハイスピードタイプに属するゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑りを比較すると、「SkyPAD Glass 3.0 XL」や「SkyPAD Glass 2.0 XL」よりも遅く「SkyPAD Glass 2.0」「D-GLOW 1.0」よりも速いといった具合で、ちょうどガラス製マウスパッドの中間辺りに位置します。
マウスを滑走させたときのフィーリングは、表面処理が極めて滑らかな「SkyPAD Glass 3.0 XL」や「D-GLOW 2.0」のようなサラッとしたフィーリングとは異なり、どちらかといえば「SkyPAD Glass 2.0 XL」や「D-GLOW 1.0」のようなザラザラ感を感じます。とはいえ、ガラス製マウスパッドの操作性はどれもかなり近いものがあり、滑走速度の微々たる違いが争点になるように感じます。
滑り出しは極めてスムーズで、どの方向に滑らせても抵抗感は均一です。縦横の滑りの差はありません。ハードタイプ特有の非常に速い滑走速度をもたらします。
ガラス製を含むハードタイプのマウスパッドは、布製マウスパッドのような中間層のスポンジを持たず、クッション性が無いため、マウスに圧を掛けたときにソールの沈み込みによる摩擦が発生しません。ストッピングアシストにはほぼ期待できないので、表面の摩擦だけでしっかりと止める必要があります。
どれだけマウスに圧を掛けても摩擦の変化をほぼ感じず、どの方向に滑らせても常に一定の滑走速度を得られることから、手や手首の非常に細かな動きまでマウス操作に反映される、布製マウスパッドとはかけ離れた操作性をもたらします。
これらの傾向から、トラッキングエイムが主体となる『Apex Legends』のようなタイトルへの適性が高く、フリックエイムが頻繁に求められる『VALORANT』『CS:GO』といったタイトルではマウスを狙った位置で止めるのに苦戦する印象です。
マウス感度について、より正確な位置でのマウス静止が求められるハイセンシよりも、ミドルセンシからローセンシのユーザーの方が扱いやすいと感じる可能性が高いと言えます。またマウス側の重量については、より軽量なものと組み合わせると慣性が働きづらいため止めやすさが増します。
他社製マウスパッドとの滑り比較
RINKは「ハイスピード」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
現行ゲーミングマウスに搭載されたセンサー11種類との相性を検証したところ、10種類で正常に動作しました。PixArt PMW3310を搭載するZowie FK2ではカウント飛びが発生して使用不可能です。
また、『Apex Legends』『VALORANT』のプレイテストでも同様の結果となりました。
透明バージョンの注意点
底面に塗装がされていない透明バージョンの場合、デスク天板や下に敷くものの色によってはセンサーが読み取り面を認識できず、正常に動作しない可能性があります。
筆者が検証する限り、一部のゲーミングマウスではマウスパッドの下の柄が白いとセンサー飛びが生じることを確認しています。正常に動作するものもあれば、白い天板に直置き・白い背景紙を敷いた状態のどちらかで動作しないなど、不具合が発生する条件がとても曖昧です。
透明バージョンを検討している場合、天板が白いデスクとの組み合わせや、マウスパッドの下に白を含む背景紙を挟み込んでの使用は避けるようにしてください。
また、PixArt PMW3310センサーを搭載したマウスとは相性が悪いので、併用は避けるべきでしょう。筆者の環境で試せる範囲の条件で検証しましたが、今のところそれ以外の問題は見つかっていません。
それ以外の条件でセンサー読み取りの不具合が発生する場合、もしソフトウェア上での詳細設定に対応しているゲーミングマウスを使用しているのであれば、再度GLASS PAD RINK上でキャリブレーションを実施したり、リフトオフディスタンスを長めに設定することで改善される可能性があります。
* 薄い木目の天板・白い天板に直置きした状態と、マウスパッドの下にさまざまな色の背景紙を敷いた状態で検証。
透明バージョンの動作確認リスト
各マウスセンサーに対して4つのパターンで動作検証を行い、表にまとめました。あくまで筆者の環境下での結果で、必ずしもこの通りに動作するとは限りませんのでご了承ください。
〇 … 正常に動作する
△ … 設定によっては動作しない (布製マウスパッド上でキャリブレーション済み など)
✕ … 動作しない
メーカー | 名称 | ホワイト天板 | ラバーウッド天板 | 背景紙・白 | 背景紙・黒 |
---|---|---|---|---|---|
PixArt | PMW 3310 | × | × | × | × |
PixArt | PMW 3360 | △ | 〇 | △ | 〇 |
PixArt | PMW 3389 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PixArt | PAW 3370 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PixArt | PMW 3359 | △ | 〇 | △ | 〇 |
PixArt | PMW 3366 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PixArt | PMW 3330 | △ | 〇 | △ | 〇 |
PixArt | PAW 3335 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Logicool | HERO | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Logicool | HERO 25K | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ROCCAT | Owl-Eye 16K | △ | △ | △ | △ |
ROCCAT | Owl-Eye 19K | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Razer | Focus+ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Razer | Focus Pro | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SteelSeries | TrueMove Air | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SteelSeries | TrueMove 3 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ソール相性
ガラス製マウスパッドの性質上、マウスソールの大きさや形状、材質、エッジの処理方法の違いによって操作感・滑走音に大きな変化が見られます。布製マウスパッドでもこのような変化は見られますが、ガラス製のほうがより顕著に表れます。
Esports Tiger ICEのような純PTFEソール、特に小さい形状のものと組み合わせると、非常にクイックな操作感となり制御が難しい印象です。一方で、Esports Tiger Arc2のような充填剤入りPTFEソールとの組み合わせでは大きさと形状を問わず、滑走時の引きずり感が増すことで若干のコントロール性能を得られます。
エッジは適切に処理されたものが好ましいです。角が取れていないソールと組み合わせた場合、激しく擦れるような感触と大きな滑走音を伴います。布製マウスパッドのようにソールが沈み込むことはないため、厚さは問いません。
耐久性・湿気への耐性
ガラス製マウスパッドは布製やプラスチック製と比べて耐摩耗性に優れており、滑走面の摩耗による滑走速度の変化などは見られません。家庭用ガラスクリーナーで表面を拭き取るなど定期的なメンテナンスを続けることで、新品に近い状態で使い続けることができます。
一般的な布製マウスパッドでは、滑走面の劣化による滑走速度の変化などが発生し得るため、同じ操作感を維持するために定期的に買い替える必要があります。ガラス製マウスパッドは表面の摩耗による操作感の変化が感じられず、半永久的に使用できるため、ランニングコストが大幅に抑えられます。
ソールの摩耗速度については、ガラス製マウスパッドの中では標準、布製マウスパッドと比べると速いです。ハードタイプのマウスパッドは共通してソールの寿命が短くなる傾向にあります。
手首や腕が触れた状態が続くと、蒸れによって肌とマウスパッド表面が張り付いてしまうため、長袖やアームカバーをを着用して使用することを強くお勧めします。
結論とターゲット
「HID-Labs GLASS PAD RINK」について詳しく見てきました。基本的にガラス製マウスパッドは手や手首の細かな動きまでマウス操作に反映させるクイックな操作感を特徴としていますが、やはり表面処理のザラつきの大小などが影響し、製品間での若干の操作感の違いが見られます。
同じガラス素材のマウスパッドと滑走速度を比較すると、「SkyPAD Glass 2.0」よりもやや速く「SkyPAD Glass 2.0 XL」よりもやや遅いといった具合で、微々たる差ではあるもののちょうど中間あたり。ガラス特有の擦れ感があり、ハードタイプとしては制御しやすい部類ですが、布製マウスパッドとは比にならないほどクイックで制御しづらいと感じる可能性が高いことには注意しましょう。
表面処理やエッジの加工は丁寧で、優れたビルドクオリティを誇ります。厚さは約5mmで最薄クラスではないものの、底面のすべり止めはオプションなので自由に選択できます。あらかじめ分厚いラバーが取り付けられている製品のように無駄に厚みが増すことはありません。
結論として、RINKは競合製品と比べて見劣りする点はこれといってなく、価格も比較的安価となっています。国内ブランドなので入手性が高く、特注によるサイズやカラー変更にも対応しているため、自分好みにカスタマイズしたガラス製マウスパッドを気軽に注文したい方の有力候補となるでしょう。
総合評価4.5 out of 5.0 stars
きめ細かく滑らかな滑走面
スムーズな滑り出し、速い滑走速度
どの方向に動かしても滑走速度と抵抗感が均一
面が取られたエッジ
現行マウスセンサーと相性が良い
耐摩耗性に優れる
手首や腕が擦れても痛まない
ソールによる操作感の変化は許容範囲
競合製品と比べて価格が安い
最薄クラスではない5mm厚
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クーポンコード:6QUZ74RS
※色は問わず、【400x300mm】サイズのみ対象。
以上、HID-Labsのマウスパッド「HID-Labs GLASS PAD RINK」のレビューでした。
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